月 12     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月の秋海一望の須磨離宮 尾崎みつ子 雨月 201112
月代や篠笛いよよ高拍子 藤原千代子 万象 201112
次の日は立つて見てゐる山の月 谷渡末枝 万象 201112
月光をなみなみ湛へ屋根瓦 田中藤穂 あを 201112
老眼のすすんだらしき月けぶる 鎌倉喜久恵 あを 201112
神還る魞やささらの月の波 高瀬史 馬醉木 201201
月を待つ六十年を夫に添ひ 勝谷茂子 馬醉木 201201
白み来てしばし静もる月の宴 北尾章郎 201201
軸ぶれていびつな月の満ちにけり 栗栖恵通子 201201
沈金の砂子こぼるる月夜かな 雨村敏子 201201
月光の清めし塩を舐めにけり 西村純太 201201
月光の届かぬところ魑魅のこゑ 中田禎子 201201
天空に月泳がせて雲の波 藤浦昭代 ホトトギス 201201
湖中句碑てふ一本の月の影 古賀しぐれ ホトトギス 201201
竹生島よりはるばると月の波 古賀しぐれ ホトトギス 201201
ことさらに月の芒を高く挿す 今井千鶴子 ホトトギス 201201
月光といふみほとけのみそなはす 中杉隆世 ホトトギス 201201
吐息また揺らしてをりし月の供華 本郷桂子 ホトトギス 201201
岩鼻の浪立ちあがる月明り 大川暉美 末黒野 201201
両国をよぎりたるより月の客 井上信子 201201
神の名を読みては月を招くなり 井上信子 201201
着膨れて月面のごと浜歩む 平野みち代 201201
昼月へ鎌高だかといぼむしり 亀澤淑子 万象 201201
夜なべ終ふ月たかだかと上がりけり 海村禮子 春燈 201201
月光に攫はれてゐる村ひとつ 高倉和子 201201
伶人のひとり振り向く月の渡御 柴田志津子 201201
良寛の手鞠のそれて昼の月 神蔵器 風土 201201
月祀る机二つを縁に出し 間島あきら 風土 201201
束稲山も北上川も月に浮く 森屋慶基 風土 201201
行きずりの人と話して月を待つ 陽山道子 船団 201201
月光の湖にさざ波明日帰る 陽山道子 船団 201201
月白の天窓高く京町屋 平野数子 京鹿子 201201
虚の器なり月明の一湾は 安居正浩 201201
閑散の漁港鳶舞ふ昼の月 藤原照子 201201
真珠いま育ちてをらむ月明り 栗原公子 201201
月光や玩具の汽車のふいに発つ 栗原公子 201201
山の上に昼の月ありハーブティー 杉浦典子 火星 201201
月の家の鏡の前を通りけり 涼野海音 火星 201201
傾きて元日の月潤みけり 山田六甲 六花 201201
月光や川を漂ふ鞠ひとつ 永田万年青 六花 201201
月光や道の裂け目に力芝 永田万年青 六花 201201
月蝕を三度見に出しゆゑの風邪 田中藤穂 あを 201201
金星を追ふやうに月欠けゆくも 吉弘恭子 あを 201201
二度三度出て月蝕に手をあはせ 鎌倉喜久恵 あを 201201
誘はれてドナウの月と呑み明かす 松村光典 やぶれ傘 201201
雲の間に昼の月あり金風忌 瀬島洒望 やぶれ傘 201201
開け放つ窓の月ややいびつにて 丑久保勲 やぶれ傘 201201
「月蝕よ」と子への送信冷ゆる夜 山崎里美 201202
熱燗や赤き月蝕窓にして 鈴木照子 201202
術後の目いざよふ月の歪みなく 山田閏子 ホトトギス 201202
灯火三千月ひとつ星ひとつ 山口ひろよ 201202
月光のたつぷりと降る嬥かな 水野恒彦 201202
大徳の月の光よ浮見堂 中島陽華 201202
月の暈ひむがしにあり寝に帰る 竹内悦子 201202
月光に攫はれてゐる村ひとつ 高倉和子 201202
悴みて月蝕たのし土曜日で 千田百里 201202
長崎の月の明りの澪つくし 大森尚子 風土 201202
蝋燭の鈍き明かりや時雨月 赤羽陽子 春燈 201202
月のこしすすきに枯れのはじまれり 豊田都峰 京鹿子 201202
白兎つめたくもあり月の海 小堀寛 京鹿子 201202
唇に薄荷匂へる月の客 涼野海音 火星 201202
月光を呑んで発光体となる 山崎@青史 ろんど 201202
オルガンの余韻を歩く月の杖 笹村政子 六花 201202
登り行くジャングルジムの上に月 安藤久美子 やぶれ傘 201202
誘はれてドナウの月と呑み明かす 松村光典 やぶれ傘 201202
罹災地の子等に兎の棲める月 小島左京 ホトトギス 201203
余震余波あれど浄土ケ浜に月 小島左京 ホトトギス 201203
月上る空と離れて星の空 上崎暮潮 ホトトギス 201203
月光の鏡に月の柱あり 柴田佐知子 201203
西に月東に初日待つ齢 和田政子 201203
中天に月蝕耳底に狼 成田美代 201203
月食や備長炭の跳ねる音 中貞子 201203
高階や月近ければ月語る 安田一郎 京鹿子 201203
とび出せば月はや皆既あかぐろく 遠藤とも子 ぐろっけ 201203
月光や夫には夫の母の影 岩永はるみ 白雨 201203
島よりも大きな月が出て祭り 豊田都峰 水の唄 201203
河馬鳴いて野良猫走る雨夜の月 吉弘恭子 あを 201203
梟は目玉に映る月を見る 續木文子 あを 201203
月のぼる誰の誕生石だろう 中原幸子 船団 201203
月の道どうしたことかみんないる 中原幸子 船団 201203
コントラバス抱いて月夜を帰るのね 火箱ひろ 船団 201203
月光にずぶ濡れとなり干し忘れ 中野陽路 末黒野句集 201203
渦潮の今こそ盛れ月出づ 上崎暮潮 ホトトギス 201204
月の海へ子亀は子亀乗り越えて 吉田葎 201204
シベリアに日輪と月嵌め分かつ 小堀寛 京鹿子 201204
土佐の月仰ぎ天寿の人悼む 稲畑汀子 ホトトギス 201205
術前の食絶つ月に菓子頂け 品川鈴子 ぐろっけ 201207
胡瓜湾曲月のうしろに日が隠れ 林昭太郎 201208
校倉や月光すでに太古より 桂樟蹊子 201209
月明にビル戦いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
人類の足跡残し月出づる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
輪郭に月の表情ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
月白に都心の舞台整へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
嵐去り月をぽつんと置いてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
雨止んで月の出会ひとなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201209
月光のにじむ肩幅たのもしく 丸山佳子 京鹿子 201209
月あげて雅楽鳴りいづ采女祭 北崎展江 くりから 201209
猿沢池の映せる月や采女祭 北崎展江 くりから 201209
代田千枚田毎の月の揺らぎあり 栗山恵子 雨月 201209
月 →13      

2021年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年11月8日