八手の花 4     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
八手咲き虻の声明はじまりぬ 薮脇晴美 馬醉木 200803
養生訓きかぬふりして花八つ手 丸山佳子 京鹿子 200803
路地に子の遊ぶ声あり花八手 君島栄子 酸漿 200803
花八つ手鴫立庵の水匂ふ 東良子 遠嶺 200803
すぐ暗く日暮ととのふ花八手 佐々木千代 200803
八ツ手咲く木場の橋より生活見て 加瀬美代子 200803
地境の八つ手の花の地より昏れ 柴田久子 風土 200803
末っ子の転勤の日や花八ツ手 須賀敏子 あを 200803
八つ手は実妙に澄ませり庭の木木 丸山佳子 京鹿子 200804
花八手観音堂の裏に来て 坪内稔典 稔典句集 200804
住職は話好きなり花八つ手 福島ゆき子 ぐろっけ 200804
花八手古き商家の外厠 菊池由惠 酸漿 200804
赤ん坊の眠りひたすら花八手 服部早苗 200804
ギターの弦締める弛める花八ツ手 山田美恵子 火星 200804
八手咲く小城下の路地辿り来し 浅井青陽子 ホトトギス 200806
八手咲く人に転機の重さあり 鈴鹿仁 京鹿子 200812
八ツ手の花こぼして蠅の舌なめづり 瀧春一 深林 200901
八ツ手の花玲瓏蝶は死絶えしか 瀧春一 深林 200901
飛ぶやうに過ぎてゆく日々花八手 田中藤穂 あを 200901
蜂群れる八つ手の花にいのちかな 鈴木阿久 200901
八ツ手の葉雨を溜めゐて秋立つや 瀧春一 深林 200901
ほぐれ出す八つ手の花や癒確か 田原陽子 200902
魔法瓶のやうな図書館花八手 浅田光代 風土 200902
花八ツ手能楽堂の半びらき 岩井ひろこ 火星 200902
花八手肺の隅まで息吸うて 冨松寛子 200902
かすかなる夕日のゆくへ花八つ手 中山純子 万象 200902
夕刊はまだ来てをらず花八手 田中藤穂 あを 200902
花八ッ手グーチヨキパーのパー好み 荻野千枝 京鹿子 200902
二畳間は黙考の部屋花八手 佐藤博重 春燈 200902
点滴の落ちるを見をり花八ツ手 小城綾子 200902
子牛増え牛舎はれやか花八手 友野よし子 酸漿 200903
八つ手咲く師の深きこゑ星のこゑ 本多俊子 200903
温泉街に畳屋多し花八手 嶋田摩耶子 ホトトギス 200904
体操は伸びをするのみ花八ツ手 渡辺数子 火星 200904
花八ッ手いちばん言ひたきこと言へず 熊谷かをる 200905
今さらと思ふ入会花八つ手 丸山佳子 京鹿子 200909
引きこもる子に高き窓花八手 佐藤喜仙 壁炉 200911
ここに住み幾十年の花八ツ手 鈴木勢津子 樹間 200911
八手咲き咲きためらへる姿あり 阿部ひろし 酸漿 200912
この朝の白さ見せたり花八手 阿部ひろし 酸漿 200912
ものを煮る匂ひの濃しや花八つ手 中山純子 万象 201001
花八っ手厠の窓に映ゆる影 石川かおり 201001
花八手間合閑かに屋根を葺く 森理和 あをかき 201001
花八つ手何故か昔を振り向かす 遠藤実 あをかき 201001
豊かさは心の中に八つ手咲く 須賀敏子 あを 201001
八手咲き花ほのぼのと文殊堂 阿部ひろし 酸漿 201001
さりげなく生残る智恵花八手 田中涼平 201002
病気診て病者みてゐず花八手 細川洋子 201002
花八つ手早や夕刊の来る時間 舘泰生 風土 201002
花八つ手母の忌日を忘じけり 杉本薬王子 風土 201002
終りなきテロのニュースや花八手 山荘慶子 あを 201002
臨書してわれとの対話花八手 西村操 雨月 201002
花八手出さずじまひの手紙かな 都丸美陽子 春燈 201002
花八手まろく仏性具へをり 松本周二 201002
一湾を見下ろす宿の花八つ手 村上昌子 201003
売り声を他所に八手の咲ける路地 上田明子 雨月 201003
抜け道をせばめ八ッ手の花はじく 稲垣佳子 末黒野 201003
畳敷きの明治のチャペル花八手 刈米育子 201003
つくばひに雨のにぎやか花八ッ手 根橋宏次 やぶれ傘 201003
濁世には媚びぬ生きざま花八つ手 林和子 201003
ひそやかさ溢れてゐたり花八手 三井公子 酸漿 201003
朝なさな歩む抜け道八手咲く 中野久雄 末黒野 201003
花八つ手をんなは曰く死ねませぬ 岡田のり子 201004
裏庭に光あつめし花八手 生田喬也 201004
手にはめて軍手を洗ふ花八ツ手 坂口夫佐子 火星 201006
花八手新車運転そろそろと 嶋田摩耶子 ホトトギス 201006
日暮ともつかぬ空なり花八手 片山由美子 201011
八手咲く「売家」と門とざされて 水原春郎 馬醉木 201101
時待ちし幾日ぞ八手花咲ける 阿部ひろし 酸漿 201101
花八手頼家菩提の指月殿 坂上香菜 201101
八手の葉氷雨貯めては流すなり 小野木雁 酸漿 201101
振りあげし拳はどこに花八ツ手 石脇みはる 201101
教りて教りて十年花八ッ手 赤座典子 あを 201101
ハテ今日は何をしたかと花八ッ手 鎌倉喜久恵 あを 201102
日の影のささくれだてる花八つ手 府川昭子 春燈 201102
金蠅のいつよりをりし花八つ手 山本耀子 火星 201102
花八ツ手佛間一と間を隠したる 井上信子 201102
花八手肩の力を抜けといふ 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201102
名も知らぬ社に至る花八手 金子清孝 ぐろっけ 201102
家計簿に昨日を記す花八手 長崎桂子 あを 201102
花八っ手父に遺書なくわれになく 神蔵器 風土 201102
取り混ぜて駄菓子買ひけり花八手 瀬島洒望 やぶれ傘 201102
ちゃんづけで呼ぶこそばゆさ花八手 安部里子 あを 201102
うしろ向き女化粧へり花八つ手 中山純子 万象 201102
八つ手咲く京の町屋の片泊り 近藤幸三郎 風土 201103
八手咲き裏参道を明るくす 柳田和子 酸漿 201103
夫病んで虻のむらがる花八ツ手 木野本加寿江 火星 201103
思ひ出はセピア色なり花八ツ手 千坂美津恵 201103
花八っ手はじけ咲かせる葉艶かな 桂敦子 201103
花八つ手五輪の鈴を響かせり 大西順子 ろんど 201103
花八ツ手記者会見に臨みたる 瀬川公馨 201103
仕舞屋のピアノ零れ来花八手 松本三千夫 末黒野 201103
成層圏ぽんと晴れたり花八ツ手 水野恒彦 201103
ポケットの手の温もりや花八ツ手 宮川みね子 風土 201103
占いに聞いてもとけぬ八ツ手の実 池田久恵 ぐろっけ 201103
花八ツ手今川焼を一ツ半 近藤公子 201104
花八手姉妹仲よく日向ぼこ 長坂ヤス子 酸漿 201104
提灯に帰浄の墨字花八つ手 藤井美晴 やぶれ傘 201105
菰巻くに取りのこされて花八ツ手 野沢しの武 風土 201105
花八手弁天池に水の無く 篠田純子 あを 201112
八手の花→5      

 

2021年11月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。