16     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪に発ち小雨に迎へられし人 稲畑廣太郎 ホトトギス 200212
北国の雪の便りも持ちくれし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200212
心病む日々の暗黒深雪晴 大野雑草子 円虹 200212
眉あげて僧並び行く雪の朝 佐藤瑛 帆船 200212
雲を脱ぐ初冠雪の芙蓉峰 武藤嘉子 200212
大雪に惑ふ磐梯靴締める 斉藤静枝 あを 200212
雪こんこん年子三人鼻垂らし 谷渡末枝 万象 200212
雪来るか峰峰は雲払ひたる 及川茂登子 対岸 200212
すぐ止んで雪降りしとも降らぬとも 稲畑汀子 ホトトギス 200301
雪積ること考へず止んでをり 稲畑汀子 ホトトギス 200301
雪となりさうな気配の朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 200301
雪降つてしまへばゆるむ大気かな 稲畑汀子 ホトトギス 200301
雪深き地の消息も届かずに 稲畑汀子 ホトトギス 200301
人形に目鼻を入るる雪の暮 瀬戸悠 風土 200301
なりはひの音の掻き消え雪の村 小林呼溪 200301
出奔を妨げし峰深雪晴 小林呼溪 200301
人間の虚につきあへば雪となる 中原道夫 銀化 200301
内乱の本国雪の大使館 山口和生 帆船 200301
ラグビーの土壇場に雪しまきけり 梅村達子 帆船 200301
粉雪の性懲りもなく降りしきる 梅村達子 帆船 200301
白樺の修羅折れ一樹雪を呼ぶ 能村研三 200301
山霊を鎮めるための雪降らす 能村研三 200301
しんしんと雪みどり子に喃語生る 荒井千佐代 200301
明るしと思ひて出でし夜半の雪 阿部ひろし 酸漿 200301
アラームは鼻から牛乳雪の朝 出口誠 六花 200301
雪積むと仏壇へものいうてをり 加古みちよ 冬菜畑 200301
雪の降る夜の食べること眠ること 加古みちよ 冬菜畑 200301
粉雪や飛騨は紅緒の下駄を売る 田中藤穂 あを 200301
月桂樹かろがろと雪被りをり 早崎泰江 あを 200301
長靴に欝とじこめて雪の中 早崎泰江 あを 200301
雪の朝ごみ捨て場まで靴の跡 早崎泰江 あを 200301
旅装脱ぐかすかに雪のにほひかも 西村博子 馬醉木 200302
診察室見なれし山の今朝は雪 川崎俊子 馬醉木 200302
四阿に確かめてゐる雪の嵩 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
遠山に一枚となる雪と雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
ぬかるんで来しは越後の雪濁 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
山は雪かも知れぬとや町の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200302
大雪の空がこのまま抜けるかと 西村咲子 六花句集 200302
みちのくの晴れを見にゆく雪迎 神蔵器 風土 200302
声出せば谺となりぬ雪の嶺 堀米洋江 風土 200302
雪晴れの八幡宮に高箒 平田紀美子 風土 200302
膝に折る利尻昆布や雪らしき 浜口高子 火星 200302
おふくろや雪の花咲く山の木々 高橋将夫 200302
佛飯めき残るさきおととひの雪 伊藤白潮 200302
はらからと疎遠ふるさと雪降りしか 岡正実 200302

 句碑建立予定地高久を訪ふ

那須五岳一斉に雪輝かす

林翔 200302
寝とも高野詣の雪中行 渕上千津 200302
島人に銀扇の舞ひ海より雪 青木直子 200302
起きぬけの雪にふるさと甦る 宮内とし子 200302
雪を掻くわれを励ますわれとゐて 佐藤みほ 200302
雪来るや一語一語を置くやうに 高橋あゆみ 200302
近松忌舞台四角の雪が降る 須佐薫子 帆船 200302
雪霏霏と眼球模型発光す 須佐薫子 帆船 200302
トンネルの県境を出るや雪 玄内栄 帆船 200302
湯畑の湯気の紛るる夜の雪 加藤暢一 200302
降格の無人駅舎に雪が降る 長谷川きくの 築港 200302
雪薄し単線軌条枕木に 長谷川きくの 築港 200302
紫香樂の鋳造遺跡薄ら雪 河井史 築港 200302
大雪の雨静かなる京の街 青垣和子 雨月 200302
山神へ風逆巻きて雪しまく 谷榮子 雨月 200302
大玻璃に比良の雪光見て午餐 熊岡俊子 雨月 200302
生類憐みの雪降り積るべし 中原道夫 銀化 200302
喪服着せあふ雪になるからねけふは 中原道夫 銀化 200302
執するを鬼と呼びたる雪こんこ 中原道夫 銀化 200302
雪片の良く着く言葉尻なりし 中原道夫 銀化 200302
湧水は雪まどあけて滾と鳴る 中原道夫 銀化 200302
端正な数式雪がふつてゐる 波多洋子 銀化 200302
雪で手を洗ふ非望は拭はれず 橋本喜夫 銀化 200302
一燈は豆腐屋の灯よ雪の山 皆川盤水 雲の峰 200302
鉄橋を過ぎまた雪の野となれり 朝妻力 雲の峰 200302
降りこめて濁世浄める雪の嵩 森脇恵香 雲の峰 200302
小米雪舞ひてじわりと里心 岩崎皓子 雲の峰 200302
雪遊び無邪気なふりのまま過ごす 川瀬さとゑ 雲の峰 200302
鳥ごゑのほか聞こえざる雪の朝 於久昭臣 雲の峰 200302
足跡を見せ積もりゐる朝の雪 於久昭臣 雲の峰 200302
湧き水の口に甘しや雪の寺 佐藤章恵 雲の峰 200302
朝粥の口にとろとろ雪の宿 長坂ヤス子 酸漿 200302
父の忌の雪の浄土となりにけり 八木岡博江 酸漿 200302
目交を鴉飛び立つ雪の庭 宇津木友和 酸漿 200302
いつせいに寡黙となりし雪の朝 江本路代 酸漿 200302
仰向けば涙あふれむ雪燦燦 江本路代 酸漿 200302
大靴の雪の溶けたるジャズ喫茶 久保田哲子 百鳥 200302
指痛むこの雨雪にならむかと 岡田和子 馬醉木 200303
雪林のはるかはるかに猟銃音 羽田岳水 馬醉木 200303
雪道は師の句碑までにありにけり 三宅句生 馬醉木 200303
東京へ子を送りまた雪下ろす 三宅句生 馬醉木 200303
天に雪地に雪いのち愛しめり ほんだゆき 馬醉木 200303
雪に乾す会津木綿は母の色 鈴木まゆ 馬醉木 200303
一日雪むかしを仕舞ふ桐箪笥 鈴木まゆ 馬醉木 200303
雪舞ふや恋の采女のみそぎ川 長沼冨久子 馬醉木 200303
墨を選る時雨いつしか雪となり 長沼冨久子 馬醉木 200303
何時の間の雪や蒲団が干してある 泉田泉一 200303
雪運ぶ山風ならむ黙し聴く 泉田泉一 200303
一つ星輝く朝の雪景色 瀬尾幸代 200303
冠雪やこれより雪の伊吹山 大堀鶴侶 雨月 200303
石塔の五層の反りに雪積る 金森教子 雨月 200303
菅沼の五六戸雪に人気絶つ 池田草曷 雨月 200303
朱蝋燭捧ぐる雪の御正忌に 池田草曷 雨月 200303
湯葉汲むは心汲むに似雪静か 尾崎恭子 雨月 200303
雪が消すフェニキア文字の峠の碑 中野たけみ 雨月 200303
雪 →17      

 

2021年1月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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