石蕗の花 7      116句

究極のあかりとなりぬ石蕗の花    長谷部朝子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
道端の手押しポンプや石蕗の花 須賀敏子 200912
おほてらの日暮の静寂石蕗の花 塩路五郎 201001
石蕗の花薬師堂苑競ひけり 佐藤健伍 201001
枯山水池のほとりに石蕗の花 石原節子 春燈 201001
雨上りエイエイオウと石蕗の咲く 永松輝美 ろんど 201001
葉の上に花の影ある石蕗日和 川崎良平 雨月 201001
界隈に石蕗咲き女盛り過ぐ 堀内一郎 あを 201001
下水管埋まりて消えし石蕗の花 山荘慶子 あを 201001
石蕗咲くや池際立てる石の布置 佐藤喜仙 201001
出撃の少年写真石蕗沁みる 横田矩子 201002
石蕗明り探幽斎の障壁画 井口淳子 201002
石蕗の花墓苑の燈を明るうす 松本三千夫 末黒野 201002
形見なる蔵書賜へり石蕗の花 岡田史女 末黒野 201002
漁りの舟出払へり石蕗日和 乙坂きみ子 末黒野 201002
花石蕗の真上に干され修道衣 荒井千佐代 201002
手入れままならぬ庭にも石蕗の花 伊藤トキノ 201002
石蕗の花嫌ひな皿は長持ちし 中村恭子 201002
礼服の父の手を引く石蕗日和 坂場章子 201002
狂ふことかくも愛しく石蕗の花 福永尚子 ろんど 201002
禰宜と巫女の話弾めり石蕗日和 北岸邸子 春燈 201002
罅走る翁の墓碑や石蕗の花 清水美子 春燈 201002
道元の山ふところに石蕗咲けり 海村禮子 春燈 201002
花石蕗と日差しを分かつ道祖神 前原早智子 春燈 201002
幾たびも船を見送り石蕗の花 石田邦子 遠嶺 201002
涸れぬてふ不老の井戸や石蕗の花 林いづみ 風土 201002
関雪の屋敷まるごと石蕗日和 竹内悦子 201002
崖つ縁にあまた咲く石蕗空の青 松下八重美 201002
石蕗の花日影に点る日和かな 松原仲子 201002
憎らしきほどに目立ちて石蕗の花 布川直幸 201002
たんねんに石蕗舐める虻のをり 宮崎きみ枝 201002
石蕗や一服所望いたしたく 有元洋剛 201002
一睡に日のかげりきし石蕗の花 平野千江 201002
寺町の寺々に咲き石蕗の花 水谷洋子 201002
石蕗の黄に月光惜しみなく溢る 細川コマヱ 雨月 201002
石蕗咲けり姑の遠忌のこころぐみ 川村欽子 雨月 201002
木曽殿へ献燈とせむ石蕗の花 出口貴美子 雨月 201002
表彰のおふれの届く石蕗の花 高尾豊子 火星 201002
坪庭の石蕗の葉に秋灯かな 志方章子 六花 201002
花石蕗の崖に真向ふ怒濤かな 工藤美和子 酸奬 201002
石蕗の花高層ビルの車寄せ 芝宮須磨子 あを 201002
石蕗咲いて来て年尾忌の近づきし 嶋田一歩 ホトトギス 201003
石蕗の花思ひ年尾忌思ひ病む 嶋田一歩 ホトトギス 201003
古備前の大壺ありき石蕗の花 竹内悦子 201003
石蕗一茎挿して明るき東司かな 岩下芳子 201003
花石蕗や塩の長者の長屋門 名取袿子 201003
午後の日の窮りに石蕗の花明り 神谷さうび 末黒野 201003
石蕗の花紺青の海広ごりぬ 赤羽正行 遠嶺 201003
機音の少し間のあり石蕗の花 花島陽子 遠嶺 201003
石蕗明りあればわが母夫の母 高橋道子 201003
入歯なき母のあくびや石蕗の花 舩坂輝美子 万象 201003
石蕗の花寺のたもとの田舎そば 池田光子 201003
園長は武士の心根石蕗の花 陶山泰子 ぐろっけ 201003
伊豆の旅港の路地を石蕗明り 網野茂子 酸漿 201003
石蕗若葉雨露玉のごと置けり 四條進 201007
忌日寺画布となりゆく石蕗の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
忌心は思ひ出となり石蕗明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
忌日来ることを知らせて石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201011
石蕗の花咲くまで忘れをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201011
色失せるまで存在の石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201011
咲き残りゐし石蕗の花旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 201011
木戸開けて隣へ往き来石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 201011
父の忌の虫を集めて石蕗の花 片山由美子 201011
廃線の駅舎を飾る石蕗の花 塩路五郎 201101
さよならと手を振る別れ石蕗の花 森下康子 201101
古都住みの小さき中庭石蕗の咲く 小西和子 201101
武家屋敷に切腹部屋や石蕗の花 井上正子 春燈 201101
庭石に身をゆだねきる石蕗の花 上原重一 201101
石蕗の花晩年遠くまた近し 並河富有野 京鹿子 201101
来し方は風の歳月石蕗の花 辻本俊子 京鹿子 201101
今生の余白となりし石蕗の花 竹内孝子 ぐろっけ 201101
憂き心すいと受けとむ石蕗の花 早崎泰江 あを 201101
石蕗の花ないしよないしよとこそばゆし 森理和 あを 201101
石蕗日和想ひふつふつ父のこと 山崎里美 201102
石蕗は黄にハリス領事の棲みし寺 坂上香菜 201102
石蕗の花すでに終りや外泊す 渡辺鶴来 春燈 201102
分校の下校は早し石蕗の花 鈴木とおる 風土 201102
石蕗の花音なく跳ぬるかまどうま 中山純子 万象 201102
石蕗の花なだるる石見海青し 佐野和子 万象 201102
ひそやかに艶やかに自我石蕗の花 福永尚子 ろんど 201102
幸村の討死の地や石蕗は黄に 大橋晄 雨月 201102
石蕗明り寺苑の空の紺緊まり 松本三千夫 末黒野 201102
たもとほる磯の香の径石蕗の花 松本三千夫 末黒野 201102
長居して辞する庭先石蕗の花 金子清孝 ぐろっけ 201102
恙なく月日過ぎ行く石蕗の花 東芳子 酸漿 201102
石蕗に水滴光る目覚かな 早崎泰江 あを 201102
花石蕗や伯母百歳の葬簡素 秋葉貞子 やぶれ傘 201102
烈風の石蕗地に触れしより矯むる 橋本榮治 馬醉木 201103
たわいなく転ぶ齢や石蕗の花 辻佳子 馬醉木 201103
墓に古る対の竹筒石蕗の花 宮崎紗伎 春燈 201103
サマンサの鼻の仕業や石蕗は黄に 磯崎清 201103
石蕗の花海に没り日が燃え盛る 樋口英子 201103
雨やみて石蕗の花いま日の器 鶴見遊太 201103
さびしらや鷹女は嫌ふ石蕗の花 松本三千夫 末黒野 201103
花石蕗や軒を寄せ合ふ蜑の路地 大橋伊佐子 末黒野 201103
庭石の裾装うて石蕗の花 小倉正穂 末黒野 201103
一病を持ちて喜の字や石蕗の花 米山やすえ 末黒野 201103
寺の児のひとり遊びや石蕗の花 大竹淑子 風土 201103
石蕗咲いて島に黒猫太りたる 本文代 万象 201103
改札を出ると参道石蕗の花 中山皓雪 201103
石蕗咲いて寂しき路地を明るうす 細川コマヱ 雨月 201103
石蕗咲ける一隅照すさまにかな 村上悦子 雨月 201103
洪庵の旧居の庭や石蕗の花 小原登志春 雨月 201103
宅配便受け取る石蕗の花明り 谷泰子 ぐろっけ 201103
舟板を貼りし土蔵や石蕗の花 有本勝 ぐろっけ 201103
大楠の根方明るし石蕗の花 四葉允子 ぐろっけ 201103
城壁の荒き縁あり石蕗の花 吉成美代子 あを 201103
百歳の散歩うやまふ石蕗日和 田中藤穂 あを 201103
史を秘めて石蕗の花季石州路 名取袿子 201104
城跡に向かふ山道石蕗の花 渡邉孝彦 やぶれ傘 201104
石蕗の花松本楼の庭先に 渡邉孝彦 やぶれ傘 201104
湘南の長汀に咲く石蕗の花 北村香朗 京鹿子 201104
漱石館今を盛りと石蕗の花 網野茂子 酸漿 201104
新築の成りし庭園石蕗の照り 竹内悦子 ちちろ虫 201108
葉に艶を貰うて石蕗の花明り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
石蕗の黄になり切つてゐる羽の色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
石蕗の花咲けば忌日でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201111
石蕗の花→ 8      

 

2021年12月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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