月見草 4  116句

月見草はらりと宇宙うらがへる   三橋鷹女   白骨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
影ひとつ慕ひしものに月見草 鈴鹿仁 京鹿子 201508
昨夜の色残して海辺の月見草 松本秀子 201508
濡れ魚籠を小枝に吊るす月見草 秋山信行 やぶれ傘 201510
濁流のこゑ聞き土手に月見草 渡邊孝彦 やぶれ傘 201510
月見草始発電車に咲きのこる 川田好子 風土 201510
月見草この話まだ未然形 鈴鹿呂仁 京鹿子 201510
相槌の語尾やはらかし月見草 北川孝子 京鹿子 201510
古硝子に映るもの揺れ月見草 来海雅子 201510
月見草亡き人の文字美しく 深川敏子 春燈 201511
川の名の此処より変はり月見草 岡野里子 末黒野 201511
夕涛へつづくぬけ道月見草 小川凉 201511
引込み線のレールの錆や月見草 小松誠一 201511
月見草富士は眠つてしまひけり 木村享史 ホトトギス 201512
月見草風ほそき日も開きけり 井上石動 あを 201512
月見草紅さす刻を誰も知らず 小田嶋野笛 末黒野 201512
ふる里は自転車自転車月見草 奥名房子 201602
アトリエの鉄の階段月見草 陽山道子 船団 201602
旅の齟齬着けば忘れて月見草 稲畑汀子 ホトトギス 201607
晴れてゆく山の天気や月見草 稲畑汀子 ホトトギス 201607
この辺のもう見かけざる月見草 稲畑汀子 ホトトギス 201607
月見草ゆつくり自転する地球 伊藤よし江 201608
海蝕の砂丘に離々と月見草 間宮あや子 馬醉木 201609
月見草富士笠雲を被りをり 山本喜朗 雨月 201609
置きざりの色に夜明けの月見草 金森教子 雨月 201610
国境に一夜を過ごし月見草 田中たつを 雨月 201610
山頂に昼の鐘鳴る月見草 降幡加代子 万象 201610
達磨彫る一日の昏れて月見草 名和政代 万象 201610
富士噴火見て逝くつもり月見草 荒木甫 201610
月見草姉はひつそり老いゆけり 田代貞香 201611
月見草漁火沖に灯りけり 八代洋子 万象 201611
月見草無蓋車両がとほりけり 大島英昭 やぶれ傘 201611
磧への鉄梯子降り月見草 瀬島洒望 やぶれ傘 201611
湖の見ゆる坂道月見草 今井千鶴子 ホトトギス 201612
たそがれを待たず城址の月見草 藤浦昭代 ホトトギス 201612
いもうとの遺せし文や月見草 坂田静枝 万象 201612
ふるさとは外つ国闇の月見草 浦川哲子 201612
月見草三瓶に星を増やしゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
月見草一つ灯して三瓶の夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
月見草三瓶に星を増やしゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
月見草一つ灯して三瓶の夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
月見草似合ふ旅路でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201707
夜目遠目人の動きの月見草 稲畑汀子 ホトトギス 201707
月見草三瓶の旅も終りたる 稲畑汀子 ホトトギス 201707
昔ほど見かけぬことも月見草 稲畑汀子 ホトトギス 201707
線量をなほ岸崩れ月見草 荒木甫 201708
恥ぢらひの所作彷彿と月見草 中澤弘 春燈 201708
祈ることひとつ加はる月見草 はしもと風里 201709
ひそやかに月見草咲く砂丘かな 大橋晄 雨月 201708
門灯のともりて月見草がゆれ 秋山信行 やぶれ傘 201708
やはらかく潮満つる川月見草 鎌田光恵 201709
門灯のともりて月見草がゆれ 秋山信行 やぶれ傘 201709
月見草廃船が地に巨いなり 定梶じょう あを 201709
その頃のこと思ひ出ず月見草 今井千鶴子 ホトトギス 201710
月見草帝入水の潮騒ぎ 南光翠峰 馬醉木 201710
ふるさとの駅は無人に月見草 西千代恵 雨月 201710
月見草あまりに遠き母の影 山田佳子 201711
ひそやかに月見草咲く砂丘かな 大橋晄 ホトトギス 201711
胸に秘め言はぬまことや月見草 五味紘子 末黒野 201711
月見草斜かひの道通りけり 竹内悦子 201712
月見草空はゆつくり暮れてゆく 嶋田一歩 ホトトギス 201802
月見草咲いて三瓶に星を呼ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
かぐや姫引き留めてゐる月見草 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
月見草には夜の貌朝の貌 稲畑汀子 ホトトギス 201807
明るさを抱き夜の帳月見草 稲畑汀子 ホトトギス 201807
窓小さき家並み昼咲き月見草 大島英昭 やぶれ傘 201807
砂丘には砂のさざ波月見草 石谷淳子 雨月 201809
沖の島けぶれり磯の月見草 松田多朗 馬醉木 201809
みな帰り一番星と月見草 栗山恵子 雨月 201810
月見草みんな帰ってしまひけり 片山喜久子 雨月 201810
線路沿ひに歩くひと駅月見草 佐藤稲子 六花 201810
その頃のことは高原月見草 今井千鶴子 ホトトギス 201810
涙する男眠らせ月見草 久保夢女 201811
裏庭に魂ある如く月見草 大橋晄 雨月 201811
月見草今日突然に咲くを止む 大橋晄 雨月 201811
風になる潮の香りや月見草 遠山のり子 201812
月見草群れ咲き私心何もなし 高木晶子 京鹿子 201812
月見草星の化身として三瓶 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
佐比売野の大月夜なる月見草 和田華凛 ホトトギス 201906
裏庭に咲くはずなるに月見草 大橋晄 雨月 201909
夕まぐれさびしき風の月見草 城戸ひろみ 雨月 201909
月見草日誌戦争忠魂碑 田中藤穂 あを 201909
衣擦れのかそけく咲くや月見草 木村嘉男 201910
絹光りして夜を徹す月見草 大畑善昭 201910
月見草たましひのまた一つ過ぐ 大畑善昭 201910
忌日くる逢魔が時の月見草 古川しげ子 雨月 201911
月見草潤み夕景馴染み初む 福井ひでとし 雨月 201911
撤収のコンビニ跡や月見草 高木邦雄 末黒野 201911
月見草咲き継ぐ昔語りかな 山中志津子 京鹿子 202001
球界の月見草逝く春まけて ふなかわのりひと 202005
月見草つないで行きぬ旅心 稲畑汀子 ホトトギス 202007
月見草より展けゆく旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 202007
月見草夢の継ぎ目の真白なる 本郷公子 京鹿子 202010
月見草砂ざらざらと足のうら 秋川泉 あを 202010
木の橋の袂灯して月見草 松本鷹根 京鹿子 202010
沈む日をしばしとどめて月見草 飯田久美子 末黒野 202011
月見草涙を溜めてゐるごとし 中杉隆世 ホトトギス 202012
嬬恋の愛妻の丘月見草 中杉隆世 ホトトギス 202012
咲き満ちて夜の妖精月見草 西村やすし ホトトギス 202012
夕風に優しくなびく月見草 西村やすし ホトトギス 202012
月見草濡れて夢二を待つてゐる 木暮陶句郎 ホトトギス 202101
醜草の中に一本月見草 戸栗末廣 202102
月見草三瓶の旅は叶はざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
一年を巡る早さよ月見草 稲畑汀子 ホトトギス 202107
月見草引つ込み線に貨車動く 廣瀬雅男 やぶれ傘 202109
波音の子守唄なり月見草 笹村政子 六花 202109
風紋は風が消しゆく月見草 浅田光代 風土 202110
思ひ出の中に開きぬ月見草 今井千鶴子 ホトトギス 202111
遠き日は遠き日のまま月見草 今井千鶴子 ホトトギス 202201
あてもなく歩く川沿ひ月見草 小林共代 風土 202208
角打ちにぶらり立ち寄る月見草 高畑太朗 202209
夕風の仕切る賀茂川月見草 井尻妙子 京鹿子 202209
手もふれで別れ来し日や月見草 本郷公子 京鹿子 202210
月見草象の眼いつも潤みをり 中村世都 202211
アスファルトを割つて咲きゐる月見草 萩原渓人 やぶれ傘 202212
日当たりの空き地一面月見草 五味紘子 末黒野 202212
眠らざるもの灯台と月見草 井原美鳥 202307
月見草→1

 

2023年8月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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