石蕗の花 9      100句

究極のあかりとなりぬ石蕗の花    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
部屋の奥に日の来てゐたり石蕗の花 加藤みき 201801
あるがまま生きて米寿や石蕗の花 高村令子 風土 201801
欄干の艶の深さや石蕗の花 平田きみこ 風土 201801
舟屋まで風まはりくる石蕗の花 大崎紀夫 やぶれ傘 201711
石蕗日和上げてもらへぬ背のファスナー 大塚文枝 京鹿子 201801
床の間に灯しおきあり石蕗の花 山田六甲 六花 201712
筆塚の日の差すところ石蕗の花 上林富子 やぶれ傘 201712
蹲踞に寄り添ふ石蕗の花や黄に 川崎雅子 春燈 201801
裏庭はいつもひんやり石蕗の花 栗原公子 201802
池の辺の陽を集めたる石蕗の花 鈴木良戈 201802
乾びたる桧皮の屋根や石蕗の花 岡田史女 末黒野 201802
石橋の一枚岩や石蕗の花 橋場美篤 末黒野 201802
建長寺の庭に瀟洒な石蕗の花 大橋晄 雨月 201802
日のさして釜鳴る茶室石蕗の花 武生喜玖乃 雨月 201802
子に増ゆる言葉楽しも石蕗の花 山田由利枝 雨月 201802
石蕗の花外人墓地の谷深き 江見悦子 万象 201802
歩ませるだけの運動石蕗さかり 高橋ひろ 万象 201802
雨戸引く今朝も元気よ石蕗の花 持田信子 春燈 201802
一寸の虫修業中石蕗明り 高木晶子 京鹿子 201802
仮の世に弾む日のあり石蕗の花 亀井福恵 京鹿子 201802
庭園に風韻をきく石蕗の花 門伝史会 風土 201802
よき寺のよき梵妻や石蕗の花 落合絹代 風土 201802
静寂に静かさ加ふ石蕗の花 江島照美 201802
こんな暗きに石蕗すこやかに咲きにけり 有松洋子 201802
石蕗明りより虚子館の一歩かな 藤井啓子 ホトトギス 201803
石蕗明りははの気配の濃く淡く 山中志津子 京鹿子 201803
石蕗咲けり晩年の色して咲けり 政時英華 京鹿子 201803
磯波のひかりをまとひ石蕗の花 森清堯 末黒野 201803
のぼるほど音変はる川石蕗の花 堺昌子 末黒野 201803
気づかはるる身となりにけり石蕗の花 堺昌子 末黒野 201803
海はいま一枚に晴れ石蕗の花 饗庭惠子 末黒野 201803
言はでものこと口を出で石蕗の花 吉田政江 201803
力石をかこんで石蕗の花盛り 黒澤次郎 やぶれ傘 201804
十基ほど殉死の墓や石蕗の花 松田明子 201804
暗がりは神の領域石蕗の花 戸栗末廣 201804
あたためた言葉を口に石蕗の花 直江裕子 京鹿子 201805
石蕗咲いて玄海の紺定まりぬ 矢野百合子 201806
石仏の隠れ十字や石蕗の花 林徹也 201806
黒猫の山房案内石蕗の花 都築繁子 201811
石蕗の花早稲田は坂の多き町 工藤はる子 201811
手に包む茶の香の窓や石蕗の花 重原爽美 201811
鎌倉に繋ぐ忌心石蕗明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
鎌倉に忌心集め石蕗は黄に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
ヴイオロンのトラウマ解けて石蕗日和 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
石蕗の黄に虚子館の庭目覚めゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
石蕗の花より始まれる庭の色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
石蕗の黄を灯し虚子館人集ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
骨壺や八月に咲く石蕗の花 竹内悦子 201811

「妻の初七日、妻の姉より申出あり、」『ゆきげがは』

ふッつりと切つたる縁や石蕗の花

久保田万太郎 春燈 201811
石蕗の花ふつくら咲いて母忌日 沼田巴字 京鹿子 201812
石蕗の花殉死の墓に序列あり 大沢美智子 201901
ながめゐる庭の片隅石蕗の花 白石正躬 やぶれ傘 201901
カレー屋のカレーのにほふ石蕗の花 丑久保勲 やぶれ傘 201901
花石蕗や飛び石男の歩幅にて 金森信子 雨月 201901
荒磯のひかり乱れて石蕗咲けり 小田司 馬醉木 201901
日溜りの獣の径や石蕗の花 成井隆之 末黒野 201902
石蕗の花土葬の子規をおもひけり 雨宮桂子 風土 201902
内海の冥加の風と石蕗の花 杉原ツタ子 201902
忘れようそう決めたから石蕗の花 犬飼典子 京鹿子 201902
里言葉飛び交ふ漁港石蕗咲けり 武生喜玖乃 雨月 201902
日のさして釜鳴る茶室石蕗の花 武生喜玖乃 雨月 201902
寄する波引く波音や石蕗咲いて 滝澤圭子 雨月 201902
後のこと子等に伝ふる石蕗咲いて 古川しげ子 雨月 201902
喪籠にまぶしき庭の石蕗の花 大石よし子 雨月 201902
銀閣寺石蕗にはしりの花一つ 栗坪和子 201902
石蕗咲くやかつては川でありし道 柿沼盟子 風土 201902
箒目を立てる目の端に石蕗の花 松井季湖 201903
裏表なき心根よ石蕗の花 久保夢女 201903
静もれる無住寺灯す石蕗の花 山口登 末黒野 201903
怒濤音崖にはじけり石蕗の花 安斎久英 末黒野 201903
児の主張三者三様石蕗の花 岡村彩里 雨月 201903
石蕗の花歩みて触るる向う脛 田中臥石 末黒野 201903
雨靴が要るほどの降り石蕗咲けり 渡邉孝彦 やぶれ傘 201903
筆立ててひたすら写経石蕗の花 貫井照子 やぶれ傘 201904
海光をうけ金泥の石蕗の花 吉田順子 201904
塩作る男の岬石蕗の花 苑実耶 201904
でこぼこの石の組み方石蕗の花 篠崎志津子 やぶれ傘 201904
臥す母の小さく笑ひ石蕗の花 仲里奈央 201905
遠き旅近き旅あり石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201911
石蕗の花より届きたる旅便り 稲畑汀子 ホトトギス 201911
石蕗の花よく晴れゐたる佐渡の島 山田六甲 六花 201912
石蕗の花佐渡の美貌を備へけり 山田六甲 六花 201912
石蕗咲いて歳月つもるばかりなり 安住敦 春燈 201912
黄はすでに日の斑あつめて石蕗の花 柴田昭子 雨月 202001
潮騒の小島明るき石蕗の花 柴田昭子 雨月 202001
石蕗の花直哉の佇ちし石の庭 小林共代 風土 202001
石蕗咲いて海がぱかっと見えてくる 雨村敏子 202001
石蕗咲くや夕風に立つ湖の波 緑川啓子 馬醉木 202001
植込みの隅の花石蕗晴れわたり 大坂正 末黒野 202002
潮の香と日だまりの中石蕗の花 及川照子 末黒野 202002
日溜りの母の両膝石蕗の花 森清信子 末黒野 202002
七曲り六甲に生ふ石蕗の花 奥畑しげみ 雨月 202002
尼寺の竹の真みどり石蕗の花 落合絹代 雨月 202002
手渡しに受くる佳信や石蕗の花 阪上多恵子 雨月 202002
島人の方言親し石蕗の花 三輪温子 雨月 202002
石蕗の花明るく咲くは淋しけれ 田尻勝子 六花 202002
苔寂びし日溜に石蕗咲きにけり 善野行 六花 202002
青空に巨頭鯨浮かぶ石蕗の花 竹内悦子 202002
アメダスに石蕗の葉と黄の花と 瀬川公馨 202002
明るきは木立のなかの石蕗の花 本郷美代子 やぶれ傘 202002
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2021年12月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。