17    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月光をこぼさぬやうにたなごころ 小野恵美子 馬醉木 201512
月まどか五歩の橋にも名のありて 白井友梨 馬醉木 201512
波頭白く寄せくる月の湾 秋山信行 やぶれ傘 201512
月の句は月明りもて書き留めむ 安住敦 春燈 201512
「李白」てふよき名の酒や月の湖 太田慶子 春燈 201512
月見団子雲間の月へ供へけり 齋藤晴夫 春燈 201512
月代の雲の翳りを愁ひけり 河ア國代 春燈 201512
月入れて鱗目荒き鰯雲 藤岡紫水 京鹿子 201512
幾山河妻恋ふ鹿の越ゆ月夜 藤岡紫水 京鹿子 201512
満月や狸囃子のほしい刻 塩貝朱千 京鹿子 201512
ただならぬ世にこそ惜しむけふの月 福島照子 京鹿子 201512
月と星寝入るまで鳥大騒ぎ 加藤みき 201512
雲中の月くすくすと薄あかり 近藤喜子 201512
月光や迦楼羅は竜を飲み下す 柳川晋 201512
月見酒こんがら童子の唄聞こゆ 竹中一花 201512
満月を足掻ひてとらん吾がポチは 高野昌代 201512
天心の弦月にぶしや雨催ひ 高野昌代 201512
夕月夜小舟行き交ふボスポラス 田中信行 201512
平等院真珠となりし池の月 奥山テル子 万象 201512
月光に照らされてをるボケ地蔵 佐藤三男 万象 201512
月光や縁板はよく拭き込まれ 高橋ひろ 万象 201512
地芝居の松にまことの月昇る 茂木弘子 万象 201512
投函はいつもこのごろ月射して 井上信子 201512
月の夜は都大路に立つごとし 井上信子 201512
月光や働く靴は夜古ぶ 加藤峰子 201512
月もやや歩をゆるめたるところなり 佐藤喜孝 あを 201512
月天心ぽっかり新興住宅地 赤座典子 あを 201512
月明り赤児のまなこ黒水晶 七郎衛門吉保 あを 201512
田中泯の脛腿肋 月天心 篠田純子 あを 201512
海は山を山は海見て月が出る 佐藤喜孝 あを 201512
鬼怒の香や月に乗りたし節の地 鴨下昭 201512
外に出れば月覗きくる胸の内 岡野ひろ子 201512
波音が近づいて来る月の径 宮崎靖夫 201512
月を待つ顔を拭へり蒸しタオル 松田泰子 末黒野 201512
桟橋に定期便欲し月の船 太田良一 末黒野 201512
やうやくに月得て人の歩みそむ 笹村礼子 六花 201512
ほのかなるところありたる隠れ月 笹村礼子 六花 201512
病室に月光ひとすぢこぼれけり 平居澪子 六花 201512
月光の届く廊下の白い線 たかはしすなお 201512
月の道乗り合いバスの専用路 つじあきこ 201512
月代や静かに浸る茹たまご 辻響子 201512
満月を小猫に語りかけながら 辻響子 201512
揺れ止まぬ青いハンガー月を待つ のざきまみこ 201512
月夜に来よ紺照鞍馬苔の言う 松井季湖 201512
硯洗ふてのひらほどの月光に 神蔵器 風土 201512
甘党も辛党もゐて月祀る 高村令子 風土 201512
夕月の水鏡より風の綾 森屋慶基 風土 201512
月見酒吾れ家衡の血筋かと 森屋慶基 風土 201512
人悼む月の無き夜を散る銀杏 藤井寿江子 馬醉木 201602
望月のひかりに開く帆曳舟 金子浩子 馬醉木 201602
月の塔野辺の草草供華として 古賀しぐれ ホトトギス 201602
禁門の今宵は月へ放たるる 古賀しぐれ ホトトギス 201602
月待つや北海道も東京も 今井千鶴子 ホトトギス 201602
秋涼の夜々育ちゆく月ありて 今橋眞理子 ホトトギス 201602
藍深むダイヤモンド・ヘッド月上がる 森田節子 風土 201602
月の夜は草木と呼吸重ね合ふ 中峯雍子 京鹿子 201602
ポストまで月影さやか下駄の音 神田惣介 京鹿子 201602
川沿ひの家十軒に十の月 布川孝子 京鹿子 201602
満月の路地いつぱいや立ち疎む 野中圭子 京鹿子 201602
満月に身の空洞を照らさるる 水野恒彦 201602
昼月の近江舞子の赤とんぼ 中島陽華 201602
キヤッチボールの望月と水飴と 瀬川公馨 201602
月を待つ水にやすらふ鯉の数 久保東海司 201602
再会の時の過ぎ行き月の夜 江島照美 201602
月光の鶏頭黒を極めけり 飛高隆夫 万象 201602
向日葵の枯れて鋭く月に立つ 手島南天 万象 201602
錦秋や雲影移る月の山 手島南天 万象 201602
月白や水平線のほのかなる 宮西修一 万象 201602
いくたびも覚め幾度も月を見に 青谷小枝 やぶれ傘 201602
縁側で足をぶらぶら月見の子 貫井照子 やぶれ傘 201602
とっぷりと暮れし山寺月に歩す 佐藤花木 雨月 201602
観月や法螺のひびきのしみ渡る 佐藤花木 雨月 201602
一番線より月光の観覧車 天谷翔子 201602
師の逝きて月のいびつになりにけり 山本則男 201602
玄海に月高々とかりもがり 深川淑枝 201602
月白や朱橋の先は閻魔堂 正谷民夫 末黒野 201602
身罷りし母や雲間を夜半の月 峰幸子 末黒野 201602
極月や視野欠けし目で追ふ活字 平居澪子 六花 201602
月上る誰もが触る砂時計 渡部ひとみ 船団 201602
夕月や歩き足りないけど帰る 池田澄子 船団 201602
長庚や月の真近で恋心 佐藤きょうこ あを 201602
新月を盃にのせ掌にのせ 佐藤きょうこ あを 201602
望月の芝に眠れる胡蝶かな 竹下陶子 ホトトギス 201603
山国の霧の月夜と思ふべし 河野美奇 ホトトギス 201603
着陸も離陸も地球月の舟 矢崎すみ子 201603
満月の海の中道海の上 伊藤通明 201603

 伊藤通明先生逝去

月代の道をなきがらへと急ぐ

柴田佐知子 201603

 伊藤通明先生逝去

月光の道の至れる師の柩

柴田佐知子 201603

 伊藤通明先生逝去

満月に一と夜柩を預けおく

柴田佐知子 201603
姨捨は麓をのぼる月の秋 池田友之 夏雲 201603
うら若き案山子を恋ふる月のあり 竹下陶子 ホトトギス 201604
月を見てやさしくなつて寝まるかな 木村享史 ホトトギス 201604
幻月や馬込人参撫でながら 中島陽華 201604
昼月は須恵器のかけら稲を干す 深川淑枝 201605
月白にいつまで残る夕茜 後藤比奈夫 ホトトギス 201608
月光に濡れて今宵の車椅子 後藤比奈夫 ホトトギス 201608
月光が滑り台で遊んでゐる 有松洋子 201608
酌みて待つ更待月と君の笑み 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
月 →18

 

2021年11月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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