石蕗の花 6    134句

石蕗の花つき出してをる日向かな   清崎敏郎  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
石蕗の花一輪の茶会かな 中島玉五郎 200712
石垣も清らに見ゆる石蕗の花 小宮恒子 酸漿 200712
飛石のわが歩に合はず石蕗日和 水原春郎 馬醉木 200801
一花もて一灯となす石蕗の花 和田政子 200801
石蕗黄なり父とも慕ふ先師の忌 細川コマヱ 雨月 200801
夫の待つ地へ帰りきぬ石蕗の花 吉田陽代 200801
鎌倉に銭洗ひをり石蕗日和 齊藤實 200801
花石蕗や少年の背に陽を集め 鈴鹿仁 京鹿子 200801
魁て吾が門前に石蕗の花 松崎鉄之介 200801
石蕗の花雪舟庭園槙囲ひ 長谷柑生 200801
水音の添へる尼寺石蕗咲けり 波多野葉子 200801
声かけられもう少し咲き石蕗の花 中山純子 万象 200801
石蕗咲いて樹間明るき杉林 松元末則 酸漿 200801
手に触れる湧水ぬくし石蕗の花 早崎泰江 あを 200801
仕方なき夜歩きもあり石蕗の花 青山丈 200801
温泉の湯ざまし散歩石蕗日和 泉田秋硯 200802
大玻璃を画布とす石蕗の花明かり 千坂美津恵 200802
石蕗黄なり手帳に確と予定記す 鈴木阿久 200802
用向きは大黒さんに石蕗の花 大曽根育代 遠嶺 200802
時々は生と死思ふ石蕗の花 宮澤さくら 遠嶺 200802
石蕗の花橋越す船と手振りあふ 大西八洲雄 万象 200802
溶岩山の裾の教会石蕗の花 綱川恵子 万象 200802
ひととこは石蕗あかりして明けの星 近藤きくえ 200802
海鳴りの天心旧居石蕗の花 瀬戸悠 風土 200802
門口に僧を見送り石蕗の花 楠原幹子 200802
死顔のなごやかなれば石蕗の花 大畑善昭 200802
石蕗は黄に荒き波抱く安房の浜 高久清美 200802
石蕗咲くや根元それぞれ闇持ちて 藤井良子 200802
ゆつくりと背骨ぬくもる石蕗の花 杉浦典子 火星 200802
幾株の石蕗の連なる岬訪ふ 神田一瓢 雨月 200802
城塁の裾輪に石蕗の黄を凝らす 馬越幸子 ぐろっけ 200802
リハビリの友の笑顔や石蕗の花 池崎るり子 六花 200802
確かなることの一つに石蕗咲ける 小林優子 酸漿 200802
石蕗の黄へ二日ほどなる昼の月 藤井昌治 200802
あをぞらのいよいよ硬き石蕗の花 冨田正吉 200802
格子越し石蕗の明りに芭蕉像 長谷川史郊 馬醉木 200803
言の葉を惜しみし母や石蕗の花 田嶋洋子 春燈 200803
石蕗咲くや海上禅林東禅寺 神山志堂 春燈 200803
東京の下町が好き石蕗の花 遠藤若狭男 200803
潮待の浦を眼下に石蕗の花 岡田伊勢子 200803
磯馴松みな傾けり石蕗の花 木暮剛平 万象 200803
石蕗の花小江戸の路地の七曲り 山本敦子 万象 200803
風鐸のかすかに鳴りて石蕗は黄に 村上悦子 雨月 200803
句達者の女将なりせば石蕗黄なり 佐藤山人 200803
母住まぬ家とはなりぬ石蕗の花 岡有志 ぐろっけ 200803
父の忌や石蕗の葉照りの濃き朝 上林孝子 200803
石蕗咲いて縁切寺の月日かな 真保喜代子 200803
石蕗咲くや母温かりし井戸水も 千田百里 200803
裏坂は日差しのなくて石蕗の花 桑島啓司 200804
そこだけが耀ふてをり石蕗の花 小城綾子 200804
花石蕗や僧の足駄のよく響き 柿沼盟子 風土 200804
隅にして声揚げてゐる石蕗の花 三浦ゑおり 風土 200804
筆談の確かな誓ひ石蕗は黄に 角直指 京鹿子 200804
反芻のことばがひとつ石蕗の花 服部早苗 200804
走り根の細き古道や石蕗の花 寺内信 遠嶺 200804
真昼間の鱧食べている石蕗の花 坪内稔典 稔典句集 200804
じつと句を作る生甲斐石蕗の花 上崎暮潮 ホトトギス 200805
歩かねば足は弱るぞ石蕗の花 上崎暮潮 ホトトギス 200806
見守るは祷りに似たり石蕗の花 星井千恵子 遠嶺 200806
ハングルのボーマルシカク石蕗の花 陽山道子 船団 200806
庭隅の石蕗の芽膳に一人の餉 柳田和子 酸漿 200806
ワイシャツの襟の硬さや石蕗日和 柴崎甲武信 月日 200811
石蕗の黄を未だ明かさぬ忌日寺 稲畑汀子 ホトトギス 200811
石蕗の黄に明日を信じる女かな 稲畑汀子 ホトトギス 200811
禅林の池のほとりぞ石蕗明り 阿部ひろし 酸漿 200811
禅院の辺り引締め石蕗咲けり 阿部ひろし 酸漿 200811
石蕗咲いて庭の手入を促せり 阿部ひろし 酸漿 200812
堂裏の池畔明るし石蕗の花 石井邦子 酸漿 200812
父の忌に乱れ咲きをり石蕗の花 山崎里美 200901
石蕗咲きていよいよ出番鍋奉行 宮崎左智子 200901
膝痛に茶道疎遠や石蕗の花 竹内悦子 200901
両指に余る妻の忌石蕗の花 小林正史 200901
逆縁の表札のこし石蕗の花 島田麻衣 炎環 200901
印鑑の重さ子の掌へ石蕗の花 乙訓淑子 炎環 200901
石蕗あかり妹は紅さし死化粧 上原重一 200901
石蕗の花を賞でをり薬師堂 佐藤健伍 200901
「おはやう」の声におはやう石蕗の花 和田政子 200901
石積のド・ロ壁密に石蕗の花 能村研三 200901
捨て舟に砂の積もりて石蕗は黄に 北島和奘 風土 200901
灯台まで石蕗の花咲く岬かな 落合絹代 風土 200901
家の陰花立ち上げし石蕗の色 濱田ヒチヱ ぐろっけ 200901
朝雨の黄も鮮やかに庭の石蕗 渋谷ひろ子 酸漿 200901
日記帳ときどき白紙石蕗の花 芝宮須磨子 あを 200901
石蕗の花観音堂の開かれて 天野美登里 やぶれ傘 200901
石蕗咲けり崩れし心正しうす 日山輝喜 200902
石蕗の黄につられふらりとプチ家出 和田森早苗 200902
見えて来る晩年石蕗のうす明り 水野恒彦 200902
埋木舎の留守を預る石蕗の花 寺田すず江 200902
帯を解くときにもちから石蕗の花 片山由美子 200902
つくばひの水面照らせる石蕗の花 森ひろ 馬醉木 200902
菩提寺は上杉陣跡石蕗の花 門伝史会 風土 200902
どうしても読めぬ表札石蕗の花 笠真木 炎環 200902
わが胸に棲みつく小鬼石蕗の花 中西蘭子 炎環 200902
重なりて色の濃くなる石蕗の花 殖栗歩 炎環 200902
早朝の出で湯帰りや石蕗の花 大坪景章 万象 200902
宿場町低き火の見や石蕗の花 木暮剛平 万象 200902
初島は石蕗の花咲き怒濤音 落合絹代 雨月 200902
病む妻にすぎゆく月日石蕗の花 川崎良平 雨月 200902
発心の岬は石蕗の花ざかり 山崎靖子 200902
一匙のロイヤルゼリー石蕗日和 戸田和子 200902
波音をうつつに石蕗の花ざかり 清水幸治 200902
豪快な河馬の息継ぎ石蕗の花 川合まさお ぐろっけ 200902
みどり児と石蕗の日向の縁側に 河村泰子 ぐろっけ 200902
産衣干す石蕗の黄色は細くゆれ 河村泰子 ぐろっけ 200902
あばら家の沓脱石に石蕗あかり 木村美猫 ぐろっけ 200902
石蕗の花ひねもす雨に点りけり 筒井八重子 六花 200902
石蕗の花玄関前を明るくす 先崎きくよ 酸漿 200902
一つ咲く石蕗の明りや稲荷堂 満川房子 酸漿 200902
煙突のけむり真横に石蕗の花 丑久保勲 やぶれ傘 200902
石蕗明り直弼公の着座の間 平賀扶人 馬醉木 200903
石蕗咲くや師のおもかげと猫の髭 竹内悦子 200903
初恋の人の消息石蕗の花 佐々木暢 炎環 200903
青石はふるさとの石石蕗は黄に 岡淑子 雨月 200903
石蕗の道これより先は太平洋 小林正史 200903
石蕗咲けり喪中はがきの妻女の名 荒木甫 200903
武士の正座するごと石蕗咲けり 荒木甫 200903
聖路加の祈りの小路石蕗咲けり 吉川隆 春燈 200903
曳売のからで戻りし石蕗の花 高松由利子 火星 200903
石蕗日和乳の匂の産衣干す 河村泰子 ぐろっけ 200903
波音の遠くにありて石蕗の花 藏本博美 ぐろっけ 200903
ふだん着で旅立たれしか石蕗の花 大坪景章 万象 200903
小流れに架かる木橋や石蕗の花 渡邉孝彦 やぶれ傘 200903
角ごとに石蕗の花咲く漁師町 松本正生 やぶれ傘 200903
石蕗咲いて負薪の憂友とせむ 遠藤和彦 遠嶺 200904
たまゆらの波朝光の石蕗の花 今井松子 遠嶺 200904
母逝きて数日晴るる石蕗の花 服部早苗 200904
逆賊の墳を封じて石蕗の花 あさなが捷 200905
石蕗咲いて蝶の飛び来る日ありけり 鈴木幾子 酸漿 200905
石蕗の黄といふ儚さと華やかさ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
仕事の目庭に休めて石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200911
石蕗咲けば近づく忌日なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200911
海に沿ひ行けば山路よ石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200911
潮風の吹き上げて来し石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200911
禅院の池畔の石蕗ぞ咲き初めし 阿部ひろし 酸漿 200911

石蕗の花→ 7

     

 

2021年12月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。