浮 巣 2      47句

人下りて浮巣見の舟かへりゆく    高野素十

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨傘をさせば浮巣の見えてきし 城孝子 火星 201309
あるはずの浮巣を見んと雨の中 内海保子 万象 201310
近江なる湖の大きな浮巣かな 福島せいぎ 万象 201311
和毛ふはふは空浮巣漂へり 北川英子 201408
湖国雨浮巣の高さ思ひゐる 豊田都峰 京鹿子 201409
棹をもて浮巣さしたるをとこかな 笹村政子 六花 201409
浮御堂近し浮巣をかくす叢 豊田都峰 京鹿子 201409
浮巣鳰居てもゐなくても小波 和田照海 京鹿子 201508
浮巣より一番子出で潜きをり 手島伸子 雨月 201509
水尾広げ浮巣めぐりの鳰親子 手島伸子 雨月 201509
かくれなき浮巣に鳩の動かざる 佐藤貞子 雨月 201509
船頭の竿の先なる浮巣かな 大石よし子 雨月 201608
船頭の棹挿し替へて鳰浮巣 川原博美 馬醉木 201609
浮巣守る鳰に夕べの雨上る 宮平静子 雨月 201609
蘆の間の水の動きや鳰浮巣 吉田万喜子 雨月 201609
どこからも見えぬ浮巣でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
子育てのすみしか浮巣流れゆく 近藤紀子 201707
水郷の船に付きくる浮巣かな 前田美恵子 201709
沛然と鳰の浮巣をたたく雨 内山花葉 201709
ただ浮いてゐるにはあらぬ浮巣かな 後藤比奈夫 ホトトギス 201802
見たことはなかり浮巣にある土台 後藤比奈夫 ホトトギス 201802
浮巣見の舟音鎮め煙雨中 能村研三 201807
湖族守る堅田の浮巣見え隠れ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201808
調略の鳰の浮巣のままならず 鈴鹿呂仁 京鹿子 201808
風浪に古沼の浮巣たぢろがず 西村渾 201809
編み上ぐる家族のかたち鳰浮巣 稗田寿明 201809
細波に揺藍めける鳰浮巣 大橋淳一 雨月 201809
鳰浮巣水一枚のよるべなさ 田部明子 馬醉木 201809
旅程閉づ鳰の浮巣を数へつつ 井尻妙子 京鹿子 201809
人生は浮巣なりけり苦も楽も 山西村滋子 京鹿子 201809
完敗の帰り浮巣が見たくなる 田所節子 田所節子集 201810
編み上ぐる家族のかたち鳰浮巣 稗田寿明 201901
鳰浮巣入日の湖の句読点 石原孝人 京鹿子 201901
浮城や鳰の浮巣の揺るぎなし 鈴鹿呂仁 京鹿子 201906
岸に寄る浮巣を風の吹き戻す 森岡正作 201908
ひとりでは踏み込めぬ道鳰浮巣 伊藤隆 201908
住み古りし他郷や確と浮巣見て 千田百里 201909
雨兆す今宵浮巣の安かれと 佐藤貞子 雨月 201909
おとせの碑浮巣庇ひの葦戦ぎ 松本鷹根 京鹿子 201909
鳰の浮巣守る男の歯の皓し 伴秋草 末黒野 201910
船頭の棹休めゐる浮巣かな 浅田光代 風土 202009
満天の星の近づく浮巣かな 山田佳乃 ホトトギス 202011
鳩の子の右往左往の浮巣かな 中内敏夫 202109
新しき浮巣の周り雨躍る 浜田はるみ 202110
釣り舟のたゆたふ浮巣あるらしく 小原芙美子 風土 202207
近づけば水棹つかはず浮巣舟 和田照海 京鹿子 202208
池畔日和出払つてゐる浮巣かな 和田照海 京鹿子 202208
浮巣 →1

 

2023年6月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。