山眠る 4       121句

山眠る水琴窟の音を抱きて    斎藤嘉久  獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
露天湯を懐にして山眠る 鈴木照子 201002
朝倉の栄えし城下山眠る 井口淳子 201002
山眠る卑弥呼のロマンひしと抱き 阪本哲弘 201002
洪鐘の響きいだきて山眠る 徳田千鶴子 馬醉木 201002
湧水の十度を保ち山眠る 宮内とし子 201002
眼前の百八十度山眠る 佐々木群 201002
潭身の彩を残して山眠る 清水佑実子 201002
山眠る夕日に肩をとがらせて 野崎昭子 春燈 201002
業平の墓をねむらせ山眠る さのれいこ 春燈 201002
鷹舞ふや甲斐の火の山眠らせて 横山義恭 201002
峡の邑抱きてまろき山眠る 伊東和子 201003
山眠るわが瞑想いま半ば 山根征子 201003
縦縞の気象図現れて山眠る 泉田秋硯 201003
朝倉氏栄えし城下山眠る 井口淳子 201003
忽然と廻る水車や山眠る 熊切光子 末黒野 201003
SLの尾を引く汽笛山眠る 中野久雄 末黒野 201003
法螺の音の渡る四方の山眠る 岡野里子 末黒野 201003
人を待つ五百羅漢や山眠る 泉和美 末黒野 201003
おほかみの護符ふところに山眠る 服部早苗 201003
雑木山眠ればぼやく鳥がゐる 小野寺節子 風土 201003
學の字のむかしの瓦山眠る 野澤あき 火星 201003
ヨーデルの声の掠れや山眠る 和田政子 201003
山眠り広き裾野の岐路多し 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201003
夕空の星のまたたき山眠り 増田一代 201004
青空は大きな布団山眠る 北川キヨ子 201004
南朝の歴史を秘めて山眠る 林和子 201004
松代の大本営あと山眠る 井口淳子 201004
汚濁の世見て見ぬ振りに山眠る 川崎光一郎 京鹿子 201004
存問の煙ひとすぢ山眠る 山中志津子 京鹿子 201004
頂に昼月かかげ山眠る 斉藤雅子 末黒野 201004
まとふ物皆脱ぎ捨てて山眠る 小寺ふく子 六花 201004
山眠る遭難事故を知らぬげに 高瀬桜 201005
菜に塩をたっぷりとふり山眠る 定梶じょう あを 201005
山眠る撚つては紙縒ならべけり 定梶じよう あを 201008
せせらぎを心音と為し山眠る 坂本哲弘 山ざくら 201009
姥捨は昔噺よ山眠る 米山喜久子 201101
稜線のなべて撫で肩山眠る 森岡正作 201101
ふところに萬の鉾杉山眠る 鈴鹿仁 京鹿子 201101
魂の山に鎮もり山眠る 佐藤真隆 京鹿子 201101
土産には万葉集を山眠る 長谷川鮎 ぐろっけ 201101
一望に故郷の山眠りをり 若本彰子 酸漿 201101
懐にしまふ諸々山眠る 森下康子 201102
日を沈め月を沈めて山眠る 豊田都峰 京鹿子 201102
水碧きダム湖の影や山眠る 鈴木英男 末黒野 201102
山眠る前の賑はひまなうらに 林美智 ぐろっけ 201102
釦押し降りる電車や山眠る 根橋宏次 やぶれ傘 201102
山眠り畑もねむり烏啼く 吉本淳 ぐろっけ 201102
熊警報解除となりて山眠る 宮入河童 201103
残照をしばしとどめて山眠る 山田春好 201103
山眠り奏銭箱に鍵ふたつ 林昭太郎 201103
名を知らぬ鳥のよき声山眠る 清海信子 末黒野 201103
立木みな学費となりて山眠る 斉藤マキ子 末黒野 201103
山眠る寝返りひとつ打たずして 高橋将夫 201103
山眠るそこに眠れるもの抱き 内藤静 風土 201103
朝まだき山眠るなか列車発つ 渡辺安酔 201103
雲の影移りゆく山眠りけり 吉村光子 万象 201103
山眠る遺影とすべき写真選る 北川孝子 京鹿子 201103
舟形の石棺封じ山眠る 西村滋子 京鹿子 201103
切り株に子猿のねぐら山眠る 陶山泰子 ぐろっけ 201103
山眠る杉直幹の青き鬱 田中一美 ろんど 201103
いっこうに当らぬ八卦山眠る 松岡和子 201104
万葉のふるみち秘めて山眠る 木山白洋 馬醉木 201104
丹の鳥居連ねてお山眠るかな 浅井敦子 万象 201104
懐に大湖を抱き山眠る 安斎久英 末黒野 201104
山眠る遺影とすべき写眞選る 北川孝子 京鹿子 201104
山眠る家内に潜む鼠ども 吉弘恭子 あを 201104
街道をゆくダンプカー山眠る 丑久保勲 やぶれ傘 201105
勾玉は胎児のかたち山眠る 火箱游歩 船団 201107
山眠るてふ哲学に入りにけり 蔦三郎 ホトトギス 201110
身に纏ふなにものも無き山眠る 星野早苗 船団 201110
間伐の杉散乱し山眠る 中條睦子 万象 201110
洪鐘の響いだきて山眠る コ田千鶴子 花の翼 201111
幸村の魂を鎮めて山眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
石壁に狂気の落書き山眠る 高橋泰子 201201
名刹を抱き一山眠りけり 雲所誠子 風土 201201
山眠り思ひ出させる君が代を 丸山佳子 京鹿子 201201
自画像は習作のまま山眠る 山中志津子 京鹿子 201201
香具山や背を低くして山眠る 笠井清佑 201202
白骨の如き木々抱き山眠る 西田史郎 201202
微かなる硫気を放ち山眠る 水原春郎 馬醉木 201202
白樺の目蓋あかるく山眠る 近藤喜子 201202
湖の波黄金に明けて山眠る 竹中一花 201202
山眠る一枚岩の烽火台 宮井知英 201202
山眠る地軸に沿うて傾ぎつつ 千田百里 201202
語り部の間合の笛や山眠る 藤原照子 201202
山眠る黄色いヤッケの捜索隊 久染康子 201202
山眠る走り根絆深くして 北村幸子 201202
山眠る寝息に揺すられ里の木々 松嶋一洋 201202
相輪の金色著し山眠る 都丸美陽子 春燈 201202
山頂にともる一灯山眠る 平田榮子 春燈 201202
初恋は着流し誓子山眠る 水野範子 ぐろっけ 201202
いくつもの鉢水底に山眠る 坂口夫佐子 火星 201202
薪小屋に隣る味噌蔵山眠る 蘭定かず子 火星 201202
鉄塔は化粧直して山眠る 長谷川たかお ろんど 201202
山眠る高みへ向ふ鳥一羽 藤生不二男 六花 201202
木々よりの散りしを糧に山眠る 小栗八重 201203
山眠る桶屋は戸口開け放ち 青木ちづる 201203
山眠り田は寝かされてをりしかな 相良牧人 201203
ふところによろこび悲しび山眠る 近藤きくえ 201203
鴇色の風を掛布に山眠る 竹中一花 201203
山眠る地球丸しと思ひけり 井口ふみ緒 風土 201203
食堂に買ふバス券や山眠る 鈴木庸子 風土 201203
谷戸鴉騒ぐを余所に山眠る 西川みほ 末黒野 201203
官道の工事たけなは山眠る 森清堯 末黒野 201203
山眠り故障のままの大風車 寺岡ひろし 雨月 201203
盧舎那仏在すかたへの山眠る 西出しず子 雨月 201203
山眠る小松内府をふところに 松橋利雄 光陰 201203
山眠る地中の寝息抱くやうに 橋本順子 201204
裾のばし蕉郷の山眠りけり 上谷昌憲 201204
床下に神酒の空き樽山眠る 鳳蛮華 201204
雲ひくく重なり合うて山眠る 赤羽陽子 春燈 201204
林道の曲がり尽して山眠る 中澤弘 春燈 201204
念入りに鎌のさびどめ山眠る 仲井タミ江 京鹿子 201204
単線路汽笛のこして山眠る 上野紫泉 京鹿子 201204
星屑の散り山眠る七つ森 赤川誓城 ホトトギス 201205
窓に見る筑波連山眠り込む 渡辺安酔 201205
トラックの引つ切りなしに山眠る 丑久保勲 やぶれ傘 201205
茶団子の一列五つ山眠る 火箱ひろ 船団 201206
くつきりと晴るる多摩川山眠る 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206
山眠り母に昔がちかくなる 林昭太郎 あまねく 201210
山眠る魑魅眠つてをらざりし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
採掘を終へし足尾や山眠る 近昌夫 春燈 201212
山眠る→ 5      

 

2020年12月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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