独 活      201句

雪間より薄紫の芽独活哉    芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山独活の切り口すでに錆びはじむ 杉浦典子 火星 199806
旅の宿味噌和への独活香り滿つ 牧岡万里子 春耕 199806
山独活のただ仄紅き村人ら 奥田甲子男 海程 199810
仄紅き山独活置きて逝き給う 田中空音 海程 199811
掘り上げて独活の長さを横たふる 稲畑汀子 ホトトギス 199903
口中に独活の歯応へ香りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199903
独活小屋の暗さに育ちゆく白さ 稲畑汀子 ホトトギス 199903
雪のけて掘りたる独活の香なりけり 和田祥子 馬醉木 199904
ムニエルの鯛に添へらる山の独活 菊子 199906
道の辺の山独活の芽の二寸ほど 宮城島たか子 199907
俎に寒独活ひとつ星あかり 川端実 寒昴 199907
山人の独活丸囓り別れかな 金子兜太 海程 199910
甲斐駒ケ岳に切り口揃へ独活を売る 関根洋子 風土 199911
板前の皆まで抜かぬ独活のあく 能村登四郎 芒種 199911
同齢の少なくなりし独活を食む 能村登四郎 芒種 199911
東京の名産といふ芽独活かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
山独活の香を持ち歩く山歩き 小滝奈津江 酸漿 200005
さかしらに獨活剥き痩することもがな 中原道夫 銀化 200005
独活どかと框に春の祭来る 奥田節子 火星 200006
老うること独活に土掛け暮らすかな 宮津昭彦 200006
山獨活の句疾うに萎るる上五より 中原道夫 銀化 200006
湯の町の真中に独活を洗ひをり 杉浦典子 火星 200007
水に独活放ちし指の細りけり 杉浦典子 火星 200007
独活を剥く母に厨の窓あかり 柳生千枝子 火星 200007
独活の香や母に言はねばならぬこと 柳生千枝子 火星 200007
山独活を少し軋ませ掘りにけり 大東由美子 火星 200007
被ひ藁分け切り出せり萌やし独活 宮下本平 200007
披露宴の中独活の香のひそみをり 浜永宗一 ホトトギス 200107
うど刻む音が香りを広げけり 林田加杜子 いろり 200107
ほのと根にうす紅走る独活を剥く 岡西恵美子 円虹 200107
野良の汗拭けり丈余の独活蔭に 勝野薫 ぐろっけ 200111
枯独活の風音なりし覚えおく 山尾玉藻 火星 200112
独活めばる独酌もまた旬にそろ 斎藤棹歌 200201
独活の香の厨の待つてゐる帰宅 稲畑汀子 ホトトギス 200203
独活齧る瑞々しさを称へあひ 朝妻力 雲の峰 200204
独活を掘る小さき窓をひとつ開け 岡田万壽美 雲の峰 200205
独活かぢる身ぬちに野生持つごとく 岡田万壽美 雲の峰 200205
大木とならぬ獨活なりさみしめる 中原道夫 銀化 200205
ジュエリーの似合はぬ指や独活刻む 田下宮子 200206
独活の束解き香をこぼす朝市女 海老澤映草 春耕 200206
引き水に星かげやさし独活浸す 千代田葛彦 馬醉木 200207
独活提げて見知らぬ町の真昼かな 小澤克己 遠嶺 200207
金漆と独活の天麩羅父の膳 渡辺美知子 200207
堂々と生くる決心独活洗ふ 半澤佐緒里 百鳥 200207
山うどを掘りしあと土埋めておく 村上一葉子 200208
山独活の厨の形に匂ひをり 中野京子 200208
独活の香の残る俎流しけり 北島美都里 200302
皮むいて野の息のごと独活にほふ 田中藤穂 あを 200303
アメリカの大きな聲に獨活さらす 佐藤喜孝 あを 200304
山独活の香りたのしみ年をつむ 早崎泰江 あを 200304
独活のぬた子の遠慮せしふたむかし 赤座典子 あを 200304
山独活の庭独活となり芽を伸す 阿部ひろし 酸漿 200305
自惚れや横抱きにする青い独活 矢野千佳子 京鹿子 200306
芽独活和へ夕べに早き燗支度 竹内龍 200307
独活小屋の藁噎返る匂かな 金森教子 雨月 200308
独活の芽の摘まれ確かに誰かゐる 市場基巳 200309
独活掘るや指に山気の迸り 平井あい子 馬醉木 200312
味噌和への独活の歯応へ命なが 河西みつる 草の花 200405
独活和へて母の好みの京小鉢 長谷川祥子 馬醉木 200406
ほめぐとは発酵のこと独活育つ 入江和子 ぐろっけ 200406
担ぎ女の独活の匂へる始発かな 古川京子 万象 200408
庭の中立てたる独活の萌やし筒 阿部ひろし 酸漿 200410
夕暮の厨に独活の明りあり 青木陽子 酸漿 200505
井戸水に短冊切りの独活晒す 中條今日子 万象 200505
山独活や酢味噌たつぷり作りけり 網野茂子 酸漿 200506
後ろ指指されずに生き独活さらす 野辺祥子 200506
先附の独活にはじまる宴かな 渡邊泰子 春燈 200507
さらし独活客を迎へて更くる夜 三輪慶子 ぐろっけ 200507
山独活をこれから浸す酢水にて 高橋将夫 星の渦 200507
独活と読むことを知らぬも母乳ゆたか 服部早苗 200507
独活和へや奥嶺より水匂ひくる 松本きみ枝 遠嶺 200508
山独活の香に誘はれて食すすむ 小野タマ枝 酸漿 200508
あはゆきや独活小屋藁の香のこもり 杉浦典子 火星 200605
独活掘りて縄でからめて賜はりぬ 鎌倉喜久恵 あを 200605
東京の独活なま白き夕間暮れ 竹内弘子 あを 200606
独活和やさつと夜雨の過ぎけらし 上谷昌憲 200606
蠅生る厨に独活のかをるとき 瀧春一 瓦礫 200606
一瞬に香を放つ独活刻みけり 倭文ヒサ子 酸漿 200606
山畑のすくも仕立ての有機独活 山崎靖子 200608
刈つきつてくれし山独活横笛に 山崎靖子 200608
独活育つ五十余日の暗がりに 片山喜久子 雨月 200608
この独活の二本に迷ふ厨妻 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
日陰もの独活剥けばかく白妙に 品川鈴子 ぐろっけ 200703
独活茹でし香り日陰のアパートに 品川鈴子 ぐろっけ 200703
三尺の童身丈の独活担ぐ 品川鈴子 ぐろっけ 200703
独活酢味噌黙して食す倦怠期 中島玉五郎 200704
山独活をバリリと噛みて負けん気で 田中藤穂 あを 200704
土の香とも独活の香ともや室に入る 落合絹代 雨月 200705
赤土に独活の香りの漂へり 加藤みき 200708
籾殻を朝な朝なに独活二尺 宇田喜美栄 200708
一日に山独活二度も届きけり 三戸千佐子 200708
山独活を商ふ媼の幼な声 大信田梢月 万象 200708
しやりしやりとグリーンサラダの中の独活 浮田胤子 ぐろっけ 200708
山独活の匂ひの濃きが山の味 滝沢伊代次 万象 200804
独活きざみ即席一品胡麻だれに 長澤健子 酸漿 200805
独活和に酒量制限など忘れ 竹内喜代子 雨月 200806
透明に独活ゆで進路きまりけり 柴崎英子 絹の波 200806
独活和えは深山のひびき深山の香 上原重一 200807
山独活の香りゆたかや夕厨 青木政江 酸漿 200807
山独活の野武士のさまとなりしかな 武藤隆司 200808
独活の荷に添へたる一人静かな 山形悦子 万象 200808
単身赴任独活刻む音夜を乱す 勝原文夫 ペン皿 200811
再婚をひそかごととし独活和へる 品川鈴子 ぐろっけ 200903
石突に木目ひそめて独活は伸ぶ 品川鈴子 ぐろっけ 200903
独活刻む拍子木と丸・短冊に 品川鈴子 ぐろっけ 200903
誕生日毛深き独活を白く剥き 品川鈴子 ぐろっけ 200903
室出しの真白き独活の産毛かな 近藤きくえ 200905
気負ひなき日々の幸せ独活刻む 吉田晴子 200906
ほろにがき山独活きざむ一人の餉 森ひろ 馬醉木 200906
戸隠や山独活の香の潔し 桑田忠男 遠嶺 200906
呉須鉢に沢煮の独活と飯蛸と 小阪律子 ぐろっけ 200906
独活小屋を覗きゐる背の日当れる 大山文子 火星 200907
折れ曲がるテントのボール独活を売る 渡部光徳 やぶれ傘 200907
ローソクを灯して独活の室に入る 鈴木多枝子 あを 200908
紅少し掛かりて白し松葉独活 KOKIA 六花 200910
味噌で独活和へれば足りる喜寿の盃 品川鈴子 ぐろっけ 201003
掘りはじめらる山独活の枝のさわぎ 浜口高子 火星 201005
山独活を鉄砲和に日曜日 諸戸せつ子 春燈 201005
独活剥きて迸る香を楽しめり 岩上定子 酸漿 201005
独活室に満つる香りや耶蘇の邑 田下宮子 201006
庭先の芽独活もてなす山の宿 安原葉 ホトトギス 201008
独活小屋にしやがみし爺も耶蘇の裔 鈴木浩子 ぐろっけ 201008
独活和といへば吉野の宿思ふ 安原葉 ホトトギス 201009
山独活の大葉若葉の柔らかし 武智恭子 ぐろっけ 201009
独活小屋を出でしばかりの白さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201103
買ひ忘れたるとは旬の独活のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201103
さらし独活とんと時流に乗れずをり 細川洋子 201104
山独活の苦さ親しき齢かな コ田千鶴子 馬醉木 201105
独活和の器は決めてありにけり 服部早苗 201105
家苞は独活羊羹でありにけり 若本彰子 酸漿 201106
室の独活育ちし畑の匂かな 小泉和代 酸漿 201106
両の手で独活の根元をひきにけり 天野美登里 やぶれ傘 201107
山独活を一本おまけしてくれし 土井三乙 風土 201109
独活の香に母郷みちのく地震のこと 篠原幸子 春燈 201112
独活小屋に人の気配の四日かな 大山文子 火星 201204
現世を隔てて室の独活ぐもり 安藤しおん 201205
籾殻を三尺掻きて独活を採る 荻龍雲 201207
山独活の香りに惹かれ道の驛 竹貫示虹 京鹿子 201303
すすり飲む湧水甘し独活の山 井上石動 あを 201305
だんまりに筋を通して独活膾 能村研三 201306
山独活や旧き四股名の男女川 山本鬼之助 201401
山独活の場所知り尽す漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
すすり飲む水の甘さよ独活の山 井上石動 あを 201404
独酌に似合ふや走独活噛みて 能村研三 201404
独活サラダ心の澱を沈めをり 能村研三 201404
没個性憂ひて独活を晒しけり 関根揺華 201405
山独活噛めば少年の香と思ふ 富川明子 201405
新聞紙に包みくれたりもやし独活 西川保子 春燈 201406
山独活やをとこの性の折れ易く 菅谷たけし 201406
山独活の天ぷら食ってルビー婚 中川久仁子 201406
山独活の森の奥吹く風を食ぶ 有松洋子 201406
独活小屋の暗がり人のゐる気配 西川保子 春燈 201406
暗がりに刈る独活の香のまつすぐに 吉田カイ 万象 201406
山独活を捥ぐ指先の粘りたり 紅谷芙美江 万象 201407
山独活にほろとひそみし悔いの味 柴原公子 201407
二尺ほどの独活を酒肴の心当て 西村しげ子 雨月 201407
遠景に南アルプス独活の花 古俣万里 ろんど 201410
独活の花海鳴りの見ゆ墓なりし 岡本尚子 風土 201411
独活きざむ本降りとなる夕べかな 浅木ノヱ 春燈 201507
寒独活の皮を炒りたるさつと炒る 来海雅子 201602
独活膾添へて一盞鳥の声 荒井和昭 201604
山独活の裾分けに添ふ生きてるぞ 荒井和昭 201606
多摩の独活音立てて食ぶ父なりき 原田しずえ 万象 201607
山独活の天ぷら手打ちそばすすり 鈴木庸子 風土 201607
山独活の蘞みに虜いつしかに 森屋慶基 風土 201608
過疎村の美山の大き山の独活 久保田雪枝 雨月 201608
独活は実に畑に家の建ちにけり 後藤眞由美 春燈 201612
山独活や猫も香りをめでてゐる 秋川泉 あを 201705
訥々と仲居の真顔独活うまし 石黒興平 末黒野 201706
交はりは淡きが佳けれ独活晒す 松井志津子 201706
筍も独活も味噌焼日本酒派 山田六甲 六花 201707
獅子独活の枯るる音して鮭颪 大森三保子 馬醉木 201712
雨風の残る山道独活は実に 天野美登里 やぶれ傘 201712
独活育つ等しき高さ白さにて 大橋敦子 雨月 201803
新聞紙にくるまれし独活もらひけり 小巻若菜 やぶれ傘 201806
しろじろと太き独活なり無傷なり はしもと風里 201906
独活和や水嵩増ゆる魚野川 新沢伸夫 201907
夫の忌の山独活一本買ひ足しぬ 浜福恵 風土 201907
独活の香に誘はれて買ふ宿場町 延川笙子 六花 201909
独活に刃を入れてしたたる悔い少し 直江裕子 京鹿子 201909
独活の香や幸せとはこんなものか 志方章子 六花 202006
もてなしの殊に芽独活の酢味噌和 坂下成紘 202007
独活掘つて母直伝の酢味噌和へ 木村みどり 京鹿子 202008
突出しは独活の酢味噌やカウンター 渡辺富士子 末黒野 202008
朝採りとメモを背負ひて独活置かる 高村令子 風土 202010
朝の市籠に山独活溢れゐる 相川健 202104
窓に白山はりはりと独活を食む 青谷小枝 やぶれ傘 202105
一盞に刻みて晒す走独活 能村研三 202105
味噌和への独活供へけり夫の墓 亀岡睦子 やぶれ傘 202105
だんまりに筋を通して独活膾 能村研三 神鵜 202107
猪独活の峠照り降り繰り返す 能村研三 神鵜 202107
独活の花丈を揃へて線路脇 森清堯 末黒野 202109

 

2022年3月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。