氷 柱 4    153句

氷柱  つらら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
岩氷柱日矢に負けじと身を削ぎぬ 千田敬 201203
別荘の氷柱かがやく湖畔かな 都丸美陽子 春燈 201203
ほとほとと雫落とせり軒氷柱 加藤千津 ろんど 201203
水を噴く鶴の羽より垂れ氷柱 松本信子 かさね 201203
点滴のごと滴れる軒氷柱掛 浅井吉雄慈 夕端居 201203
軒先の氷柱賑はひゐたりけり 岩下芳子 201204
軒先に剣のごとき氷柱かな 青木英林 かさね 201204
朝の日を零しこぼれて軒氷柱 成田美代 201204
山峡や錫杖なせる崖氷柱 秋葉雅治 201204
朝の日を弾き小つらら大氷柱 野上智恵子 万象 201204
豚の子の尾のひとひねり軒氷柱 小林のり人 春燈 201205
ひかへめに生き一村の軒氷柱 佐々木紗知 京鹿子 201205
鋭き刃吾に向へり軒氷柱 木曽鈴子 ぐろっけ 201205
山小屋の厠の青き大氷柱 福島せいぎ 万象 201205
初明り氷柱の先のひとしづく 川口崇子 万象選集 201205
軒氷柱すだれ花巻農学校 上谷昌憲 201205
雨樋のはづれてゐたり大氷柱 森山暁湖 万象 201206
廃屋の近よりがたき氷柱かな 森山暁湖 万象 201206
軒の氷柱薙げば鋼の音したり 森山暁湖 万象 201206
そら色の氷柱百本モーニングテイ 小谷延子 万象 201206
大氷柱欝金の色に陽を弾く 佐藤いづみ ろんど 201206
きんきんと氷柱弾いて来る子かな 根橋宏次 やぶれ傘 201205
軒氷柱一度に落とす横なぐり 安藤久美子 やぶれ傘 201206
うれしくて折つてしまひし初氷柱 あさなが捷 201301
しんめうにくぐりぬけたる洞氷柱 本多俊子 201302
すぐ消える氷柱のありし心電図 江見巌 六花 201302
源流の氷柱に草根混じりゐて 成田美代 201303
冷や汗のごとくに氷柱解けはじむ 山田六甲 六花 201303
帯を解くごとくに氷柱解けにけり 山田六甲 六花 201303
全天の星降る橅の氷柱かな 井上石動 あを 201303
地に到らん勢ひこの村の氷柱 定梶じょう あを 201303
月光を捉へてゐたり大氷柱 西川保子 春燈 201304
コッヘルに滝の氷柱を折りくれし 山田美恵子 火星 201304
杣小屋の氷柱がこひや薬缶噴く 西村博子 馬醉木 201304
鐘楼の氷柱研ぎゆく山の風 米山のり子 馬醉木 201304
藍甕に藍睦みゆく氷柱かな 浅田光代 風土 201304
石走る水より生れて崖氷柱 丸尾和子 雨月 201304
休日の氷柱の長き郵便局 史あかり ぐろっけ 201304
眉月をかかげて崖の大氷柱 大内マキ子 万象 201304
氷柱伸ぶ伸び行く先の滴かな 高橋美恵 末黒野 201304
日を受けて生るる氷柱のひかりかな 松村光典 やぶれ傘 201304
宿坊に氷柱の伸びる一夜かな 松田明子 201304
茅葺の氷柱の雫とめどなき 中川すみ子 201305
北屋根の魔除けのやうな氷柱光 菅谷たけし 201305
口にとける氷柱文脈湧くごとし 田中一美 ろんど 201306
吹き晴るる軒の氷柱の水色に 江見悦子 朴の青空 201307
じりじりといのちの氷柱痩せ細る 松田都青 京鹿子 201311
木祖村や氷柱に芽ぐむ紅い爪 瀧春一 花石榴 201312
爪先で走る僧坊軒つらら 柴田佐知子 201401
雨樋に氷柱の並ぶけふとなり 仁平則子 201402
制服を寝押しせし夜の氷柱伸ぶ 荒井千佐代 201402
氷柱して桃果紋なる鬼瓦 山田六甲 六花 201402
氷柱打つ音のするほど折れぬほど きくちきみえ やぶれ傘 201403
落人の里や氷柱は伸び盛り 安藤久美子 やぶれ傘 201403
冷蔵庫に初氷柱しまひしことも あさなが捷 201403
日の光氷柱つたうて零れけり 亀卦川菊枝 末黒野 201404
飛沫散る青き華厳の滝氷柱 中井弘一 201404
昼月の色づく頃の大つらら 大畑善昭 201404
つらら薙ぎ太古の音のちらばれり 池元道雄 馬醉木 201404
藍甕に藍の華浮くつららかな 浅田光代 風土 201404
銃床で折る権現の軒氷柱 南うみを 風土 201404
崖氷柱風の竪琴とぞ思ふ 多田文子 201404
軒砕く勢となりし氷柱かな 鈴木初音 201404
軒氷柱首をすくめて通りけり 大木清美子 201404
軒氷柱男は一言残しけり 佐藤喜仙 かさね 201404
軒氷柱朝日に染る妻籠宿 水原春郎 馬醉木 201405
秩父峡大氷柱垂れライトあび 東秋茄子 京鹿子 201405
切妻の雪崩刻々陽のつらら 上家弘子 ろんど 201406
大氷柱のうしろを水の流れゐる 國保八江 やぶれ傘 201406
待ちぼうけ駅舎の氷柱の丸くなる 高野昌代 201409
朝ごとの草の氷柱をたなごころ 岡野ひろ子 201405
大氷柱のうしろを水の流れゐる 國保八江 やぶれ傘 201406
待ちぼうけ駅舎の氷柱の丸くなる 高野昌代 201409
柏手を打てば応ふる氷柱かな 吉田葎 201503
氷柱薙ぎ太古の音の甦へり 池元道雄 馬醉木 201503
月光を零す宿屋の氷柱かな 高野昌代 201503
落下とは水になること大氷柱 甲州千草 201503
氷柱燦と朝日受けたる町家筋 竹内悦子 201503
暁の闇あをあをと軒氷柱 矢崎すみ子 201503
大氷柱ヒュッテの軒に魔女の爪 山下ひろみ 201503
軒つらら家族のやうに生れにけり 頼田幸子 201504
身の丈の薙ぎてもみたき軒つらら 藤原照子 201504
長廊の老舗綺羅なす軒氷柱 北尾章郎 201504
地に届く牧舎の氷柱仔牛生る 藤野力 馬醉木 201504
弥陀おはす堂宇耀ふ大氷柱 大村仍子 雨月 201504
崖氷柱電車とバスを乗り継いで 須賀敏子 あを 201504
漉き桁の行つたり来たり軒氷柱 岩木茂 風土 201505
氷柱溶く光の束をほどくごと 森清尭 末黒野 201505
物干竿まろき氷柱の犇けり 椿和枝 201505
マントルの動揺氷柱研ぎをれば 柳本渓光 ろんど 201505
陸奥のひと夜に太る軒氷柱 ほんだゆき 馬醉木 201510
移りゆく雲の華やぎ軒氷柱 宮崎洋 春燈 201512
富士よりの風に氷柱の尖りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
日を浴びて氷柱の細りゆく早さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
塗師彫師棟つづきなり大氷柱 佐藤雄二 万象 201605
軒氷柱折れず母情かも知れず 伊藤希眸 京鹿子 201605
人呑みし山の肌(はだえ)の氷柱かな 相良牧人 201605
山羊鳴いてひかりはじめし草つらら 和田照海 京鹿子 201606
山小屋の氷柱は太り良く眠る 後藤雅文 船団 201612
ミステリーの鋭き刃氷柱かな 中田禎子 201703
群青の闇に太りし氷柱かな 中田禎子 201703
日を吸ひて光こぼせし草氷柱 大内マキ子 万象 201703
落されし氷柱鋼の音立てり 橋本順子 201704
樹の骨に日の亘りたる崖氷柱 矢崎すみ子 201704
飛騨の日の薄し小氷柱大氷柱 黒滝志麻子 末黒野 201704
軒氷柱一本ごとに月宿し 田中佐知子 風土 201704
住職に教はる谷戸の崖氷柱 落合絹代 雨月 201704
山宿の天地つなげり大氷柱 堀田清江 雨月 201704
軒の内見ることもなし大氷柱 高木晶子 京鹿子 201705
北国の氷柱の長さ夜の長さ 藤井啓 ホトトギス 201705
不揃ひに氷柱のしづく結願寺 田勝子 万象 201705
月光に濡れてひかれる軒氷柱 佐津のぼる 六花 201705
飛騨なれや矢来の如く軒氷柱 後藤比奈夫 ホトトギス 201710
千本の氷柱を垂れてしづれ雪 後藤比奈夫 ホトトギス 201710
村役の砕く当屋の軒氷柱 曽根満 万象 201801
文明の真ン真ン中の大氷柱 柳川晋 201802
崖氷柱潜りて鵜様捕らふ頃 能村研三 201802
軒氷柱ひかりの雫こぼしけり 紅露恵子 万象 201803
山犬に滝の氷柱の剥れ落つ 山田六甲 六花 201803
山国の月の育てる氷柱かな 鈴木鳳来 春燈 201804
旅の宿軒の氷柱に手を伸ばし 田中繁夫 末黒野 201804
舟小屋の氷柱雫のかしましき 四方由紀子 風土 201805
細き月太き氷柱や寝まる家 物江康平 春燈 201805
あと少し伸ぶれば大地草氷柱 武田巨子 春燈 201805
だんだんと氷柱になつてゆく氷柱 篠藤千佳子 201805
時間いま雫となりて軒氷柱 田所節子 田所節子集 201810
レーニン像の鼻に氷柱やほほえまし 渡辺節子 201811
青空はありてなきもの崖氷柱 水野恒彦 201903
春一番橋の氷柱を落としけり 杉崎妙子 201905
たいくつな氷柱が捉へゐる落暉 五十嵐敏子 201905
大氷柱落ちて眠りを覚まさるる 志方章子 六花 201905
秘め事を詰めてしまひし大氷柱 熊川暁子 201905
朝光に氷柱雫のピチカート 山本雅子 馬醉木 201905
氷柱つらら空の青さが眼に沁むる 山田暢子 風土 202004
狛犬の咥へし珠の氷柱かな 山田六甲 六花 202103
氷柱落つまへとあとなる静けさよ 篠田純子 あを 202103
氷柱ごと畝の荒草抜きにけり 南うみを 風土 202104
目薬のじんと沁みたる氷柱かな 岩木茂 風土 202104
日当たりて膝を折りたる大氷柱 秋山蔦 春燈 202105
氷柱つらら星の幾何学学ぷぺし 鷺山珀眉 京鹿子 202204
裏山の颪に太る大氷柱 秋山蔦 春燈 202205
日輪の華厳の雫大氷柱 秋山蔦 春燈 202205
氷柱から訛り漏れくるみちのくの 楠本和弘 202206
老後てふ日差しの中の軒氷柱 蔵岡信彦 京鹿子 202206
氷柱→1

 

2023年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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