夜の秋 8     99句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
読点を入れて一息夜の秋 伊藤隆 201908
億劫の一語に尽きる夜の秋 谷口一献 六花 201910
みほとりの水の手に透く夜の秋 安田優歌 京鹿子 201910
身の内の山河は遠し夜の秋 安田優歌 京鹿子 201910
庭石に残るほてりや夜の秋 伊藤よし江 201910
こんにやくの刺身の薄き夜の秋 能村研三 201910
栞紐くつきり挟む夜の秋 能村研三 201910
手に伝ふ猫の心音夜の秋 中山惠子 201910
ペディキュアを薄むらさきに夜の秋 安田優歌 京鹿子 201910
人恋はば胡弓泣きゐる夜の秋 山田六甲 六花 201910
見返しに覚えのサイン夜の秋 青谷小枝 やぶれ傘 201911
返事してからだをまはす夜の秋 根橋宏次 やぶれ傘 201911
コピー紙に微熱の残る夜の秋 片山煕子 京鹿子 201911
もう少しと頁をめくる夜の秋 井上静子 201911
デジタルの光つてをりし夜の秋 岩下芳子 201911
ぴんと張る絹糸の白夜の秋 雨村敏子 201911
LONELYとビスケット積む夜の秋 知念哲庵 船団 201912
独り身の従妹の訃や夜の秋 平居澪子 六花 201912
将棋盤二つに折つて夜の秋 中島和子 やぶれ傘 201912
無花果のにほひの風や夜の秋 土谷倫 船団 201912
躓いて玩具を泣かす夜の秋 佐々木よし子 202001
一つ家に二つの明かり夜の秋 礒貝尚孝 黄落 202003
ヒトゲノム読み解く夜の秋思かな 近藤真啓 春燈 202007
夜の秋今は許せる父のうそ あさなが捷 202007
空広くなりし移転や夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
三瓶野に星を降らせて夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
夜の秋ワインに蕩けゆく夢路 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
寄る波に踵返せず夜の秋 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
夜の秋余白のままに魚尾たたむ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
生かされて想ひは十色夜の秋 植村蘇星 京鹿子 202009
署名入清張総編夜の秋 山田六甲 六花 202009
明日がある今日の一灯夜の秋 植村蘇星 京鹿子 202010
少年の長き睫や夜の秋 井尻妙子 京鹿子 202010
夜の秋の鋭き禾の風の音 南うみを 風土 202010
草丈けて潜む音消ゆ夜の秋 長崎桂子 あを 202010
逆引きの辞書を播く夜の秋 本郷公子 京鹿子 202011
結果よし肩の荷下ろす夜の秋 荒井慈 春燈 202011
夜の秋ワイングラスにのこる色 鷺山珀眉 京鹿子 202011
海鳴りて山は沈黙夜の秋 安田優歌 京鹿子 202011
寄せ豆腐木匙に掬ふ夜の秋 上村葉子 風土 202011
夜の秋露天風呂より星数ふ 堺昌子 末黒野 202011
長生きをしたると思ふ夜の秋 川口利夫 ホトトギス 202012
妻逝きて十八年や夜の秋 川口利夫 ホトトギス 202012
いくたびも手を振る別れ夜の秋 和田華凛 ホトトギス 202012
繙きて膨らむ過去や夜の秋 高村令子 風土 202012
追憶の話は果てず夜の秋 石原孝人 京鹿子 202101
幽かなる昨夜の秋思を持て余す 渡辺美智子 末黒野 202102
投函の音のかそけし夜の秋 佐藤喬風 末黒野 202104
夜の秋明日を占ふ風の色 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
夜の秋ショパンの調べ風に乗り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
夕星を誘ひ出したる夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
垣の外を若きこゑ行く夜の秋 中田みなみ 202108
夜の秋真似できさうで出来ない句 山田六甲 六花 202109
夜の秋はふりの煙渦巻いて 山田六甲 六花 202109
耳遠くなりたるこちや夜の秋 山田六甲 六花 202109
夜の秋風モナリザの微笑ほど 武田未有 202110
磨り溜むる墨の香ほのか夜の秋 能村研三 202110
修正液使ふ頻度や夜の秋 落合絹代 風土 202110
「生きてるよ」電話で答へ夜の秋 山田暢子 風土 202110
夜の秋や新日本髪の餡の順 片桐てい女 春燈 202110
旅衣畳み直しぬ夜の秋 佐俣まさを 春燈 202110
湯上がりの爪やはらかし夜の秋 林昭太郎 202111
キャストみなかの世の映画夜の秋 河寄祐二 202111
あれこれと歳時記繰るや夜の秋 滋野暁 末黒野 202111
喝采のあとの静けさ夜の秋 菊池和子 京鹿子 202111
終演のやさしい耳鳴り夜の秋 篠田大佳 あを 202111
夜の秋満たすグラスの江戸切子 酒井湧水 ホトトギス 202112
来し方を絵地図に辿る夜の秋 升田ヤス子 六花 202112
夜の秋波のかたちに鯛素麺 升田ヤス子 六花 202112
海光を浴びて戻りぬ夜の秋 善野行 六花 202112
夜の秋シーツ撫づれば日の匂ひ 善野行 六花 202112
シーツ布く妻引寄する夜の秋 善野行 六花 202112
座せばすぐ膝へ猫のる夜の秋 小泉量香 やぶれ傘 202112
蕎麦を打ち友の振る舞ふ夜の秋 小巻若菜 やぶれ傘 202112
涙せむ島煌めける夜の秋 志方章子 六花 202201
封緘の糊なめらかや夜の秋 黒滝志麻子 薫風 202205
歓声の遠退く都心夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
三瓶野の星と語らふ夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
母いよよ頑固になりて夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
レコードの針飛ぶ音や夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
夜の秋鶯張りの音乾き 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
アンジェラス音くぐもりて夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
傷心の波を引き寄す夜の秋 鈴鹿呂仁 京鹿子 202209
詫状を書いては消して夜の秋 辻泰子 春燈 202210
夜の秋ギターの弦の切れしまま 河田水尾 春燈 202210
書き出しの糸口探す夜の秋 能村研三 202210
風わづかに重くなりしか夜の秋 土井ゆう子 風土 202210
アイロンの蒸気豊かに夜の秋 林昭太郎 202211
ソーサーに紅茶こぼるる夜の秋 栗原公子 202211
水槽の泡の独白夜の秋 浜田はるみ 202211
一人居の星の潤めり夜の秋 森清信子 末黒野 202211
夜の秋照らすコンビニ眠らない 上野紫泉 京鹿子 202211
レジ横のポテト買ひ足す夜の秋 小泉里香 やぶれ傘 202212
耳遠き夫との会話夜の秋 和田慈子 末黒野 202212
琴の音は追慕の風に夜の秋 村田あを衣 京鹿子 202212
夜の秋官庁街の鎮もれる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
夜の秋街騒丸くをさめけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
福音書繙いてより夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202308
夜の秋ビシソワーズの香り立つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202308
夜の秋→ 1

 

2023年9月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。