浴 衣 1     100句

浴衣着て竹屋に竹の青さ見ゆ    飯田龍太

作品
作者
掲載誌
掲載年月
暮るるまで浴衣の袖を持て余す 山田弘子 春節 199503
席入の祭浴衣も京なれや 山田弘子 春節 199503
ひそと見に来てゐし踊浴衣かな 稲畑汀子 ホトトギス 199808
星明かり浴びすつきりと藍浴衣 小澤克己 遠嶺 199808
浴衣の娘掉尾の琴を掻き鳴らす 丸山海道 京鹿子 199808
藍浴衣着て連れ立てば古都暮色 小澤克己 遠嶺 199810
諷詠の詩を浴衣に収めたり 小澤克己 遠嶺 199810
踊好き踊浴衣も棺に入れ 長浜好子 円虹 199810
ピアスして浴衣似合ふ娘にさんにん 秋山深雪 船団 199902
仕事着と兼用われの白浴衣 鷹羽狩行 199908
旅衣踊浴衣と入れ替ふる 稲畑汀子 ホトトギス 199908
夜鷹啼きこはばり強き宿浴衣 鎌田亮 199908
初浴衣風に染まりてをりにけり 関口幹雄 遠嶺 199908
初浴衣傘寿祝がるるちやつきり節 松崎鉄之介 199908
留守居して浴衣一枚仕上げたり 大平保子 いろり 199908
着せてやる子の乳高し藍浴衣 頓所友枝 199909
星空や両手ではがす宿浴衣 伊東みのり 遠嶺 199910
亡き夫人の縫ひし浴衣で師の踊る 関口昌代 199911
心中は揃いの浴衣隅田川 三池泉 船団 199912
夕風をいっぱいにして浴衣掛 樫井賢一 船団 199912
病む夫に娘より届きし藍浴衣 田中藤穂 水瓶座 200002
かたくなに寝間着は浴衣青葉寒 田中藤穂 水瓶座 200002
浴衣着て渚の声を手に掬ふ 小島とよ子 新樹光 200007
藍浴衣さらりと齢隠しけり 稲辺美津 夏椿 200007
藍浴衣鼻緒と帯は赤くして 吉野のぶ子 八重櫻 200008
初浴衣ほのかに藍の匂ひけり 今井松子 遠嶺 200009
ながし目の杏の飴や藍浴衣 小山森生 200009
ほんたうは白地を着たき浴衣かな 林翔 200009
宿浴衣人情芝居に泣かされて 松沢久子 いろり 200009
残生にどっかと座り宿浴衣 松沢久子 いろり 200009
浴衣着てたすき姿の母偲ぶ 久保田一豊 いろり 200009
藍浴衣着て波音を身にまとふ 小川昭江 200010
火取虫温泉浴衣一夜限り 阿部寒林 200010
晩節の肩肘はらぬ色浴衣 藤井明子 馬醉木 200010
旅鞄底に浴衣と下駄を容れ 品川鈴子 ぐろっけ 200010
をんなへと羽化始まれり藍浴衣 大森井栖女 馬醉木 200011
墨痕淋漓浴衣ざらへのプログラム 大津留いほり 200011
浴衣帯解けばわけなく身を離れ 岡本眸 200011
夫病みぬ昔の踊りゆかた着て 戸田春月 光陰 200012
踊りゆかた膝から進む男連 戸田春月 光陰 200012
踊り終え戻る浴衣の艀舟 永野秀峰 ぐろっけ 200012
親と子の足指は似て浴衣下駄 品川鈴子 船出 200104
湯疲れの浴衣の肩に桜散る 河合笑子 あを 200106
頼まれて浴衣を縫ふも久しぶり 保坂加津夫 いろり 200107
背縫いより人の形に藍浴衣 中野哲子 六花 200107
藍浴衣仕舞渡舟の海女まれに 大西桑風 馬酔木 200108
浴衣兼病衣即ち老いにけり 富田直治 春耕 200108
止まり木に祭浴衣の二三人 行方克巳 知音 200108
再会し旧姓で呼ぶ藍浴衣 栢森定男 あを 200108
前結びしてなまめくよ宿浴衣 川田さちえ 200109
星屑は浜辺の詩集初浴衣 小澤克己 遠嶺 200109
浴衣着て美濃の水音を近うせる 浜口高子 火星 200109
手術前の肌のたかぶる糊浴衣 田所節子 200109
山に霧巻けば浴衣の襟冷ゆる 岡本眸 200109
鮮かな浴衣フェロモン発しけり 泉田秋硯 200110
藍浴衣母にかさねししぐさかな 花島陽子 遠嶺 200110
切通し夕風匂ふ白浴衣 三崎由紀子 遠嶺 200110
浴衣生地川のごとくに展げけり 石本百合子 馬醉木 200110
駆くる子の浴衣の金魚泳ぎ出す 名取光恵 百鳥 200110
爪先にくれなゐ灯る藍浴衣 村上瑪論 銀化 200110
こころ解く着くづれ易き宿浴衣 蔵持柚 銀化 200110
浴衣より赤い鼻緒の下駄が好き 岡本幸枝 ぐろっけ 200110
何作ろ浴衣端切れの柄撰び 岡本幸枝 ぐろっけ 200110
浴衣着て祭の顔になりて来し 柳沢杏 酸漿 200111
ぼんやりと闇を見ている浴衣かな 室田洋子 海程 200112
藍浴衣着て新妻の立居かな 川端和子 星月夜 200112
藍浴衣縞を走らす裁鋏 三上冨佐子 ぐろっけ 200112
浴衣着て仕草変はりし女の子 三上冨佐子 ぐろっけ 200112
棺被ひ得ずして祭浴衣かな 嵯峨根鈴子 火星 200207
丸顔は母のおさがり藍浴衣 石山正子 銀化 200207
おそろいの浴衣の並ぶ防波堤 出口誠 六花 200207
絞り地の浴衣採寸定まらず 金刺宏子 200208
浴衣の娘ほめて帰ればうちわもめ 田中呑舟 火星 200209
船べりに跨つてゐる浴衣かな 松本恭昂 火星 200209

 落語と俳句の夕べに出演

浴衣着て寄席の囃子に侍しゐたり

大串章 百鳥 200209
藍の香の指に移りて浴衣縫ふ 木内美保子 六花 200209
浴衣着の力士の眼鏡小さきかな 西山美枝子 酸漿 200209
お揃ひの浴衣折目もきはやかに 内藤順子 酸漿 200209
神楽坂下駄の音して藍浴衣 後藤志づ あを 200209
藍浴衣うなじの細き母なりし 芝尚子 あを 200209
端近く指藍に染め浴衣縫ふ 芝尚子 あを 200209
母縫いし藍の浴衣を解きゆく 松村美智子 あを 200209
ハーブ湯の香浴衣に包みこみ 的場うめ子 ぐろっけ 200209
なよとした女に見せて藍浴衣 永井一枝 200210
宿の名の判る浴衣や漫ろ行く 木村幸 200210
浴衣着て亜米利加人の長睫 桜井和子 遠嶺 200210
縁側に風をさそひし藍浴衣 平万紀子 200210
祭浴衣擦れて痒みの走りけり 片桐まこと 200210
角々しくまとひ糊濃き宿浴衣 乗光雅子 雨月 200210
藍浴衣遠嶺闇にをさまれり 高橋さえ子 200210
姉いもと帯結びあひ初浴衣 遠藤節子 200211
帰りにはおんぶで眠る浴衣の児 神田恵子 200211
七色のあかりにゆるる児の浴衣 矢嶋みつ江 遠嶺 200211
藍香る揃浴衣に祭笛 小滝奈津江 酸漿 200211
人工池コイン投込むゆかた連れ 藤本つた恵 ぐろっけ 200212
藍浴衣すらり着こなし阿波訛 武友朋子 200212
畳まれて紙のにほひの浴衣かな 坊城俊樹 ホトトギス 200212
剽軽な男浴衣ののの字かな 坊城俊樹 ホトトギス 200212
彼の日の娘つんとすまして浴衣着て 坊城俊樹 ホトトギス 200212
浴衣会着替へ忙し鏡の間 松木清川 ぐろっけ 200212
浴衣 →2      

 

2021年8月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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