月 15     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月を待つ沖の巨船の灯ともさで 山本町子 風土 201312
月の夜を妙なるかぐや物語 伊東和子 201312
月の出や塩飴口に転がして 舩山東子 ろんど 201312
摂生の身軽となりぬ月円か 四條進 201312
赤松は月の行き付け似非洋燈 柳本渓光 ろんど 201312
石一つ一つに影す月明り 堀園子 201312
今ごろは月射しゐるや弥勒石 今澤淑子 火星 201312
人間の匂ひ消えたる月の道 菅谷たけし 201312
盃の月を飲みほし長寿かな 杉本薬王子 風土 201312
山の端の月の動きぬ恋新た 亀井紀子 201312
躙り口さきに這入りし月明り 坊野貴代美 ぐろっけ 201312
朗詠の歌に応へて月上る 大橋晄 雨月 201312
来し方の禍福を思ひ月を待つ 村上美智子 雨月 201312
そこまでと言ひて駅まで月の道 荒木治代 ぐろっけ 201312
梟の声の真上が月の道 瀧春一 花石榴 201312
貨車百台月の埠頭に一眠り 山本町子 風土 201312
いびつなる子規の頭に月上る 山本耀子 火星 201312
密やかに始まるボレロ月天心 宮内とし子 201312
抹茶碗泡に射し込む月青し 坊野貴代美 ぐろっけ 201312
つきまとふ弦月途を知るごとく 有本南陵 ろんど 201312
本宮の裾より上る月大き 大橋晄 雨月 201312
式部像月を背にして書物読む 難波篤直 201312
時空超え式部と同じ月眺め 十時和子 201312
山越えの月むら雲をかわしつつ 松川悠乃 ろんど 201312
三味の音や月のひかりの潦 浅木ノヱ 春燈 201312
空池に雨満たされて月浮かぶ 松本恒子 ぐろっけ 201312
南都奈良旅の途の月峰を近み 定梶じょう あを 201312
根子岳の風に包まれ月祭る 秋千晴 201312
鐙より砂のこぼれし月明り 山田美恵子 火星 201312
骨酒の冷めし脇息月射せる 山本耀子 火星 201312
蒼白の月が小村を吊り上げる 梶浦玲良子 六花 201312
月の夜の兎の影を尋ねをり 熊川暁子 201312
月を見に出る下駄音の入り乱る 今澤淑子 火星 201312
月を待つ心鎮むる神前に 大橋晄 雨月 201312
土壁に十日の月の影著き 柿沼盟子 風土 201312
影長くそれぞれ月の四天王 野中亮介 馬醉木 201312
月代や駈くる幼なを親が追ひ 戸田春月 火星 201312
渡り来し橋に並びて月の道 島玲子 風土 201312
月明のいろを失ふ赤鳥居 加藤みき 201312
ふと目覚め枕のそばの月の影 中井弘一 201312
一本の海峡渡る月の道 島玲子 風土 201312
朝月の西に貼りつく枯蓮田 山尾玉藻 火星 201312
姥捨山をまなうら月に謡ひけり 三輪温子 雨月 201312
痛きほど月を浴び来て湯浴むなり 千田百里 201312
クラシック月もひとりで聴いてをり 久米なるを 201312
鯉跳ねて月影乱す林泉の池 稲垣佳子 末黒野 201401
昼月を銀杏の上に施餓鬼寺 小川玉泉 末黒野 201401
弦月やスカイツリーの五輪色 横路尚子 末黒野 201401
月明の途をいざよふ白陀師忌 田中臥石 末黒野 201401
月明のぶなの木に耳当ててゐる 杉浦典子 火星 201401
月白の象舎鎖を飼っている 中林明美 船団 201401
月代や草臥れはててゐる運河 宮路久子 201401
月代の運河を上る潮かな 古沢幸次 ろんど 201401
月の船地球へ銀の糸たらし 本郷公子 京鹿子 201401
月の出や何するとなく庭に出て 柴田佐知子 201401
双塔のあはひに張れる弓の月 松山直美 火星 201401
まばたきの音聞こえさう月の夜 近藤紀子 201401
ころころと門扉閉めたり月の暈 古沢幸次 ろんど 201401
狂言の仕種まねみる昼の月 村上留美子 火星 201401
化野は月を恃みに過ぐところ 奥井あき 201401
山門に真如の月のかかりけり 宮原悦子 雨月 201401
小面の床ふみ鳴らし月のぼる 倉谷紫龍 万象 201401
黎明の月の孤独を見てしまふ 山口ひろよ 201401
蜀山人愛でし月出て諏訪の坂 木下慈子 馬醉木 201401
仄かなる妣のおしろい月の夜 佐用圭子 201401
稜線をあらはに月の昇りたる あさなが捷 201401
木の橋は木の匂ひして朝の月 本多俊子 201401
母囲む子等の白髪月仰ぐ 河村啓花 ろんど 201401
指先に一途な思ひ月明り 森理和 あを 201401
おもかげの人の五十忌月の露地 亀井福恵 京鹿子 201401
波立つは白刃のごと月下の航 土井三乙 風土 201401
日はいのち月はこころを育てけり 井上浩一郎 ホトトギス 201401
二次会を辞して一人の月の宿 荒木治代 ぐろっけ 201401
影踏みの親娘へ円き月でゐる 丸井巴水 京鹿子 201401
月清し波打つごとく毛野の山 古沢幸次 ろんど 201401
月代や世を違へたる父に慣れ 柴田佐知子 201401
ゆき暮れて三笠の山の月に逢ふ 川村文英 ろんど 201401
昼月をさして舞ひ発つ草の絮 熊川暁子 201401
朝月を尾根に残して鷹渡る 佐々木みどり 馬醉木 201401
一人坐しひとりよりそふ月の人 林いづみ 風土 201401
ガラス玉青を秘めたる月しづく 本郷公子 京鹿子 201401
運河の灯くづさぬやうに月のぼる 宮路久子 201401
地芝居のはねて舞台の月おろす 松田明子 201402
月明やたつぷりと振る育毛剤 戸栗末廣 201402
月天心駱駝は針の穴通る 土居通子 ろんど 201402
月天心覚めて孤独のまぎれなし 山口弘子 201402
月影の草踏み帰る毛遊(もーあしび) 當間シズ 万象 201402
月を待つ父の胡坐はわたしの巣 木戸渥子 京鹿子 201402
月の夜の渡り蟹捕る流し網 田中臥石 末黒野 201402
月の船遊郭跡の出入口 大森尚子 風土 201402
丸ビルに新丸ビルに映る月 藤森荘吉 ホトトギス 201402
六甲も海も今宵の月の街 安原葉 ホトトギス 201402
夕まぐれ月をはさみて鴉かな 吉弘恭子 あを 201402
いつまでも波音月の浮御堂 織田高暢 201402
夜夜の月疲れをほどく家路かな 藤森荘吉 ホトトギス 201402
忘れもの多くなる日々月に問う 池田久恵 ぐろっけ 201402
母の忌を迎へし月の畳かな 上川いつ子 201402
尼御前の月仰がるゝ泪あり 竹下陶子 ホトトギス 201402
懇ろなもてなしもまた月の宿 安原葉 ホトトギス 201402
月に雲生きる証の俳句詠む 田村すゝむ 風土 201402
月→16      

2021年10月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年10月27日