浴 衣 4       134句

性格が紺の浴衣に収まらぬ   櫂未知子   貴族

作品
作者
掲載誌
掲載年月
浴衣復習銘菓ととのひお茶会を 芝宮須磨子 あを 201008
流行なき祖母手づくりの紺浴衣 石川かおり 201009
尽十方吹き通しなり藍浴衣 小形さとる 201009
旅に来て浴衣で歩く竹の径 岡野ひろ子 201009
襟足をすっきりさせて白浴衣 横井明子 201009
ゆかた着る一番星は娘にゆずり 服部郁史 京鹿子 201009
髪染めてアニメ浴衣のペアルック 森下康子 201010
湯ぼてりに歪むゆかたの流し文字 久保東海司 201010
挨拶も乾杯もみな宿浴衣 瀬島洒望 やぶれ傘 201010
帯の色違へ浴衣の姉いもと 田嶋洋子 春燈 201010
女童の浴衣の金魚をどりをり 関まさを 酸奬 201010
楽し気な踊浴衣の後につく 小野タマ枝 酸奬 201010
綿菓子に顔の隠るる浴衣の子 城台洋子 馬醉木 201011
カラフルな浴衣藍染少数派 井上美智子 201011
浴衣着てうなじの髪に風まとふ 小澤正信 201011
女の童浴衣で背伸び呼び鈴押す 高橋大三 ぐろっけ 201011
吊り革は浴衣の娘ばかりなり 丑久保勲 やぶれ傘 201012
世話人は尻つ端折りに浴衣着て 國保八江 やぶれ傘 201012
浴衣着て大はしやぎする男の児 高橋大三 ぐろっけ 201012
心頭の滅却できぬ浴衣翁 竹下陶子 ホトトギス 201102
丈つめ裄つめ老い母の浴衣かな 鈴木榮子 繭玉 201105
藍浴衣気働きてふ言葉古り 鈴木榮子 繭玉 201105
浴衣着て温泉街の灯に消ゆる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
浴衣着て夜を近づけてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
古浴衣父の遺せし染みのまま 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
産み終へし安堵にありぬ藍浴衣 竹内悦子 ちちろ虫 201108
浴衣の裾端折り園児の大太鼓 仁平則子 201108
雨の来て粋な浴衣の裾端折る 仁平則子 201108
紅白の玉の具と化す古浴衣 仁平則子 201108
雑巾となりし浴衣は母の物 高橋泰子 201108
浴衣着て振舞ひ大人めく少女 高橋泰子 201108
藍浴衣鼻緒を少しゆるくして 宮内とし子 201108
二歳児の燥ぐお下がり浴衣かな 山本孝夫 201109
やや派手目大いに派手目宿浴衣 山田愛子 201109
駒下駄を三和土に待たせ初浴衣 堀田順子 馬醉木 201109
気後れの色どり宿の貸浴衣 服部早苗 201109
宿ゆかた翼広げるやうに着る 大場ましら 201109
鉾浴衣吊られし部屋に通さるる 成宮紀代子 201109
温泉の汗に歪む浴衣の流し文字 久保東海司 201109
浴衣の子旧家仕込みの行儀見え 中原吟子 雨月 201109
浴衣着て商戦競ふ華やかに 中原吟子 雨月 201109
浴衣着て小股歩きの少女かな 田中浅子 201110
浴衣の児いつもと違ふ顔見せて 森下康子 201110
藍浴衣仰臥の母に祖母のもの 林いづみ 風土 201110
忘れゐし行李の底の藍ゆかた 菅野日出子 末黒野 201110
待ち合はす母の手縫ひの藍浴衣 清水佑実子 201110
浴衣着て震災のこと父母のこと 浅沼久男 201110
敗け力士ふはりと浴衣肩に掛け 古川夏子 201110
さり気なく告げる浴衣の左前 史あかり ぐろっけ 201110
藍浴衣少女小意気で小悪魔で 鎌倉喜久恵 あを 201110
賜れる日々の健康藍浴衣 博多永楽 雨月 201110
朝の茶事藍の浴衣の身に添ひて 武生喜玖乃 雨月 201110
晩節は藍の浴衣で過ごしたし 松岡和子 201111
浴衣とて背筋のばして添ふ着付け 岡田愛子 京鹿子 201111
節電の世や短髪に藍浴衣 石田かし子 ろんど 201111
父と児の浴衣姿や揚げ花火 筒井八重子 六花 201111
腰揚げを直して浴衣着せにけり 國保八江 やぶれ傘 201112
駅前を踊浴衣の埋めつくす 藤井久仁子 ぐろっけ 201112
浴衣縫ふ母の遺愛の裁ち鋏 紀川和子 うらら 201202
浴衣縫ふ子は家庭科を楽しみて 紀川和子 うらら 201202
乙女子の髪をきりりと藍浴衣 紀川和子 うらら 201202
古浴衣餓鬼となりゆきたまふ父 志方章子 蟋蟀 201203
春風に搖るる浴衣地天日干し 福武幸子 万象選集 201205
浴衣着て川辺の夕に溶けゆけり 布川直幸 201206
万葉の恋歌の文字宿浴衣 鈴木照子 201207
外国の釣鬚印籠浴衣がけ 菅原孟 かさね 201207
和紙に似し音たてて着る宿浴衣 須山登 201207
門涼み隣家の娘の藍浴衣 松田利秋 かさね 201208
おもしろう生きて晩節古浴衣 和田孝村 春燈 201208
大男低く締めたる浴衣帯 三輪慶子 ぐろっけ 201208
朝風に干してありけり浴衣帯 山田六甲 六花 201208
コンチキチ揃ひ浴衣の囃子方 藤見佳楠子 201209
下町の揃ひ浴衣の大売り出し 川井素山 かさね 201209
相槌の軽くは打たぬ藍浴衣 堀田順子 馬醉木 201209
歳問へば指を三本浴衣の子 城台洋子 馬醉木 201209
藍浴衣祠の中を紙で拭く だいじみどり 201209
ジャズダンス中に浴衣の混じりたり 室谷幸子 万象 201209
八頭身の嫁に浴衣の帯を結ふ 山口ひろよ 201209
髪あげて祭浴衣のすまし顔 米田文彦 かさね 201210
朝市の荷を提げ戻る宿浴衣 堀川征孝 201210
朝市の荷を提げ戻る宿浴衣 堀川征孝 201210
仁王立ちせし子に着する浴衣かな 宮井知英 201210
祭浴衣やおとうとの減らず口 辻直美 201210
浴衣裁つ国会中継聞きながら 村上倫子 201210
藍浴衣母とたがひし道を行く 遊橋惠美 風土 201210
相席の夫婦善哉浴衣着て 大島寛治 雨月 201210
浴衣の子黄昏の中歩み来る 大日向幸江 あを 201210
浴衣端折り徹夜踊りの下駄の音 川井素山 かさね 201211
藍浴衣の少女の足や紅の爪 前川美智子 末黒野 201211
寿(ことほぎ)の浴衣弁慶格子縞 延広禎一 201211
腕まくる達磨落しの宿浴衣 箕輪カオル 201111
真白の浴衣着ながし浅草橋 大坪あきら 万象 201211
抱かれてヨーヨーを釣る浴衣の子 廣瀬雅男 やぶれ傘 201212
本栽の浴衣を孫に着せにけり 國保八江 やぶれ傘 201301
アメヤ横丁浴衣に靴の少女たち 有賀昌子 やぶれ傘 201301
八頭身の嫁に浴衣の帯を結ふ 山口ひろよ 201302
浴衣着てめりはりのある口調かな 高橋将夫 如意宝珠 201306
浴衣着てこれはサンバでなき社中 後藤比奈夫 ホトトギス 201310
笛腰にいなせ男の鉾浴衣 伊藤憲子 201310
短めの浴衣弾ませ緋の鼻緒 桑名さつき ろんど 201310
老いてなほ其一の藍の浴衣欲し 鳥井美智子 ろんど 201310
羽目外す分だけ乱れ宿浴衣 安居正浩 201310
焼そばの匂ひの浴衣帰り来し 河崎尚子 火星 201310
糊きかせたたきては干す宿浴衣 安岡みさき 万象 201310
浴衣会の捲り十枚筆で書く 松木清川 ぐろっけ 201310
古稀喜寿も傘寿も集ひ浴衣会 松木清川 ぐろっけ 201310
風かよふ飛白上布の浴衣かな 齋藤晴夫 春燈 201311
校庭の映画浴衣の友もをり 田中藤穂 あを 201310
急ぎゆく踊浴衣の娘かな 小原紀子 万象 201311
母を追ふ足は小幅の藍浴衣 小田嶋正敏 末黒野 201311
駅毎に増ゆる浴衣着星祭り 小倉純 末黒野 201311
初浴衣氷川の杜.の能舞台 松木清川 ぐろっけ 201311
藍浴衣ばば様に似て見目よしと 谷田部栄 万象 201408
湯上りや肌ざはり佳き藍浴衣 小林久子 201408
高層のホテルの癒し浴衣出て 藤森すみれ 201408
一杯飲みに来ませ浴衣のチンドン屋 岩下芳子 201408
新しき浴衣扱けば指あをし 須賀敏子 あを 201409
立姿浴衣は藍に限りけり 中田みなみ 201409
藍浴衣きつぱりと着て親離れ 城台洋子 馬醉木 201409
浴衣着てふつとあの日のオムライス 辻響子 201409
迷ひなき鋏の音や浴衣裁つ 原友子 201409
迂回なり瀬田唐橋の藍浴衣 中島陽華 201409
髪束ね三年坂を浴衣かな りいふ ろんど 201409
わだつみの藍を肌に藍浴衣 横山昭子 雨月 201409
袖通し奴となりぬ宿浴衣 阪本哲弘 201409
芝生の上転がってゐる浴衣の児 篠田純子 あを 201409
職員の浴衣姿や美術館 難波篤直 201410
手拍子や浴衣の足はスニーカー 沼崎千枝 末黒野 201411
娘に着せる浴衣の衿を少し抜く 中尾朱帆 京鹿子 201411
晴れの海静かの海や藍浴衣 中原幸子 船団 201502
熟田湯の二階に浴衣そろへあり 山田六甲 六花 201505
浴衣着て熱海に似合ふ人となる 稲畑汀子 ホトトギス 201507
くたびれし浴衣をはだけ平和論 布川直幸 201507
出してみし踊浴衣を又仕舞ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201508
浴衣 →5      

 

2021年8月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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