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作品
作者
掲載誌
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前書他
ややありて風の記憶の蝶残す 大関靖博 200204  
朝の蝶芳名録に止まりをり 中村房枝 六花 200204  
塵芥車行つてしまひぬ蝶の殻 中原道夫 銀化 200204  
朱の蝶にめぐり合ひたる丹生の民 境良一 京鹿子 200204  
飛ぶ前の蝶々倒れるまで稽古 中原道夫 銀化 200204  
製材の音の中より初の蝶 伊藤洋 春耕 200205  
うたた寝の母の爪切る蝶の昼 坂本京子 200205  
筆塚の丸みを慕ひ蝶飛べり 前阪洋子 雲の峰 200205  
蝶生る葉蘭の群れの騒ぎゐて 鳴海清美 六花句集 200205  
木々の芽や蝶の出で来し峡の道 夏目満子 酸漿 200205  
翅やすめ息をやすめて肩の蝶 鷹羽狩行 200205  
アルバムを閉ぢて開いて蝶の昼 武田菜美 銀化 200205  
蝶水漬く空に染まれぬことを知り 中原道夫 銀化 200205  
燃されても灰白からむ畠の蝶 丸山佳子 京鹿子 200205  
羽根重き蝶を零せり花馬酔木 海上俊臣 酸漿 200205  
酒中花に小蝶寄り来る風に酔ひ 斉藤小夜 風土 200205  
蝶々や塀の向ふは迷路かも 芝宮須磨子 あを 200206  
道草をするな蝶々日が暮れる 松山律子 六花 200206  
つぎつぎと箱膳並ぶ蝶の昼 小林あつ子 火星 200206  
女蝶にも武者ぶるいあり初飛行 貝森光大 六花 200206  
蝶生れてマリオネットのやうな風 環順子 遠嶺 200206  
水牛のとろりと眠し蝶の昼 梅原富子 200206  
石庭に蝶の来てゐる午後一時 小林あつ子 火星 200206  
ヴイオロンの弦のとどまる蝶の昼 関根洋子 風土 200206  
昼は蝶の越えし野川よ泣きに来る 渡邉友七 あを 200206  
シーソーに児を振り分ける蝶の昼 山内秀 銀化 200206  
砂風呂に自由奪はれ蝶の昼 吉村幸子 雨月 200206  
紅白黄の言問だんご蝶の昼 及川澄江 風土 200206  
チャオプラヤ川横切る舟に蝶の舞ふ 中野たけみ 雨月 200206  
蝶触れて時の止まりし磧石 清水晃子 遠嶺 200207  
大きめの鞄を買ひて蝶の昼 公山礼子 200207  
吾がために詩口遊む蝶の昼 祐森彌香 遠嶺 200207  
蝶とんで祖谷の山家の昼深し 岡淑子 雨月 200207  
蝶を見し母の手鏡遺りけり 三浦てる 風土 200207  
蝶の昼父の筆蹟うすれたり 岡和絵 火星 200207  
蝶とぶや洗ひ上げたる漆椀 松原仲子 200207  
古墳より古墳をめぐる蝶連れて 萩野谷三和 遠嶺 200207  
蝶追うて雨後の真青な空仰ぐ 中山勢都子 200207  
川船へ蝶は言葉のやうに降る 渡邉友七 あを 200207  
蝶々の音にしづもる国分尼寺 小林あつ子 火星 200207  
お辞儀よき子に蝶まとふ聖堂下 手島靖一 馬醉木 200207  
ときをりは動く水車や蝶の昼 宮澤さくら 遠嶺 200207  
蝶蝶のお喋り五百羅漢晴 市川英一 遠嶺 200207  
きりぎしの波の一と打ち蝶もつる 宇都宮滴水 京鹿子 200207  
葱坊主蝶語を子守唄とせり 村越化石 200207  
といつて大日堂を蝶が出る 坂本敏子 京鹿子 200207  
標本の蝶放ちたき日和かな 三浦てる 風土 200207  
百合蝶と化す飲食の六分目 吉田順子 帆船 200207  
しづもりの苑木魚より白き蝶 関口幹雄 遠嶺 200207  
げんげ田や恋の胡蝶もとびみだれ 朝倉富次 酸漿 200207  
雪解川蝶々に目を凝らしけり 太田土男 百鳥 200207  
山よりも高舞ふ蝶や句碑披く 長山あや 円虹 200207  
運河往く追伸のやう蝶に会ふ 矢野千佳子 京鹿子 200207  
もつれ舞ふ蝶をとらへしにはたづみ 川端実 遠嶺 200207  
ふと覚めて蝶になりゆく途中かな まついひろこ 銀化 200207  
蝶羽化す森一瞬のきらめきを 川端実 遠嶺 200207  
鳳を夢見て蝶に生まれしや 鷹羽狩行 200207  
子等追へり色とりどりの山の蝶 杉本寛 200207  
茶畑を蝶見回りぬ茶摘時 阿部悦子 酸漿 200207  
うれしくて蝶の心となつてをり 西美知子 円虹 200208  
思ひきり叫びたき日は蝶になれ 西美知子 円虹 200208  
深山蝶いしくれみちを子ら追ひぬ 相沢有理子 風土 200208  
西ひがし風に恐るる古墳蝶 宇都宮滴水 京鹿子 200208  
蝶々に弄ばるる目玉かな 鳴海清美 六花 200208  
木道の靴音空へ蝶の午後 加藤あけみ 円虹 200208  
トルソーの顔想ふ蝶の昼 大谷茂 飛白 200208  
蝶の昼花から花へ言ひふらし 島貫アキ子 銀化 200209  
蝶過ぎてより氷壁の虚空かな 小澤克己 遠嶺 200209  
幼手の鍵盤に舞ふ蝶の昼 木村幸 200209  
走らない人と連れそひ風の蝶 坂本敏子 京鹿子 200209  
止まりても空のひろがる山の蝶 市掛基己 200210  
若葉風蝶も吹かれてゐたりけり 大野ツネ子 酸漿 200210  
ねんごろに蝶移りゆく韮の花 金山千鳥 酸漿 200210  
石の上に蝶の呼吸の荒々し 小澤克己 遠嶺 200210  
湯の宿や大紫蝶にみちびかれ 網野茂子 酸漿 200210  
まつはりて従いて来るなり山の蝶 常坂幸次郎 帆船 200210  
弟の抽斗に充つ展翅の蝶 竹内弘子 あを 200211  
木花之開耶姫かも深山蝶 鷹羽狩行 200211  
蝶とんぼとかげいもむし夫がゐる 田村みどり 京鹿子 200211  
二面石の善面に来て春の蝶 門伝史会 風土 200211  
海に出て波すれすれに蝶の飛ぶ 西宮舞 200212  
制服をぬげば羽化して蝶か蛾か 吉田多美 京鹿子 200212  
蝶もつれゆつくり倒る休め鍬 羽根嘉津 200301  
蝶生る葉蘭の群れの騒ぎゐて 鳴海清美 六花句集 200302  
きらめくは蝶か色集か滝の宙 手島靖一 馬醉木 200302  
蝶のごとく花のごとくに偲ばるる 稲畑汀子 ホトトギス 200303  
浮気蝶望遠鏡を逸れたがる 泉田秋硯 鳥への進化 200303  
人間が居るから蝶々いくんじゃない 松山律子 六花 200303  
わすれゆく身軽さもあり蝶の空 宮坂恒子 雪底 200304  
そのたびに蝶々言を左右にす 利根川博 銀化 200304  
古墳まで前に後に蝶の飛ぶ 加納花子 築港 200305  
蝶歩く壬生念仏の手摺かな 山尾玉藻 火星 200305  
完璧に引込みにけり蝶の舌 片山タケ子 200305  
うどん屋のたて混んで来し蝶の昼 小西石蕗 円虹 200306  
卵白のよき泡立ちや蝶の昼 千手和子 馬醉木 200306  
一坪の花園蝶を離さざる 服部菰舟 雨月 200306  
蝶の昼亜細亜の地図が壁にあり 小澤克己 遠嶺 200306  
中品の印の中より蝶の生れ 関根洋子 風土 200306  
相和せる水かげろふと蝶の影 柴田近江 200306  
断崖を蝶のぼりゆく隠岐の島 遠藤逍遥子 風土 200306  
躓きし一人笑ひや蝶の昼 山中宏子 200306  
蝶触れて時の止まりし磧石 清水晃子 遠嶺 200306  
離れ離れに蝶々の翅うらおもて 吉弘恭子 あを 200306  
真昼間の宝石売り場蝶生る 小澤克己 遠嶺 200306  
金砂磯出三日がかりに蝶も舞ふ 松崎鉄之介 200306

東西金砂神社

磯出大祭礼

トルソーの顔想(かんばせ)ふ蝶の昼 大谷茂 遠嶺 200306  
もつれゐし蝶が番となりにけり 宮城白路 風土 200306  
蝶よぎる閻魔の視野を逃れんと 角直指 京鹿子 200307  
双蝶の黄なれば愛を語るらし 泉田秋硯 200307  
前を行く大き帽子や蝶つれて 早矢仕圭子 雲の峯 200307  
百歳にまだ時間あり蝶の羽化 田中藤穂 あを 200307  
野良猫の庭に潜めり蝶の昼 西宮舞 200307  
輪禍あと手向けし花に蝶の来る 笠嶋陽子 築港 200307  
姿よく蝶の止まれり桜草 渋谷ひろ子 酸漿 200307  
ドソファソの夢より覚めし蝶の昼 塩路隆子 花衣 200307  
発掘ののんびり作業蝶の昼 山口速 200307  
草ゆれて蝶の黄色をこぼすとき 今井千鶴子 円虹 200307  
二人ゐて老いすすみゐる蝶の昼 荒井千佐代 200307  
見えぬ糸付けてゐるかに蝶ふたつ 三間菜々絵 遠嶺 200308  
蝶翔たせ松虫草は野の色に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200308  
長廊下磨きこまれて蝶の昼 荻野みゆき 対岸 200308  
少年老いて蝶を猥りにしてゐたり 八田木枯 晩紅 200308  
雑巾はおろしたてなり蝶の昼 草野英子 対岸 200308  
神様のタクトひとふり蝶の羽化 坂井法 200308  
菜園の出来ばえ問ふて蝶低く 鈴木浩子 ぐろっけ 200308  
自動扉蝶も一緒に入りけり 片渕清子 ぐろっけ 200308  
山門を出る蝶々のぶつかり来 今瀬剛一 対岸 200308  
よちよちと蝶追ひ鼻に掠り傷 宮村フトミ ぐろっけ 200308  
蝶の昼鏡の中のドアがあき 久保田哲子 百鳥 200308  
羽化終へて蝶の盛装路地うらに 筏愛子 200308  
片羽根の欠けたる蝶の道に居る 鎌倉喜久恵 あを 200308  
蝶と蛾の違ひを月に尋ねけり 大串章 百鳥 200309  
中空にこつんと蝶のぶつかれり 今瀬剛一 対岸 200309  
蝶の羽根引き摺る蟻よ飛びたいか 松山律子 六花 200309  
蜘蛛の囲に蝶かかりたり立ち竦む 早崎泰江 あを 200309  
性格の不一致なるや山から蝶 丸山佳子 京鹿子 200310  
百合化して蕊のかたちの蝶の口 荒井和昭 200310  
城跡や密書のやうな蝶に会ふ 奥田筆子 京鹿子 200310  
黒蝶の羽根干しゐたり五月晴 菊谷潔 六花 200310  
双蝶の樹下に入りたるあと知らず 萩原記代 200312  
蝶の屍とタリバンの兵重ねけり 渡邉友七 あを 200401  
石組みのゆるみしところ春の蝶 小山徳夫 小春の山河 200401  
序の舞を舞の始めに春の蝶 近藤幸三郎 風土 200401  
蝶舞ふに東支那海盛り上る 松崎鉄之介 200403  
蝶遊ぶ四日に着きし宮古島 松崎鉄之介 200403  
蝶の蛹を含みし木魚赤からむ 磯貝碧蹄館 握手 200403  
新開地花咲き蝶来八百屋が来 寺門武明 あを 200403  
蝶生る庭の死角のみかんの樹 橘沙希 「月の雫」 200404  
こぼるると思へば白き蝶二三 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404  
蝶生れノルマンディの野の起伏 福井隆子 つぎつぎと 200405  
蝶生るる野の真ん中に塘一つ 小澤克己 遠嶺 200405  
蝶といふ声に姿のはやあらず 鷹羽狩行 200405  
蝶形の髪止めの子に風光る 川越勢津子 200405  
枯野来て昆虫館に蝶を見る 安達風越 雨月 200405  
百合化して蝶ポケツトに防虫剤 中村葉子 帆船 200405  
雲雀野の朽ちし一橋蝶と往く 渡邉友七 あを 200405  
読了の寸前蝶のとまりたる 望月周 百鳥 200405  
菜種刈近づきてなほ蝶白き 川原典子 酸漿 200405  
このあたり古墳の多き蝶の昼 大畠政子 雨月 200406  
蝶生るる瞬きやすき汀より 小澤克己 遠嶺 200406  
蝶々の花々つなぎやがて消ゆ 池田いつ子 酸漿 200406  
蝶々の嬉しきときを高舞へる 丸山敏幸 200406  
上履の並べ干されて蝶の昼 窪田粧子 馬醉木 200406  
連翹に紛れて蝶の消えゆけり 鈴木幾子 酸漿 200406  
耳奥に己が血の音蝶の昼 荒井千佐代 200406  
初の蝶川燈台の高さ飛ぶ 辻恵美子 栴檀 200406  
路地裏に子育て地蔵蝶の昼 佐々木ひさこ 築港 200406  
吹上ぐる花びら出でし蝶のあり 三井公子 酸漿 200406  
あとさきにもつれて速し昼の蝶 志水芳秀 雲の峰 200406  
刻かけて昆布煮てをり蝶の昼 八牧美喜子 200406  
一指もてピアノ一音蝶生るる 小野さとし 対岸 200406  
浮雲や高み高みし蝶一頭 加藤みき 200406  
蝶々も紛れて子供歌舞伎かな 木村てる代 雲の峰 200406  
菜の花は蝶に牧場倒産す 須佐薫子 帆船 200406  
蝶生れてまだ蜜知らぬ白さかな 坂ようこ 200407  
蝶生れ光の中へこぼれ行く 栢森定男 風よ 200407  
蝶々の現れて日向のひろがりぬ 山田暢子 風土 200407  
蝶の昼色彩やかに乳母車 栢森定男 風よ 200407  
蝶に空譲りて深き椅子にあり 林昭太郎 200407  
蝶の舞ふ公園近し行けずをり 加藤峰子 200407  
長くなる列を急き立て蝶の昼 堀田恵美子 雨月 200407  
雀らを一蹴したる山の蝶 中村恭子 200407  
芳しき日溜りの芝蝶もつる 川端和子 遠嶺 200407  
象谷の水はきらきら蝶の恋 東條未英 200407  
聞き役となりし蝶々園巡る 柴田久子 風土 200407  
似て非なり店の洋花に一蝶が 丸山佳子 京鹿子 200407  
水底の白き陶片蝶生るる 花島陽子 遠嶺 200407  
菜の花は蝶に川畑ちまちまと 須佐薫子 帆船 200407  
パレットに彩を絞るや蝶寄り来 泉田秋硯 200407  
むらさきの蝶にこだはる女かな 前田陽子 200407  
蝶の昼おとぎ電車は駅ひとつ 村田冨美子 京鹿子 200407  
菜の花は蝶に二輌で単線で 田中忠子 帆船 200407  
黒々と畑のうねりや蝶の昼 遠藤和彦 遠嶺 200407  
また別の蝶来る嬰のもの濯ぎ 伊藤佳代 対岸 200407  
ふたつ蝶矢倉の奥の目覚め聞く 宇都宮滴水 京鹿子 200407  
双蝶の別れ俄に空のあを 二瓶洋子 六花 200408  
忌をすませ独り傘さす雨の蝶 丸山佳子 京鹿子 200408  
みたらひの柄杓を離れ白き蝶 田島勝彦 遠嶺 200408  
黒蝶と辿る西行峠かな 間島あきら 風土 200408  
墓山へ水提げてゆく蝶の昼 青山悠 200408 蝶 →1

 

2020年3月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。