(綿吹く)   62句

洪水のあとに取るべき棉もなし    正岡子規

  桃吹く

作品
作者
掲載誌
掲載年月
臨月の綿の実摘んで戻り来る 横尾桂子 銀化 199912
大空に風あり綿の実の不思議 東莎逍 船団 200008
綿の実の爆ぜるを待ちていく日ぞ 東芳子 酸漿 200201
雲になりたく棉の実のはじけるか 下平しづ子 雨月 200203
綿の実や紡ぎし母の小さくて 江森香 帆船 200402
山畑に棉熟るるころ母いかに 淵脇護 河鹿 200402
棉の実の弾けて母の独り言 今村能子 遠嶺 200402
綿摘むや鐘ひと回りして還る 梶浦玲良子 六花 200702
漠々の畑綿を摘む赤き服 明石文子 ぐろっけ 200903
棉の実やまだぎこちなき機の音 水野久代 200912
いつまでも白し綿の実玄関に 奥田妙子 ぐろっけ 201012
綿を摘む下校のセーラー服を替へ 塩出眞一 ぐろっけ 201012
棉取や丁稚上りの立志伝 藤田かもめ ぐろっけ 201012
肩書はずし交通整理棉の秋 八木紀子 ぐろっけ 201101
綿摘むや母の温もり手に残り 八木紀子 ぐろっけ 201101
しろがねの綿吹く畑よ塩の道 野口みどり 酸漿 200012
教材の綿の花吹く秋日和 塩谷はつ枝 馬醉木 200201
日輪のうす目してをり綿が吹く 武井美代子 風土 200202
大壺に綿吹く路地のレストラン 内藤順子 酸漿 200302
綿吹いてにんじんいろの回顧録 柴田朱美 京鹿子 200501
吹きし綿の取入袋積む車 今井久良子 酸漿 200504
棉吹くや丹波木綿を伝承し 田中春子 雨月 200912
綿吹くやポップコーンの紙袋 竹内悦子 201102
棉吹いて朝の湿りをまとひけり 水野加代 万象 201102
綿吹くや心まどかにすごしゐて 近藤きくえ 201112
棉吹くやぼうぼう眉の翁面 中野京子 201201
綿の実の軽しとも又重しとも 三輪慶子 ぐろっけ 201201
綿吹くを土に落してしまひけり 三輪慶子 ぐろっけ 201201
棉吹いて風は素数になりたがる 鈴鹿均 京鹿子 201201
棉吹くや畑の面の盲まし 瀬川公馨 201203
敦煌の朝日あまねし棉畠 須賀允子 万象 201211
山と積む棉花の車子を上に 須賀允子 万象 201211
手の届くところを離れ綿の花 舩山東子 ろんど 201211
花入れに脇役として棉の花 笠井敦子 201212
陸前に笑顔生れたり棉吹ける 中島陽華 201303
人ごゑのする明け方の綿畠 山田美恵子 火星 201401
棉の実の爆ぜて白雲呼びにけり 寺田すず江 201401
棉吹くやシスター多き旧市街 五十嵐章子 201401
トロ箱に植ゑて一学期棉は実に 服部早苅 201401
ゴスペルの生れし大地の棉吹ける 塩見英子 雨月 201401
読みかへす父の境涯棉吹けり 今村征一 ホトトギス 201403
たらちねは此の世にひとり棉の花 本多俊子 201409
棉吹くや機を織りゐし母のこと 石垣幸子 雨月 201411
棉吹くや休耕田の空広し 伊藤純子 201412
棉を摘む河内木綿のゆかりの地 伊藤純子 201412
綿繰りの体験学習茣蓙の上 伊藤純子 201412
鉢植の棉の実にふれ登校子 水田壽子 雨月 201412
棉吹くやなべて哀しき労働歌 大石よし子 雨月 201501
棉吹くや河内木綿の今すたれ 山田夏子 雨月 201502
日本晴とふ言葉なつかし棉を吹く 安部和子 雨月 201511
棉の花綿より白く咲きにけり 大橋淳一 雨月 201511
綿摘むや天地の詩口ずさみ 中島陽華 201512
莫大小は死語となりけり棉の花 中島玉五郎 201512
綿の実の割れてまっさら青い空 つじあきこ 201512
学童の育てし鉢や棉は実に 水田壽子 雨月 201512
雲にならむと棉の実の弾けたり 平野みち代 201601
ウズベクや子らも棉摘む頃ならむ 室井津与志 春燈 201612
棉吹くや雲か煙か遠浅間 森一枝 末黒野 201804
綿吹いておとなの肌の乾きかな はしもと風里 201812
棉吹いて面差しの似る雲ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201912
棉吹いて吹いて下総曇りかな 増成栗人 202002

 

2021年10月11日 作成

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