土 筆 5    158句

まゝごとの飯もおさいも土筆かな  星野立子  立子句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ここに我ありと土筆の首伸ばし 辰巳あした 雨月 201504
かき揚げの土筆に忌を払ひけり 山尾玉藻 火星 201505
つくしん坊青い空へと大欠伸 大日向幸江 あを 201504
白雲に届かぬまでも土筆伸ぶ 杉本薬王子 風土 201505
日だまりは母の懐つくしんぼ 吉永すみれ 風土 201505
土筆摘む鉄橋をゆく三両車 小川玉泉 末黒野 201505
園児来て土筆の国はカーニバル 安居正浩 201505
土筆籠大きな河は音立てず 柴田佐知子 201505
SLのなんだ坂土筆野大井町 竹中一花 201505
固まつて切支丹の墓つくしんぼ 原田達夫 201505
鉛筆に似たる土筆の伸びにけり 米沢美幸 六花 201506
つくし生ふ帰化千年の高麗の里 山田春生 万象 201506
梅散つていつせい頭をつくしんぼ 須賀允子 万象 201506
居眠りの出さうな土手のつくしんぼ 赤岡茂子 春燈 201506
つくしんぼ子育てといふ至福かな 溝越教子 春燈 201506
土筆煮てくれし笑顔はアルバムに 山崎靖子 201506
土筆野も遠くなりけり恋ふ人も 山崎靖子 201506
土筆生ふ幼きいのち果てし野に 松本幹雄 馬醉木 201506
始まりは橋の袂や土筆摘 堀田順子 馬醉木 201506
風の土筆雨の土筆に励まされ 安居正浩 201506
土筆摘み声をかくれば招かるる 小林朱夏 201506
一本があれば百本つくしんぼ 山本無蓋 201507
胞子吐く土筆憂鬱始まれり 間島あきら 風土 201507
雨に濡れ頭重たきつくしんぼ 玉置かよ子 雨月 201507
安曇野の水音聞きつつ土筆摘む 蒲田雅子 雨月 201507
雨二日晴れの三日や土筆伸ぶ 西川みほ 末黒野 201508
まぼろしの姉母祖母と土筆摘む 津田このみ 船団 201508
土筆摘む煮るにほどよき数かぞへ 大崎紀夫 虻の昼 201510
土筆籠とや青竹のにほひをり 大崎紀夫 虻の昼 201510
固まりて切支丹墓つくしんぼ 原田達夫 箱火鉢 201511
ランドセル背負なほしゆくつくしんぼ きくちえみこ 港の鴉 201510
土筆摘む高さに飽いて立ち上がる きくちえみこ 港の鴉 201510
太陽も風も海からつくしんぼ 吉永すみれ 風土 201511
踏切に落ちてゐたりしつくしんぼ 小林朱夏 201603
つくしんぼ一声重き黒毛牛 岡野里子 末黒野 201604
人知れぬ秘密の場所や土筆摘む 溝越教子 春燈 201605
つくしんぼ心和める二・三寸 時澤藍 201606
不揃ひは自由の証し土筆摘む 坂本徹 201606
竹垣のむかうに並ぶつくしんぼ 原田達夫 201606
つくし野や水車ひねもす風遊び 塩貝朱千 京鹿子 201606
一段と高き挙手あり土筆の野 丸井巴水 京鹿子 201606
夕雨やひとり土筆の袴とる 増田幸子 万象 201606
土筆摘む土の息吹のそこここに 谷村祐治 雨月 201606
摘むことの楽しき土筆摘み帰み 深澤厚子 馬醉木 201606
実験めく土筆おひたし卵とぢ 藤原照子 201607
かたまりて呆くる土筆に日のやさし 吉村さよ子 春燈 201607
地震の土手割れて土筆の寸足らず 石崎浄 風土 201607
袴剥ぐ手間も楽しやつくしんぼ 宮暗他異雅 末黒野 201607
つくしんぼ広々とある更地かな 中田禎子 201607
つくしんぼ少年の背は伸び放題 横田敬子 201607
焼け焦げし田の端つこにつくしんぼ 松本善一 やぶれ傘 201608
土筆野や売地表示の幟立ち 菅野日出子 末黒野 201608
土筆野に屈み遥けき日も摘まむ 千田百里 201704
満目の土筆あまたや常磐線 黒澤佳子 あを 201704
仏壇の妣へ蕗の芽土筆和 貞吉直子 馬醉木 201705
吟行や土筆摘みゐて句を忘れ 貞吉直子 馬醉木 201705
片膝をつけば土筆のそこかしこ 藤生不二男 六花 201705
亀甲の矛先天へ土筆出づ 小林文良 春燈 201705
下校子の土筆を摘めば他の子も 大橋晄 雨月 201706
婆の取る土筆の袴嫁いびり 江見巌 六花 201706
土筆摘む遠富士見ゆる野阜に 手島靖一 馬醉木 201707
瓦礫野に土筆を摘んでゐたりけり 岩町中正 ホトトギス 201708
伸びきらぬままに摘まれし土筆かな 大橋晄 ホトトギス 201709
一本の土筆に地球塗り替はる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
土筆野や北半球を押し上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
土筆摘むひかりやまざる水車 杉田智榮子 馬醉木 201805
土筆摘む十本までは数へつつ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201805
土筆摘む明日の予定はまだ未定 安藤久美子 やぶれ傘 201805
土筆煮る試練の日々も糧として 山中志津子 京鹿子 201806
全員の合意に土筆出でにけり 辻美奈子 201806
境内に土筆摘む人髪に風 伴秋草 末黒野 201806
だんだんと離ればなれに土筆摘み 秋千晴 201807
子がくれし土筆萎れてをりにけり 秋千晴 201807
忘れたきことのあれこれ土筆摘む 赤川誓城 ホトトギス 201808
妻逝きし淋しさに耐へ土筆摘む 赤川誓城 ホトトギス 201808
一斉に土筆伸びたる荒畑 時田義勝 やぶれ傘 201808
献血をしてみようかな土筆出ず 山本紫苑 船団 201811
釣り人のをり土筆摘んでをり 小原芙美子 風土 201811
くわんおんの上ぐ手下ぐ手や土筆生ふ 服部鹿頭矢 馬醉木 201904
杉折に土筆和へ入れ農繁期 大日向幸江 あを 201904
土筆野や昼の鶏鳴とどきける 橋添やよひ 風土 201905
土筆摘む己が出る杭戒める 鈴鹿呂仁 京鹿子 201905
出産の予定日近し土筆摘む 村手雅子 201905
声高にしやべり始めし土筆かな 岩下芳子 201906
廃校を囲みて土筆整列す 山中志津子 京鹿子 201906
車座のなかに土筆の二三本 斉藤マキ子 末黒野 201906
ひそかなる土筆の決起夜明けかな 定梶じょう あを 201906
土筆摘むいつも目路には母の背 卜部黎子 春燈 201907
堤防に顔出す土筆童歌 鈴木石花 風土 201907
土筆摘み遠き日思う河川敷 都築繁子 201907
ままごとの家族は五人土筆摘む 井尻妙子 京鹿子 201907
車座のなかに土筆の二三本 斉藤マキ子 末黒野 201907
土筆摘み少女となりし子と競ふ 浅嶋肇 やぶれ傘 201908
息はづませ土筆一本持ちくれし 岸洋子 201909
風ばかりなる夕景や土筆煮る 深川淑枝 201909
土筆ン坊踏まず摘まず空の青 石川東児 201909
おほき字で母に出す文つくしんぼ 岩永みはる 追伸 202003
土筆摘む屈み疲れのひと所 能村研三 202005
摘みつみてなほ嵩のなきつくづくし コ田千鶴子 馬醉木 202005
天を指す土筆ひとつにある力 石橋みどり 202006
上向いて上向いて空つくづくし 石橋みどり 202006
芽生えたる土筆が囲む一里塚 針谷忠郎 202006
土筆摘みし空地に家や風堅き 両角富貴 末黒野 202006
老いてなほ道草楽しつくしんぼ 斉藤マキ子 末黒野 202006
気がつけば土筆探しの日となりて 武藤節子 やぶれ傘 202006
水滴に青き空ありつくづくし 青木まゆ美 202006
洗濯のよく乾く日や土筆摘む 新沢伸夫 202006
業平の塩焼きし跡つくしんぼ 小林共代 風土 202007
小流れの堤のなぞへ土筆生ふ 湯本正友 やぶれ傘 202007
摘み終へて土筆の頭揃へたり 栗坪和子 202007
いつの間にか野原となりぬ土筆ん坊 柴田靖子 202007
始まりは探険ごつこ土筆摘む 住田千代子 六花 202007
あの頃は幸せなりし土筆つむ 志方章子 六花 202007
伸びすぎて土筆曲つてみたるかな 村上葉子 202007
もてあます暇のストレスつくし摘む 森清信子 末黒野 202007
土筆摘む己が影へとしやがみつつ 柴田佐知子 202007
墓にきて驚くばかり土筆出て 白石正躬 やぶれ傘 202007
土筆呉るる「ご挨拶を」と促され 岩藤礼子 やぶれ傘 202007
見も知らぬ児より挨拶土筆ン坊 石川東児 202009
われになほ土筆ほどなるこころざし 岩岡中正 ホトトギス 202009
つくしんぼの行列車間距離のよう 大山夏子 202009
頭出す馬場のつくしの一列に 押田裕見子 202010
夜寒かなノックしないで開けるドア 出口誠 六花 202101
つくし野へしづかに傘をひらきけり 足立枝里 202101
土筆野の未来に向かひ子等走る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
指先に緊張集め土筆摘む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
土筆野の起伏に子等の見え隠れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
里山の子の手に余るつくしんぼ 村上栄子 202104
こぼれたる土筆の胞のあさみどり 間島あきら 風土 202105
足許に顔出す土筆二三本 大辻美知女 末黒野 202105
基地ありて金網越しの土筆かな 須賀敏子 あを 202105
加賀城址登城のごとく土筆ん坊 武田未有 202105
土筆野の礎石十六まで数ふ 岩木茂 風土 202106
籠は持たず土筆野の空仰ぎをり 西川保子 春燈 202107
遊休地の土筆千本見向かれず 大霜朔朗 末黒野 202107
補助輪を取りし自転車つくしんぼ 吉田幸恵 やぶれ傘 202108
遠き日や立子とつる女土筆摘む 今井千鶴子 ホトトギス 202109
土筆摘む土の匂ひを嗅ぎながら 針谷忠郎 202110
縄電車つくしを摘みて乗り遅る 松田那羅生 202110
足元のあればあるだけ土筆摘む きくちきみえ やぶれ傘 202205
土筆まだ二寸三寸風の土手 青谷小枝 やぶれ傘 202205
紙飛行機土筆摘む野へ不時着す 安藤久旋子 やぶれ傘 202205
母の忌より父の忌遠し土筆煮る 中野あぐり 春燈 202206
いつぽんに気付き土筆のいちめんに 井上つぐみ 202206
池の日の届く傾りやつくしんぼ 森清堯 末黒野 202206
最初から間違つてゐた土筆摘み 高木晶子 京鹿子 202207
ランナーの折り返し点土筆摘む 長尾タイ やぶれ傘 202207
夕仕度土筆の袴ねんごろに 長尾タイ やぶれ傘 202207
沓音の袴姿やつくしんぼ 平野秀子 やぶれ傘 202207
野球帽いつぱいになる土筆かな 平居澪子 六花 202206
土筆摘む土手に子供の膝小僧 針谷忠郎 202210
せせらぎの音のなかなる土筆摘む 河原敬子 202211
息を切らし渡してくるる土筆かな えとう樹里 202211
有り難き平和な暮し土筆摘む 横田敬子 202211
土筆摘むお百度を踏む母を待ち 坂口学 202212
この土手で土筆を摘みし思ひ出も 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
喪心に摘めば土筆の供華となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
土筆野に佇ちて天国近付ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
土筆 →1

 

2023年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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