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作品
作者
掲載誌
掲載年月
音のなき雪の世界の怖しき 長谷川登美 ぐろっけ 200105
雪降りて都会育ちの救急車 長谷川登美 ぐろっけ 200105
雪しきり見慣れぬ街となりゆけり 市橋章子 ぐろっけ 200105
雪霏々と見送る枢車見えずなる 大森ムツ子 ぐろっけ 200105
四方開く鐘楼雪の通り抜け 大森ムツ子 ぐろっけ 200105
それぞれに羅漢の憂ひ雪帽子 三枝邦光 ぐろっけ 200105
堅雪の狐月夜となりにけり 及川澄 馬酔木 200106
ためらひもなく千仭の谷へ雪 小林たけし 200106
降り積る三月の雪奥高野 小林たけし 200106
雪明り殺生関白自刃の間 小林たけし 200106
捨車転落車雪つゞく 山中楠雄 ホトトギス 200106
三泊が四泊となる深雪宿 山中楠雄 ホトトギス 200106
また一台深雪の車掘り出して 山中楠雄 ホトトギス 200106
雪吹き込む節穴一つ見逃さず 竹田恵二 百鳥 200106
花はこれから雪の黒姫山(くろひめ)ほんのり藍 金子兜太 海程 200106
雪だろうか祖母だろうか優しき音 小池弘子 海程 200106
籠もり居の匙色の雪と言霊と 小池弘子 海程 200106
パラフィン紙ほどのへだたり雪明り 田中亜美 海程 200106
雪十日人の苛立ち憎に似る 福原實 海程 200106
反転をせねば雪野に戻れない 神野祥子 海程 200106
外灯をつなぐ外灯雪降る夜 日吉わたる 船団 200106
ほとけみち雪踏むひたに雪ふみて 岡本眸 200106
古町やまぶたの上の雪明り 岡本眸 200106
降る雪が風を形にして見せる 永野秀峰 ぐろっけ 200106
大都市の雪も同じよ羽根の如 長谷川登美 ぐろっけ 200106
束の間の雪に北国なつかしむ 長谷川登美 ぐろっけ 200106
都市の雪一羽の雀軒下に 長谷川登美 ぐろっけ 200106
どか雪の飛騨人歪んでしまいけり 麻生圭佑子 海程 200107
雪明り新居予定地まだ更地 稲畑廣太郎 ホトトギス 200107
雪壁に枯木影みな立ち上がり 村松紅花 ホトトギス 200107
太陽が童話のやうで雪の村 村松紅花 ホトトギス 200107
体力に限界ありて雪止みぬ 寺田良治 船団 200107
みどり児の爪は花びら深雪晴 三神あすか 船団 200107
恋人はあの世のかをり雪しんしん 稲見光 船団 200107
雪しまく文楽人形素足なる 篠田純子 あを 200107
帰宅する息子に穏やかな今日の雪 恩塚典子 ぐろっけ 200107
雪の中もりあをがへる泡育つ 神蔵器 風土 200108
鋤鍬のはらから睦ぶ雪夜にて 能村登四郎 200108
鍬研いで忘れしころの雪降らす 能村登四郎 200108
ひとりでに扉があき雪の街に出る 能村登四郎 200108
あそび田は遊べるままに雪敷けり 能村登四郎 200108
伊吹嶺の荒襞雪に構へをり 能村登四郎 200108
雪中の死を夢にみていさぎよし 能村登四郎 200108
遠くより見る雪の日のあそびかな 能村登四郎 200108
深く入り浅く抜けたる雪轍 能村登四郎 200108
禿で余生で少しの雪をたのしめり 山口伸 海程 200108
雪に棲み雪の百態知り尽くす 秋山深雪 船団 200108
街頭の雪にけむれる占い師 秋山深雪 船団 200108
送葬のドラの音雪をかがやかす 秋山深雪 船団 200108
足跡がアートを描く雪の朝 川副民子 船団 200108
雪積もりスローテンポな街模様 川副民子 船団 200108
弔砲か否祝砲か雪ずるよ 桐木榮子 船団 200108
雪の降る柩の窓をまたのぞく 佐々木峻 船団 200108
雪載せて貨車が陽気にビルをゆく 柴田いさを 船団 200108
雪山へまたぎ島田という男 東莎逍 船団 200108
生きるとは顎をひくこと雪の午後 坪内稔典 船団 200108
筒井筒雪の別れを如何にせむ 加藤晴子 ホトトギス 200109
折鶴の口開けて受く雪の粒 伊藤翠 船団 200109
めくるめくテレビのアニメ雪ごもり 伊藤鯰子 ぐろっけ 200109
大琵琶の模糊とし雪の別れかな 桑田青虎 ホトトギス 200110
雪の家和紙たたむよう眠りつく 一ノ瀬タカ子 海程 200110
末広亭の立看板に雪じゃれて 柳浩子 船団 200110
ふり返りふり返り歩く雪の道 岩田ひろあき 船団 200110
雪道の流線形の土踏まず 藏前幸子 船団 200110
雪の間に見ゆる真土ぞ匂はしき 能村登四郎 羽化 200110
雪後の誰も触れたき樫の幹 能村登四郎 羽化 200110
句碑除幕半ばや降りし二月雪 能村登四郎 羽化 200110
雪の富貴寺石階のぼる力かな 能村登四郎 羽化 200110
旅疲れ殊に深雪の疲れかな 能村登四郎 羽化 200110
雪五尺世界遺産の村訪へば 塩路隆子 200112
継ぐ子なき合掌建の雪傷み 塩路隆子 200112
雪しづる骨酒大杯呑み干せば 塩路隆子 200112
西塔の相輪ことに深雪晴 安養寺美人 200112
起点より終点雪の奥羽線 佐々木踏青子 200112
深雪晴心の襞を伸ばしけり 佐々木踏青子 200112
いよいよと朝の挨拶雪きたる 佐々木踏青子 200112
けもの道かくも明るく雪来るか 大島康弘 銀化 200112
留年とは退学のこと雪降り来 田中武彦 六花 200112
雪濡れの廊下始業のベルが鳴る 田中武彦 六花 200112
寅次郎めくや雪駄の土用干し 中山杲 船団 200112
中仙道紺屋の背戸も雪明り 品川鈴子 ぐろっけ 200112
雪の窓イプセン掛けしこの椅子に 依田明倫 ホトトギス 200201
明日は雪覚悟の旅でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200201
日帰りの旅に予報の雪と聞く 稲畑汀子 ホトトギス 200201
この辺に降れば嬉しと雪のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200201
雲切れて雪の大地や着陸す 稲畑汀子 ホトトギス 200201
降下して雪の大地の展け来し 稲畑汀子 ホトトギス 200201
旅仕事雪の消息問ひ乍ら 稲畑汀子 ホトトギス 200201
雪の齟齬なき地と思ひゐるうちは 稲畑汀子 ホトトギス 200201
山は雪なるべし爪木崎は雨 稲畑汀子 ホトトギス 200201
雪のこと聞きつゝ雨の夜なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200201
降る雪や火の粉のやうな経写す 塩貝朱千 京鹿子 200201
雪の夜の村繭ごもる快楽かな 荒川美邦 京鹿子 200201
恋渇く予兆は徐々にささめ雪 田渕昌子 京鹿子 200201
銀の雪早う降り来よ雪曇 林翔 200201
到着地の積雪伝へ離陸せり 能村研三 200201
白鳥守雪くるを待つ長眉毛 渡辺昭 200201
粉雪の端より加賀に入りにけり 坂本俊子 200201
冠雪不二忽と又あり高速路 山岸治子 馬醉木 200201
きつかけは一枝や谿の雪しづり 平子公一 馬醉木 200201
太梁におよぶ湯あかり雪明り 平子公一 馬醉木 200201
雪 →13      

 

2021年1月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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