山眠る 7       118句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
千年の古都だき四方の山眠る 栗原公子 201903
瓦斯の世となりて久しき山眠る 水上陽三 201903
無口なる霊のをる山眠るごと 江島照美 201903
父祖眠る墓域の見えて初山河 藤生不二男 六花 201904
藁の束根方にかぶせ山眠る 池田光子 風土 201904
眠る山起こさず石を切り出せり 鈴木庸子 風土 201904
諸を抱へ抱へて山眠る 岩下芳子 201904
噂にもならぬ片恋山眠る 押田裕見子 201904
山眠る戦災のなき平成ぞ 中川源北 201905
眠る山工場のチャイム川越えて 大内幸子 六花 201905
まなかひに荒るる瀬戸内山眠る 大西乃子 201905
陵を抱き眠れる吉野山 山田閏子 ホトトギス 201905
眠る山より真つ直ぐに海へ道 浜崎素粒子 ホトトギス 201905
牧水のい行きいゆきし山眠る 中杉隆世 ホトトギス 201906
笠雲を豊かに山の眠りけり 田中とし江 201906
山眠る電車の中は僕眠る 宮嵜亀 船団 201906
山眠るその夢を見に来しわれぞ 和田華凛 ホトトギス 201906
参道の幾筋もある山眠る 青木朋子 201907
鳶の輪を上げて連山深眠り 亀井福恵 京鹿子 201907
山肌に新しき疵山眠る 村上二三 201907
ひややかや遠くに皇子の眠る山 沼田巴字 京鹿子 201909
俎板の傷また濡れて山眠る 深川淑枝 201909
土間いまも裸電球山眠る 田代貞香 201909
雲を抜け眠る山抜け着陸す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
酔ふほどに眠れる山の遠くなる ありかわみのる 202001
木の実降る古墳の眠る高野山(たかのやま) 小林共代 風土 202001
山眠る築四百年の城を乗せ 藤岡紫水 京鹿子 202002
夕映えの白馬連山眠り初む 北郷和顔 末黒野 202002
山眠る小学校に大きな木 根橋宏次 やぶれ傘 202002
山眠るほのかに笑まふ石仏 藤生不二男 六花 202002
山眠る槍よ奥穂のジャンダルム 田村すゝむ 風土 202002
武甲山発破の余韻に眠りけり 鈴木静恵 京鹿子 202002
くつきりと山容見せて山眠る 根本世津 202002
茶の花や大山古墳の深眠り 塙誠一郎 202002
眠る山ねむらぬ川を宥めつつ 能村研三 202002
山眠る天地無用の赤き文字 新沢伸夫 202002
偕老の約は果たせず山眠る 尾野奈津子 京鹿子 202002
三人征き遺骨なき墓山眠る 長谷英夫 馬醉木 202002
笈摺の八苦を修め山眠る 山口貴志子 馬醉木 202003
父の亡きあとの故里山眠る 千原叡子 ホトトギス 202003
営みの火を見て山は眠りけり 江島照美 202003
平家琵琶ゆつくりと山眠りゆく 林未生 202003
山裾の駅舎眠たし桐の花 岩永みはる 追伸 202003
古井戸の盤石の蓋山眠る 斉藤マキ子 末黒野 202003
土と火を統ぶる縄文山眠る 大矢恒彦 202003
落ちさうなる大岩抱き山眠る 森清堯 末黒野 202003
日表に日裏を重ね山眠る 中杉隆世 ホトトギス 202004
解体の近き城のせ眠る山 安原葉 ホトトギス 202004
ここよりの山は横顔山眠る 石井秀一 風土 202004
竜神も眠り深山の滝凍る 夏生一暁 馬醉木 202004
水底の黒を深めて山眠る 中田禎子 202004
迷ひより覚めざる如く山眠る 中杉隆世 ホトトギス 202004
石魂に見ゆる夢や山眠る 中杉隆世 ホトトギス 202004
山眠るその山にゐて眠られず 布施由岐子 末黒野 202005
山眠るこぼれんばかりの墓抱き 岸洋子 202005
正鵠にちかき矢の穴山眠る 服部早苗 202005
山眠る百戸平家の隠れ里 善野行 六花 202005
オカリナは大地の音色山眠る 涌羅由美 ホトトギス 202005
眠る山起こして別れは唐突に 大内幸子 六花 202006
居眠りに揺れる小春の山手線 増田裕司 やぶれ傘 202006
冬眠の目覚めうながす山の彩 丸井巴水 京鹿子 202006
木の実降る山河の眠り誘ふごと 良知悦郎 202007
雲来れば影を流して山眠る 田中とし江 202010
山眠り我は活動の朝となる 稲畑汀子 ホトトギス 202011
眠る山とて人声のなつかしく 稲畑汀子 ホトトギス 202011
山眠る人の往来に関はらず 稲畑汀子 ホトトギス 202011
六甲も摩耶もつづきて山眠る 稲畑汀子 ホトトギス 202011
見るだけとなりたる山の眠りけり 稲畑汀子 ホトトギス 202011
旅帰り山も眠つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202011
風荒るるとも山眠りそめにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202011
眠る山三瓶の旅の消息も 稲畑汀子 ホトトギス 202011
山眠る量子暗号首都を走す 堅山道助 風土 202011
落ちてゆく夕日沈めて山眠る 稲畑汀子 ホトトギス 202011
彩りを尽さぬままに山眠る 稲畑汀子 ホトトギス 202011
山眠りゆくとて摩耶も六甲も 稲畑汀子 ホトトギス 202011
教皇の去りし日本の山眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
山眠る虎穴と言へど眠り穴 鈴鹿呂仁 京鹿子 202101
山眠り石ころに乗る河原鳩 天野美登里 やぶれ傘 202101
残生という未知数や山眠る 西川保子 春燈 202102
妻が居て子が居て孫や山眠る 田中臥石 末黒野 202102
大原川の大蛇伝説山眠る 岡本尚子 風土 202102
昨日の喧騒失せて山眠る 秋川泉 あを 202102
群舞する野鳥の姿山眠る 大日向幸江 あを 202102
山眠る麓を移動販売車 西村洋平 春燈 202103
採石の発破のしきり山眠る 石黒興平 末黒野 202103
鳥声の姦しきかな山眠る 神谷さうび 末黒野 202103
山眠る角のかたちの電波塔 大坂正 末黒野 202103
真ん中のくぼむ俎板山眠る 横尾かんな 202103
伐採の跡がぽかんと山眠る 根橋宏次 やぶれ傘 202103
緩やかに稜線曳いて山眠る 浅嶋肇 やぶれ傘 202103
山眠る滅多に電話鳴らぬ家 仲里奈央 202104
湯気あがる忍野湧水山眠る 堺昌子 末黒野 202104
渓流の低き瀬音や山眠る 高木邦雄 末黒野 202104
山眠る青き猫の目燃えてをり 梅津まり子 末黒野 202104
山眠る牧に人恋ふ親子牛 和田啓 末黒野 202104
記憶より小さきふるさと山眠る 平野無石 202105
いくつもの罠を抱きて山眠る 永淵惠子 202107
山眠る眠れぬものを抱きつつ 山本則男 202107
山眠る千人風呂に首浮かせ 小野寿子 202201
若き日の想ひを抱き山眠る 河本由紀子 春燈 202202
アイロンの微かな余熱山眠る 石井美智子 風土 202202
山眠るダム湖に襖打つ響き 伊藤昌枝 202202
法灯をふところに山眠りけり 西川保子 春燈 202203
仏多き国東の里山眠る 鷹崎由未子 春燈 202203
トンネルを一つ許して山眠る 岩永はるみ 春燈 202203
鉄塔の赤きシグナル山眠る 高井修一 春燈 202203
迫り出せる大岩抱き山眠る 森清堯 末黒野 202203
泥濘の大き足跡山眠る 黒滝志麻子 末黒野 202203
山小屋の滾る湯沸し山眠る 太田良一 末黒野 202203
相輪は里の標や山眠る 伊藤美緒 末黒野 202203
山眠り電子頭脳も夢を見る 山中志津子 京鹿子 202203
違ひ棚のこけし飴いろ山眠る 横尾かんな 202203
年輪をさらす切株山眠る 和田慈子 末黒野 202204
石切場曝されてゐて山眠る 升田ヤス子 六花 202204
俳諧は心の呟き山眠る 上野進 春燈 202205
大仏と万巻収め山眠る 柴田佐知子 202205
ロザリオを入れし壺山眠る 新井千佐代 202208
山眠る火はとろとろとカッポ酒 倉智万数雄 202210
山眠る→ 1

 

2023年1月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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