夜の秋 7     100句

西鶴の女みな死ぬ夜の秋   長谷川かな女   胡笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
新聞の書評切り抜く夜の秋 丸山美奈子 馬醉木 201509
夜の秋の電子辞書より虫の声 齊藤いさを 馬醉木 201510
運河の灯たてよこ斜め夜の秋 原田しずえ 万象 201510
『大和古寺の仏』繙く夜の秋 落合絹代 風土 201510
語り部の民話聴き入る夜の秋 鈴木浩子 201510
短冊の墨はや乾く夜の秋 近藤鉦子 201510
夜の秋明日も静かに在らむかな 井上信子 201510
読み耽る榻の端書夜の秋 熊岡俊子 雨月 201510
頭を撫でられ銀座デビューや夜の秋 篠田純子 あを 201510
夜の秋箪笥はみだす何の紐 鈴木直充 春燈 201510
夜の秋や床にかすかな風のすぢ 堀田順子 馬醉木 201511
夜の秋や間違ひ電話そつと置く 和田幸江 春燈 201511
マルガリータの塩ききすぐる夜の秋 三宅文子 春燈 201511
捗らぬ遺品の整理夜の秋 橋添やよひ 風土 201511
小さき蚊の翅音は高し夜の秋 後藤マッエ 201511
空耳に水湧く音や夜の秋 飛高隆夫 万象 201511
向付に引き上げ湯葉や夜の秋 安斎久英 末黒野 201511
漁火を遠見の湯宿夜の秋 今村千年 末黒野 201511
夜の秋の泡のぼりつぐハイボール 根橋宏次 やぶれ傘 201511
上げ潮に暗渠ひびけり夜の秋 深川淑枝 201511
読みさしの本に鉛筆夜の秋 岡真紗子 201511
来し方を語らるゝより夜の秋 立村霜衣 ホトトギス 201512
足もとを一枚羽織る夜の秋 中島和子 やぶれ傘 201512
一合の米炊きあがる夜の秋 中島和子 やぶれ傘 201512
わだかまり徐々に消えゆき夜の秋 野村鞆枝 京鹿子 201512
中指になじむ指貫夜の秋 押田裕見子 201512
夜の秋ゆるる「かな書き教へます」 吉村摂護 201512
星の数増え来る空や夜の秋 大橋伊佐子 末黒野 201512
買い置きの水の古りつつ夜の秋 池田澄子 船団 201512
湯上りの石鹸の香や夜の秋 津川かほる 風土 201512
豆洗ふ音はマラカス夜の秋 中島陽華 201601
虚子の世のつづきのありて夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201607
忘れ得ぬ温顔偲ぶ夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201607
昨夜信濃今宵摂津の夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
今宵こそワインの似合ふ夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
稿債のはかどることも夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201608
夜の秋や刺身こんにやく薄造り 能村研三 201609
夜の秋見えざる船の汽笛聞く 荒井千佐代 201609
夜の秋重み増す胎横たふる えとう樹里 201610
知る限りの抒情歌うたふ夜の秋 吉川隆 春燈 201610
黒々と浅間山横たふ夜の秋 福岡かがり 雨月 201610
子の家に長逗留し夜の秋 山本漾子 雨月 201611
線香の火を絶やさずに夜の秋 荻布貢 201611
折紙の星いくつ折る夜の秋 泉本浩子 馬酔木 201611
継ぎて来し糠床ならす夜の秋 田中珠生 馬酔木 201611
万年筆のかろきすべりや夜の秋 篠原幸子 春燈 201611
落雁をこつと割りたる夜の秋 小山繁子 春燈 201611
抜きにくき昔の画鋲夜の秋 丑久保勲 やぶれ傘 201611
一人居の鏡の奥や夜の秋 野村鞆枝 京鹿子 201612
窓少し開けて雨聞く夜の秋 飛高隆夫 万象 201612
腹掛けの厚め掻きだす夜の秋 井上石動 あを 201610
スローなジヤズ夜の秋へと変換キー 上野紫泉 京鹿子 201701
舳先にて髪解き放つ夜の秋 古川夏子 201612
返信を書くきつかけの夜の秋 千原叡子 ホトトギス 201702
一寸待ってと墨の香の夜の秋 長沼佐智 船団 201702
予後なりきシャワー使へば夜の秋 中川句寿夫 ここのもん 201705
ビートルズナンバーメドレー夜の秋 鈴木みのり 201709
対向の電車がら空き夜の秋 高木嘉久 201710
胸底に人棲まはせる夜の秋 永峰久比古 馬醉木 201710
子の部屋に残るアルバム夜の秋 岩永はるみ 春燈 201710
灯を消してひと日反舞夜の秋 山下健治 春燈 201710
港みらいの灯の遠くなる夜の秋 江木紀子 雨月 201710
夜の秋廊下の椅子に一人かけ 細川コマヱ 雨月 201710
一枚の絵に出合ひたる夜の秋 前田美恵子 201711
化粧水ひたひた叩く夜の秋 橋添やよひ 風土 201711
妻留守の広き食卓夜の秋 石井秀一 風土 201711
夜の秋月のあかりに竹生島 稲岡みち子 雨月 201711
夜の秋言葉少なに母の用 藤生不二男 六花 201711
そつと押すものにまなぶた夜の秋 高橋道子 201712
マンシヨンの空の静かさ夜の秋 渡邉孝彦 やぶれ傘 201710
女の愚痴聞いて合の手夜の秋 稲田延子 やぶれ傘 201710
雨上りの草の匂ひや夜の秋 高倉和子 201802
遠き旅近き旅あり夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201807
旅人に星見る今宵夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201807
夜の秋明日ゆく山にルーペ置き 大沢美智子 旬日 201808
平仮名を崩す衣擦れ夜の秋 鈴鹿呂仁 京鹿子 201809
化野の風は骸へ夜の秋 鈴鹿呂仁 京鹿子 201810
石鹸の平たくやせて夜の秋 能美昌二郎 201810
闇に浮く百葉箱や夜の秋 岡本秀子 201810
ポストまで項のさとき夜の秋 阪上多恵子 雨月 201810
夜の秋の自服の袱紗捌きの音 密門令子 雨月 201810
地図ひろげ旅程をたどる夜の秋 落合絹代 雨月 201810
児の寝ねて暫しの静寂夜の秋 岡村彩里 雨月 201810
少しだけましとなりける夜の秋 出口誠 六花 201810
この風を待つていたんだ夜の秋 出口誠 六花 201810
先人の名句ひもとく夜の秋 山下健治 春燈 201810
ラピスラズリの色深まり夜の秋 雨村敏子 201811
遥かより火星近付く夜の秋 岩下芳子 201811
夜の秋山裾の灯も火の文字も 竹中一花 201811
もののけの映る盃夜の秋 中田禎子 201811
カラオケの鍛へし喉や夜の秋 荻布貢 201811
雨に雨重なる窓や夜の秋 大川ゆかり 201811
対局の一手の詰めや夜の秋 岡本秀子 201811
夜の秋浄めの塩をつまみけり 松橋利雄 春燈 201811
夜の秋大皿小皿積み重ね 陽山道子 船団 201812
地球儀に子の居場所知る夜の秋 望月晴美 201901
夜の秋明日ゆく山にルーペ置き 大沢美智子 201901
詩人みなふるさとを恋ふ夜の秋 岩岡中正 ホトトギス 201901
大皿を拭いて重ぬる夜の秋 岸洋子 201902
かみ合わぬ夫婦の会話夜の秋 吉宇田麻衣 201904
夜の秋 →8      

 

2016年9月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 

 

16/09/05 2016年9月5日 2016年9月5日