厄 日 2     100句


作品
作者
掲載誌
掲載年月
兎の眼うるんでゐたる厄日かな 奥田順子 火星 200801
厄日来る葦吹く風の噎せつぽく 前田陶代子 200801
昼の湯に子と遊びゐる厄日かな 城孝子 飛火野 200808
水を出し家鴨に影や厄日なり 山尾玉藻 火星 200810
酒煮切る香を立て厄日やり過ごす 千田百里 200811
蒔絵師の筆が微に入る厄日過 定梶じょう あを 200811
昇降機耳圧しをる厄日かな 齊藤實 200811
古鍋の妖怪めきて厄日前 七種年男 200811
ペン立てにペンのこみあふ厄日中 中尾公彦 200811
芋の葉の育ちすぎたる厄日かな 奥田順子 火星 200812
白樺の樹皮の反りゐる厄日かな 浜口高子 火星 200812
覚えなき肘の擦傷厄日過ぐ 上谷昌憲 200812
葱苗を干して厄日の浦日和 浜福恵 風土 200812
図書館にをとこあふるる厄日かな 大槻きみ 200812
わだつみも風に追従して厄日 藤浦昭代 ホトトギス 200909
厄日来て結界石の十字紐 能村研三 200909
広め屋の笑みを絶やさぬ厄日かな 三上程子 春燈 200911
鍋底を磨き上げたる厄日かな 竹内慶子 春燈 200911
鳴竜のにらみ返せる厄日かな 結城節子 炎環 200911
あめいろの輪ゴムあふるる厄日かな 中嶋憲武 炎環 200911
洗車するホースが暴れ厄日来る 松本圭司 200911
厄日の欅枝に包帯白々と 折橋綾子 200912
蝮酒に色の来てゐる厄日かな 戸栗末廣 火星 200912
厄日かな籠の鸚鵡の長し目に 松井倫子 火星 200912
身をそらすとき骨の鳴る厄日かな 館容子 200912
足とめて見入るテロップ厄日前 館容子 200912
神鶏の卵転がる厄日かな碁盤縞 藤沢秀永 201002
金輪際放さぬ田圃厄日無事 東野鈴子 雨月 201002
忌心に句心重ね厄日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
こんな日もたまにはあるさ厄日だもん 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
野尻湖の波平らなり厄日あと 大沼遊魚 倭彩 201009
肺炎の養生中の厄日無事 大橋敦子 雨月 201010
布目なる釘の頭や厄日前 能村研三 201010
厄日とて陀羅尼経上げ静譲を 古田考鵬 雨月 201011
縦挽きに丸太ま二つ厄日かな 定梶じょう あを 201011
近頃の血気をかしき厄日かな 秋葉雅治 201011
島の江に海月群れをり厄日来ぬ 服部鹿頭矢 馬醉木 201011
川底の石に日がさし厄日過ぐ 松本圭司 201011
雨も来ぬ厄日首振る農夫かな 前川明子 201012
にはとりの早寝してゐる厄日かな 中村恭子 201012
鼻唄の厨妻ゐて厄日かな 松本三千夫 末黒野 201012
連山にそうて雲立つ厄日かな 野畑小百合 201012
神殿に厄日の空のありにけり 高橋芳子 火星 201012
山小屋の板張潰へ厄日過ぐ 日阪昌子 馬醉木 201012
サハリンのあたり雲湧く厄日かな 寺島とし重 万象 201012
胡弓の音流れ越中厄日過ぐ 塩見治郎 雨月 201012
何事も無くて過ぎたる厄日かな 高倉恵美子 201101
足裏を波の引きゆく厄日かな 黒滝志麻子 末黒野 201101
大楠の伐り倒されし厄日かな 秋千晴 201101
黄金の鯉ひるがへる厄日かな 田中文治 火星 201111
北総や厄日間近の通り雲 藤原若菜 春燈 201111
厄日過ぐ作柄の佳き近江米 竹内悦子 201111
海中へつづく石階厄日かな 浜口高子 火星 201111
雨雲の動くともなき厄日かな 大石よし子 雨月 201112
繃帯を巻かれし欅厄日過ぐ 折橋綾子 201112
真青に晴るる朝や厄日過ぎ 川下明子 雨月 201112
震災の傷まだ癒えぬ厄日かな 椋本一子 雨月 201112
梓川濁り岩噛@む厄日かな 塩見治郎 雨月 201112
沈々と真水の蒼や厄日前 久保久子 春燈 201112
炎ゆるよな大夕焼よ厄日過ぐ 中島知恵子 雨月 201201
厄日過ぐ満艦飾の孔雀の目 梶浦玲良子 六花 201201
街宣車世の終り解く厄日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
買ひ置きの電池が合はず厄日前 能村研三 201210
空缶の転がる先はけふ厄日 鈴鹿仁 京鹿子 201210
山に瞼海に瀬戸ある厄日かな 秋葉雅治 201211
柿の木の葉に隙のなき厄日かな 大山文子 火星 201211
厄日けふノイズをひろふカーラジオ 井原美鳥 201211
厄日過ぐ生茶ボトルを持ち歩き 千田百里 201211
男手のしみじみ欲しき厄日かな 中村紀美子 春燈 201211
馬柵結ふが仕事の終はり厄日過ぐ 相沢有理子 風土 201212
家具のごと黙念と座す厄日かな 池内結 ろんど 201212
厄日の雲ともならず染まり暮る 豊田都峰 京鹿子 201212
嬢捨駅厄日の列車通り過ぐ 藤田かもめ ぐろっけ 201212
汽水湖の白きうねりや厄日明日 高田好子 京鹿子 201212
地蔵みち厄日の潮の来て濡らす 和田照海 京鹿子 201212
ひとつかみの米を地蔵に厄日かな 西村節子 火星 201311
冷凍庫の魚出しおく厄日かな 田所節子 201311
恙なき厄日のはだし詣かな 千田百里 201311
泡をどるコップの水や厄日来る 栗原完爾 春燈 201311
食卓に薄日届きぬ厄日前 安居正浩 201311
阿夫利嶺のこよなく晴るる厄日かな 村上倫子 201312
猫来たる厄日の風に毛を立てて 有賀昌子 やぶれ傘 201312
厄日無事オリンピックの本決まり 三輪慶子 ぐろっけ 201312
穏やかに低き家並や厄日過ぐ 小倉正穂 末黒野 201312
暗澹と厄日らしさや震災忌 瀧春一 花石榴 201312
朝からの日差しの強き厄日かな 白石正躬 やぶれ傘 201312
厄日過ぐ地平に近き星赤き 鷺山珀眉 京鹿子 201401
低温の終日続く厄日かな 大橋晄 雨月 201411
休耕田敷地に変る厄日かな 吉村摂護 201411
恐竜の骨の吹かるる厄日かな 関根揺華 201411
アイロンに力の入る厄日かな 齊藤實 201411
あら汁の骨を分けゐる厄日かな 森岡正作 201411
河馬の背の泥乾きゐる厄日かな 大山文子 火星 201411
厄日前フランスパンのついで買ひ 臼杵游児 春燈 201411
土嚢なほ積めるままなり厄日過ぎ 竹内悦子 201411
ファックスに日付を入るる厄日かな 間島あきら 風土 201501
鋸の刃を研いでゐる厄日かな 小林和世 201501
混迷のギリシャ経済厄日過ぐ 中江月鈴子 201510
耳裏のひんやりとある厄日かな 内山花葉 201510
何すると無き手を洗ふ厄日かな 多田ユリ子 201511
厄日→3      

 

2021年9月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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