夜の秋 3     100句

涼しさは淋しさに似て夜の秋    藤松遊子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
つくづくと手の老いにけり夜の秋 萩原記代 200312
夜の秋揉んでほぐして土ふまず 糸井芳子 200312
買ひ足しに下駄鳴らしゆく夜の秋 諸星美智恵 200312
シャラシャラと米とぐ音や夜の秋 鳥川昌実 六花 200401
鉛筆を削れば匂ひ夜の秋 横山昌子 200401
読みさして風音聴けり真夜の秋 岩田育左右 遠嶺 200401
膝折れば浮腫かすかに夜の秋 岡本眸 200401
夜の秋の滴・滴落つる水の音 中島霞 ぐろっけ 200401
看とり女は代筆もして夜の秋 伊藤律子 帆船 200402
欧州の旅果ての夜の秋の雨 久保晴子 雨月 200402
古備前の片口に酌む夜の秋 中野一灯 八千草 200402
二つ名で遊び呆けて夜の秋 三橋泥太 遠嶺 200406
甲子園球場夜の秋に沸く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200408
近づいて来るてふ火星夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200408
一つづつ片づく仕事夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200408
書き終へし稿よみ返す夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200408
限りなき宇宙の話夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200408
空間も時間も未来夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200408
今日のことほぼ片付きぬ夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200408
校了の指洗ひをり夜の秋 岡本眸 200408
夜の秋ややや癒えし妻横に座し 朝妻力 雲の峰 200408
夜の秋の柾目通りし男下駄 志水千代子 雲の峰 200408
セロ弾きの巨体を屈め夜の秋 能村研三 200408
この道を二人で歩む夜の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200409
振つて鳴らす明珍火箸夜の秋 神蔵器 風土 200409
夜の秋生老病死肯へり 村越化石 200409
目が明いて三つ子の走る夜の秋 山田六甲 六花 200409
洗はれし尿瓶とりどり夜の秋 中村邦彦 200410
窯出しの水滴並べ夜の秋 佐藤忍 万象 200410
海牛構ひてゐたる夜の秋 水野恒彦 200410
夜の秋やうやう土の睡りかな 延広禎一 200410
湯舟より星の零るる夜の秋 岩月優美子 200410
夜の秋や畳より立つ心柱 神蔵器 風土 200410
夜の秋を思ひ呟く声の出る 佐藤よしい 風土 200410
溺愛のペンの大文字夜の秋 湯橋喜美 200410
汲み置きし水の動ける夜の秋 竪ヤエ子 雲の峰 200410
夜の秋浴槽の湯を溢れさす 後閑達雄 対岸 200410
夜の秋遠出することなくなれり 村越化石 200410
木偶人形物言ひたげな夜の秋 大郷耕花 草の花 200410
夜の秋や更けて湯浴みの遊びめく 加瀬美代子 200410
観覧車灯りてよりの夜の秋 松原ふみ子 200410
夢を売る創作工房夜の秋 垣尾美智子 200411
夜の秋のスリット深きチャイナ服 藤見佳楠子 200411
夜の秋や本のカバーを取りはづし 戸田円三 200411
竹箒こそと音のす夜の秋 遠山みち子 200411
父の帯ゆるりと締むる夜の秋 武子都史郎 200411
剣舞けんばいの笛の稽古や夜の秋 佐々木とく子 200411
夜の秋鉄の匂ひの非常口 関位安代 帆船 200411
白黒のスパイ映画や夜の秋 秋田谷明美 帆船 200411
箸洗ひのうす味なりき夜の秋 中島陽華 200411
夜の秋魚に串を打つてをり 大島翠木 200411
夜の秋の母と真向かふ足湯かな 横森みゆき 雲の峰 200411
夜の秋オリンピアより届く風 河合佳代子 栴檀 200411
八卦見の顔のまぢかの夜の秋 酒井十八歩 草の花 200411
夜の秋ガラスの靴のはき心地 角田信子 六花 200411
夜の秋コールガールは道塞ぐ 篠田純子 あを 200411
出来不出来介護のしぐさ真夜の秋 堀内一郎 あを 200411
父に似し白髪かなしも夜の秋 徳田正樹 河鹿 200412
あをあをと一村包む夜の秋 稲岡長 ホトトギス 200412
風の音川瀬のごとし夜の秋 山田景司 遠嶺 200412
つくづくと働く手なり夜の秋 生方ふよう 200412
夜の秋路面電車のリズム音 品川鈴子 ぐろっけ 200412
よき過去の事にはふれず夜の秋 平山勝子 河鹿 200501
眠る児の疵を見つけし夜の秋 平山勝子 河鹿 200501
集漁灯つづる一線夜の秋 平山勝子 河鹿 200501
指貫の指のふとりし夜の秋 中村葉子 帆船 200501
ひとり聞く曲はシヤンソン夜の秋 徳田正樹 河鹿 200502
夜の秋や十句区切りに秀句を読み 滝川あい子 雨月 200502
アコーディオンふかぶか夜の秋抱へ 山元志津香 八千草 200502
夜の秋やブルーに澄めるアペリテイフ 泉田秋硯 黄色い風 200505
風荒れし庭鎮もりぬ夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200508
嵐去りたるは昨日よ夜の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200508
たたむ衣に紋紙そよぐ夜の秋 品川鈴子 ぐろっけ 200509
省線の夜の秋風に身を曝らす 瀧春一 菜園 200509
夜の秋の今は俳句の友たりき 瀧春一 菜園 200509
便箋の銀線しるき夜の秋 中田みなみ 200509
半島のハンうたひあぐ夜の秋 竹内弘子 あを 200509
誰も弾かぬピアノが黒し夜の秋 岡田和子 馬醉木 200510
多羅葉の辺り声する夜の秋 山尾玉藻 火星 200510
羽根ペンの文字のかすれて夜の秋 清水ゆみ子 200510
居酒屋のバイオリン弾き夜の秋 清水ゆみ子 200510
蘇州を想ふ二胡の調べや夜の秋 岡井しげ女 春燈 200510
何処よりひびくサックス夜の秋 三枝邦光 ぐろっけ 200510
夜の秋ピアノ離るるピアニスト 門脇なづな 対岸 200510
一つ灯に妻も物書く夜の秋 塩田博久 風土 200510
降りたちし無人駅舎の夜の秋 濱崎惠美子 河鹿 200510
橋桁の潮動きだす夜の秋 長沼三津夫 200510
一石橋渡り西河岸夜の秋 芝尚子 あを 200510
夜の秋やまたまたテロの報じられ 泉田秋硯 200511
ロボットの犬と戯る夜の秋 中山勢都子 200511
羽衣は子に預けあり夜の秋 中島陽華 200511
手を握り妻眠らする夜の秋 淺場英彦 万象 200511
一万円分の言ひ訳夜の秋 倉持梨恵 200511
夜の秋虫の化石の琥珀に透く 椙山正彦 200511
夜の秋の千年杉の祠かな 飯塚ゑ子 火星 200511
携帯のぐぐと動きし夜の秋 野澤あき 火星 200511
夜の秋の上戸は仰ぎ下戸は垂る 戸田春月 火星 200511
体調を問ひつ問はれつ夜の秋 中上照代 火星 200511
ラジオから森繁久弥夜の秋 近藤真夫 遠嶺 200511
大の字の足裏が捉ふ夜の秋 鈴掛穂 200511
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2021年8月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。