夜の秋 5     100句

灯の下の波がひらりと夜の秋    飯田龍太   読本・歳時記

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ねむき子と次の間に起つ夜の秋 岡本眸 200808
のびやかに踊る指先夜の秋 ことり 六花 200809
洋燈置き寝ころぶ浜辺夜の秋 ことり 六花 200809
野へ曲る道を知る犬夜の秋 中田みなみ 200809
天心の月の気品や夜の秋 塩路隆子 200810
まほらなるママの腕や夜の秋 秦和子 200810
夜の秋向ひ峯蒼きかげ負へる 小澤菜美 200810
夜の秋や空覚えせし絵本繰る 鈴木照子 200810
死亡欄に恩師の名あり夜の秋 竹内悦子 200810
ふなべりの少し濡れゐて夜の秋 工藤義夫 馬醉木 200810
マンションは光の小函夜の秋 諸岡和子 200810
髪乾くまでをそぞろに夜の秋 梶川智恵子 200810
夜の秋著者近影のあかんべい 丹羽晶子 炎環 200810
繙くは国宝仏集夜の秋 落合絹代 風土 200810
アイロンの余熱ありけり夜の秋 きくちきみえ やぶれ傘 200810
らふそくの甘きかをりや夜の秋 鈴木直充 素影 200811
チャイナ服の深きスリット夜の秋 白髭美佐子 200811
パソコンのマウス動かす夜の秋 笠真木 炎環 200811
夜の秋星月せいげつの数珠桐箱に 雨村敏子 200811
絵の街の窓に人影夜の秋 湯浅夏以 遠嶺 200811
病床の窓に来てゐる夜の秋 三橋泥太 遠嶺 200811
退院の文机に猫夜の秋 三橋泥太 遠嶺 200811
夜の秋の文机窓の星赤し 三橋泥太 遠嶺 200811
レコードを裏返したり夜の秋 安田久太朗 遠嶺 200811
ひとり居の俳書に更くる夜の秋 水田壽子 雨月 200811
七色に変はる橋の灯夜の秋 和田一 雨月 200811
辞書の上に電子辞書置き夜の秋 小山尚子 雨月 200811
草刈りし草の香のあり夜の秋 長坂ヤス子 酸漿 200811
夜の秋採血の血を結ぶとき 木下もと子 200811
顔を見るだけの面会夜の秋 鈴木とおる 風土 200811
夜の秋の裁断の音いさぎよし 篠藤千佳子 200811
をしの羽忘れて来たる夜の秋 中島陽華 200812
吾がための位牌の余白夜の秋 鈴木とおる 風土 200901
葬りにつなぐ一宿夜の秋 藤浦昭代 ホトトギス 200904
この辺り都心の外れ夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200908
夜の秋眼鏡の重くなりにけり 鈴木良戈 200101
遠回りする勇気もて夜の秋 鈴鹿仁 京鹿子 200909
つぶやきのひとつが本音夜の秋 鈴鹿仁 京鹿子 200909
生きてゐるひとに物音夜の秋 辻美奈子 200909
燃え盛る窯の心音夜の秋 秋葉雅治 200909
返せざる机上の一書夜の秋 高橋あさの 200909
母のうた風とハモリぬ夜の秋 伊藤希眸 京鹿子 200909
夜の秋しばし碁石のゆき交ひし 伊藤希眸 京鹿子 200909
つくろひ物無き夜の秋嫁姑 伊藤希眸 京鹿子 200909
そのボタン押して屋上夜の秋 伊藤希眸 京鹿子 200909
夜の秋土間に野菜の積まれをり 伊藤希眸 京鹿子 200909
蛸壼の吐息の聞こゆ夜の秋 松嶋一洋 200910
手秤の封筒軽し夜の秋 高橋泰子 200910
登り窯のほむらを離れ夜の秋 浜口高子 火星 200910
生前もここにこの壺夜の秋 長谷川照子 春燈 200910
平積みの新刊本や夜の秋 三代川玲子 春燈 200910
楪の大樹に触るる夜の秋 石脇みはる 200910
夜の秋ジャズシンガーの耳かざり 藤沢愃 炎環 200910
しみだせるガーゼの膿や夜の秋 山崎ゆき子 炎環 200910
夜の秋液晶画面のふつと消ゆ 斎藤雅子 炎環 200910
灸の香に癒されてをり夜の秋 阪本哲弘 200911
公園の灯りほのかや夜の秋 宇治重郎 200911
真四角に部屋拭きあげて夜の秋 水谷洋子 十進法 200911
「仰臥漫録」の菓子パン四つ夜の秋 林千鶴子 炎環 200911
夜の秋かざして量る水薬 半澤正子 馬醉木 200911
露天湯におとがひ沈め夜の秋 安斎久英 末黒野 200911
うなづいてゐるだけで済む夜の秋 松橋利雄 春燈 200911
夜の秋世の秋しみて我の秋 滝沢幸助 春燈 200911
夜の秋飾るランプを磨きをり 村田冨美子 京鹿子 200911
夜の秋うすむらさきの一筆箋 畑佳与 京鹿子 200911
漬梅の甕を覗きぬ夜の秋 飯塚ゑ子 火星 200911
夜の秋の手相見に告ぐ誕生日 飯塚ゑ子 火星 200911
ファックスで届く便や夜の秋 林佳枝 酸漿 200911
折紙の知恵絞り合ふ夜の秋 菊池由惠 酸漿 200911
丁寧な間違ひ電話夜の秋 芝尚子 あを 200911
よみがへるあの日かの日や夜の秋 今橋眞理子 ホトトギス 200912
夜の秋医師の言葉をかみしめて 今橋眞理子 ホトトギス 200912
身一つの湯のあふれけり夜の秋 波田野雪女 炎環 200912
夜の秋記憶の父の夜なべ音 小澤正信 200912
灯を消して心経諳誦夜の秋 冨松寛子 200912
卓に子の古き文集夜の秋 木村眞樹子 遠嶺 200912
小津映画また巻きもどす夜の秋 樋口英子 200912
灯に寄るは人恋ふに似て夜の秋 矢口笑子 春燈 200912
本堂へ僧渡りけり夜の秋 瀬島洒望 やぶれ傘 200912
夫までますます遠い夜の秋 直江裕子 京鹿子 200912
机上まろく使ひこなして夜の秋 浅田光代 風土 200912
夜の秋座れば犬の寄り来たり 大山妙子 酸漿 200912
坪庭に淡き一灯夜の秋 林かよ 200912
夜の秋強く生きよと諭さるる 能勢栄子 201001
夜の秋ひたすら捏ねるパンの生地 植田雅代 ぐろっけ 201002
記念誌に父母の名のあり夜の秋 青木陽子 酸漿 201003
持ち直す犬の健康夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201007
はじまりし部分日食夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201007
寝不足も解消となる夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201007
書き終へし稿読み返す夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201007
夜の秋紫煙は宙に止まりて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
機音のまた始まりし夜の秋 八染藍子 201009
夜の秋の傀儡の着る陣羽織 丸山照子 火星 201009
人形の唇引き締まる夜の秋 ことり 六花 201009
はらからの思はぬ遠さ夜の秋 コ田千鶴子 馬醉木 201010
宿包む全き闇や夜の秋 西川みほ 末黒野 201010
亡き母の忌日すぐそこ夜の秋 中山静枝 201010
温泉の宿にひと雨の来て夜の秋 仁平則子 201010
樹の間風街灯ゆるる夜の秋 四條進 201010
夜の秋娘の置いてゆく黒豆茶 和田政子 201010
夜の秋→ 6      

 

2021年8月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。