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作品
作者
掲載誌
掲載年月
倒木を超えし脱兎の光かな 山田弘子 春節 199503
四方十の宙や兎が顔ぬぐふ 田村みどり 京鹿子 199808
野兎を轢きしときより胸に遠音 若森京子 船団 199903
風にふと兎のけはひ深雪晴 鷹岡紫水 京鹿子 199904
ずっと行こずーといったら兎罠 寺田良治 船団 199906
鹿も兎も無性に空間を走る 金子兜太 海程 199906
はこべらに兎の口の忙しなく 稲畑廣太郎 ホトトギス 199906
ふところに兎妹が生れそう 佐々木峻 船団 199908
野兎の茂みに残る耳双つ 内山芳子 雨月 199908
かたまつて仔兎ねむる若葉風 千手和子 馬醉木 199909
風にふと兎のけはひ深雪晴 藤岡紫水 京鹿子 200001
一兎追ふ足跡かくも乱れたる 彌榮浩樹 銀化 200002
夢のあとめける兎の足の跡 村越化石 200003
遠嶺白野兎ももう冬毛なる 依田明倫 ホトトギス 200007
もう一度兎を抱きて卒業す 島崎晃 遠嶺 200008
蛇狐鹿兎棲み湖抱き 村松紅花 ホトトギス 200010
山兎誘ひ出したる星明かり 山田弘子 円虹 200102
学童の心育む兎飼ふ 二村蘭秋 雨月 200103
麗かや鳥屋に兎も寝そべりて 梅田秀子 酸漿 200106
ハーモニカ兎に聴かせ卒業す 小儀洋子 百鳥 200106
客馴れの冬毛となりつ山兎 黒坂紫陽子 馬醉木 200201
枯野中剥ぎし兎の皮を干す 高橋とも子 百鳥 200202
運動会終はり兎を抱いてゐる 小田玲子 百鳥 200202
断層を均さむと駆く山兎 尾崎山治 京鹿子 200204
学校の兎見にゆく二日かな 須佐薫子 帆船 200302
車座でつかふ弁当兎狩 橋本榮治 馬醉木 200302
ほつこりと園児の膝に置く兎 谷上佳那 百鳥 200302
疑ひの兆してをりぬ兎の眼 武井清子 銀化 200302
枯野中剥ぎし兎の皮を干す 高橋とも子 百鳥 200302
菜園や野兎が来る猿が来る 芝尚子 あを 200303
母子寮の兎いよいよ仄かなり 井上信子 200303
小兎を商ふてるらし秋燈 佐藤喜孝 青寫眞 200304
暖かや子の輪の中に黒兎 丹羽啓子 馬醉木 200404
痙攣が最後の動き兎逝く 森理和 あを 200411
麓より声あげ登る兎狩 滝沢伊代次 万象 200412
兎狩藪を叩きて叩き行く 滝沢伊代次 万象 200412
木枯や兎は小屋にかたまれる 滝沢伊代次 万象 200412
老女引く手押車に白兎 景山まり子 百鳥 200502
シャンソンの流るる庭に兎飼ふ 田中敬子 百鳥 200502
兎小屋の校庭の隅冬ざるる 波多野葉子 200503
貂のあと兎のあとや深雪晴 長谷川子 馬醉木 200505
板干しの兎の毛皮猟名残 篠田たもつ 対岸 200505
薄暑にて兎の囓る箱の棧 定梶じょう あを 200508
理科室の兎逃げ出す麦の秋 神宮きよい 馬醉木 200508
しだれゐる新芽へ兎伸び上り 河原昭子 万象 200508
長閑けさや庭に朝夕兎来る 河原昭子 万象 200508
兎狩風に巻かれし勢子の声 卓田謙一 万象 200509
草紅葉分けて走れり山兎 滝沢伊代次 万象 200510
破れ窯や我がもの顔に兎棲む 小宮淳子 春燈 200512
うそ寒や片耳折れし白兎 那須淳男 馬醉木 200512
銀座のシェフにまんまと兎喰はされる 篠田純子 あを 200601
冬兆す兎親子は隅が好き 杉田春雄 風土 200602
オーナーシェフ胸胴腿と兎盛る 篠田純子 あを 200603
黒兎「カフェ傳」の庭見えかくれ 須賀敏子 あを 200603
白きもの兎と見しや目路の果 鎌倉喜久恵 あを 200603
口にした途端の弱気兎料理 篠田純子 あを 200603
炉明りに眠い子山に兎罠 定梶じょう あを 200603
上目遣ひに物言ひたげな小屋の兎 赤座典子 あを 200603
小屋隅に耳寄せ合つて黒兎 田中藤穂 あを 200603
つきのみや神社の森の白兎 竹内弘子 あを 200603
野兎の幻影追ひし土手の草 早崎泰江 あを 200603
野兎の逃げゆく跡の月明り 渡邉友七 あを 200603
家毎に兎買@て疎開の日 芝尚子 あを 200603
不覚なる狸のかかる兎罠 赤座典子 あを 200603
更くる夜の笑ひこけたる兎汁 渡邉友七 あを 200603
兎小屋雨風しのぐダンボール 森山のりこ あを 200603
雪積んで百葉箱と兎小屋 定梶じょう あを 200603
菜園を荒らす兎の憎めずに 芝尚子 あを 200603
うづくまる兎の赤き目の孤独 早崎泰江 あを 200603
戦時下に兎追ふ山隣組 長崎桂子 あを 200603
風花へ網越し赤い兎の目 定梶じょう あを 200604
兎の目赤しシベリア寒気団 江崎成則 栴檀 200604
あきうどの蓙に野兎ユキウサギ 佐藤恭子 あを 200604
野兎の糞に抑留の頃思ふ 松崎鉄之介 200605
大鷲が兎攫ひし雪飛沫 三関浩舟 栴檀 200605
朧夜に兎生れし声すなり 佐藤よしい 風土 200606
炭焼きを休み勢子連れ兎狩 山形悦子 万象 200606
折れ癖の兎の耳に冴返る 西村葉子 京鹿子 200607
ねだる子に兎届きぬ春休 兼子栄子 酸漿 200608
鶏小屋に兎もゐたる冬休 戸栗末廣 火星 200609
赤ん坊が夢見てをりぬ白兎 高尾豊子 火星 200702
蒟蒻薯干す真向ひの兎小屋 横川泰子 酸漿 200702
兎の足跡雪に丸画き人の顔 門伝史会 風土 200703
木の枝に吊り捌きたり山兎 小松敏郎 万象 200703
ニッカーズを野兎狩りの勢子着れり 山部淑子 200704
土筆野に兎の道もありぬべし 村越化石 200706
けふ兎抱いたと言ふ子抱きしめる 大川ゆかり 200801
如月や兎の耳の片折れに 山田六甲 六花 200802
兎の耳もしろがねなりし昼の月 河井富美子 ぐろっけ 200802
大人しき兎を抱きて初詣 高倉和子 200803
兎罠かけ一服の長かりし 荒井千佐代 200803
残さるる兎当番はこべつみ 稲畑汀子 ホトトギス 200804
卒業歌兎の耳の片折れに 山尾玉藻 火星 200804
新雪の溶岩駆け上る啼兎 高橋スミ子 万象 200805
婚の庭兎も栗鼠も現れる 品川鈴子 ぐろっけ 200806
葭簀立て身じろぎもせず白兎 藤田宏 200810
雷雲や岩の蔭から啼兎 田中藤穂 あを 200810
野兎とぶや峠眼下に母郷の灯 木内博一 春燈 200901
当番の子ら追ひまはす兎かな 三代川玲子 春燈 200901
まなかひの雪山兎跳ねし跡 小松敏郎 火星 200904
兎 →2

 

2022年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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