茶の花 2     119句

茶の花のころがつてをる甃    富安風生

作品
作者
掲載誌
掲載年月
道沿ひに茶の花咲ける朝日影 阿部ひろし 酸漿 200412
茶の花や弁才天に燭運ぶ 山田春生 万象 200501
茶の花や平城へ三里の駅の跡 吉村征子 雲の峰 200501
茶の花のちりばめられし畝の丘 赤座典子 あを 200501
正面の座は一輪のお茶の花 豊田都峰 京鹿子 200501
茶の花や軍手を縁に和尚留守 高橋千美 京鹿子 200501
茶の花の一花一花の日に泛けり 高橋美智子 200502
茶の花や丹波は妣の生まれ里 坂根白風子 200502
区画受く垣根夢遊のお茶の花 禰寝瓶史 京鹿子 200502
人声の次々通るお茶の花 鹿野佳子 200502
茶の花や泣くにちからの要らざりき 糸井芳子 200502
茶の花や帰り支度のまだ早い 伊藤早苗 200502
喜こんで茶の花人を恋ひにけり 天野きく江 200503
茶の花の蕊をつまみし粘りかな 岩下芳子 200503
茶の花や栄西禅師の話など 田中峰雪 雨月 200503
退職の夫に茶の花真盛り 大山文子 火星 200503
茶の花や日溜りに猫畏まり 鳴海清美 六花 200503
茶の花や憶良の歌を傍に添ゆ 九万田一海 河鹿 200503
茶の花の生垣低し屋敷跡 清原彰子 河鹿 200503
茶の花や風のたわごと蘆花旧居 大山夏子 200505
茶の花や紙面に光る和む記事 廣戸次郎 200505
茶の花や可も不可もなく咲いて去り 黒澤千世 帆船 200507
樂燒や茶の花らしき鉢に描く 瀧春一 菜園 200509
茶の花に風の色付き初めにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
茶の花に名苑引き締まつてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
茶の花に知覧の空や瞑すべし 川口盛道 四葩 200601
まろまろと茶の花が咲き一周忌 嶋崎茂子 百鳥 200601
茶の花や許されてゐる午後の刻 豊田都峰 京鹿子 200601
茶の花や大和茶伝ふ発祥地 加地芳女 雨月 200601
茶の花やまだ残りを風邪ごこち 藤井昌治 200601
茶の花に約束のごと雨来る 稲岡長 ホトトギス 200602
茶の花や観音様の足のうら 中島陽華 200602
神殿へ詣づる径やお茶の花 穴澤光江 遠嶺 200602
大回りして茶の花の風匂ふ 長束房子 遠嶺 200602
茶の花に遠くなりゆく国言葉 椋本一子 雨月 200602
茶の花や手を繋ぎ行く老夫婦 南原正子 酸漿 200602
茶の花のつきたる苗木買うて来し 筒井八重子 六花 200602
茶の花や小津安二郎生誕地 荒船武文 200603
冬菊と茶の花と風荒みけり 大串章 百鳥 200603
茶の花や雲なき富士の聳え立つ 籾山和子 酸漿 200603
専業農家継ぎ来し母やお茶の花 物江晴子 八千草 200604
茶の花や丑寅に猫出で入りす 服部早苗 200605
茶の花に沈み母なる筑後川 青山悠 200605
茶の花や購ひ得たる今日の糧 瀧春一 瓦礫 200606
茶の花を見る一株の庭にあり 阿部ひろし 酸漿 200611
畑垣の茶の花の咲き初めけり 井上幸子 酸漿 200612
茶の花に隠れてをりし子供かな 竹内弘子 あを 200612
榮西のせしごと座禅お茶の花 松崎鉄之介 200701
茶の花のひとつひとつの蘂ゆたか 宮津昭彦 200701
茶の花や余生の夢は平家建 関まさを 酸漿 200701
茶の花や峡に残れる無尽講 橋本貞二 酸漿 200701
うつむける茶の花そつと持ちあげる 早崎泰江 あを 200701
お茶の花日々の生活のつつがなく 田中藤穂 あを 200701
茶の花の白に日当る姑の里 柳生千枝子 火星 200702
茶の花や大事にされて惚けさうな 波田美智子 火星 200702
観音の村の茶の花濡れてゐし 助口弘子 火星 200702
茶の花のしずかに先を争へり 市場基巳 200702
唐門を入りなつかしきお茶の花 山村桂子 遠嶺 200702
幾代経し茶の花なるぞ神峯山寺 今谷脩 ぐろっけ 200702
午後ははや日暮のいろのお茶の花 加瀬美代子 200702
茶の花に歩く楽しみあらたなり 中村しげ 酸漿 200702
茶の花に触れて山気の下りて来し 浜口高子 火星 200703
茶の花に日ざしの移り青柳寺 門伝史会 風土 200703
日すがらの雨茶の花のこぼれゐる 佐藤淑子 雨月 200703
茶の花の力見せたる蕊の金 池田倶子 雨月 200703
茶の花や重なる嶺々の暮色濃し 小島とよ子 遠嶺 200703
神殿のきざはし古くお茶の花 山下美絵子 遠嶺 200703
茶の花の乾いてゐたる誕生日 鴨下昭 200703
茶の花や脚立の上の受け答へ 櫨木優子 200704
茶の花や隔てるものの無き里に 北島和奘 風土 200704
茶の花や金色の蘂ふつふつと 木内美保子 六花 200704
虚子詠みし寺の茶の花垣いまも 木村享史 ホトトギス 200705
はかなごと交し茶の花籬かな 横田初美 春燈 200801
庭隅に句友認めしお茶の花 和田政子 200801
茶の花や挨拶だけのお付き合ひ 遠藤実 あを 200801
茶の花や作務衣の僧の単車来る 吉沢陽子 200802
胞衣塚へ茶の花垣のつづきをり 瀬戸悠 風土 200802
茶の花や元校長の地蔵眉 代田青鳥 風土 200802
茶の花や夫婦で灯す製材所 中山皓雪 200802
茶の花に曽孫生まるるてふ報せ 柳生千枝子 火星 200802
茶の花や雲来て峡をかげらする 中山三渓 200802
茶の花やわれを後れしわれに会ふ 井上菜摘子 京鹿子 200803
茶の花の狭山丘陵郷遠し 中藤勉 遠嶺 200803
火の山の風まつすぐにお茶の花 浜口高子 火星 200803
思ひ断つ色に日暮のお茶の花 柴田佐知子 200803
茶の花や母が見守りくれさうな 奥田紀子 200803
茶の花や箒目つくるささ法師 倉谷ます美 万象 200804
先生の家このあたりお茶の花 坪内稔典 稔典句集 200804
茶の花や村に無住寺廃校舎 永本純子 200806
快晴の茶の花日和つづかねど 稲畑汀子 ホトトギス 200811
山深く茶の花垣をめぐらして 稲畑汀子 ホトトギス 200811
茶の花やパッチリまなこの乳母車 上原重一 200812
茶の花のはにかむ白さ垣根かな 西田史郎 200901
命日の水琴窟やお茶の花 醍醐季世女 200901
鯖街道茶の花日和となりにけり 森川彩火 炎環 200901
茶の花や鶴川いよよ遠ざかる 小林輝子 風土 200901
睦みあふ茶の花垣を巡らせて 大西八洲雄 万象 200901
風かよふ垣根茶の花蕾かな 和田森早苗 200902
茶の花や編棒に音あつまり来 近藤喜子 200902
師の墓に参る茶の花日和かな 鈴木とおる 風土 200902
茶の花や油土塀の雁の寺 門伝史会 風土 200902
茶の花の一枝を夫に供へけり 中西蘭子 炎環 200902
茶の花の蘂の黄まみれなりしかな 辻美奈子 200902
黒猫のいつも居る場所お茶の花 鈴木多枝子 あを 200902
垣となる茶の花の香をききにけり 天野美登里 やぶれ傘 200902
遠富士といふもくつきりお茶の花 布川直幸 200903
茶の花に心ほぐるる一日なり 吉野のぶ子 遠嶺 200903
茶の花や今も住みをる武家屋敷 松本静江 遠嶺 200903
茶の花や消し去り難き過去の恥 大原貴彦 炎環 200903
茶の花の蕊に幸せありさうな 城孝子 火星 200903
哲学の道の茶の花日和かな 山本右近 万象 200903
潜り戸に茶の花咲ける茶室かな 岡本直子 雨月 200904
茶の花の葉陰に白き蕾かな 岡本直子 雨月 200904
茶の花や粥好きなりし父の墓 山本ミツ子 六花 200904
茶の花や昼餉は母と縁側で 三浦カヨ子 酸漿 200905
白々と明けて茶の花日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
茶の花や胸元さやに稽古帯 池園二三江 春燈 200912
茶の花や土の匂ひの夜の風 飯田ひでを 201001
灯を消してよりの茶の花あかりかな 中山純子 万象 201001
茶の花 →3      

 

2021年1月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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