石蕗の花 3         100句

咲くべくもおもはで有を石蕗花   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日仕事の明日に跨る石蕗の花 中原道夫 銀化 200301
飼猫と外猫のゐる石蕗の花 中里栄 帆船 200301
石蕗の花大笑ひしてさびしかり 加藤みき 200301
石蕗の花侵食深き岩屋あり 阿部文子 酸漿 200301
波音のかすかに石蕗の花あかり 小西明彦 200302
一病は多病に似たり石蕗の花 土屋酔月 火星 200302
草庵の水屋に石蕗の佇まひ 小林あかり 遠嶺 200302
気疲れて目をやる庭に石蕗の花 鈴木清子 遠嶺 200302
夕暮の庭に浮き出る石蕗の花 鈴木清子 遠嶺 200302
御開帳の千手観音石蕗の花 平田紀美子 風土 200302
笛展の茶房に入りぬ石蕗日和 平田紀美子 風土 200302
漆喰の壁にもたるる石蕗の花 大森美恵 風土 200302
強張つた顔の体操石蕗の花 秋田谷明美 帆船 200302
湖岸より低きに住みて石蕗黄なり 田中美智代 200302
胎内のやうな昏さの石蕗明り 笠間圭子 京鹿子 200302
水兵の母恋ふ文や石蕗の花 影山わこ 百鳥 200302
北へ行く野路果てにけり石蕗の花 的池遙 百鳥 200302
引き汐や崖をのり出す石蕗の花 的池遙 百鳥 200302
石蕗の花官庁街の日にぬくみ 隈部郁子 200302
後苑に先師の賞でし石蕗の花 浅井青陽子 ホトトギス 200303
手入れなきわが前栽の石蕗の花 浅井青陽子 ホトトギス 200303
弾眼の視線の先の石蕗の花 島添愛子 ホトトギス 200303
弾疵も風化してをり石蕗の花 島添愛子 ホトトギス 200303
石ころも仏のひとつ石蕗の花 島添愛子 ホトトギス 200303
雨に庭痩せゆき石蕗の黄なりけり 山井寛子 ホトトギス 200303
花石蕗にふと止めたる乳母車 高浜礼子 ホトトギス 200303
花石蕗に風はささやき日は遊び 高浜礼子 ホトトギス 200303
石蕗咲いて旧家の庭の静かなり 高浜礼子 ホトトギス 200303
手間かけぬ庭の殿石蕗の花 小西龍馬 ホトトギス 200303
思ひだしたやうに黄を上ぐ石蕗の花 谷屋恵美子 ホトトギス 200303
なよなよと揺れざる姿勢石蕗の花 柴原保佳 ホトトギス 200303
高さほぼ決りて石蕗の咲き出づる 辻本斐山 ホトトギス 200303
石蕗咲けり大いなる葉を従へて 辻本斐山 ホトトギス 200303
邪魔立てのなく高々と石蕗の花 辻本斐山 ホトトギス 200303
海風に石蕗の花弁は欠け易し 安原葉 ホトトギス 200303
石蕗の花の姿勢として立てり 蔦三郎 ホトトギス 200303
石が暮れ石蕗の花暮れ庭が暮れ 蔦三郎 ホトトギス 200303
たまゆらの夕日に凛と石蕗の花 吉村ひさ志 ホトトギス 200303
金紋を葉ごとに散らし石蕗盛り 吉村ひさ志 ホトトギス 200303
五線譜に星を重ねて石蕗の花 関口幹雄 遠嶺 200303
松陰の学び舎石蕗の照らしをり 小林あかり 遠嶺 200303
石蕗咲いて卒寿祝ひの電気釜 平田倫子 百鳥 200303
母の忌の昨日につづく石蕗日和 富田道子 円虹 200303
昼灯す司祭の家や石蕗の花 遊橋惠美子 風土 200303
産土に波の音聞く石蕗の花 天野きく江 200303
筆塚は風のかよひ路石蕗咲いて 村上田鶴子 風土 200304
石蕗咲くや路地裏に踏むものの影 木内憲子 200304
石蕗の黄に庭の明暗ありにけり 吉村ひさ志 ホトトギス 200305
大佛邸暗がり多し石蕗の花 向後良子 八千草 200305
墓石には凡の一字や石蕗の濃し 横溝千代 八千草 200306
石蕗の花咲けば集へる一忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
思惟仏に日ざしの淡し石蕗の花 阿部ひろし 酸漿 200311
海いつか右に移りぬ石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200311
石蕗咲いてゐる狭庭とて下りてみる 稲畑汀子 ホトトギス 200311
三河路に虚子の足跡石蕗の花 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311
思惟仏に淡き影あり石蕗の花 阿部文子 酸漿 200312
庭石をひとつ跳んでは石蕗の花 遠野萌 200312
つつましき一日の暮るる石蕗の花 青山悠 200312
ゆくりなき出逢ひしばしの石蕗明り 羽根嘉津 200401
石蕗咲いて静かなりける机かな 竹内悦子 200401
石蕗の黄の日に炎えたてる岬の宮 安陪青人 雨月 200401
花石蕗に絮めく虫の漂へる 荒井正隆 200401
石蕗咲けり葉には黄色の斑を入れて 金森恭子 築港 200401
釣瓶井に織部の滑車石蕗の花 前阪洋子 雲の峰 200401
石蕗咲いて日ざしいよいよ有難し 中村廣子 酸漿 200401
訪ねたる家の留守なり石蕗の花 芝宮須磨子 あを 200401
石蕗咲いて午後の時間のひと握り 岡本眸 200401
石蕗匂ふ社に古ぶ受験絵馬 有島扇水 河鹿 200402
にはとりの目玉の乾く石蕗日和 吉田島江 火星 200402
飲みすぎを少したしなめ石蕗の花 加藤君子 火星 200402
石蕗咲いて狭庭のそらを明るくす 矢嶋みつ江 遠嶺 200402
石蕗明り銅鐸の余韻の無限庵 大谷茂 遠嶺 200402
山並に白き雲あり石蕗の花 大久保恵美子 遠嶺 200402
夕闇の明るきところ石蕗の花 柴田靖子 200402
石蕗の花湖の夕映えすぐに消ゆ 大島翠木 200402
岬回にひたと寄りくる石蕗の花 天野きく江 200402
石蕗の花真向ひにあり水流る 雨村敏子 200402
師の作務衣石蕗の花さくあたりかな 本多俊子 200402
お茶席に背を正しけり石蕗の花 荻野みゆき 対岸 200402
三門に日ざしのとどく石蕗の花 小林共代 風土 200402
潮入りの池にきて石蕗の花 佐野つたえ 風土 200402
病人のときどき目覚む石蕗日和 坂本俊子 200402
屈みこむ水琴窟に石蕗の花 加藤弘一 築港 200402
小春日や庭に適ひし石蕗の花 大堀鶴侶 雨月 200402
日の石蕗の黄の残像のいつまでも 窪田佳津子 雨月 200402
二つの忌寺に修され石蕗日和 細川コマヱ 雨月 200402
夕時雨岩陰に照る石蕗の花 松田欽吾 雨月 200402
民宿のはなやぐものに石蕗の花 高橋としを 酸漿 200402
断崖の石蕗に女波の寄るばかり 山陰石楠 200403
音軽く門扉開けば石蕗の花 名取袿子 200403
表札は故人のまゝや石蕗の花 石井利子 200403
花石蕗の招く猫神掌を合はす 沼口蓬風 河鹿 200403
吹かれゆく一帆沖へ石蕗日和 上薗櫨夫 河鹿 200403
天平の色を守りて石蕗咲けり 蒔元一草 河鹿 200403
癒えて見る鼓動の色に石蕗の咲く 蒔元一草 河鹿 200403
花石蕗の径をたどりて島裏に 金國久子 遠嶺 200403

 村越化石氏生家

汝が姉が布団干し待つ石蕗の花

竹中龍青 200403
石の島花石蕗の黄をとびとびに 冨田みのる 200403
石蕗咲くや町場にありし農具小屋 猪俣洋子 200403
年來の友も彼の世へ石蕗の花 濱口南子 京鹿子 200403
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2021年11月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。