石蕗の花 8      300句

究極のあかりとなりぬ石蕗の花    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝の陽に抽んでるなり石蕗の花 早崎泰江 あを 201112
時の鐘響くや根津の石蕗あかり コ田千鶴子 馬醉木 201201
急ぐこともう何もなし石蕗の花 水原春郎 馬醉木 201201
国宝の茶室開きや石蕗の花 小林成子 201201
石垣を飛び出すごとき石蕗の花 伊東和子 201201
国境はすべてわたつみ石蕗の花 柴田佐知子 201201
岩陰の譲れぬ所石蕗の花 松本周二 かさね 201201
熊野古道の一の鳥居や石蕗の花 塩見治郎 雨月 201201
花石蕗や水あるところ水光る 柴田朱美 京鹿子 201201
うしろより人来る気配石蕗の道 柴田朱美 京鹿子 201201
ここが好き鬼門の戸口に石蕗咲けり 柴田朱美 京鹿子 201201
触れまじき思ひに触れる石蕗明かり 柴田朱美 京鹿子 201201
指間より零るる月日石蕗の花 柴田朱美 京鹿子 201201
寡黙には負けしお喋り石蕗の花 加舎廣子 京鹿子 201201
野地蔵に仕ふるごとく石蕗の花 長濱順子 201202
境内の石蕗しっとりを極めけり 秦和子 201202
石蕗の黄を青ざめし黄と思ふ日よ 稲岡長 ホトトギス 201202
愁ひなき時石蕗の黄に会ひたかり 稲岡長 ホトトギス 201202
日の本の色偽らず石蕗の花 山崎靖子 201202
はるかなる思惟石蕗の花開く 雨村敏子 201202
原点に戻れとやさし石蕗の花 寺田すず江 201202
石蕗あかりどこかに父の眼あり 谷岡尚美 201202
石蕗咲くや雨脚柔く芭蕉句碑 吉田啓悟 かさね 201202
石蕗咲いて冬日吸い取る黄色かな 佐々木薫 かさね 201202
潮ふぶき浴ぶる碑石蕗の花 大地真理 201202
小間切れの掃除も齢石蕗日和 藤原照子 201202
放射能知らずに咲けり石蕗の花 佐藤健伍 201202
石蕗咲くや海鳴りづめの貨物駅 相沢有理子 風土 201202
石蕗の花己れ輝く時を知る 天野みゆき 風土 201202
石蕗の花明りの土蔵紋どころ 高埜良子 春燈 201202
無住寺の魚板の痩せや石蕗の花 都丸美陽子 春燈 201202
石蕗咲いて明るき露地となりにけり 中田寿子 ぐろっけ 201202
移る世を映すガラス戸石蕗の花 永塚尚代 ぐろっけ 201202
老住い生活音のみ石蕗の花 福田かよ子 ぐろっけ 201202
足湯して告白長し石蕗日和 松本恒子 ぐろっけ 201202
あいまいに生きては居らぬ石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201202
一週間に一度のくすり石蕗咲いて 畑佳与 京鹿子 201202
時頼忌わけても石蕗の黄の深し 堺昌子 末黒野 201202
山門の扁額暮れぬ石蕗の花 辻井ミナミ 末黒野 201202
住み古りて庭の彩増す石蕗の花 田村加代 末黒野 201202
石蕗咲きて水鳥の声もるる池 三谷ゑい 末黒野 201202
屋敷神に捧ぐるやうに石蕗咲ける 西村しげ子 雨月 201202
苗の蝶の舞ひ翔つ石蕗の花日和 宮原悦子 雨月 201202
石蕗の黄の華やぎ添ふる侘住ひ 川崎良平 雨月 201202
裏木戸の半日翳る石蕗の花 川崎良平 雨月 201202
何恋うてかく月色の石蕗の花 福永尚子 ろんど 201202
墓までの坂に日当たる石蕗の花 藤井美晴 やぶれ傘 201202
氏神は垣根越しなり石蕗の花 高倉恵美子 201203
石蕗咲くや寺町にある小学校 赤羽陽子 春燈 201203
脇役の踏まへ所や石蕗の花 宮野照子 馬醉木 201203
一遍の井の空澄みて石蕗の花 久布白文子 馬醉木 201203
石蕗黄なり正座するかに古屋敷 荒木甫 201203
クリーンデイよちよちも居て石蕗の花 松澤美惠子 201203
石蕗のいろ腹を決めたる色であり 雨村敏子 201203
吉三こと名を西運に石蕗の花 田村すゝむ 風土 201203
石蕗の花雨脚柔く芭蕉句碑 吉田啓悟 かさね 201203
鳥居百狐百体石蕗の花 松本三千夫 末黒野 201203
水源はほんにささやか石蕗の花 小田嶋野笛 末黒野 201203
石蕗の花築地に古き魚塚 稲垣佳子 末黒野 201203
神苑を灯点すごとく石蕗の花 松井宮子 末黒野 201203
晩年や一すじの道石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201203
石蕗咲くや磴の上より海見えて 根橋宏次 やぶれ傘 201203
飛び石に関守石や石蕗の花 根橋宏次 やぶれ傘 201203
水面まで石蕗咲く坂となりにけり 大島英昭 やぶれ傘 201203
石垣の石に家紋や石蕗の花 廣瀬雅男 やぶれ傘 201203
花石蕗に戻りたちまち石見人 竹下陶子 ホトトギス 201204
庭先で長居してをり石蕗の花 小林朱夏 201204
路地深く日差しとどけり石蕗の花 清水量子 201204
花石蕗やすこし欠けたる壺の口 松田泰子 末黒野 201204
石蕗咲くや光蔭といふ早きもの 小山直子 末黒野 201204
蝶を黄に染めて放ちし石蕗の花 大久保白村 ホトトギス 201205
石塊に佛の心石蕗の花 竹内悦子 201205
石蕗の花忌心ほどに開き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210
石蕗の黄に攻められてゐる城址かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
石蕗の黄に心寄せ合ふ忌日寺 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
石蕗の花城の盛衰語るかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
石蕗咲くや日本シリーズ又西へ 水原秋櫻子 馬醉木 201211
機音の背戸より洩れて石蕗日和 藤井君江 馬醉木 201212
石蕗咲きて庭の片隅照らしけり 松本周二 かさね 201212
石蕗咲くも黄の色濃きをやや疎む 大橋敦子 雨月 201212
石蕗を受け皿とせり金木犀 早崎泰江 あを 201212
身ひとつと言へる気軽さ石蕗咲きて 森下康子 201301
鬼の碑の映る水面や石蕗の花 中川すみ子 201301
ほの暗し定家庵の石蕗の花 石川かおり 201301
老杉を囲む羅漢や石蕗明り 藤原若菜 春燈 201301
まなざしの羅漢父似や石蕗明り 小山繁子 春燈 201301
端正に雨したたらす石蕗の花 藤丸誠旨 春燈 201301
久伊豆の苔の歳月石蕗の花 塩千恵子 201301
石蕗の花固きつぼみも持ちてをり 本郷宗祥 かさね 201301
石蕗の花百歳からを老後てふ 杉本薬王子 風土 201301
石庭の程よき間合ひ石蕗の花 大橋晄 雨月 201301
土地の名は二枚橋にて石蕗の花 大島英昭 やぶれ傘 201301
引き潮のつれさる夕日石蕗の花 藤井寿江子 馬醉木 201302
奔放な石蕗の咲きけり水軍址 片岡久美子 201302
島裏は荒磯つづき石蕗つづり 石川笙児 201302
西行の剃髪石や石蕗の咲く 神蔵器 風土 201302
石蕗の黄の愛しき平群内親王 佐藤凉宇子 ろんど 201302
石蕗日和新聞小説完結す 大西よしき ろんど 201302
石蕗咲くや舟屋に添ひし道一つ 村上留美子 火星 201302
大石に産地の名札石蕗の花 小川玉泉 末黒野 201302
直なるはなき島の径石蕗の花 松本三千夫 末黒野 201302
原発の岬彩る石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201302
漆黒の闇に浮き立つ石蕗の花 岩月優美子 201302
描かれて届く花石蕗明りかな 田村園子 201302
石蕗の崖くるぶし労りつつ登る 小林正史 201302
つつましき郭翁旧家石蕗の花 田中涼平 201302
石蕗の黄の厚き緑につつまれて 木村茂登子 あを 201302
御墓所への道行き止り石蕗の花 宮平静子 雨月 201302
生涯を一茶贔屓や石蕗の花 服部早苗 201302
花石蕗の為石配す水配す 湯川雅 ホトトギス 201303
湧く雲に流るる雲に石蕗黄なる 飯塚ゑ子 火星 201303
石蕗の花日ざし届かぬ農舞台 福島せいぎ 万象 201303
門川に戸毎の橋や石蕗の花 森岡恵子 万象 201303
石蕗咲くや茎はいささか伸び過ぎに 井手浩堂 万象 201303
晴は晴雨には雨の石蕗の花 府川昭子 春燈 201303
何もせぬひと日ありけり石蕗の花 都丸美陽子 春燈 201303
石蕗咲くや祖母の好みし黄八丈 藤岡紫水 京鹿子 201303
袖垣の結び目固し石蕗の花 橋場美篶 末黒野 201303
寺田屋の風呂場の鏡石蕗の花 門伝史会 風土 201303
入りつ日に侏儒の飛び出す石蕗の花 水野恒彦 201303
石蕗の花築山光ゲを纏ひけり 松木ひろ ろんど 201303
石蕗の花逢瀬の刻はすぐ過ぎて 安武晨子 201303
碧空へ続く霊園石蕗の花 桜三奈子 201303
先生のこの坂道の石蕗の花 陽山道子 おーい雲 201304
恋心何処へ行ったか石蕗の花 網野月を 201304
枯山水の波真新し石蕗の花 丑久保勲 やぶれ傘 201304
石蕗咲いて明日の鍋をぴかぴかに 中原幸子 船団 201306
母逝きて閉せし茶室石蕗の花 村田とくみ ぐろっけ 201307
一握の春石蕗摘めば妣のこと 常盤しづ子 馬醉木 201307
石蕗の花視界辿りてゆけば海 稲畑汀子 ホトトギス 201311
咲くまでは忘れてをりぬ石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201311
石蕗咲いて忌日の色の加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201311
石蕗の花大いなり磯近ければ 島谷征良 風土 201311
知らぬ地のとほき十分石蕗日和 小菅暢子 201311
群れ咲きて夕日分けあふ石蕗の花 安立公彦 春燈 201402
石蕗の花咲けば忌日と思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201411
翁塚石蕗咲く中に水映り 桂樟蹊子 201412
真っ直ぐに立てる箒目石蕗の花 松井季湖 201412
これよりは余生灯して石蕗明り 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
石蕗咲くや午後の時間の足早に 笠井敦子 201501
池の端を照らす一群石蕗の花 山口キミコ 201501
控へめに暮れゆく黄なり石蕗の花 中田みなみ 201501
石蕗の花老年にもある反抗期 山内碧 201501
これやこの「鬼手仏心」や石蕗の咲く 神蔵器 風土 201501
点滴は命の泉石蕗は黄に 塩千恵子 201501
何ごとのありても黄なり石蕗の花 山尾玉藻 火星 201501
切通しの入口二つ石蕗咲けり 下山田美江 風土 201501
緋鯉群れ真鯉は離れ石蕗の花 田中藤穂 あを 201501
塔の径手燭めきたる石蕗の花 竹田ひろ子 ろんど 201502
木洩れ日のスポットライト石蕗の花 永尾春己 201502
扁額に「鬼手佛心」や石蕗の咲く 神蔵器 風土 201502
友逝くや咲き急ぎたる秋の石蕗 加藤静江 末黒野 201502
差し潮のし吹く荒磯や石蕗の花 中野久雄 末黒野 201502
雨上がり黄の鮮しき石蕗の花 大川暉美 末黒野 201502
裏木戸へ飛石伝ひ石蕗の花 河合とき 末黒野 201502
片隅の日溜りわずか石蕗の花 岡美智子 末黒野 201502
男一匹楽しく行かむ石蕗の花 宮地静雄 末黒野 201502
石蕗の花咲きかけてゐる昏さかな 有松洋子 201502
その昔の庄屋とふ家石蕗咲けり 服部珠子 雨月 201502
雑司ヶ谷のここもまた路地石蕗の花 坂本依誌子 春燈 201502
里言葉聞く漁の町石蕗咲いて 武生喜玖乃 雨月 201502
散々に降り籠められて石蕗の花 和田紀夫 201502
石蕗の花築山光ゲを纏ひけり 松木ひろ ろんど 201502
石蕗の花敷石なべて大一枚 田中貞雄 ろんど 201502
石蕗の花僧の法話を聞きながす 有賀昌子 やぶれ傘 201502
生きてをりそれが嬉しや石蕗の花 斉藤裕子 あを 201502
暮れそむる玄関までの石蕗明り 秋山甲武信 京鹿子 201503
道の辺に張り合うてゐる石蕗の花 丹羽武正 京鹿子 201503
石蕗の花頼朝ひそむ島の洞 元橋孝之 京鹿子 201503
石蕗の花指じんじんと玻璃を拭く 高野春子 京鹿子 201503
石蕗の花ごみ箱に傘捨ててある 竹内悦子 201503
石蕗の黄を直情と決むクラッカー 柳本渓光 ろんど 201503
石蕗咲いて末社は何もかも小ぶり 中村房子 馬醉木 201503
石蕗の花けふ懐妊の知らせ聞く 佐藤弘香 ろんど 201503
洋館の昼灯しをり石蕗の花 田中明子 万象 201503
帰国時は笑顔とびきり石蕗の花 伊吹之博 京鹿子 201503
回廊の朱の欄や石蕗の花 岡野里子 末黒野 201503
浜離宮石蕗の縁取る馬場の跡 菅野日出子 末黒野 201503
日当りに群るる雀や石蕗の花 原久栄 末黒野 201503
海風や絮となりたる石蕗の花 藤井美晴 やぶれ傘 201503
完壁な色撒きちらす石蕗の花 村田岳洋 ろんど 201504
かばかりの日差しを受けて石蕗の花 石川叔子 201504
拝観の順路出口へ石蕗の花 瀬島洒望 やぶれ傘 201504
石蕗や井戸の釣瓶の新しく 有賀昌子 やぶれ傘 201504
石蕗咲いて岬日和をあんパンと 鶴濱節子 船団 201505
石蕗咲いて日の当たりゐる躙り口 天谷翔子 201505
夢の怒り鎮まりてゆく石蕗の花 斉藤裕子 あを 201505
魚の腸洗つてをりぬ石蕗の花 竹内悦子 201505
江戸博に我が家の歴史石蕗の花 都築繁子 201504
石蕗咲いて寺に忌心集ひ来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
吉備津彦神社石蕗明りの句碑に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
石蕗明り忌日の黙を解きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
咲くまでは所在失せたる石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201511
石蕗の花きらひだつたね日暮れけり 山田六甲 六花 201511
人麿の知れぬ最後や石蕗の花 竹下陶子 ホトトギス 201512
ねねの寺石蕗の花びら明りかな 門伝史会 風土 201512
寺にゐてインタビュー受く石蕗日和 門伝史会 風土 201512
蕉翁の杖の細さよ石蕗の花 石川倜子 馬醉木 201601
荒海を明るく見せて石蕗の花 須賀敏子 あを 201601
老猫の大くさめして石蕗日和 秋川泉 あを 201601
手の届きさうな町の灯石蕗の花 宮井知英 201601
仮植ゑの石蕗動く気のなささうな 山内碧 201601
大原や降りみ降らずみ石蕗明り 後藤眞由美 春燈 201602
抜け道の坂また坂や石蕗の花 木村梨花 春燈 201602
石蕗さくや嘗て藩主の下屋敷 山下健治 春燈 201602
日の海へ真つ直ぐな道石蕗の花 小林文良 春燈 201602
石蕗の花づたひに島の郵便夫 能勢俊子 馬醉木 201602
老いる術知らず老いたり石蕗の花 建部洋子 馬醉木 201602
手柄杓の光こぼるる石蕗の花 久布白文子 馬醉木 201602
水筒のお茶まだぬくき石蕗の花 柿沼盟子 風土 201602
お茶室の薄き座布団石蕗の花 島玲子 風土 201602
石蕗明かり参道奥に鯛の墓 鈴木庸子 風土 201602
曲がり来て石塀小路の石蕗の花 奥田茶々 風土 201602
潮騒の届く林や石蕗の花 落合絹代 風土 201602
井戸水の湯気濃くなりぬ石蕗の花 大坪景章 万象 201602
庭石に添ひたる石蕗の花明り 笠井敦子 201602
僧を待つ静かな座敷石蕗の花 栗原京子 201602
友訪うて思はぬ長居石蕗日和 青野安佐子 201602
軒低き島主の館石蕗の花 森清堯 末黒野 201602
千年の杉の根方や石蕗の花 有賀鈴乃 末黒野 201602
石垣も磴も苔むし石蕗の花 有賀鈴乃 末黒野 201602
裏庭の日のやはらかや石蕗の花 榎本佐智子 末黒野 201602
石蕗の黄や夕暮どきの道標 邑田のり子 末黒野 201602
石蕗の花逢わねばいつか遠い人 福田葉子 201602
幸村の眠れる宮や石蕗は黄に 大橋晄 雨月 201603
花石蕗や濤音を踏み百度石 深川淑枝 201603
細波のやうな雲過ぐ石蕗日和 北川孝子 京鹿子 201603
石蕗の花予防注射に行く道に 野中圭子 京鹿子 201603
老いてこそ多彩に生きよ石蕗の花 熊川暁子 201603
息災を祈る産土石蕗明 安野眞澄 201603
石蕗咲けり砲台跡の日溜りに 松本三千夫 末黒野 201603
築山の寂れにまかせ石蕗の花 鈴木礼子 末黒野 201603
石蕗咲くや海見ておはす仏たち 松田泰子 末黒野 201604
道端に群れて明るき石蕗の花 本間せつ子 末黒野 201604
老いてより早寝早起き石蕗の花 野畑小百合 201604
久方や粋な句にあふ石蕗の花 田部井幸枝 201604
見えぬまで客見送りし石蕗の花 伊吹之博 京鹿子 201605
石蕗咲くや晩節といふほの明かり 吉永すみれ 風土 201610
石蕗咲いて館に奥行生れ初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
旅多き日々に追はるる石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201611
忘れたきことは忘れず石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201611
太陽の勢ひを受けて石蕗は黄に 大橋晄 雨月 201701
かつと見開ひらく経文岩の石蕗の花 岩木茂 風土 201701
団子屋に寄るも目当てや石蕗日和 落合絹代 風土 201701
石蕗咲くや奇数日の祈り夫の役 井上正子 童女 201701
木漏れ日を流す御手沈石蕗咲けり 松本鷹根 京鹿子 201701
つながれし猫の鳴き声石蕗の花 田中とし江 201701
石蕗咲くや幼稚園にも外厠 横田敬子 201701
先師句碑守部のごとく石蕗の花 小松誠一 201701
石蕗咲いて太平洋の紺たしか 佐久間由子 201701
黒塀を残せし小路石蕗の花 須田千代 201701
花石蕗の黄に決心といふことを 窪田佳津子 雨月 201702
朝夕のけぢめ明らか石蕗咲いて 窪田佳津子 雨月 201702
診断は様子見ませう石蕗の花 須賀敏子 あを 201701
老いの日々きりりと在らむ石蕗の花 田中藤穂 あを 201701
揮毫句は師の書にあらず石蕗の花 能村研三 201702
石蕗咲くや渡り廊下の畳敷 宮内とし子 201702
一字づつ友のリハビリ石蕗の花 伊藤照枝 201702
而今(にこん)いま夫の宇宙よ石蕗の花 雨村敏子 201702
石蕗あかり不思議の森に誘はるる 雨村敏子 201702
秋と冬分かつ結界石蕗の花 久保夢女 201702
傘させぬほどの路地ゆき石蕗の花 柿沼盟子 風土 201702
石蕗咲くやフランス山に通学路 下山田美江 風土 201702
子規の庭めぐる石蕗の黄明りかな 落合絹代 風土 201702
密談の旅籠の跡や石蕗の花 中嶋陽子 風土 201702
絵タイルの異人館跡石蕗の花 佐藤やすこ 風土 201702
石蕗の花入口に咲く蕪村庵 杉本薬王子 風土 201702
花石蕗の夕べ歌膝組んでみる 塩貝朱千 京鹿子 201702
惣領のうぶすな参り石蕗の花 高野春子 京鹿子 201702
助けられ名園めぐり石蕗の花 野中圭子 京鹿子 201702
石蕗咲くや養ふ側で終りたき 山崎靖子 201702
常夜燈石蕗の明りに囲まれて 山本無蓋 201702
ちやんこ屋にうを煮るにほひ石蕗の花 岡本敬子 万象 201702
朝あさの石蕗の花友癒えよ 安立公彦 春燈 201702
深川の寺や神社や石蕗の花 山下健治 春燈 201702
石蕗の花備前の壺によく似合ふ 伊藤由良 末黒野 201702
石蕗の花願掛け石に銭三つ 有賀昌子 やぶれ傘 201702
たましひの乾く静けさ石蕗の花 本多俊子 201703
梵鐘に法要中と石蕗の花 岡山敦子 京鹿子 201703
淋しければ猫も舐め合ふ石蕗日和 荒井千佐代 201703
松韻の岬の小道石蕗の花 森清堯 末黒野 201703
枝折戸ゆ雨の延べ段石蕗の花 岡野里子 末黒野 201703
石垣に石蕗咲く島の段畑 斉藤マキ子 末黒野 201703
三門を入りて和めり石蕗の花 占部美弥子 末黒野 201703
きはやかに池畔彩なす石蕗の花 水田壽子 雨月 201703
幾年も空き家の庭に石蕗の花 久世孝雄 やぶれ傘 201703
淋しければ猫も舐め合ふ石蕗日和 荒井千佐代 201703
野良猫の濡れて行くなり石蕗の花 宮井知英 201703
誰も居ぬ岬となれり石蕗の花 苑実耶 201704
本貸してあげたいたくない石蕗の花 奥田筆子 京鹿子 201704
石蕗の花安房の小島の真砂女の碑 加瀬伸子 末黒野 201704
矍鑠とあれば鬼女めく石蕗の花 田中藤穂 あを 201703
この巨石黙りこくって石蕗の花 水野恒彦 201705
またここに来たしと思ふ石蕗の花 浜崎素粒子 ホトトギス 201705
石垣の潮じめりして石蕗咲けり 中川句寿夫 ここのもん 201705
海蝕の奇岩の祠石蕗の花 渡谷和代 万象 201705
極楽へ一直線の石蕗明り 沼田巴字 京鹿子 201711
野ざらしのチンチン電車石蕗の花 延川五十昭 六花 201801
神頼みてふ手まだあり石蕗の花 田辺博充 201801
四阿の裾彩りし石蕗の花 江木紀子 雨月 201801
石蕗の花→ 1      

 

2020年12月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。