石蕗の花 2         100句

石蕗咲きて改めて蝶來たりけり    相生垣瓜人

作品
作者
掲載誌
掲載年月
隠岐やわが潮目にはきと石蕗はあり 小林一枝 海程 200106
渇筆の秘めし強さや石蕗の花 芳賀雅子 航跡 200108
石蕗の黄に老のうつつの目覚めけり 能村登四郎 羽化 200110
石蕗の黄を名残りの色とおひけり 能村登四郎 羽化 200110
若き君逝き老残る石蕗の花 能村登四郎 羽化 200110
三尺の庭石蕗の花明るうす 稲畑廣太郎 ホトトギス 200111
邂逅の手を振る別れ石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200111
踏石のここで途切れし石蕗の花 稲畑汀子 ホトトギス 200111
咲く石蕗も咲かむ莟も少林忌 阿部ひろし 酸漿 200111
石蕗の絵の未完のままに友は逝く 福田みさを いろり 200111
石蕗咲いて社家に磐座遺りけり 久保田雪枝 雨月 200112
縁切りの証が欲しい石蕗の花 保坂加津夫 いろり 200112
石蕗の花ひねもす雨の音ばかり 保坂加津夫 いろり 200112
石蕗咲けりいつもどこかに波の音 石橋翠 いろり 200112
束の間の旅の帰りや石蕗の花 熊谷みどり いろり 200112
石蕗咲くや寺に干しある大硯 竹川美佐子 いろり 200112
継ぎ接ぎの噂は逐はず石蕗の花 鈴鹿仁 京鹿子 200112
花石蕗や黄いろ溢れし少年期 鈴鹿仁 京鹿子 200112
禅林の裏庭明り石蕗咲けり 阿部ひろし 酸漿 200112
兜率山はや石蕗の花咲きそめし 梅田秀子 酸漿 200112
波郷忌のはたと昏れたり石蕗の花 皆川盤水 春耕 200112
花石蕗や厨の窓辺早や暮れて 中川濱子 ぐろっけ 200112
筆塚に潮の匂ひや石蕗の花 田崎凛 春耕 200201
石蕗明り万葉苑の古池に 高市幸子 春耕 200201
勤行の朝の法話や石蕗の花 下島千代子 春耕 200201
手向けたる香の青光石蕗日和 大橋敦子 雨月 200201
石蕗咲いて岬の先の遊歩道 高垣和惠 雨月 200201
道元の御遠忌近し石蕗は黄に 福井鳳水 円虹 200201
石蕗咲くや吹きつさらしの海女の墓 杉江茂義 雲の峰 200201
石蕗の黄を濃くしてをりぬ今朝の雨 小田悦子 雲の峰 200201
息継ぎと言ふ名の井戸や石蕗の花 大橋克己 雲の峰 200201
侯爵の筆文字太し石蕗の花 岡山裕美 雲の峰 200201
昼すぎて日当る小庭石蕗の花 宇利和代 雲の峰 200201
ふところに剰余の齢石蕗の花 森川喜美子 銀化 200201
風通ひあまねく石蕗の蕾かな 山西雅子 200201
水音の日陰日向に石蕗の花 小澤克己 遠嶺 200201
花石蕗の水面映えして風澄みぬ 小澤克己 遠嶺 200201
背伸びして秘仏覗くか石蕗の花 山田京子 200202
花石蕗や一筆に書く龍の髭 江頭信子 馬醉木 200202
まぼろしの「大和」粛々石蕗の沖 泉田秋硯 200202
中庭の狭き極楽石蕗の花 泉田秋硯 200202
ゴッホの黄かくやと衒ふ石蕗の花 田中康雄 200202
よく晴れて風土記の丘の石蕗の花 高木智 京鹿子 200202
天草の蜜の少女に石蕗咲けり 松崎鉄之介 200202
桐紋の襖絵浮けり石蕗の花 柳本洋右子 200202
恙無き里帰りなり石蕗の花 浜崎良彦 円虹 200202
禁煙と決めて七年石蕗の花 小田道知 円虹 200202
沓脱ぎに師の桐下駄や石蕗の花 谷村幸子 200202
石蕗の花白虎の方へ潮かな 加藤みき 200202
干し物に残る湿りや石蕗の花 酒井多加子 雲の峰 200202
同じ事また聞く母や石蕗の花 杉江茂義 雲の峰 200202
石蕗咲くや門に彫られし石工の名 原茂美 雲の峰 200202
終焉の化粧御殿や石蕗は黄に 橋添やよひ 風土 200202
真砂女句碑そびらを石蕗の花明り 代田青鳥 風土 200202
隣家とは近くて遠き石蕗の花 保田英太郎 風土 200202
踏み台をよく使ふ日や石蕗の花 武井美代子 風土 200202
牧水生家人なく火なく石蕗の花 加藤富美子 200202
飛石はをんなの歩幅石蕗の花 岡淑子 雨月 200202
石蕗の黄の発心さそふ札所みち 溝内健乃 雨月 200202
石蕗咲ける旧家の引戸重かりき 和田一 雨月 200202
身のうちに鬼と神すむ石蕗の花 高松由利子 火星 200202
石蕗の花渦潮二つぶつかれる 長尾恵美子 火星 200202
叔母の忌の封書届きし石蕗の花 小池槇女 火星 200202
祇王尼の御歌うするる石蕗の花 元田千重 火星 200202
エプロンの尼の会釈や石蕗の花 岡村優子 春耕 200202
裏木戸を軋ます犬や石蕗の花 木村はつえ 春耕 200202
洞門にとび散る波や石蕗の花 斉藤やす子 春耕 200202
庭園の水音ゆたか石蕗日和 稲辺美津 遠嶺 200202
水音のとどきしあたり石蕗の花 芳賀雅子 遠嶺 200202
石蕗の花にごせし言葉そのままに 芳賀雅子 遠嶺 200202
八角の塔の木組みや石蕗の花 水野あき子 遠嶺 200202
石蕗の花この店むかしジャズ喫茶 寺内佶 遠嶺 200202
あかときの空の湿りや石蕗の花 山下寿祇子 遠嶺 200202
悲しみをつき抜けてゐる石蕗の花 冨田竹子 200202
看取いま頑張りどきや石蕗の花 小島みつ代 200202
石蕗咲けり心にたぎるものあれど 平居澪子 六花 200202
潮の香をまとひて咲くや石蕗の花 北村きみ子 ぐろっけ 200202
石蕗の花古井戸を覆いたる 山口和子 ぐろっけ 200202
花石蕗や海の照る日も翳る日も 岡田順子 ホトトギス 200203
正門の残るふる里石蕗の花 田中呑舟 火星 200203
父の忌のあとに姉の忌石蕗の花 小阪喜美子 遠嶺 200203
竹林の小径を飾る石蕗の花 阿部正枝 遠嶺 200203
観音に青空深し石蕗の花 川端和子 遠嶺 200203
石蕗咲くや服喪の便り健気にて 杉山瑞恵 雨月 200203
石蕗咲くや藤村生家の車井戸 平田すみ子 風土 200203
さつきまでお湿りありし石蕗の花 武井良平 ホトトギス 200204
貴人門さやぐ竹林石蕗の花 勝野薫 ぐろっけ 200204
踏みさうに触れさうに花石蕗の庭 稲畑汀子 ホトトギス 200210
石蕗の花咲けば記憶のつながりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200211
石蕗の花須磨の離宮の厩あと 山田六甲 六花 200211
馬目樫に囲まれてゐる石蕗の花 山田六甲 六花 200211
吟行の列石蕗咲ける崖下を 宮津昭彦 200212
石蕗の花ふたりの日暮持ち帰る 宇都宮滴水 京鹿子 200212
芦屋にも天領ありぬ石蕗の花 西田もとつぐ 雲の峰 200212
石蕗の花枯れて咲きつぐ滝見茶屋 西田もとつぐ 雲の峰 200212
石蕗の花家毀たれてより久し 五島富佐子 雨月 200212
石蕗の黄が暮れだんまりの一日暮れ 山田弘子 円虹 200301
沓脱ぎの上に金槌石蕗咲けり 石川經子 百鳥 200301
神木の裾あたたかく石蕗は黄に 足立典子 雨月 200301
石庭の柵よりによきと石蕗の花 長尾節子 築港 200301
石蕗の花 3      

 

2021年11月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。