11     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
晩學に恃めぬと知る雪あかり 中原道夫 銀化 200104
雪暮れや胃の腋に落ちて點る酒 中原道夫 銀化 200104
雪形の爺の加齢の定かなり 中原道夫 銀化 200104
雪来ると枢を落とす音にかな 梅田津 銀化 200104
人違ひしてより雪の降り出しぬ 梅田津 銀化 200104
雪ですと障子に声をかけにけり 梅田津 銀化 200104
浮寝なる雪に沈まぬやうにかな 梅田津 銀化 200104
酔ひ方と日暮の雪の積もり方 梅田津 銀化 200104
カルタ切る雪は止まぬと思ひつつ 梅田津 銀化 200104
夜の雪の湯気を豊かにゆまるなり 梅田津 銀化 200104
雪止まぬ電話に父が出てゐたり 梅田津 銀化 200104
べーコンを軽く焦がして朝の雪 梅田津 銀化 200104
ひともとの雪の椹の峠かな 梅田津 銀化 200104
夕映のことさら畦の雪の上に 梅田津 銀化 200104
雪林にひとつ点れば暮れにけり 梅田津 銀化 200104
この路地のこどものゐない雪の景 梅田津 銀化 200104
ココアの夜屋根から雪の落ちにけり 梅田津 銀化 200104
あたたかく雪詠はれてゐて愛し 東麗子 銀化 200104
雪への旅思ひ立つより飢に似て 岡本眸 200104
成人の日や常磐木に雪の照 高橋愛子 200104
地震あとガラス破片と雪きらめく 品川鈴子 船出 200104
雪の関越えて帝国ホテルの宴 品川鈴子 船出 200104
ささやかな喜び満てり街の雪 長谷川登美 ぐろっけ 200104
雪の街小雀一羽軒下に 長谷川登美 ぐろっけ 200104
たまさかの大雪怪我人運び行く 長谷川登美 ぐろっけ 200104
雪世界我のみ黒きアノラック 長谷川登美 ぐろっけ 200104
陣太鼓鳴るやも知れぬ雪の夜 荒木治代 ぐろっけ 200104
風狂や有馬飛雪にさらされむ 品川鈴子 ぐろっけ 200104
雪尖るレイテに果てし兵の墓 品川鈴子 ぐろっけ 200104
馬柵に雪貼りつくここが岬の果 岡田貞峰 馬醉木 200105
雄阿寒の雪に月かげ結晶す 岡田貞峰 馬醉木 200105
雪合戦校舎裏まで攻め込まれ 渡邉英子 馬醉木 200105
鍋蓋のふつふつ雪のつのりけり 江頭信子 馬醉木 200105
人と馬一棟に寝て雪しづか 栗山よし子 馬醉木 200105
廃屋とみし窓灯る雪の路地 和田和子 馬醉木 200105
後戻りして切手買ふ深雪晴 梅沢春子 200105
凍雪に置く鉄塊として鎖 官沢房良 200105
外灯下わが影へ降る雪の影 官沢房良 200105
雪しまく墓三十基家十戸 官沢房良 200105
雪壁に拳の凹み通学路 官沢房良 200105
果なしと思ひし雪も別れなる 浅利恵子 円虹 200105
祖谷谿の奈落へ雪の修羅落し 小西石蕗 円虹 200105
雪道となりし靴音変りけり 南みと 円虹 200105
小鼓てふ地酒に酔ふも雪の宿 西井雅子 円虹 200105
深雪晴千六本の音弾み 伊藤愛子 200105
蒼天の老幹つたふ雪しづく 藤井みち子 200105
文机に両肘つけば雪降り来 平田安生 風土 200105
雪裡川昼を真鴨の留守居役 松崎鉄之介 200105
ラツコの貝採りに海まで雪踏めり 松崎鉄之介 200105
雪のチセ島梟の彫物売る 松崎鉄之介 200105
鱈干女四・五人帰る雪の暮 松崎鉄之介 200105
只管に積る気の雪縦に降る 菅沼義忠 200105
いくたびも雪に転んで五合庵 菅沼義忠 200105
漕ぐ雪の道身の巾に乙子庵 菅沼義忠 200105
しづり雪のひびきに震ふ即身仏 菅沼義忠 200105
即身仏こうべを垂れて雪明り 菅沼義忠 200105
雪煙の中に虹立つ浅間山 北原東洋男 200105
地の光を天へ返せり深雪晴 北原東洋男 200105
荒行堂したたかに雪残りをり 牧悦子 200105
東京大学出はたして雪に転びけり 利根川妙子 200105
漂ひつ流れつ乱舞雪舞台 松村富子 200105
吠ゆる涛閉ざして能登の雪ぶすま 高橋道子 200105
憎しみは持たぬと決めて雪を踏む 伊藤稔代 200105
宍道湖の落暉に染まる雪地蔵 永井一枝 200105
突立てて積雪測る鯨尺 島村耕作 200105
余呉駅へ雪の轍のただ一つ 藤木雅章 200105
雪の夜の喝釆もなき影絵劇 藤木雅章 200105
狐らに威がある雪の日暮かな 岡井省二 200105
雪降って酒の楽市たちました 笠学 船団 200105
太陽の塔の背中に薄き雪 笠学 船団 200105
水割りや今ごろ眼鏡橋に雪 谷さやン 船団 200105
シャッポー着て四国のじいに雪来ると 秋山深雪 船団 200105
新世紀お大師雪の降りしてふ 浅海好美 船団 200105
雪熄みし梢の余白星座生る 木船史舟 200105
天来の影こぼれ来る雪月夜 山陰石楠 200105
橋よりの全幅の景比良暮雪 松村富子 200105
毛氈の緋にぬくもりて雪の茶屋 鳴海清美 遊び蔓 200105
雪来るか鉄扉の結露地に滲み 岡本眸 200105
雪懺悔して真新な湯に浸かる 小澤克己 遠嶺 200105
嶺谺して雪晴の空緊まる 小澤克己 遠嶺 200105
雪ならば雪を楽しむ宴かな 小澤克己 遠嶺 200105
深雪晴れ生きるもの皆きらめきて 花島陽子 遠嶺 200105
父よりの薄き書簡や雪の花 祐森弥香 遠嶺 200105
雪が降る押し絵羽子板の紫 金子皆子 海程 200105
アネモネの花茎長し大雪警報 金子皆子 海程 200105
雪のなか雉子鳩膨らんでいて消えて 金子皆子 海程 200105
白鷺三羽雪なり雪頻り 金子皆子 海程 200105
雪しずり暫くつづく涙目に 金子皆子 海程 200105
雪しずり水色の空に鳥の音 金子皆子 海程 200105
雪あかり短篇集のやう臥せぬ 田中亜美 海程 200105
果つるとき鳥の輪郭雪しまき 田中亜美 海程 200105
ひかがみは雪の声帯かも知れぬ 田中亜美 海程 200105
むささびの跳んだる雪を被りけり 内山芳子 雨月 200105
天狼の瞬きしげし雪のあと 和田敏子 雨月 200105
飛雪していろ失へる余呉の湖 今井妙子 雨月 200105
雪の竹撓へる先に朱唇仏 今井妙子 雨月 200105
水際に比良の暮雪を見て佇てり 今井妙子 雨月 200105
雪蓑といふ身に添はぬ固きもの 城布沙女 雨月 200105
あの雪の夜に出したる文らしく 田口傅右ヱ門 銀化 200105
さざれゆく雪に齢のありぬべし 村上瑪論 銀化 200105
雪 →12      

 

2021年1月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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