山眠る 6       100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山眠る丈余の磨崖仏抱き 谷村祐治 雨月 201703
六甲山ねむり街の灯きらきらと 西村しげ子 雨月 201703
四方の山ひきつれ眠る長門富士 川上恵子 雨月 201703
眠る山いくつも越えて蕪村展 原田しずえ 万象 201703
消化器はいつも定位置山眠る 岸洋子 201703
野火止めの桶ひとつ置き山眠る 深川淑枝 201703
何もかも忘れたやうに山眠る 江島照美 201703
山眠る麓に鯉の動かざる 中貞子 201703
生き物をすべて懐山眠る 竹村淳 201703
美しき木霊を抱き山眠る 阪倉孝子 201703
山眠る永遠もまた瞬間も 雨村敏子 201703
崩壊の社真中に山眠る 佐藤澄世 馬醉木 201703
越後路や糝粉塗して山眠る 七郎衛門吉保 あを 201704
山眠る去年の想ひ抱いたまま 大日向幸江 あを 201704
製塩の蒸気こもりて山眠る 門伝史会 風土 201704
湯の村をダム湖に沈め山眠る 川村みよき 万象 201704
裾山は眠り鳥海高嶺晴 小松敏郎 万象 201704
一筋の水音残し山眠る 市川夏子 末黒野 201704
熊の出る噂を抱き山眠る 及川照子 末黒野 201704
山眠る餌を欲る鯉の息づかひ 安斎久英 末黒野 201704
消防車定位置に据ゑ山眠る 林昭太郎 201704
鉄塔をたてがみとして山眠る 金子正道 京鹿子 201704
筬の音聴きつつ山の眠りけり 川村みよき 万象 201704
里山も修験の山も眠りけり 宮井知英 201704
唐臼の音を残して山眠る 山本則男 201704
茅葺きの屋根重たげに山眠る 遠山のり子 201704
滝音は寝息であらむ山眠る 甕秀麿 201704
雲水の足の速さや山眠る 橋場美篶 末黒野 201705
あぎとへる鯉や眠れる山を背に 安斎久英 末黒野 201705
堂塔の威風堂々山眠る 谷口一献 六花 201705
入院の夫の見てゐる眠る山 隅田恵子 雨月 201705
山門に貘の彫刻春眠し 片山博介 春燈 201705
昔日を語る銅剣山眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
山眠る百万ドルの夜景抱き 稲畑廣太郎 ホトトギス 201712
みづうみに残る明るさ山眠る 今井肖子 ホトトギス 201712
骨壺の温みの記憶山眠る 大塚文枝 京鹿子 201801
山眠る山の暦は伏せしまま 本郷公子 京鹿子 201801
天網のほころびあまた山眠る 藤田美耶子 201802
山眠る神話の星の語りだす 本多俊子 201802
鎌倉五山抱く背山の眠りけり 落合絹代 風土 201802
虚しきも盈つるも抱き山眠る 藤丸誠巴 春燈 201802
鎮魂の湖沼いだきて山眠る 渡部良子 馬醉木 201802
鉄塔の十万ボルト山眠る 宮内とし子 201802
父の骨真白なりしか山眠る 岩田洋子 201802
山眠る故郷を捨て親を捨て 鈴木みのり 201803
別荘は水で繋がる山眠る つじあきこ 201803
千万の雄叫び抱いて山眠る 本池美佐子 201803
刻々と移る星座や山眠る 土屋啓 馬醉木 201803
山眠る伊豆に湯ヶ島堂ヶ島 是松三雄 末黒野 201803
護摩の火に昂ぶる太鼓山眠る 岡野里子 末黒野 201803
山眠る鞴操る左腕 大森尚子 風土 201803
幾筋も天使の梯子山眠る 渡谷和代 万象 201803
鳶の輪に眠りし山の大文字 松本鷹根 京鹿子 201803
無二の友奪ひし山の眠りけり 岡村彩里 雨月 201803
収穫を終へし畑抱き山眠る 堀田こう 雨月 201803
山眠る杣の焚火の煙立ち 谷村祐治 雨月 201803
神の山多度は常磐に眠らざる 浅井青二 雨月 201803
畑に立つ煙ひと筋山眠る 廣瀬雅男 やぶれ傘 201803
僧堂を懐にして山眠る 岡本秀子 201803
山眠るこくんこくんと膝の皿 つじあきこ 201803
山眠る集めた小銭重たすぎ たかはしすなお 201803
東山眠るペンギンと眠る 火箱ひろ 201803
山眠り居ても湧水絶え間無く 安江筍子 雨月 201804
八方に谺散りけり山眠る 吉田きみえ 末黒野 201804
我一人のみの足音山眠る 安江筍子 雨月 201804
黒い雪眠りの醒めし白根山 七郎衛門吉保 あを 201804
波音を楽にそびらの山眠る 安斎久英 末黒野 201805
眠りたる山やかすかに獣道 石黒興平 末黒野 201805
皇子眠る二上山ぬらす春しぐれ 玉置かよ子 雨月 201806
人住まぬ集落のこり山眠る 森田明成 201806
山々の眠りうながす田の煙 角野良生 201806
恐竜の化石ざらりと山眠る 深川淑枝 201806
懐に茶畑を抱き山眠る 五島富佐子 雨月 201806
東山眠り国宝展に列 五島富佐子 雨月 201806
山眠る九十六の母笑ふ 吉田悦子 201808
山小屋の深き眠りや星流る 谷村祐治 雨月 201811
山眠るいわきの湯殿はなの舞 酒井たかお 201811
山茶花や三角池を眠らせず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
眠る山見下し富士の天を突く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
星屑のこぼる大河よ山眠る 鈴鹿呂仁 京鹿子 201901
半鐘は今も高きに山眠る 定梶じょう あを 201901
無二の友奪ひし山け眠りけり 岡村彩里 雨月 201901
伝説の埋蔵金よ山眠る 平子公一 馬醉木 201901
白一色化粧替へして山眠る 七郎衛門吉保 あを 201902
京の山眠るや乱世とくと見き 辻美奈子 201902
天空の城もろともに山眠る 西村白杼 京鹿子 201902
山眠る風は優雅に西へ吹く 鈴鹿仁 京鹿子 201902
洛中は賑はひ東山眠る 千田百里 201902
体育坐りのだいだらぼっち山眠る 篠田純子 あを 201903
こーんな大きい石があるのよ山眠る おーた一えつこ 201903
山眠る中を下山の鈴の音 白石正躬 やぶれ傘 201903
雄岳と雌岳離ればなれに山眠る 内山照久 201903
眠る山日を食ふ月を渡しをり 井原美鳥 201903
むつつりの羅漢を抱き山眠る 及川照子 末黒野 201903
山眠り数へ切れない群鶴図 塩貝朱千 京鹿子 201903
東山眠るふところ友眠る 下田奉枝 雨月 201903
朗詠のこだまを返し山眠る 田中たつを 雨月 201903
山眠る片目達磨の置き去りに 井尻妙子 京鹿子 201903
むかしおもちやの木地の積木や山眠る 松山三千江 春燈 201903
波がしら眠る山裾打ちつづけ 安斎久英 末黒野 201903
山眠る→ 7      

 

2021年1月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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