月 14     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月さやかハープ奏者の細き指 山口ひろよ 201301
遠灘に月のぼりゆく墨衣 栗栖恵通子 201301
不動の面目を凝らすなり月光す 本多俊子 201301
月光やくびれ忘れし青ふくべ 谷村幸子 201301
夕月夜土にまだ日のある匂ひ 久保東海司 201301
妻見舞ふ月皓々と病の窓 渡辺安酔 201301
猫が来る月夜の歴史館の塀 藤井美晴 やぶれ傘 201301
月光が『マルドロールの歌』に来る 藤井美晴 やぶれ傘 201301
月を待つなら重口のワインなど 大川ゆかり 201301
月光をたつぷり浴びて猫戻る 大川ゆかり 201301
眼光鋭き月光に見えたり 細川洋子 201301
月明にすこし拗ねたる三輪車 林昭太郎 201301
月光のすすきが原は分けもせず 豊田都峰 京鹿子 201301
密書との赤い印字や月の暈 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
石見半紙のざらつく面暈の月 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
新刊書月のあかりの差すあたり 高木晶子 京鹿子 201301
猫とわれ道ゆづりあふ月夜かな 飛高隆夫 万象 201301
潮騒の夕月隠れやすきかな 前田貴美子 万象 201301
水際を照らす月光生と死と 古俣万里 ろんど 201301
少年の前に壁ある月夜かな 田中一美 ろんど 201301
月白やひそと媼の身罷るる 大西よしき ろんど 201301
月光の野に座すごとく床に座す 古川忠利 ろんど 201301
街を出る橋を揺らすは月光か 古川忠利 ろんど 201301
身繕ふ水輪ひろごる月の鴨 すずき巴里 ろんど 201301
天心の月へ跳びけり猫の胴 坂口夫佐子 火星 201301
蛇の皮枝に垂れゐて月を恋ふ 浜口高子 火星 201301
月の鳰になりたく鳰の潜きけり 城孝子 火星 201301
塀の上を鼬一気に月明り 松井倫子 火星 201301
月代やタイ舞踊めく松の枝 松井倫子 火星 201301
棲みついて烏鵲つぶやく月の杜 井上淳子 火星 201301
月光を踏みゆきにけり僧の列 西村節子 火星 201301
萱原の道途切れゐし昼の月 西村節子 火星 201301
月白の川に迫り出すカフェテラス 藤本千鶴子 火星 201301
想ひただ一言のみに片割月 福島松子 ぐろっけ 201301
月照らす刃物の町をすり抜ける 荒木治代 ぐろっけ 201301
我が末路如何なるものか月に問う 樋口正輝 ぐろっけ 201301
ミシン踏む音しづかなり月の窓 福島悠紀 ぐろっけ 201301
潮騒の昂ぶる闇や月の海 中野久雄 末黒野 201301
すれちがふ人の残り香月の道 中野久雄 末黒野 201301
層塔にかかりて淡き明けの月 青木由芙 末黒野 201301
月を背に少年駈くる渚かな 青木由芙 末黒野 201301
夕月や雲の切れ端かと思ふ 志方章子 六花 201301
入院を明日にひかへて月さやか 志方章子 六花 201301
堂縁に法の灯明り月を待つ 寺岡ひろし 雨月 201301
病窓の角より月の昇りけり 田代貞枝 201301
横笛の指に月光走りけり 原友子 201301
月満ちて家ぬち広くなりにけり 安武晨子 201301
右側は月光の窓今日も臥す 神谷耕輔 201301
月白の川かぜ土手をわたりけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201301
夕月と車窓に見しが消えてをり 稲岡長 ホトトギス 201302
月光もすべり込ませて投函す 杉本綾 201302
月あれば酒酒あれば句敵来 内山花葉 201302
白雲を恵方へ流し夜明月 鈴鹿仁 京鹿子 201302
月ひとつ大家族にも独りにも 田中一美 ろんど 201302
船笛や名残の月の見え隠れ 川村亘子 末黒野 201302
無音なるビルの合間を登る月 梁瀬照恵 ぐろっけ 201302
残業の会社を出れば月明り 秋田直己 ぐろっけ 201302
月光をペルシアの杯にあふれしむ 近藤紀子 201302
月燦々と傷心の自然治癒 山口ひろよ 201302
灯火三千月ひとつ星ひとつ 山口ひろよ 201302
梟の目をまるくせり月に蝕 定梶じょう あを 201302
掘りあげし子芋を月に供へけり 中村則夫 やぶれ傘 201302
この月と共に退りて帰郷せん 安原葉 ホトトギス 201303
須磨の月仰ぎ源氏の君気分 大久保白村 ホトトギス 201303
見えんと思ふ心に月育つ 藤浦昭代 ホトトギス 201303
足跡に月明溜まる猪のぬた 米澤光子 火星 201303
月影に公園猫の目が八つ 吉田和子 ぐろっけ 201303
玻璃越しに月影凍つる吾がベッド 秋田直己 ぐろっけ 201303
人として猫として月夜を歩く 火箱ひろ 船団 201304
月照らす窓に中也と泰子の日 火箱ひろ 船団 201304
月を描くヒゲを付けたくなって描く 静誠司 船団 201304
天窓の桟を洩れくる月明かり 斉藤マキ子 末黒野 201304
半分こお合いこ月の月島に 高橋龍 201304
ロゼワイン夕月に酌む下ごころ 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
月煌々生一き方変へるつもりなし 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
月の夜の打明けばなし猫嗤ふ 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
万太郎忌の月を高しと仰ぎけり 上山永晃 鶴翼 201305
漁火の向かう大きな月出づる 亀田やす子 ははのこゑ 201306
ビルの窓より下弦の月を眺めをり 北村香朗 京鹿子 201306
幾万の月光ひとひらづつ浴びる 水野恒彦 夢寐 201306
出発を見送るホーム夕月夜 岡野安雅 かさね 201310
糸ほどの月上りたる鵜の礁 玉田瑞穂 万象 201310
櫓を上げて月の雫のこぼれけり 山田六甲 六花 201310
磨かれし廊下月光走り来る あさなが捷 201310
篁の朽ちゆくものに月の影 浜口高子 火星 201310
食べ頃は月光に聴けラフランス 広渡敬雄 201310
買ひ戻る草市のみち月の路 安立公彦 春燈 201310
押鮨の笹ほどきあふ月の宴 山田六甲 六花 201310
佐渡情話流るる月の出船かな 山田六甲 六花 201310
衛星の月に地球と他人説 安居正浩 201310
月の夜の水母になりて漂はむ 松本周二 かさね 201310
一考の書が満月に呼応せり 田中貞雄 ろんど 201310
中天の満月目指しヘリコプター 青木英林 かさね 201311
沢蟹の遠出に月の畑かな 宇都宮敦子 201311
ある夜の月金木犀銀木犀 神蔵器 風土 201311
月明の砂丘を奔る砂の音 近藤幸三郎 風土 201311
月読の山にこころを放つ秋 千田百里 201311
月太るビル屋上を台座とし 甲州千草 201311
月光の帯にて我を束ねたき 吉田希望 201311
月の渡御金の稚児武者従へて 松岡凌 201311
鬼天狗河童もゐたり月の客 高橋将夫 201311
甦る遊びに影踏み月の夜 大日向幸江 あを 201311
しばらくは月のうさぎを仰ぎけり 藤井美晴 やぶれ傘 201311
柴漬を揚げ月影を毀ちけり 浜口高子 火星 201311
夜中までをりたかりけり月みたし ことり 六花 201311
樹は腕を伸ばし放題月の夜 吉田葎 201311
首長く月待つ姿女郎花 鈴木阿久 201311
溪声の紫菀月夜と思ひけり コ田千鶴子 馬醉木 201311
施餓鬼寺月影杉に縞となす 石崎浄 風土 201311
月代やまぼろしを産む用意して 有松洋子 201311
甲斐駒を木曽へ乗り替へ伊那の月 池内とほる かさね 201311
むら雲に月の幽明音のなし 松川悠乃 ろんど 201311
月天心救急サイレン遠ざかる 山本孝夫 201312
釣り暮れて月の影踏み戻りけり 布村松景 春燈 201312
これからの一人諾なふ月明り 数長藤代 201312
鯉跳ねし水輪を月に拡げゆく 金森教子 雨月 201312
仲見世を出てから月の夜と知りぬ 瀧春一 花石榴 201312
中天の月をこころに眠りけり 宇都宮敦子 201312
置き換へてみてもひとりの月の椅子 土屋草子 ろんど 201312
地震走りけり月光の降りやまず 辻美奈子 201312
源氏絵の紙燭ゆらめく月の道 田中珠生 馬醉木 201312
月明を行く白杖の矜恃かな 山崎青史 ろんど 201312
月明や波打際にある旅愁 黒滝志麻子 末黒野 201312
月明の木を離れたる木霊かな 熊川暁子 201312
月天心「風」の一字を帯に染め 浅木ノヱ 春燈 201312
月代や男流しのひとりゆく 浅木ノヱ 春燈 201312
月 →15      

2021年10月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年10月23日