梅を干す 2     100句

 

作品
作品
掲載誌
掲載年月
梅を干す典座教訓念ひつつ 今谷脩 ぐろっけ 200709
天神の森のさ庭に実梅干す 東野鈴子 雨月 200709
熱熱に干されし梅を裏返す 須賀敏子 あを 200710
梅干すや雲の動きを昼の窓 岡野ひろ子 200710
干梅を裏返しては齢過ぐ 加瀬美代子 200710
干梅の片辺の固し日へ返す 市橋章子 ぐろっけ 200710
梅干すや身ぬちに残るいくさの日 加瀬美代子 200710
梅干して星に見張りを任せけり 北川キヨ子 200710
梅干して主婦の歳月重ねをり 八木岡博江 酸漿 200710
梅を干しおき産院へ赤子見に 大畑善昭 200710
我なりに今日を働く夜干梅 生方ふよう 200711
梅干すや地の塩たりし君偲び 山田夏子 雨月 200711
夜干梅寄せて闇の香うごかしぬ 田辺美枝子 京鹿子 200712
梅干さる北野天満の庭飾り 田中まよみ 酸漿 200712
天満宮氏子は手足れ梅を干す 田中まよみ 酸漿 200712
守りたき人との絆梅を干す 星井千恵子 遠嶺 200806
吾が命弥陀に預けて梅を干す 綿谷美那 雨月 200808
「神の窟」てふ集落や梅を干す 中条さゆり 200809
梅干して心の逃げ場残しおく 松田都青 京鹿子 200809
梅干して女三代濃くくらす 安藤しおん 200809
梅干して死に絶えしごと昼の村 柴田佐知子 200809
梅干してその夜の星のおびただし 戸栗末廣 火星 200809
赤くあかく峡に梅干す平家村 小林和子 風土 200810
がやがやとひしめく梅を干しにけり 黒澤登美枝 200810
干梅の香の山影に入りゆけり 山田美恵子 火星 200810
梅干して亡き母偲ぶ一日なり 中川悦子 酸漿 200810
開け放つ座敷干梅匂ひくる 松本善一 やぶれ傘 200810
梅干すや亡母かたはらにゐる心地 青山正生 200810
梅を干す午後には陰となる場所へ 天野美登里 やぶれ傘 200810
梅を干すまたわが生活始まれり 黒澤登美枝 200810
行き先のすでに決まりし梅を干す 藤井弘子 春燈 200810
老い楽や干し梅返す一つづつ 大坪景章 万象 200811
梅干してつつがなき日を継ぎにけり 石塚ゆみ子 遠嶺 200812
清貧の血を脈々と梅を干す 阪本哲弘 200909
梅干すや子に残すもの何と何 和田政子 200909
梅を干す出を待つ笊の大小を 東うた子 200909
村ぢゆうに布令出でしごと梅干さる 佐藤山人 200910
久々に迷ひなく梅干す日なり 井上幸子 酸漿 200910
梅干して三日を梅と過すなり 星アヤ 酸漿 200910
梅干して庭がすつぱくなりにけり 青山悠 200910
直角に歩く庭先梅を干す 中谷葉留 風土 200910
梅干して庭がすつぱくなりにけり 青山悠 200911
川下り家裏に梅の干してあり 木村公子 花貝母 200911
梅干して安堵を壷に収めけり 岡佳代子 201007
居酒屋の主梅干す昼の顔 佐野ときは 201008
梅干すや筵は父母の代よりの 吉村摂護 201008
梅を干す禊のごとく人を断ち 服部早苗 201009
山寺の狭き庭園梅を干す 沖倉好秋 酸漿 201009
清貧の血を脈々と梅を干す 坂本哲弘 山ざくら 201009
農の庭梅を干す香の満ちゐたり 土屋喜美代 酸漿 201010
干梅の箕を紅に染め尼の留守 鈴木浩子 ぐろっけ 201010
三日経て皺ふかめたり夜干梅 野崎昭子 春燈 201010
梅天や鉄枠錆びし干鰯倉 須賀允子 万象 201010
梅干すやわが血に残る農の筋 安立公彦 春燈 201010
梅干して壺中の闇へ眠らする 笠井敦子 201010
梅を干す禊のごとく人を断ち 服部早苗 201010
紅の色深みゆく梅を干す 川合八重子 酸漿 201010
ふと庭に夜干の梅の香りあり 大野ツネ子 酸漿 201010
干梅の火照りをさます軒の端 林いづみ 風土 201011
干梅のその一粒を含みけり 内田和子 酸漿 201011
梅干しとお粥もよけれ文化の日 森理和 あをかき 201101
たらちねの愉しさうなり梅を干し 定梶じょう あを 201108
干梅の天地を反す箸さばき 山本無蓋 201109
梅干せば昔日の妣祖母の声 小西和子 201109
干梅の香り平らに展がりぬ 渡邉美保 火星 201110
あの頃の星の多さよ夜干梅 松本俊介 春燈 201110
梅干せる通りすがりの家の庭 菅野蒔子 末黒野 201110
朝よりの灘のべた凪梅を干す 荒井千佐代 201111
干し梅を返すや話かけるよに 加藤峰子 201111
笊ひとつベランダに置き梅を干す 廣瀬雅男 やぶれ傘 201111
梅干して三日三晩の富者となる 原友子 201112
干梅の己をくるむ匂ひかな 布川直幸 201206
ふるさとに幾年妻と梅干しき 十川たかし 201209
夜干梅表座敷を開け放つ 福島せいぎ 万象 201210
指染めて赤き梅干す午後静か 宮崎きみ枝 201210
梅干せば備中鍬に遊ぶ風 鴨下昭 201210
梅を干す匂ひもろとも裏返し 林いづみ 風土 201210
戸口までつづく坂道梅を干す 田中文治 火星 201210
干梅の笊を気にかけ祖母の午後 安藤久美子 やぶれ傘 201211
干梅の夜の冷反す一つづつ 山本耀子 火星 201211
干梅の日暮れて熱(ほめ)く香りかな 八城洋子 末黒野 201211
夜干しせる梅干匂ふ夜の秋 大橋伊佐子 末黒野 201211
確かめつ十キロほどの梅を干す 八城洋子 末黒野 201211
梅干して木戸のあたりに酸匂ふ 安田とし子 ぐろっけ 201211
梅干して田舎住まひを通しけり 上辻蒼人 風土 201211
白梅を寒天干しの過ぎりけり 浅田光代 風土 201305
梅干されなうみその襞深めるし 山田六甲 六花 201309
梅干して一粒づつの色違ふ 鎌田光恵 201310
ふたり居に夜干の梅の二・三十 山口キミコ 201310
梅干すや御飯の国の屋根瓦 三木千代 201311
梅干すや夜空仰ぐも久しかり 小菅礼子 春燈 201311
梅干すやいにしへ人の知恵学び 板橋昭子 201311
梅干して昼餉の遅き一家かな 太田チエ子 末黒野 201311
梅干して庭の隅々まで母郷 佐久間由子 201401
干梅を返せし指の太かりき 長田曄子 火星 201409
雷の臍の様なる梅干して 時澤藍 201409
干梅を汁に戻せり美しき 大坪景章 万象 201410
干梅に星の雫のひかりけり 深川敏子 春燈 201410
干梅の茣蓙一とめぐり蟻の列 大坪景章 万象 201410
寺町の真昼梅干す匂ひかな 大橋伊佐子 末黒野 201411
梅を干す →3      

 

2021年5月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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