山眠る 3     136句

いつも正直ふるさとの山眠る   福本弘明   ザ・俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
爬虫類隠匿のまま山眠る 泉田秋硯 200503
杣人の火にあたたまり山眠る 高嶋文清 春燈 200503
はらひたまへ浄めたまへと山眠る 丸山佳子 京鹿子 200503
山眠る麓に艾あきなへり 中條睦子 万象 200504
山眠る背なに西方浄土光 星加克己 ぐろっけ 200504
雑木林灰燼の如山眠る 上原口チヱ ぐろっけ 200504
山眠る日のでこぼこと針坊主 梶浦玲良子 六花 200504
山眠る寝息のやうな白い雲 木内美保子 六花 200504
崩落の崖剥き出しに山眠る 白井剛夫 200504
霊場の祠連ねて山眠る 木場田秀俊 200504
飛鳥路に三山眠る静心 渡辺隆 遠嶺 200504
山眠る厠の神をふところに 戸田和子 200504
山眠る明治の時計鳴る生家 昔農治子 万象 200505
湖を囲む連山眠りけり 石川英利 百鳥 200505
山里に人影はなし山眠る 長石肇 築港 200505
万葉の夜具敷つめて山眠る 武井哲 八千草 200505
山眠り四五戸添ひ寝のかたちなり 酒本八重 里着 200506
万二郎岳さきがけ伊豆の山眠る 水原春郎 馬醉木 200601
山眠る火口をかかへ湖を抱き 鷹羽狩行 200601
飛鳥川男綱かかげて山眠る 河合佳代子 栴檀 200601
海鳴りに八犬伝の山眠る 遠藤真砂明 200601
サックスの音色ブラウン山眠る 河島和子 六花 200601
み仏の遠き眼差し山眠る 藤井昌治 200601
山眠る雄獅子雌獅子の納め蔵 竹中一花 200602
山眠る十戸の家を抱きよせて 戸村よねこ 遠き海 200602
岩窟の釈迦ふところに山眠る 朝霧はるか 春潮 200602
山眠る等高線を緩めつつ 広渡敬雄 200602
山眠り視界が広くなりました 丸山佳子 京鹿子 200602
山眠るつらなることをよしとして 豊田都峰 京鹿子 200602
廃校の門かたく閉ぢ山眠る 積木道代 200603
山眠る僧の旅寝の夢まくら 林日圓 京鹿子 200603
大日のまなこを集め山眠る 奥村邦子 200603
法楽の三鬼蔵して山眠る 武久昭子 風土 200603
石棺の色を封じて山眠る 高倉和子 200603
帯ほどの瀧を蔵して山眠る 浜崎芙美子 対岸 200603
山眠るその懐へ登りゆく 木原紀幸 河鹿 200604
まんまるくなつて讃岐の山眠る 高橋将夫 200604
郷土誌に炭礦やまの一章山眠る 堀口希望 200604
鳶の笛山眠らせてゐたりけり 寺村年明 春燈 200604
母の忌の多摩の横山眠りをり 久本久美子 春燈 200604
山眠る飢ゑたる熊も静もりし 的池遙 百鳥 200604
隕石を神と祀りて山眠る 井川伸子 対岸 200604
月を上げ星を沈めて山眠る 山田弘子 ホトトギス 200605
山眠るガードレールに縛られて 木村享史 ホトトギス 200605
体重の増えてゐさうな山眠る 松田都青 京鹿子 200605
父母眠り蛇笏龍太の山眠る 野畑小百合 200606
まづ浅き眠りに入りて山眠る 稲畑汀子 ホトトギス 200611
山眠り海へ展けてゆける街 稲畑汀子 ホトトギス 200611
幾千のたましひをさめ山眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
山眠るトンネルなかの赤電話 辻直美 200611
耳ざはり良い数珠の音に山眠る 丸山佳子 京鹿子 200612
みんなみへ裾すこし延べ山眠る 鷹羽狩行 200701
白といふ彩り重ね山眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701
山眠りカーブミラーも一切空 丸山佳子 京鹿子 200701
山眠るすこしく空気けむらせて 服部早苗 200701
山眠るまなか牛の仔生まれけり 山田美恵子 火星 200702
山眠り岩上に立つ人もなし 村越化石 200702
みどり児の拳のゆるみ山眠る 加藤富美子 200702
山眠る大いなる魂抱きつつ 岩月優美子 200702
山眠る筧を水のすべる音 田中佐知子 風土 200702
山眠る垂氷の音の楽となり 山田ひさし 馬醉木 200703
山眠り地の声天の声聞ゆ 中野京子 200703
燃え残る榾火を抱き山眠る 浜口高子 火星 200703
千年の法灯抱き山眠る 田中みのる 火星 200703
診断は唾石とかやら山眠る 高橋澄子 200703
山眠り水は水づれ岩くぐる 丸山佳子 京鹿子 200703
夕映えを織り込みながら山眠る 小島とよ子 遠嶺 200703
廃屋となりし山荘山眠る 羽賀恭子 200703
山眠る梵鐘一打沈みけり 田中清子 遠嶺 200704
山眠る百羽からすが鳴かうとも 村田冨美子 京鹿子 200704
燈火に村の息づき山眠る 布川直幸 200705
鹿ひとつ見えて若草山眠る 小林愛子 万象 200705
眠る山眠る車窓へ烏瓜 浅野恵美子 酸漿 200705
山眠る陽の当たる日も照らぬ日も 杉田春雄 風土 200706
しつけ糸らしきが見えて山眠る 渋川京子 200706
甘酒に箸が一本山眠る 山尾玉藻 火星 200801
半日に落ちたる城や山眠る 森田節子 風土 200801
山眠る満水ダムをふところに 齋部千里 ぐろっけ 200801
喪ひしものの大きさ山眠る 峰尾秀之 200802
窯出でし陶の呟き山眠る 水原春郎 馬醉木 200802
賑はひし山河鎮めて山眠る 吉原一暁 200802
身ほとりの欲みな捨てて山眠る 須藤トモ子 200802
眉月や漆黒の山眠らせて 中嶋昌子 春燈 200802
故郷は雲をかむつて山眠る 高橋将夫 200802
神鏡に野猿の合掌山眠る 延広禎一 200802
玉も毒もふところ深く山眠る 冨松寛子 200802
本尊に向き合ふ角座山眠る 近藤幸三郎 風土 200802
ふところに鳥獣保護区山眠る 間島あきら 風土 200802
山眠る車窓のポケットウヰスキー 山尾玉藻 火星 200802
提げゆける鯛と赤飯山眠る 城孝子 火星 200802
茶畑の美貌そのまま山眠る 泉田秋硯 200803
山眠る襤褸のやうな雲羽織り 宮脇ちづる 200803
水琴窟のいらへかすかや山眠る 神山志堂 春燈 200803
山眠る目指す湯の宿もつと先 羽賀則子 200803
町内の街路清掃山眠る 及川澄江 風土 200803
むつかしいことこれにて山眠る 丸山佳子 京鹿子 200803
パワーショベル置かるるままに山眠る 藤井佐和子 200803
淡墨のしたためし文山眠る 津田礼乃 遠嶺 200803
盆栽の太き根上がり山眠る 坂口夫佐子 火星 200803
山眠る腹切坂は丸見えに 築城百々平 馬醉木 200804
喪の旅となりし故郷の山眠る 小俣紀子 ホトトギス 200804
わだなかの片を預けて山眠る 高橋澄子 200804
時きざむものに脈あり山眠る 竹下昌子 200804
山眠り小さき灯となる茨の実 浅野恵美子 酸漿 200804
提げ帰る鯛と赤飯山眠る 城孝子 飛火野 200808
幾つもの山墓抱き山眠る 吉沢陽子 200901
ふりむけば故里の山眠りけり 加藤すま子 酸漿 200901
むらさきに山眠りをり胡蝶楽 栗栖恵通子 200902
それぞれの墓石の家紋山眠る 岩井泉樹 春燈 200902
逆姿さかすがた湖に沈めて山眠る 北川英子 200902
浮雲やダム湖を囲む山眠る 瀬島洒望 やぶれ傘 200902
山眠る限界集落灯の低く 吉田裕志 200903
船笛のよき響きあり山眠る 岸田爾子 200903
命なんぞ忍者のごとし山眠る 白髭美佐子 200903
山眠る雑木林に風の音 中山静枝 200903
ギャラリーヘ茶色い靴で山眠る 大島翠木 200903
ひとすじの水音残し山眠る 岩月優美子 200903
定刻に電車走らせ山眠る 柿沼盟子 風土 200903
山眠る夢はおぼろに四季桜 大森尚子 風土 200903
落ちさうな塒抱きて山眠る 風間史子 200903
大いなる湖を抱きて山眠る 石田きよし 200903
昼の月かかげ男体山眠りけり 山田春生 万象 200903
山眠るもとより姿寝て在す 藤原照子 200903
伊吹山眠り薬草根を肥やす 谷岡尚美 200904
筆塚の大きな硯山眠る 高木篤子 ぐろっけ 200904
山眠る黒酢の里に千の餐 菊池由惠 酸漿 200904
地辻りの道そのままに山眠る 石原光徳 酸漿 200904
大仏は飛鳥の臍よ山眠る 岩垣子鹿 ホトトギス 200905
消火器のどんと据ゑられ山眠る あさなが捷 200905
山眠る素焼の壺がころがって 坪内稔典 船団 200906
切株の渦みな楕円山眠る 渡部節郎 転舵の渦 200911
みんなみへ裾やや長く山眠る 鷹羽狩行 200912
山眠る百万弗の夜景抱き 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
山眠る徳川埋蔵金は何処 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
人拒む色に六甲山眠る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
山眠り鳩に天与の水たまり 丸山佳子 京鹿子 200912
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2020年12月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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