浴 衣 5       91句

性格が紺の浴衣に収まらぬ   櫂未知子   貴族

作品
作者
掲載誌
掲載年月
浴衣着て父母なき家郷闇深し 安立公彦 春燈 201508
海老蔵の睨みと鳴海浴衣かな 中島陽華 201508
東京湾納涼船浴衣ダンサーズの腰つき 篠田純子 あを 201508
山昏れて夕風に着る藍浴衣 久保東海司 201509
浴衣よう似合うて古嵐ともちがふ 辻美奈子 201509
染め上げの浴衣地干せり青葉風 棚橋朗 201509
浴衣着の友の撫で肩藍にほふ 黒滝志麻子 末黒野 201509
帯高く駒下駄履いて浴衣の子 板谷俊武 末黒野 201509
おばけ屋敷帯の緩みし浴衣かな 江見巌 六花 201509
藍浴衣解いて帽子とワンピース 須賀敏子 あを 201509
母縫ひし浴衣を孫にお薬師さん 森理和 あを 201509
着て帰る母の好みし浴衣かな 松本美簾 馬醉木 201510
初浴衣笑ひ転げるジャワ娘 卯辰美苗 万象 201510
菊五郎格子の浴衣男ぶり 岩下芳子 201510
陳列の変はるや浴衣藍がよし 塩川君子 末黒野 201510
踝のカクカク動く浴衣の娘 きくちえみこ 港の鴉 201510
行きずりのシャボンの香り藍浴衣 東小薗美千代 末黒野 201511
浴衣掛けさえぬをとこの我流かな 石田きよし 201511
藍浴衣死装束となるもよく 服部早苗 201511
妖怪のはなしが好きな浴衣の子 柴田志津子 201511
浴衣着て大人の姿孫娘 神田惣介 京鹿子 201512
毘沙門天浴衣の異人はしやぎたる 名和政代 万象 201512
恥ぢらひを少し覚えて浴衣の子 押田裕見子 201512
帯高く締めて十八浴衣かな 大日向幸江 あを 201511
うなじ濡れ浴衣の乱れ盆踊 谷口一献 六花 201512
二曲目へ踊浴衣をととのへて 住田千代子 六花 201512
宿浴衣木国の句碑囲みけり 宮原悦子 雨月 201512
浴衣着て湖畔の句碑に佇める 宮原悦子 雨月 201512
浴衣の衿ぬけば疎遠のはらからや 津波古江津 船団 201602
和楽器のユニット浴衣の粋な人 都築繁子 201602
人波を縫ふや祭の浴衣着て 中野さき江 春燈 201608
炭坑節つんつるてんの浴衣着て 久留島規子 万象 201608
浴衣の男降ろし両国駅閑か 高木嘉久 201608
ノクターン聴く席の鼾や宿浴衣 長谷川歌子 春燈 201609
宿浴衣身丈まちまち同窓会 海村礼子 春燈 201609
浴衣縫ふ母の指先見つめをり 佐藤まさ子 春燈 201609
初浴衣机に正座してみたり 野沢しの武 風土 201609
明日の予定組みて一人の宿浴衣 鈴木石花 風土 201609
漫ろ雨浴衣はしょりの銀座裏 七郎衛門吉保 あを 201609
連中は浴衣姿で出番待ち 丑久保勲 やぶれ傘 201609
フリル付け最新浴衣集ひ来る 加藤タミ 末黒野 201610
波頭の語りくるもの初浴衣 柴田靖子 201610
漆黒の肌に着こなす紅浴衣 石田きよし 201611
藍浴衣永ちやん語る江戸文化 藤代康明 201612
お下りの浴衣を着たる反抗期 金子正道 京鹿子 201612
糊利きし浴衣四角く歩きをり 今井千鶴子 ホトトギス 201612
糊抜けし踊り浴衣となりにけり 中田みなみ 桜鯛 201701
藍浴衣着て襟足といふところ 中川句寿夫 ここのもん 201705
女子寮生大広間にて浴衣裁つ 篠田純子 あを 201708
原宿や浴衣に似合ふ野球帽 石田きよし 201710
腰揚をおろす浴衣の少女めき 堤京子 馬醉木 201710
浴衣の裾端折る若衆の豆絞り 佐俣まさを 春燈 201710
浴衣の娘中国訛り気にならず 谷口一献 六花 201710
深川の旦那の粋や藍浴衣 橋本くに彦 ホトトギス 201711
恋文の浴衣の袖をこぼれけり 橋本くに彦 ホトトギス 201711
幾何学は不得意ながら浴衣柄 丸井巴水 京鹿子 201711
浴衣着て音頭に少し遅れたる 中原敏雄 雨月 201711
浴衣着てなかなかはけぬ緒のきつさ 稲田延子 やぶれ傘 201710
衿つめて着付け一人の藍浴衣 中谷三千子 船団 201805
元禄袖の丸み愛らし浴衣かな 辻響子 201809
橋渡る舞妓は浴衣デパートヘ 神田惣介 京鹿子 201810
浴衣帯値をきけば良く締まりさう 升田ヤス子 六花 201810
地下街の浴衣の帯の緑色 出口誠 六花 201810
小流れに浮かす笹舟藍浴衣 佐俣まさを 春燈 201810
藍浴衣ピン一本で髪を結ひ 田代貞香 201812
文学館ズック浴衣の二人連れ 仁上博恵 201902
パリパリと糊を剥がして藍浴衣 三羽永泊 201902
暮れなずむ五十路まぶしき浴衣かな 治部少輔 201904
夜の橋を吹かれて渡る浴衣かな 岩永はるみ 春燈 201908
鎖場に浴衣の役行者かな 柳川晋 201908
夜の橋を吹かれて渡る浴衣かな 岩永はるみ 春燈 201908
小学校の女先生浴衣かな 佐藤喜孝 あを 201909
浴衣の子ビニ傘さして行く出店 森なほ子 あを 201909
十指もて足し算引き算紺浴衣 北川孝子 京鹿子 201909
浴衣着るむかしの彼に逢ひたかり 北川孝子 京鹿子 201909
頬杖は詩を待つかたちあゐ浴衣 北川孝子 京鹿子 201909
初浴衣顔いつぱいに笑ひをり 久保夢女 201909
残り香の風はなないろ浴衣の子 鈴鹿呂仁 京鹿子 201909
大津絵の鬼に誘はるあい浴衣 北川孝子 京鹿子 201909
藍浴衣うしろ姿の翳を追ふ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201909
ビニ傘の相合傘の浴衣の娘 森なほ子 あを 201909
金髪の後毛はゆし藍浴衣 篠田純子 あを 201910
笹を手にズックの園児浴衣がけ 森清堯 末黒野 201910
裏木戸に風のあつまる藍浴衣 斉藤玲予 馬醉木 201910
藍浴衣闇に納まる遠き富士 伊藤よし江 201910
浴衣婦人の絵に夕暮れの押し迫る 伊藤希眸 京鹿子 201910
初浴衣子のぎこちなき裾さばき 鍋島武彦 末黒野 201911
縁日や母子揃ひの浴衣着て 鍋島武彦 末黒野 201911
おくれ毛の揺れゐるバスの藍浴衣 吉田幸恵 やぶれ傘 201912
何となくおしやれをしたく藍浴衣 笹倉潤 ホトトギス 201912
浴衣着て手足思はず助き出す 和田華凛 ホトトギス 201912
駄菓子屋の中に入り行く浴衣の子 本田武 やぶれ傘 201912
見ぬふりをしつつよくみて藍浴衣 近藤牧男 春燈 202008
出してみる踊浴衣と踊下駄 稲畑汀子 ホトトギス 202008
校名を図案化したる藍浴衣 高野昌代 202009
追想のなかの娘の初浴衣 はしもと風里 202009
初浴衣首を伸ばして出て行けり 中田みなみ 202010
浴衣着て静かすぎたる京の町 高木晶子 京鹿子 202011
踝の白き男の浴衣かな 小原紀子 末黒野 202011
縁に出て風と遊ぶや藍浴衣 中川のぼる 202011
古浴衣縫ひ目に残る母の日々 福森順子 京鹿子 202101
孫娘の小さき浴衣やたたう紙 農野憲一郎 春燈 202108
うす紅にペディキュア跳ねず初浴衣 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
二の腕の白きを零し藍浴衣 梅津まり子 末黒野 202108
スクーター浴衣のひとがひらひらと 秋川泉 あを 202109
整理券持つて浴衣の着付待つ 伊藤薫 やぶれ傘 202110
金魚絵の帯泳ぐやう藍浴衣 平松うさぎ 202110
丈足らぬ程に育ちぬ浴衣の子 関妙子 202110
吾を宿す母の浴衣の写真かな 三村純也 ホトトギス 202110
藍浴衣ゆく大川の舟着場 飯田節 202110
形見ともなりたる踊浴衣かな 三村純也 ホトトギス 202112
着くづして肌になじみし浴衣かな あさなが捷 202112
踝のきりつと締まる藍浴衣 押田裕見子 202112
浴衣着てゆつくり歩く女学生 江口恵子 やぶれ傘 202112
宿ゆかた緑に染めて外湯かな 渡辺やや 風土 202208
乗船口浴衣の一団喧し 篠田純子 あを 202209
浴衣には硫黄のかをり小湧園 坂本和穂 やぶれ傘 202210
初浴衣腰上げをとき髪を結ひ 佐藤勝代 末黒野 202210
川風やそぞろ歩きの藍浴衣 針谷忠郎 202210
笛腰に浴衣の男さつさうと 森清堯 末黒野 202211
市長さん祭り浴衣の似合ひけり 横井遥 202211
桐下駄の鼻緒ゆるめて初浴衣 村上禎女 京鹿子 202301
浴衣→ 1

 

2023年8月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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