八手の花 3     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
普段着のまま永らへて花八手 有吉桜雲 200503
集ひゐて血縁ばかり花八つ手 生方ふよう 200503
病むひとの矜持ささへむ花八つ手 田原陽子 200503
青竹の伐囗白し花八ツ手 須永トシ 栴檀 200503
花八手母の余生を思ひをり 小山香月 酸漿 200503
花八つ手古き家いえ鉢並ぶ 芝尚子 200503
木の札をつけて小さき花八手 伊藤早苗 200503
晩年は父より母似花八つ手 水野範子 ぐろっけ 200503
今日生きて人の訃をきく花八つ手 生方ふよう 200504
ぼんやりと八ツ手の花のひと日かな 秋千晴 200505
花八ツ手けつこう虫の多く来る 鈴木多枝子 あを 200505
からくりの鐘の鳴る駅花八手 三枝きぬ子 帆船 200505
がつちりと葉の受けとめて花八つ手 嶋田摩耶子 ホトトギス 200505
地味色の鳥に好かれて八つ手の実 大塚まや 京鹿子 200508
このころの虫を呼びをり花八手 阿部ひろし 酸漿 200512
往き止まる路地ひき返す花八ッ手 森理和 あを 200512
父いつも母を急かせて花八つ手 高倉和子 200601
ささくれが気になりだして花八ツ手 鈴木多枝子 あを 200601
歌ごゑのごとく八つ手の咲き揃ふ 岡本眸 200601
うらうらと八手の花のミルク色 安部里子 あを 200601
木と紙の家にやさしく花八つ手 鎌倉喜久恵 あを 200601
よろこびの八手の花の揺れなりし 高橋将夫 200602
豆を煮るひとりの時間花八ッ手 清水ミツコ 200602
B館に八方美人の花八つ手 丸山佳子 京鹿子 200602
離れ家の老いたる姉に八手咲く 細川コマヱ 雨月 200602
花八つ手雨の重たくなりにけり 牧長幸子 対岸 200602
小声もてとどく知らせや花八つ手 柴田佐知子 200602
標札に母まだ生きて花八ツ手 吉田かずや 春潮 200602
くちびるがなむあみだぶつ花八ツ手 大山文子 火星 200602
この先も野心は持たず花八つ手 野口光江 遠嶺 200602
散り敷きて星の砂めく花八つ手 松崎鉄之介 200603
日と風の触れ合ふ高さ花八手 長野純顕 対岸 200603
庭を掃く母のおもかげ花八手 宮崎清子 百鳥 200603
八ッ手咲く日暮てよりの猿回し 初瀬啓子 200603
花八つ手虻の出入りの自由かな 成井侃 対岸 200603
米寿いま清貧を愛で花八つ手 沼口蓬風 河鹿 200603
花八ツ手ゆだねて心静まれり 山荘慶子 あを 200604
花八つ手鍋ふつふつと蔵座敷 芳賀雅子 遠嶺 200604
裏庭へ移る日ざしや花八つ手 飛山ますみ 遠嶺 200604
花八手月日静かに顧みる 水田むつみ ホトトギス 200604
花八手心経ひびく老の坂 吉田王里 風土 200605
塀のなき家並相似る花八ッ手 清水裕子 200605
居酒屋のバケツの鉢の八つ手咲く 瀧春一 常念 200606
花八手木洩日集めをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200611
花八手どうして人は宇宙恋ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
たくましき八手の花のうすみどり 岡田麻枝 酸漿 200701
子のために大縄回す花八手 森理和 あを 200701
己が身の月日たひらや花八手 永見嘉敏 酸漿 200701
花八つ手の明るさの中顔入れたし 松崎鉄之介 200701
光悦垣のをとこ結びや花八ツ手 浜田栄子 京鹿子 200701
日のさせば小虫大虫花八手 海上俊臣 酸漿 200702
花八手山門前を霧流れ 池田いつ子 酸漿 200702
観音堂へ湯桶運ばる花八ツ手 蘭定かず子 火星 200702
花八ッ手釣書の写真さし替へる 垣岡暎子 火星 200702
雀来る花に華なき花八つ手 前川明子 200702
山積の納め火箸や花八ツ手 今里満子 火星 200702
流鏑馬の馬場あらためや八つ手咲く 近藤幸三郎 風土 200702
余生こそ二人三脚花八手 水原春郎 馬醉木 200702
爪ともすごとき遺言八つ手咲く 神蔵器 風土 200702
烏賊墨に染まる俎板花八ツ手 渡邉美保 火星 200703
花八ツ手旅籠に残るなまこ壁 三澤治子 万象 200703
花八つ手老人ばかりの遺族席 戸栗末廣 火星 200703
花八つ手軍馬岩川戰死の碑 角直指 京鹿子 200703
このごろの遠出の微熱花八つ手 戸栗末廣 火星 200703
腋あらば八ツ手の花を蔵すべし 石脇みはる 200703
こぼれ日を拾ひて白し花八つ手 佐藤晴子 万象 200703
ぼんやりと生きてぼんやり花八ツ手 野澤あき 火星 200704
花八つ手こんもり路地を覆ひけり 池田光子 200704
生きすぎし感じまだなし花八つ手 丸山佳子 京鹿子 200704
逝きしよりさらに身近や花八手 水田むつみ ホトトギス 200704
空き腹や八ッ手の花を通りすぎ 百瀬七生子 海光 200705
たまかなる女のくらし花八つ手 金井充 百日紅 200711
肩に背に日の温みあり花八手 永見嘉敏 酸漿 200712
雨に日に見てこの朝の花八手 阿部ひろし 酸漿 200712
歩にあはせ謡の稽古花八ツ手 東亜未 あを 200712
逞しき葉を從へて花八手 和田照子 200712
晩婚の姉さまかむり花八手 酒本八重 200712
ビルの間の庶民の庭に花八つ手 松崎鉄之介 200801
花八つ手天日うすくひろごりぬ 真保喜代子 200801
転んでは泣くに間のある花八つ手 辻美奈子 200801
微睡まどろみに音なき雨や花八手 栗栖八重子 ぐろっけ 200801
青邨の亡き杉並区八つ手咲く 神蔵器 風土 200801
十二本花序の枝を出す花八つ手 松崎鉄之介 200801
きりぎしに波音見るや花八ツ手 安永圭子 風土 200802
しづけさに遠流の島の花八ツ手 安永圭子 風土 200802
二代目も内科小児科花八ッ手 塩田博久 風土 200802
持ち上げて閉める裏木戸花八つ手 奥田茶々 風土 200802
花八手休診札の褪せにけり 金子輝 春燈 200802
いつまでも日当つてゐる花八手 伊藤静香 200802
括られて捨て場に凛と花八手 小黒加支 酸漿 200802
花八つ手この世旅立つとき一人 廣畑忠明 火星 200802
紀の海の荒れ初めにけり花八手 小山香月 酸漿 200802
花八手軽く病みては老深め 木下忠雄 酸漿 200802
花八つ手満中陰の数珠届く 藤井良子 200802
花八ツ手どら焼一つ食して昼 石脇みはる 200802
花八つ手水音荒く船洗ふ 近藤幸三郎 風土 200802
八手咲きメンタル・ヘルス科奥の奥 代田青鳥 風土 200802
ひいばあと曽孫の呼ぶ声花八手 細川コマヱ 雨月 200802
アルバムの笑顔泣き顔花八つ手 西澤ひで子 遠嶺 200803
ゆく末はなべてあいまい花八手 堀内一郎 あを 200803
八手の花→4      

 

2021年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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