山眠る 2    99句

山眠るはざまの駅に下り立ちし   柴田宵曲   ザ・俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
山眠る燐寸の箱の鳳凰も 山尾玉藻 火星 200204  
落人の部落を抱き山眠る 柴崎加代子 200204  
山眠り索道人を吊り運ぶ 武政礼子 雨月 200204  
山眠る木霊はひとり遊ぶらむ 浜崎壬午 円虹 200204  
山眠りポートタワーは空へ伸び 村田明子 円虹 200204  
切株の孤独の百も山眠る 丸山佳子 京鹿子 200204  
縦傷をひとつ抱いて山眠る 尾崎山治 京鹿子 200204  
喋らせてみたき杉立ち山眠る 丸山冬鳳 京鹿子 200204  
枯れいろは安心のいろ山眠る 加瀬美代子 200204  
とぶ星の散華白山眠らせず 藤浦昭代 ホトトギス 200205  
小浅間を懷に入れ山眠る 宮原みさを 花月亭 200208  
熱気球ふんはりふはり山眠る 宮原みさを 花月亭 200208  
山眠る金星妻の七回忌 神蔵器 風土 200301  
長々と牛の啼き声山眠る 田口勝彦 遠嶺 200302  
一幡の袖塚抱き山眠る 平田紀美子 風土 200302  
握りしむ懐中時計山眠る 保田英太郎 風土 200302  
一竿の楮の雫山眠る 田中佐知子 風土 200302  
一村とともに生き来し山眠る 峰幸子 200302  
白樺の幹の片濡れ山眠る 矢崎いと子 200302  
山眠る鳴き声透る放ち鶏 平賀文夫 帆船 200302  
雲の影斑に染めて山眠る 平賀文夫 帆船 200302  
陶の町懐にして山眠る 岩林勇雄 築港 200302  
頂上は夕日まみれや山眠る 赤松せつよ 築港 200302  
本当の事が聞けない山眠り 丸山佳子 京鹿子 200302  
磐座に雪しんしんと山眠る 長沼冨久子 馬醉木 200303  
戦争は日本の禁句山眠る 山崎泰世 200303  
山眠るこんなにも日の当るのに 塩川雄三 築港 200303  
山眠り籠を編むとて蔓をひく 榎本みや 築港 200303  
まほろばの大和くにはら山眠る 狩野みほ 百鳥 200303  
山眠るふもとに弓をつくる家 島谷征良 風土 200303  
小鼓の止めの高音や山眠る 柿沼盟子 風土 200303  
洞穴に水溜りけり山眠る 延広禎一 200303  
ひそやかな瀬音に馴れて山眠る 森脇恵香 雲の峰 200303  
炭窯の潰えしを抱き山眠る 長沼冨久子 馬醉木 200303  
雪の裳をひきて三山眠りけり 長沼冨久子 馬醉木 200304  
山眠る噴火の怖ささらしつつ 安原葉 ホトトギス 200304  
星屑を木々に宿らせ山眠る 平万紀子 200304  
山眠る造り酒屋の石の門 清水晃子 遠嶺 200304  
山眠る月のひかりの中にゐて 蓮尾あきら 風土 200304  
鉄塔をあまた負ひたる山眠る 隅田恵子 雨月 200305  
御配流と伝ふ帝の山眠る 猿渡青雨 ホトトギス 200307  
味噌部屋にプリズムあそび山眠り 岡井省二 岡井省二全句集 200312  
山眠る季や領布振ひれふり山もまた 徳丸峻二 風土 200401  
噴煙を休めぬままに山眠る 水原春郎 馬醉木 200401 桜島
父母もかく寂しかりしか山眠る 大木千鶴子 雲の峰 200401  
山眠り遺せしことば「ありがとう」 長谷川鮎 ぐろっけ 200401  
朴落葉裏がへしては山眠る 田中英子 火星 200402  
いつしかに雲たれこめて山眠る 柴田靖子 200402  
樂の字の百ある軸や山眠る 延広禎一 200402  
山眠る魚板に大き穴のあり 近藤きくえ 200402  
瀧壺に行き合ふ三筋山眠る 鹿志村正子 対岸 200402  
山眠る十四代をてのひらに 神蔵器 風土 200402  
水と火の記憶の土偶山眠る 矢崎すみ子 200402  
山眠る一灯低く箔を打ち 山崎桂 帆船 200402  
大の字をそのまま東山眠る 山田天 雨月 200402  
奥飛騨に残る車田山眠る 江頭文子 雨月 200402  
山眠る育てしものをふところに 後藤志づ あを 200402  
耳そつと向けやるも山眠りをり 村越化石 200402  
利かぬ気の老師の柩山眠る 有島扇水 河鹿 200403  
山眠り漬物石の沈みたる 赤羽正行 遠嶺 200403  
旅二日上毛三山眠りけり 岡久枝 酸漿 200403  
画架ひとつ画家ひとり山眠りけり 大串章 百鳥 200403  
ダム湖抱き青垣の山眠りたり 渡辺周子 雲の峰 200403  
朝の日をたつぷり容れて山眠る 天野れい子 雲の峰 200403  
ライバルに退かれし力士山眠る 今瀬一博 200403  
山眠り明るき声の仮校舎 小橋末吉 対岸 200403  
山眠る高麗の巾着田も眠る 小澤登代 草の花 200403  
山眠り入りしか八雲たなびける 阿波岐滋 草の花 200403  
美しき魚の揚がりて山眠る 花島陽子 遠嶺 200404  
渋滞のトンネル抱へ山眠る 内山照久 200404  
山眠る故郷の山河寧けしと 服部菰舟 雨月 200404  
山眠り鳥獣保護区守りけり 山元海郎 河鹿 200404  
如月の湖の鏡に山眠る 阿部文子 酸漿 200404  
本堂に薬缶の滾り山眠る 薄美津子 対岸 200404  
山眠る山羊も羊も小屋の中 苑実耶 200404  
押入れにへその緒ふたつ山眠る 遠野萌 200404  
山眠る夜中に走る救急車 浦松静子 築港 200404  
大の字を刻まれしまゝ山眠る 石橋萬里 ぐろっけ 200404  
防球のネツトの影の山眠る 森津三郎 京鹿子 200405  
工房に流す楽の音山眠る 九万田一海 河鹿 200405  
菓子折の上げ底に山眠りけり 青山悠 200405  
潮騒を子守歌とし山眠る 橘澄男 山景 200408  
故郷は乳房のごとく山眠る 土屋ゆたか 帆船 200411  
木挽き唄木魂で返し山眠る 新井泰子 馬醉木 200502  
山眠る誓子の詠みし高炉また 鷹羽狩行 200502  
鉄橋のとどろきよそに山眠る 鷹羽狩行 200502  
消防車今し出てゆき山眠る 定梶じょう あを 200502  
石段の奧に重なり山眠る 長崎桂子 あを 200502  
胸のうち明かすことなく山眠る 高橋将夫 200502  
鋭峰の重なり合うて山眠る 千田久美子 築港 200502  
紀の浦の波に妹背の山眠る 中川晴美 雲の峰 200502  
薙小屋の炊煙細し山眠る 祐森省造 雲の峰 200502  
伐採の斧のこだまや山眠る 横森みゆき 雲の峰 200502  
火の用心赤い太字に山眠る 丸山佳子 京鹿子 200502  
町おこし村おこし山眠りけり 大串章 百鳥 200502  
土石流渓に残りて山眠る 山本かずみ 百鳥 200502  
山眠る笹の葉ずれの楽のみに 藤村真理 200502  
起すもの誰も居なくて山眠る 塩川雄三 築港 200503  
影時の碑を頂に山眠る 長谷川久吉 200503 山眠る 3→

 

2014年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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