石蕗の花 5         126句

ちまちまとした海もちぬ石蕗の花    一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
望郷のさざ波寄する石蕗日和 長谷川子 馬醉木 200601
石蕗あかり駕籠おき石にありにけり 飯塚ゑ子 火星 200601
隠れ住むに恰好の路地石蕗の花 松崎鉄之介 200601
四五本の石蕗をより処の昨日今日 豊田都峰 京鹿子 200601
石蕗の花入り舟てふ名の町残り 原田しずえ 万象 200601
北向のショーウインドウに石蕗の花 須賀敏子 あを 200601
寢化粧は縁なきものぞ石蕗咲けり 吉弘恭子 あを 200601
陶の里陶土の小路石蕗の花 小牧弘治 河鹿 200602
曵き売りの声かけて行く石蕗日和 瀬尾幸代 200602
牧を守る馬頭観音石蕗明り 藤田かもめ 200602
まざまざと半月のあり石蕗の花 岩下芳子 200602
石蕗咲いて迦陵頻伽の声ありき 中野京子 200602
東京に過ぎし青春石蕗の花 西岡啓子 春潮 200602
民宿は漁師が主石蕗の花 斉藤阿津子 百鳥 200602
立ち寄つてみたき四阿石蕗の花 野口光江 遠嶺 200602
石蕗の花夕日のなかの遠筑波 穴澤光江 遠嶺 200602
海底の過去を負ふ崖石蕗咲ける 小田司 馬醉木 200602
島裏は断崖つづき石蕗咲けり 佐々木よし子 200602
潮入りの池を眠らせ石蕗明り 代田幸子 200602
新道の下の古径石蕗の花 廣瀬義一 雨月 200602
篁に添ふ小流や石蕗の金 廣瀬義一 雨月 200602
立礼のお薄いただき石蕗日和 堀田こう 雨月 200602
義経の手洗ひ井戸に石蕗咲けり 望月喜好 200602
石蕗の花園一周に置石踏む こばやしきょうこ 200602
石くれの多き借り畑石蕗咲けり 大槻英子 200602
ふるさとは砂が顔打つ石蕗の花 大山文子 火星 200602
東天に半月白し石蕗の花 眞榮城常子 酸漿 200602
石蕗の花ポンプ井戸の水豊かなり 村田さだ子 酸漿 200602
揺れながら杖で指したる石蕗の花 三輪慶子 ぐろっけ 200602
晩年の最中にありぬ石蕗の花 八木柊一郎 ぐろっけ 200602
照り昃りはげしき日なり石蕗の黄に 合川月林子 ぐろっけ 200602
補陀落はそこまでが海石蕗咲けり 平田紀美子 風土 200602
山居跡仰ぐうしろに石蕗の花 三関浩舟 栴檀 200602
石蕗の花のまはりが暮れてをり 市堀玉宗 栴檀 200602
石蕗の花好きな処で咲いてをり 小林朱夏 200602
日陰にも息吹き極立つ石蕗の花 小牧弘治 河鹿 200603
弁当をつかふ畳屋石蕗の花 石橋万寿 200603
東司への道しるべめく石蕗の花 八代清子 200603
一叢の石蕗の花ただよへる 高橋将夫 200603
大日や一炷のあかり石蕗の花 西村純太 200603
花石蕗や湯小屋の裏に猿あそぶ 神山テル 栴檀 200603
ことごとく蔵の口開け石蕗日和 水谷芳子 雨月 200603
廃校の校歌の碑にぞ石蕗の照る 山田夏子 雨月 200603
玄海に花石蕗の崖せり出せり 柴田佐知子 200603
裏木戸のまだ濡れてゐる石蕗の花 高倉和子 200603
用もなく石蕗の日向にゐてみたし 野路斉子 200603
雨の日の石蕗明りして我が山廬 桑田青虎 ホトトギス 200604
わが庵は庭の隅まで石蕗明り 桑田青虎 ホトトギス 200604
石蕗咲ける漱石旧居物語 今井千鶴子 ホトトギス 200604
石蕗日和日射しに酔ふといふことも 桑田青虎 ホトトギス 200604
石蕗の花咲いて新市の誕生す 早水秀久 河鹿 200604
灯台の下は黒潮石蕗の花 清水明子 遠嶺 200604
めぐり会ふ絶対の人石蕗の花 関口幹雄 遠嶺 200604
歌舞伎絵にみせられし日や石蕗の花 豊田作二 遠嶺 200604
ビル風をまともに受けて石蕗の花 稲嶺法子 遠嶺 200604
能楽の里やここなる石蕗の花 駒井でる太 200605
貴しや石蕗に天降りし佐渡の蝶 駒井でる太 200605
子離りて二人の暮し石蕗の花 芦川まり 八千草 200605
縁側のある蕎麦処石蕗の花 与川やよい 遠嶺 200606
涼亭の池畔いろどる石蕗の花 飯田泰子 八千草 200606
フェンス越し隣の石蕗も咲きにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200611
たちまちに旅路彩る石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200611
旅ごころつなぐ家居の石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200611
猫二匹よりそふ日向石蕗の花 滝沢伊代次 万象 200611
納戸神在す昏さや石蕗の昼 荒井千佐代 200611
石蕗咲くや微熱の髪の重かりき 千田百里 200611
怒濤音断崖の石蕗ひとところ 藤原照子 200611
裏木戸に噂の根あり石蕗の花 鈴鹿仁 京鹿子 200612
石蕗日和朝の服薬忘れをり 小川涼 200612
海光や石蕗の花咲く海女の墓 田下宮子 200701
石蕗咲くや流人の島の荒るる頃 古田考鵬 雨月 200701
淋しさはホテルの庭の石蕗の花 福盛悦子 雨月 200701
石蕗咲いて日陰は憩ふ場にあらず 高木智 京鹿子 200701
島裏の極相林に石蕗咲けり 松崎鉄之介 200701
納戸神祀る島人石蕗の花 笠井育子 200701
石蕗の花小さき祠の水天宮 笠井育子 200701
石蕗咲いて兜太の句碑は太鼓腹 根岸善行 風土 200701
眼科院明るく咲けり石蕗の花 福澤乙 酸漿 200701
八十八階ビルの足元石蕗の苑 赤座典子 あを 200701
海光は酢甕包めり石蕗の花 水原春郎 馬醉木 200702
石蕗の花土手に咲きゐて湖北かな 木暮剛平 万象 200702
離宮絵図にのこる江戸湾石蕗の花 内山花葉 200702
糟糠の妻の物干石蕗匂ふ 生方義紹 春燈 200702
石蕗の黄や宿のパティオを明るうす 中上馥子 春燈 200702
産院を閉ざす貼り紙石蕗の花 金子輝 春燈 200702
石蕗の花眩しと思ふ疲れかな 宮津昭彦 200702
石蕗咲いて夷秋を迎え討ちしたり 瀬川公馨 200702
歓声の日矢さす句碑や石蕗の花 中野京子 200702
佳きことの重なるひと日石蕗の花 穴澤光江 遠嶺 200702
花石蕗に滑車の残る古井かな 田口登代 遠嶺 200702
玄関に訪ふ声や石蕗明り 瀧澤白絣 遠嶺 200702
雨あとの石蕗の明りに美術館 滝川あい子 雨月 200702
道問へば讃岐のなまり石蕗の花 齋部千里 ぐろっけ 200702
拈華微笑一茎高き石蕗の咲く 神蔵器 風土 200702
摩尼車一回一誦石蕗の咲く 布施まさ子 風土 200702
石蕗の黄のまぶしさわが歩励まして 加瀬美代子 200702
邸内の小滝に寄れば石蕗の絮 阿部ひろし 酸漿 200702
石蕗咲くや回向院なる力塚 青木政江 酸漿 200702
この服を着るはこの頃石蕗の花 伊藤一枝 酸漿 200702
竹林の奥の明るさ石蕗の花 石井邦子 酸漿 200702
夕闇の道に踏み出し石蕗の花 芝尚子 あを 200702
石蕗明り頼りにゆける日暮かな 筒井八重子 六花 200702
体操に本気を出して石蕗の花 青山丈 200702
信濃路の陽を独り占め石蕗の花 宮入河童 200703
飛石は和服の歩幅石蕗の花 北川キヨ子 200703
特攻の名残の宿舎石蕗の花 石田玲子 200703
石暮れて寂光はなつ石蕗の花 三嶋隆英 馬醉木 200703
石蕗咲くや灘のひかりを引き絞り 福永みち子 馬醉木 200703
石蕗の夕日に溶けしわたつうみ 近藤紀子 200703
石蕗咲くや一葉姉妹の黄八丈 森田節子 風土 200703
直感の芯を通せり石蕗は黄に 北川孝子 京鹿子 200703
日に幾度己れ励ます石蕗の花 北川孝子 京鹿子 200703
有学へのしづかな闘志石蕗の花 小島とよ子 遠嶺 200703
電灯の光を集め石蕗の花 松本蓉子 六甲 200703
道問へば讃岐なまりも石蕗の花 齋部千里 ぐろっけ 200703
厚着とも見えぬ老尼や石蕗の花 鈴木多枝子 あを 200703
日に潜み咲いて日の色石蕗の花 湯川雅 ホトトギス 200704
行摺りにして石蕗の花称へあふ 山田夏子 雨月 200704
会場を出ると日暮れて石蕗は絮 池田澄子 200704
確りと咲き一月の石蕗の花 野路斉子 200704
民宿の小さき窓下石蕗の花 范友佳女 春燈 200705
石蕗の花金剛力の明るさよ 百瀬七生子 海光 200705
石蕗咲いて塩山盛りの屋敷神 笹倉さえみ 雨月 200705
足跡の消ゆることなし石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200711
正面と見れば正面石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200711
石蕗の花より追憶のはじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200711
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2021年11月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。