梅を干す 3     61句

干梅を一寸ふり返り行きかヽり   高野素十

作品
作者
掲載誌
掲載年月
干梅に人差指が触れたがる 田中貞雄 ろんど 201411
梅を干す外輪山の底広し 柴田佐知子 201411
干梅をとり込んでをる夜風かな 雨村敏子 201411
天空の宙区宙町梅を干す 中林明美 船団 201502
梅干して星のきらめく峡の村 鈴木鳳来 故山 201505
梅干して宿痾と歩む天寿かな 中山皓雪 201508
母のごと友を思ひつ梅を干す 塩千恵子 201509
御師の宿夜干の梅の香りけり 鈴木静恵 春燈 201509
干梅やいつも何かに妣跼み 菅谷たけし 201510
星空の一隅に梅干しにけり 大橋伊佐子 末黒野 201510
梅を干す母の仕種に似てきたり 田中春江 末黒野 201510
梅を干す雲の往き来のなき日和 佐津のぼる 六花 201510
頃合ひを見るせはしさや梅を干す 今野明子 末黒野 201511
かばかりの梅干す笊も古びたり 川村欽子 雨月 201511
青空に重さあるごと梅を干す 藤井なお子 船団 201602
梅を干す玉砂利に音少し立て 藤井なお子 船団 201602
ピアノ弾くように梅干す男かな 藤井なお子 船団 201602
水分は光るものなり梅を干す 藤井なお子 船団 201602
梅が香や酒のさかなに京干菓子 山田春生 万象 201605
梅日和亀は総出の甲羅干し 元橋孝之 京鹿子 201606
紅梅や産着干さるる空の青 森清信子 末黒野 201606
干し梅の皺の数ほど風畳む 鈴鹿呂仁 京鹿子 201608
海光に干梅皺を深めけり 平田はつみ 馬醉木 201610
亡き母の愛用の茣蓙梅を干す 吉村摂護 201610
庭先の静けさ梅を干しにけり 宮川みね子 風土 201610
梅干して母と二人の戦後あり 土井ゆう子 風土 201610
梅干して百年生くる貌をせり 水谷文謝子 雨月 201610
干梅に神の加護あり塩を噴く 川上恵子 雨月 201611
夜干し梅いま耳たぶのやはらかさ 佐津のぼる 六花 201611
梅三日干して残りし夕日かな 宇都宮敦子 201611
梅干してさつさと映画見に行きし 岩田公次 ホトトギス 201702
梅を干す香り座敷に通しけり きくちきみえ やぶれ傘 201708
まつり囃子遠くに聴こえ梅を干す 大日向幸江 あを 201709
梅干すや三日三晩を下部とし 大湊栄子 春燈 201710
工房の四季の彩り梅干さる 植村蘇星 京鹿子 201710
巫女総出天神さまの梅を干す 三輪温子 雨月 201710
三日三夜の予報確め梅を干す 山本茂子 末黒野 201711
梅干して母の生きがひ藺機織る 和田照海 京鹿子 201809
干梅を返せば匂ひ粗莚 笹村政子 六花 201809
二人して流れ作業で梅を干す 大日向幸江 あを 201808
浦人に嫁ぎ今年の梅を干す 波戸辺のばら 201809
梅干を共同作業で干してをり 大日向幸江 あを 201809
梅を干す天の恵も災も 高木晶子 京鹿子 201811
三日三晩干したる梅の湿りかな 柳田秀子 201910
梅干してをりまほろばの故郷恋ひ 田中臥石 末黒野 201910
梅干すや母の齢を追ひかけつ 佐川三枝子 201910
静けさの中より香る夜干梅 山本久枝 やぶれ傘 201911
元号の替はりて初の梅を干す 太田チヱ子 末黒野 201911
丁寧に生きむとひとり梅を干す 住田千代子 六花 201911
干梅の匂ひ夜まで残りたる 石川憲二 六花 201911
梅干しに影一つずつ裏返す 小笠原妙子 201912
笊赤く染めたる梅の土用干し 篠原美千子 雨月 201912
梅干して光と風を欲しいまま 西村白杼 京鹿子 202009
鶏を小屋に追ひ込み梅を干す 柴田佐知子 202010
人通る幅を残して梅を干す 高倉和子 202010
干し梅の日のぬくもりを返すなり 田中佐知子 風土 202011
梅干して犬猫鳩とにわとりと 小山佳栄 202011
急逝の母の漬けたる梅を干す 玉川利江 末黒野 202011
梅を干す懐しき唄聴きながら 仲里奈央 202101
梅干して星の雫の紅ならむ 五十畑悦雄 202110
梅干して海より暮るる母の里 荒井千佐代 202304
梅を干す →1

 

2023年5月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2023年5月24日