山笑ふ 4       100句

山笑ふ胎動ときにへその裏   仙田洋子   歳時記(第三書館)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
爪先の自由な靴や山笑ふ 高倉和子 200703
蛙掛とふ勝ち手あり山笑ふ 水原春郎 馬醉木 200704
山笑ふ上下自在に介護の椅子 青山悠 200704
大室山笑へば小室答へけり 水原春郎 馬醉木 200705
五斗米に腰が折れたか山笑ふ 小形さとる 200705
逆さまに貼られしお札山笑ふ 松嶋一洋 200705
太鼓負ふ踊り子像や山笑ふ 木暮剛平 万象 200705
山々の笑へる裾を塩の道 くらたけん 200705
山笑ふ仏の顔の湯治客 小林朱夏 200705
闊達な三連水車山笑ふ 小林朱夏 200705
藷判とはにつくき色紙山笑ふ 守屋井蛙 酸漿 200705
廃線の駅長室や山笑ふ 若槻妙子 200705
竹のあるところもつとも山笑ふ 鷹羽狩行 200706
負ひ籠に魔除の土鈴山笑ふ 塙三千男 馬醉木 200706
山笑ひ山彦もまた生き返る 泉田秋硯 200706
峠路はバスの難渋山笑ふ 名取袿子 200706
亡夫は今「千の風」なり山笑ふ 松村富子 200706
山笑ふ大江山の鬼も起さねば 吉田裕志 200706
貰ひしは脳トレドリル山笑ふ 白髪美佐子 200706
骨密度二十歳なりとや山笑ふ 上原朝子 200706
ゴールドの運転免許山笑ふ 後條さと子 200706
山笑ふ神をみごもる真昼間 栗栖恵通子 200706
終章はポルカのテンポ山笑ふ 雨村敏子 200706
写真機は使ひ捨てなり山笑ふ 竹下昌子 200706
はかどらぬ花鳥の刺繍山笑ふ 荒木治代 ぐろっけ 200706
柩また一つ呑み込み山笑ふ 馬越幸子 ぐろっけ 200706
絶賛を受けし「黄河」に山笑ふ 松崎鉄之介 200706
発電の風車のろのろ山笑ふ 岸本久栄 雨月 200706
正直に安穏に生き山笑ふ 青垣和子 雨月 200706
一生を尊王攘夷に山笑ふ 林日圓 京鹿子 200706
山笑ふ山の小石につまづいて 木内美保子 六花 200706
山笑ふ寸又峡温泉眠たげに 須賀敏子 あを 200706
鈍感力のみを自負せり山笑ふ 鈴木照子 200707
相撲部の追出しコンパ山笑ふ 阪本哲弘 200707
噴煙の谷を抱きて山笑ふ 山本とく江 万象 200707
鳶の舞ふ高さに山の笑ふかな 伊藤美音子 万象 200707
山笑ふたかゑさんちの碧い屋根 小林成子 火星 200707
怒る海笑へる山も郷里のもの 栗栖恵通子 200707
笑ふ山地球儀軽く回りたる 岩月優美子 200707
禽あまた抱へ里山笑ひけり 千田百里 200707
山笑ふ雨のたうたう本降りに 数長藤代 200707
この家も媼は元気山笑ふ 荒木治代 ぐろっけ 200707
穏やかな雲の動きに山笑ふ 瀬沼利雄 酸漿 200707
わたくしの声のこだまに笑ふ山 有吉桜雲 200708
花粉無き杉の育つに山笑ふ 芹田敏子 200708
もの書くは明日への力山笑ふ 木田秀子 200708
ああすればこうもすればと山笑ふ 大村真佐子 遠嶺 200708
山笑ふやうやく通す針の糸 高倉恵美子 200708
山笑う猫も子供も苑ころげ 平野きぬ子 八千草 200709
俳句誌に同姓同名山笑う 藤原りくを 八千草 200709
筑波山わらふや蝦蟇の口上に 平野伸子 馬醉木 200710
子のあくび貰へば山の笑ひけり 伊東恵美子 馬醉木 200710
山笑ひながら人間寄せつけず 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
子午線に立てば淡路の山笑ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
恋多き乙女の句座や山笑ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
潤む山笑ふ山まだ覚めぬ山 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
山笑ふとはどことなくさりげなく 稲畑汀子 ホトトギス 200803
生きざまを語りはじめて山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200803
住む町の気に入つてをり山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200803
六甲の裾はわが町山笑ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200803
ふるさとや節穴越しに山笑ふ 鷹羽狩行 200803
ウォーキングの一人の行進山笑ふ 小林朱夏 200804
デカルトもカントも知らず山笑ふ 塩路五郎 200805
発進のジェット機雲や山笑ひ 鈴木照子 200805
山笑ひ初むまた一つ歳をとり 松嶋一洋 200805
縄とびの波の向ふの山笑ふ 岡野ひろ子 200805
陣屋宿の太鼓響くや山笑ふ 石橋公代 春燈 200805
横須賀の谷毎に駅山笑ふ 松崎鉄之介 200805
山笑ふケーブル下のけもの径 吉田島江 火星 200805
忍耐もここまでだよと山笑ふ 笹井康夫 200806
「大」の火の薪割る音山笑ふ 坂根宏子 200806
なまぬるき牛の鼻息山笑ふ 小林千草 馬醉木 200806
山笑ふ淑女ばかりのティータイム 杉本綾 200806
錻力板丸く抜かれて山笑ふ 府川房江 遠嶺 200806
山笑ふ小鳥の声に目覚めゐて 加藤克 200806
山笑ふ不覚をとりし口舌かな 鈴木撫足 春燈 200806
山笑ふ蹴上げしやうな家の位置 佐藤山人 200806
光陰の矢にしたがひて山笑ふ 丸山佳子 京鹿子 200806
かぞへたくなる貨車過ぎて山笑ふ 佐々木紗知 京鹿子 200806
ふるさとは無人の駅よ山笑ふ 関戸文子 酸漿 200806
霊堂を深く抱きて山笑ふ 荻原麗子 酸漿 200806
飛行船のつそり現れて山笑ふ 泉田秋硯 二重唱 200806
山笑ふ縫つて走るや峡の里 羽賀恭子 200807
品書きのほとんどは時価山笑ふ 飛鳥由紀 200807
言訳のことばつぎはぎ山笑ふ 稲葉ちよこ 風土 200807
戒名をひとつ増やして山笑ふ 川口襄 遠嶺 200807
町内の行事つぎつぎ山笑ふ 小阪喜美子 遠嶺 200807
打つほどに退る木魚や山笑ふ 青山悠 200807
山笑ふ田畑ひろがる駅家跡 川崎光一郎 京鹿子 200807
うさぎ抱くための子の列山笑ふ 鈴掛穂 200807
山笑ふ独身主義を撤回し 山田夏子 雨月 200807
桃色の斑点つけて山笑ふ 出口誠 六花 200807
青春てふ言葉大好き山笑ふ 筏愛子 200808
足重きことは言ふまじ山笑ふ 上崎暮潮 ホトトギス 200808
山笑ふ七戸をめぐる回覧板 阿久津勝利 万象 200808
乳飲子の突張る力山笑ふ 木村真魚奈 京鹿子 200808
誰も知らぬ虚子の遠山笑ひけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
恋破れ夢は残りて山笑ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
大盛を所望の女山笑ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
合流の力満ちたり山笑ふ 竹貫示虹 京鹿子 200903
山笑ふ→5      

 

2021年3月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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