浴 衣 3     153句

あどけなき母となられし浴衣かな    山田みずえ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
浴衣着て手足あらはのゆふべかな 鷹羽狩行 200607
浴衣着て碁敵を待つ白寿かな 山本とく江 万象 200609
姑の遺せし反物江戸浴衣 羽生きよみ ぐろっけ 200609
着物には縫はず暖簾に江戸浴衣 羽生きよみ ぐろっけ 200609
山の宿身幅の余る宿浴衣 小田知人 ぐろっけ 200609
細腰の浴衣の帶は貝の口 芝尚子 あを 200609
洗ひ髪したたるばかり浴衣の子 古川京子 万象 200610
藍浴衣二の糸めきし次の姉 服部早苗 200610
浴衣着の身に響きをり太鼓の音 籾山和子 酸漿 200610
自分の名言へる子となるゆかたかな 鈴木庸子 風土 200611
顔のなきマネキンに藍浴衣かな 河本利一 200611
手をつなぐ浴衣の稚児の指冷たし 柳生千枝子 火星 200611
羨しとも踊り浴衣の母娘連れ 柳生千枝子 火星 200611
天の川丈伸ばしやる子の浴衣 加藤廣子 火星 200611
朝市めぐる宿の浴衣の湯治客 桜井菜緒 200611
浴衣着て手足余してをる漢 志鳥宏遠 ホトトギス 200612
古浴衣虚子先生のまろき肩 今井千鶴子 ホトトギス 200612
古浴衣もつとも好み給ひける 今井千鶴子 ホトトギス 200612
乙女らの狂言小舞藍浴衣 池田かよ ぐろっけ 200612
寝乱れし浴衣のままに髪梳ける ことり 六甲 200612
虚子の前に浴衣の膝を揃へし日 木村享史 ホトトギス 200702
俳諧に余生を遊ぶ古浴衣 木村享史 ホトトギス 200702
颯爽と韃靼力士浴衣掛け 中村星児 八千草 200702
三面鏡開きしままに浴衣脱ぐ ことり 六花 200706
痩せ目立つ浴衣の衿をかきあはす 横山迪子 六花 200706
引上げし客の浴衣のまるめあり 稲畑汀子 ホトトギス 200707
宿浴衣袖畳みして夜半の湯へ 竹田昭子 風土 200708
まだ上手く下駄はけなくて浴衣の子 須賀敏子 あを 200708
余生とふゆたかな時を初浴衣 水原春郎 馬醉木 200708
琴欧洲のぶらり歩きや大浴衣 岡谷栄子 200709
子を産んで肩まろやかや藍浴衣 浅井敦子 万象 200709
本藍の浴衣に夢二息づけり 吉澤利治 遠嶺 200709
初浴衣背なの丸きを云はれけり 向井芳子 春燈 200709
越路吹雪の小唄よかりし浴衣掛け 石田康明 春燈 200709
浴衣着るに背筋より風脚へ抜け 佐藤正治 200709
浴衣売場実演販売に下駄履けり 杉谷文江 200709
ストラップを帯にはさめる浴衣の娘 住田千代子 200709
三味に枷かけて調子も浴衣会 岡野峯代 ぐろっけ 200709
やはらかく身に添ふ形身藍ゆかた 内山花葉 200710
浴衣着て昭和の風を呼び戻す 林和子 200710
関取となりて浴衣の紺深し 渡邊千枝子 馬醉木 200710
浴衣着て湯の町の店覗きゆく 木暮剛平 万象 200710
浴衣着の笑み初産の一子挙げ 大畑善昭 200710
夏祭孫が来て娘の浴衣着る 菅野イチ子 200710
浴衣着て庭に出てみるだけのこと 樋口みのぶ 200711
古浴衣昔は解きて襁褓とせり 長洲元子 200711
どっと増ゆ踊浴衣の少女かな 赤松丹山 雨月 200711
浴衣着て古書肆に昭和たづねけり 山村修 酸漿 200711
細帯をくるりと捲きし藍浴衣 浅井青陽子 ホトトギス 200712
浴衣着る陸上競技女子選手 高橋龍 200801
糊落とし赤子を包む浴衣かな ことり 六花 200805
なで肩のまま老境に藍ゆかた 山田六甲 六花 200806
切り傷のあるふくらはぎ宿浴衣 山田六甲 六花 200806
利き酒に浴衣の崩れゆきにけり ことり 六花 200806
憧れの絞りの浴衣身に添わす 松田和子 200807
橋なかばより引き返す宿浴衣 鷹羽狩行 200807
はみ出さぬやう紅をひき宿浴衣 ことり 六花 200807
髪解かれゆうるり浴衣脱がさるる ことり 六花 200807
着慣れたる浴衣いとしく畳みけり ことり 六花 200807
華甲過ぐなほはんなりと藍浴衣 森永洋子 200808
関取の四肢名を染めし藍浴衣 塩路五郎 200809
関取の四股名散らしの藍浴衣 塩路五郎 200809
鉾明り若き浴衣の人に蹤き 小林成子 200809
初浴衣思ふがままに星を観て 吉野のぶ子 遠嶺 200809
赤信号両手つないで浴衣の子 荒木甫 200809
岩盤の宿にころがり貸浴衣 イザベル真央 炎環 200809
髪揚げし細きうなじに初浴衣 大木清美子 200810
旅終へて蝶の浴衣を畳みけり 浦川聡子 炎環 200810
突堤に足垂らしゐる浴衣かな 大山文子 火星 200810
昼と夜の模様のちがふ宿浴衣 伊勢きみこ 火星 200810
ガス灯に橋の浮きたる藍浴衣 外川玲子 風土 200810
浴衣の子ヨーヨー釣りに熱中す 岩本紀子 200810
子の丈の中ほどにある浴衣帯 きくちきみえ やぶれ傘 200810
踊らぬ子踊る子みんな浴衣着て 小城綾子 200811
浴衣着てゆるりと女とり戻す 米山のり子 馬醉木 200811
並べられ宿浴衣選る旅心 片野光子 ぐろっけ 200811
何事ぞ揃ひの浴衣着たる群れ 出来由子 200811
黒子ひとつ項にみえし盆浴衣 青木ちづる 200811
暮れ方の銭湯出づる藍浴衣 川口襄 遠嶺 200812
郭公や旅の朝餉は浴衣着て 樋口みのぶ 200901
肩上げのとれて浴衣の柄合へり 菅谷たけし 200907
肩広き浴衣鬢付油かな 篠田純子 あを 200907
改札の幅ほどの力士藍浴衣 斉藤裕子 あをかき 200907
腰揚げを解きて浴衣着せにけり 中山静枝 200908
深酒の癖は直らず古浴衣 上田幸夫 ぐろっけ 200908
新弟子は部屋名褪せたる古浴衣 堤節子 ぐろっけ 200908
襟元をゆうるり纏ふ宿浴衣 ことり 六花 200908
潮の香に浴衣の湿り遠囃子 野坂民子 馬醉木 200909
深入りをする気さらさら藍浴衣 鈴木梨枝子 炎環 200909
夢二とは同じふるさと藍浴衣 佐々木暢 炎環 200909
藍いまだ匂ふ浴衣の袖通し 富田範保 200909
試着せる浴衣買ふ破目誉め上手 富田範保 200909
子の丈に適はぬ亡夫の藍浴衣 大木清美子 200909
手提籠浴衣の帶の深緑 藤野寿子 あを 200909
藍ゆかた晒す筑波の流れ水 小泉欣也 ろんど 200909
ゆかたきてルンルンきぶんぼんおどり 森下ちさと 200910
川風に暫しうっとり宿浴衣 藤見佳楠子 200910
藍浴衣見せたき人と待合せ 佐藤みさ子 200910
夕河岸や揃ひ浴衣の三姉妹 木下ふみ子 馬醉木 200910
「舟乗り込み」浴衣の役者華やかに 名取袿子 200910
乳張りしことも遥かや藍浴衣 和田照子 200910
初浴衣夕日が町をつつみをり 遠藤和彦 遠嶺 200910
米寿吾がかの浴衣女と肩触れし 小林清之介 風土 200910
浴衣着てめりはりのある口調かな 高橋将夫 200910
さりげなき少女の仕草浴衣掛 石田きよし 200910
おすもうさん浴衣の背に触れてみる 後藤とみ子 ぐろっけ 200910
花形は祭浴衣の子のかけ声 井上あき子 ぐろっけ 200910
糊ききし浴衣を抜ける風清し 長谷川たか子 酸漿 200910
恋すてふ遠き日のあり藍浴衣 千坂美津恵 200911
足の爪染めし乙女の藍浴衣 小川玉泉 末黒野 200911
笠鉾を持つ若衆の染ゆかた 内藤紀子 遠嶺 200911
大正生れ残り少なの浴衣かな 細江久美子 春燈 200911
宿浴衣着せられしまま入院す 相良牧人 200911
駅毎に浴衣の娘乗り込みぬ 佐方敏明 ぐろっけ 200911
又一寸伸びて浴衣の揚げ直す 山本敏子 ぐろっけ 200911
甚平と浴衣連れ立つ夕まぐれ 菊池由惠 酸漿 200911
スニーカー履くおさなごの浴衣かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200912
宿浴衣湯を出し肌に馴染まざる ことり 六花 201007
浴衣 →4      

 

2021年8月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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