17     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
遠山は何処の嶺々ぞ雪光り 神原操 雨月 200303
からまつの樹間の灯影雪降り来 江頭文子 雨月 200303
茅屋に薪積む雪の散らつきぬ 小澤克己 遠嶺 200303
濁世を清める雪や鐘の音 木根渕成子 遠嶺 200303
憧れを編み込む娘の手雪あかり 小林あかり 遠嶺 200303
町角のすずらん歯科や雪時雨 山下美絵子 遠嶺 200303
元気よく挨拶する子雪の径 山下美絵子 遠嶺 200303
深雪晴れ友とたづねし影絵館 山下美絵子 遠嶺 200303
子育てや小枝にずしり積る雪 白井墨絵 遠嶺 200303
学校の渡り廊下も雪白し 石井道則 築港 200303
白塗りの百葉箱も雪被る 石井道則 築港 200303
雪落ちし音音楽の授業中 石井道則 築港 200303
鈴振つて振つて天神深雪晴 飯田はるみ 築港 200303
トンネルを出れば山陰雪景色 安藤誠子 築港 200303
雪止んで雪の白夜となりし町 大塚宏子 築港 200303
すき間家具といふ家具や雪明り 井上信子 200303
雪かかる川のほとりの幼木に 井上信子 200303
ふる里の雪うは言に姉逝きぬ 相川幸代 百鳥 200303
熔岩原の世ならぬ冥さ雪降り来 村松快 円虹 200303
熔岩原の熔岩のケルンの雪を呼ぶ 村松快 円虹 200303
雪の降る六甲山の風かとも 本郷桂子 円虹 200303
お降りの雪積るなりおのが松 村越化石 200303
雪飛べる山河を己が山河とす 村越化石 200303
雪晴れて石鎚山(いしづち)燦と近づけり 麻生當子 200303
晴れながら地より雪舞ふ久女の忌 神蔵器 風土 200303
うしろ姿の宗祇の越ゆる雪の山 神蔵器 風土 200303
武者屯松よりの雪笑窪なす 小林輝子 風土 200303
踏み応へなかなか三ノ丸の雪 小林輝子 風土 200303
鷹仰ぐ己が影雪に小半刻 小林輝子 風土 200303
亀石と咫尺に雪の鶴の松 小林輝子 風土 200303
雪照りや二の足を踏む男坂 小林輝子 風土 200303
津軽郡雪野を舐る夜汽車の灯 小林輝子 風土 200303
旅枕夢寝に笹擦る雪のこゑ 小林輝子 風土 200303
雪晴れて雑木林に火のしづく 柴田久子 風土 200303
雪の日や人は遠くのこと思ふ 川井政子 風土 200303
雪道に雪が積つてゆきにけり 高橋将夫 200303
ちらつく雪の多羅葉に消えゆけり 石脇みはる 200303
雪の倉へ大きな箱を運びをり 谷口佳世子 200303
をりからの雪を紋とし鷹の羽 鷹羽狩行 200303
白鷹の雪に乗じて獲たるもの 鷹羽狩行 200303
雪しまき止まず越中一宮 春田淳子 雲の峰 200303
抽斗のごとき棚田や雪晴れて 伊藤とら 雲の峰 200303
雪載せて対向車来る州境 黒崎よし江 雲の峰 200303
山鳥のたつや三岳の雪叩き 大沢敦子 雲の峰 200303
雪積の庭に撒き足す米二合 望月友子 雲の峰 200303
雪遊び終へて教師の声優し 市原詔子 雲の峰 200303
山に来て肩の力を雪に抜け 丸山佳子 京鹿子 200303
雪の日は鬼籍の人の笑ひくる 豊田都峰 京鹿子 200303
山里の雪のあかりに誤字ひろふ 宇都宮滴水 京鹿子 200303

 母校和納小學校創立百三十周年記念授業を依頼さる

雪晴や校歌を唄ふ大き口

中原道夫 銀化 200303
浮かぶ瀬を雪の奪りあふことしたり 中原道夫 銀化 200303
落款は椿なりけり雪景色 利根川博 銀化 200303
雪あかり陶土を寝かしつけるまで 波多洋子 銀化 200303
頸ながき女や雪の降りやまず 波多洋子 銀化 200303
夜の雪ジョーカーはまだ手の内に 平野周子 銀化 200303
気を抜けといふも真顔に雪積る 石原歌織 銀化 200303
こんこんと雪こんこんと火の熾る にいざ蚯蚓 銀化 200303
たふとしや雪後無尽の杜雫 林翔 200303
近道は足跡のみち雪の径 林翔 200303
遊具みな雪に眠れる園の庭 小林もりゑ 200303
まつさらな雪踏む音も信濃かな 高橋あゆみ 200303
気管支カメラ終へて窓辺の雪を見る 田中章子 酸漿 200303
雪の朝酸素の泡の踊りをり 田中章子 酸漿 200303
うつすらと雪ある庭に淑気満つ 渋谷ひろ子 酸漿 200303
雪積る間もなく夜半の雨となる 小峯雅子 酸漿 200303
朝明や木にうつすらと昨夜の雪 小峯雅子 酸漿 200303
向ひより吹きつけ来る雪の道 小峯雅子 酸漿 200303
魔の光見せて凍雪其処此処に 篠崎荘市 酸漿 200303
雪の窓白シクラメンいよよ映ゆ 大内恵 酸漿 200303
唐突に雪はきらひと呟けり 山荘慶子 あを 200303
雪の上リフトの影が串刺しに 江倉京子 あを 200303
二月堂にて肩の雪はらひけり 吉田康子 青山椒 200303
因縁のラガー対決雪やまず 水原春郎 馬醉木 200303
懐旧に雪待つ烏城夕映ゆる 村上光子 馬醉木 200303
屋根の雪散らす停車や9番線 那須淳男 馬醉木 200303
加茂川の京をつらぬく雪景色 那須淳男 馬醉木 200303
教会のもつとも白き雪あかり 那須淳男 馬醉木 200303
寮生の故郷語れば雪となる 江頭信子 馬醉木 200303
母までは色白家系雪の国 武田正子 ぐろっけ 200303
雪におく一樹一樹の影あはし 太田昌子 馬醉木 200304
斧入れぬ森に雪飛ぶ禁猟区 安達実生子 馬醉木 200304
雪の乱巨杉伐り倒せし刹那 泉田秋硯 200304
三尺の雪漕ぎ来ての句会かな 浜田南風 200304
雪を来て雪へ帰りぬ郵便夫 吉田裕志 200304
黄昏て雪舞ひ初むるかにかく碑 金山藤之助 200304
函館の夜景を隠し雪風巻(しま)く 中山勢都子 200304
雪霏々と大いなる瀧隠しけり 小澤菜美 200304
雪明り消す闇深し峡の宿 高濱朋子 円虹 200304
朝々の雪新しき景色かな 橋本一水 円虹 200304
ほどほどの雪の嬉しき目覚かな 渡辺薫子 円虹 200304
篁のときをり雪を撥ねにけり 戸栗末廣 火星 200304
雪どさと落ちてロビーへツアー客 廣畑忠明 火星 200304
雪晴の格天井の白き象 大島翠木 200304
如意ヶ岳に雪つもりたり七味買ふ 谷村幸子 200304
天帝の音を立てずに雪降らす 庄中健吉 200304
雪に雪また雪雪雪に雪に雪 小澤克己 遠嶺 200304
雪積むやカウンセラーの革鞄 若生まりあ 遠嶺 200304
竹幹の雪しづらせて軋みけり 伊藤敬子 遠嶺 200304
雪晴や老いなど見せぬ裾さばき 鈴木輝子 遠嶺 200304
ボルシチを煮る青き火や雪の夜 岩崎真理子 遠嶺 200304
老杉のあはひに雪の伽藍かな 赤羽正行 遠嶺 200304
手さぐりで厠にかよふ雪の宿 竹内弘子 あを 200304
最上川雪に傾ぶく櫂の舟 関口ゆき あを 200304
雪降れり川はみるみる墨の色 森理和 あを 200304
雪の夜やシールの貼れる古箪笥 関本真一郎 帆船 200304
大江山連峰に雪紙を干す 浜明史 風土 200304
吹き晴れて雪煙たつ三笠山 渡辺政子 雲の峰 200304
雪に色つけてままごと始まりぬ 川瀬さとゑ 雲の峰 200304
日当りへ雪撒くことも日課かな 水上秀一 雲の峰 200304
落人の里の灯もるる雪月夜 木下玉葉子 酸漿 200304
通勤の通静かや今朝の雪 菊地英雄 酸漿 200304
杉丸太雪を冠れる峠口 東芳子 酸漿 200304
雪あかり地球自転の無音かな 波多洋子 銀化 200304
遠山に雪草色の外郎(ういろ)掌に 西村藻頭児 銀化 200304
古戦場東西もなく雪積んで 塩川雄三 築港 200304
屋根の雪どさつと落ちて山つくる 青木光子 築港 200304
ばりばりと凍雪踏んで登校児 青木光子 築港 200304
折返す足跡ポスト前の雪 小澤友江 築港 200304
積む雪が街に車を通さざる 柴田正子 築港 200304
言ひ訳はせず大雪に遅刻して 柴田正子 築港 200304
雪踏んで修行僧発つ禅の寺 高野荘司 築港 200304
みぞれ雪背広の集ふ喫煙所 物江昌子 六花 200304
旅にあるごとき目覚めや雪明り 和田敏子 雨月 200304
深雪晴鶲きて刻うごきだす 和田敏子 雨月 200304
飛騨の夜の起し太鼓に雪しまく 密門令子 雨月 200304
一族の滅びし海や雪霏々と 堀田清江 雨月 200304
大正の木造の駅雪霏々と 堀田清江 雨月 200304
接待の豆茶に粉雪舞ひにけり 金森幸子 雨月 200304
雪の夜のグリム童話の怖かりし 小山内巌 百鳥 200304
神々の在す杜へ雪降りしきる 大和あい子 百鳥 200304
雪来たる京漬物のしやりしやりと 大村孝 百鳥 200304
名を聞かぬはうがよろしと雪が消ゆ 丸山佳子 京鹿子 200304
露天湯の三人姉妹やささめ雪 川崎光一郎 京鹿子 200304
父母亡くて故郷すでに雪の町 平野静 京鹿子 200304
子等とゐて酔うて候年の雪 鈴木順子 京鹿子 200304
雪底に母なる水のぬくもりて 宮坂恒子 雪底 200304
点さねば隣家が遠し雪の村 宮坂恒子 雪底 200304
一燈に舞ひこむ雪の競ひあふ 根上節子 200304
雪の夜のひじき煮るほか何もせず 久保川正子 200304
窓に雪仕事のひまを白湯ふふみ 木内憲子 200304
雪纏ふ枝一本の勁さかな 平田はつみ 馬醉木 200305
雪しんしん黒川能の豆腐焼く 岸のふ 馬醉木 200305
雪舞ふや幾曲りして耶蘇の村 東尾G子 馬醉木 200305
北国は山また山の雪ねぶり 田中由喜子 馬醉木 200305
両の手の荷に雪さへも錘なす 泉由秋硯 200305
眼科出て片眼で愛でる雪の比良 島村絹美 200305
雪の日やどこにも行かず結跏趺坐 白髭美佐子 200305
善き事の一日思ふ窓の雪 砂川せい輝 遠嶺 200305
凛と立つ玻璃の一棟深雪晴 小山徳夫 遠嶺 200305
寒明を告げて続くや雪予報 宮本幸子 円虹 200305
暗き世も明るく見ゆる雪明り 孝子・フォン・ツェルセン 円虹 200305
しづり雪竹の緑のはね返り 孝子・フォン・ツェルセン 円虹 200305
Z飩の煮えし夕べや雪になる 海上俊臣 酸漿 200305
かたくりの芽の深々と雪の中 阿部文子 酸漿 200305
猪垣の内にも外にも雪がふる 三浦カヨ子 酸漿 200305
ペンギンの足頑丈に雪踏めり 足立陽子 200305
南極洋クルーズの日々雪しまく 足立陽子 200305
雪薄し句集抱へて人に逢ふ 田口俊子 200305
深雪晴美術館行バスを待つ 井手由紀江 築港 200305
子供らの雪あたたかく遊びをり 山遊亭金太郎 百鳥 200305
落人を祖とす墓山雪しまく 佐藤淑子 雨月 200305
越中の雪のこと言ふ薬売 下平しづ子 雨月 200305
分校の三人の子が雪を掻く 岡淑子 雨月 200305
雪積みて松の貫禄あらたまる 有吉桜雲 200305
廃船の雪をこぼして鴎発つ 加美明美 200305
会へばすぐ雪の深さを訊かれけり 安原葉 ホトトギス 200305
雪を分けつぎのまたぎの小屋めざす 宮中千秋 ホトトギス 200305
竹割つたやうな雪晴なりし空 古賀伸治 ホトトギス 200305
雪晴の梢ちりちり焦げる音 古賀伸治 ホトトギス 200305
雪晴の仔細さらせる梢かな 古賀伸治 ホトトギス 200305
雪晴の丘父遠し母とほし 小松里草 ホトトギス 200305
雪晴の青空に手を触れてみる 小松里草 ホトトギス 200305
雪晴の雪もて拭きし空真青 小松里草 ホトトギス 200305
雪晴の景の全ては曲線に 涌羅由美 ホトトギス 200305
雪晴に描くシュプールなめらかに 涌羅由美 ホトトギス 200305
雪晴にリフト待つ列伸びにけり 涌羅由美 ホトトギス 200305
雪晴の風磯の香と合ふ神戸 本郷桂子 ホトトギス 200305
窓といふ窓の膨らむ深雪晴 佐藤恭子 ホトトギス 200305
深雪晴犬はまつすぐ走れない 佐藤恭子 ホトトギス 200305
置いてゆく仮想現実深雪晴 佐藤恭子 ホトトギス 200305
雪晴やアルプスめきし桜島 青野迦葉 ホトトギス 200305
雪晴やロケット基地にある未来 青野迦葉 ホトトギス 200305
雪晴に甘さ加へて乾きゆく 桧高孝子 ホトトギス 200305
日の砕け風の砕けて雪晴るる 桧高孝子 ホトトギス 200305
雪晴やまばゆきまでの過去未来 吉田小幸 ホトトギス 200305
雪晴や虚子の句碑より見る浅間 大久保白村 ホトトギス 200305
雪晴や小諸の虚子の散歩道 大久保白村 ホトトギス 200305
雪晴の叡山呼吸はじめけり 丹後浪月 ホトトギス 200305
雪晴の空より現るる竹生島 丹後浪月 ホトトギス 200305
雪晴と云ふ一枚の大玻璃戸 丹後浪月 ホトトギス 200305
雪晴の踏みしだかれし獣道 千原叡子 ホトトギス 200305
雪晴の玩具のやうな一両車 千原叡子 ホトトギス 200305
雪晴や発つ気配なき異国船 四宮博 ホトトギス 200305
雪晴や一村音を忘れたる 四宮博 ホトトギス 200305
雪晴や点となりゆく鳥の名は 古源和子 ホトトギス 200305
馬頭観音いちめんの雪の原 雨村敏子 200305
夕暮の口中赫し雪燦燦 雨村敏子 200305
どちらまでちよつとそこまで深雪晴 長谷川春 200305
意志といふもの美しや霏々と雪 長谷川春 200305
雪の車窓一会の席に鼻美人 禰寝瓶史 京鹿子 200305
雪 →18      

 

2021年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。