月 11     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
押上は武蔵の国や塔に月 安藤久美子 やぶれ傘 201101
可惜夜や広き新地の月清し 田中一美 ろんど 201101
天上の月より遠し君がもと 小滝奈津江 酸漿 201101
伊豆山や弓張月をのみ置きて 井口初江 酸漿 201101
弦月や雲の切間にしばし出で 田中喜久子 酸漿 201101
月代にしばし佇み戸じまりす 長谷川幸恵 酸漿 201101
車椅子月のしづくを浴びながら 吉弘恭子 あを 201101
石仏の笑って見ゆる月明り 續木文子 あを 201101
軒先に干柿ならび月明り 續木文子 あを 201101
月呑んで風をつかみしひとり酒 吉弘恭子 あを 201101
秋の月丸墓山にかかりけり 白石正躬 やぶれ傘 201101
月の宿薙刀掛る長押かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201101
未だ名を貰はぬ月を愛でにけり 長山あや ホトトギス 201102
満ちてゆく月の鼓動の刻々と 長山あや ホトトギス 201102
淡路よりつづく旅路の夜々の月 安原葉 ホトトギス 201102
子規偲び仰ぐ十七日の月 安原葉 ホトトギス 201102
月更けて貴船にいそぐ影一つ 熊川暁子 201102
下弦の月山の端を今離れたる 北村香朗 京鹿子 201102
月名残いま焼香のしんがりに 北川孝子 京鹿子 201102
月光やブラックホールに父の部屋 古川忠利 ろんど 201102
死後の事軽く口にし月あかり 松林順子 雨月 201102
月光にシテ罷り出づ野外能 横山昭子 雨月 201102
野外能月に鼓の高鳴れる 横山昭子 雨月 201102
月光に小面光る野外能 横山昭子 雨月 201102
護摩の火の弓張月に燃えたてり 横山昭子 雨月 201102
後部二輌余して止まる月の駅 守屋井蛙 酸漿 201102
海中に竜宮のあり月天心 竹下陶子 ホトトギス 201103
年々に鳴門の月を見て米寿 上﨑暮潮 ホトトギス 201103
かかる夜は月に酌むべし語るべし 今村征一 ホトトギス 201103
しなやかに清濁を呑み月に酔ふ 服部郁史 京鹿子 201103
境内の樹々鎮まりて月高し 宮原悦子 雨月 201103
月出づる寺門総出の声明に 横山昭子 雨月 201103
俳諧の月たとへ野に果つるとも 岩岡中正 ホトトギス 201104
朝月や逆の峰より入りにける 栗栖恵通子 201105
盃に浮かみし月や東山 高谷栄一 嵯峨野 201107
聖堂の扉は重し初月夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
月育ちはじめて五日より数ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201109
七日月星に君臨はじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 201109
家中のどこに置きても月の供華 稲畑汀子 ホトトギス 201109
寄せつけぬ星となりたる月仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 201109
月渡る空に従ふ星のなく 稲畑汀子 ホトトギス 201109
月孤高供華は饒舌なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201109
月の供華ほほけて二十三夜かな 稲畑汀子 ホトトギス 201109
北欧や白夜の空に月浮かぶ 門伝史会 風土 201110
月白や旅綴りゆく播但線 西村雪園 風土 201110
雲を越え国境越えて月高し 中島玉五郎 201110
網戸透く月満ちてをり仕舞風呂 鈴木礼子 末黒野 201110
月に行くための音楽聴いてゐる 星野早苗 船団 201110
月天心敦賀生れの敦子にて 大橋敦子 雨月 201110
笹舟はおそろしき舟月あかり 佐藤喜孝 あを 201110
そはそはと月のかけゆく衣紋坂 吉弘恭子 あを 201110
月は出たか月を見たかと言ひあへり 篠田純子 あを 201110
きりきりとグラス冷して月浮かす コ田千鶴子 花の翼 201111
月差してひとり影絵に遊びたる コ田千鶴子 花の翼 201111
猿沢をめぐる月夜や采女祭 小林成子 201111
花扇の龍頭船や月いよよ 小林成子 201111
雲出し月へ拍手の鳴り止まず 小林成子 201111
採血痕しるく月下の椅子にをり 村上光子 馬醉木 201111
月明り尾ひれつけずに告げにけり 田嶋洋子 春燈 201111
鍋釜も化けて出さうな月夜かな 柴田佐知子 201111
挨拶もなき迎へくる月の夜 井上信子 201111
月待ちのコーンポタージユ渡るなり 加藤峰子 201111
芒原へ月が近づき茨城弁 鴨下昭 201111
月高し会議のお茶も既に尽き 松嶋一洋 201111
亡妻の繰り言想ひ夜々の月 飯田ひでを 201111
月の出へいちの名のりは山の萩 豊田都峰 京鹿子 201111
月の出や手入れの松の傾ぎぶり 豊田都峰 京鹿子 201111
熊皮に招じられけり月の家 山尾玉藻 火星 201111
寺の子が犬連れ出せる月の門 山尾玉藻 火星 201111
葭陰の羽もつものへ月上る 杉浦典子 火星 201111
月白の河岸を釣り舟はなれけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201111
お月さま聞いて下さい愚痴少し 藤見佳楠子 201112
月の舟かたぶくほどに母を恋ふ 篠原幸子 春燈 201112
アイライン引けば猫めく月夜かな 矢口笑子 春燈 201112
月代や音読すれば経のごと 小林朱夏 201112
湯上りの風さらさらと月の宿 城台洋子 馬醉木 201112
畑ものを豊かに揃へ月の膳 堀田順子 馬醉木 201112
蕎麦屋出て大きな月を仰ぎけり 白石正躬 やぶれ傘 201112
匂ふほど濃き影落とし月の道 松本三千夫 末黒野 201112
終電の音遠ざかる月まどか 松本三千夫 末黒野 201112
輪に座せば少年少女月明り 数長藤代 201112
月燦々と傷心の自然治癒 山口ひろよ 201112
船酔の少しく月の砂を踏む 浜口高子 火星 201112
月の風稲きんいろの音を立てて 藤原冬人 火星 201112
何か住むと思ひし頃と同じ月 林美智 ぐろっけ 201112
婚約の顛末を聞く月明り 松井洋子 ぐろっけ 201112
鎮魂の海にひと筋月の道 宮内とし子 201112
月を見て月に見らるる未来都市 佐野ときは 201112
送らないでね月の兎と帰るから 七田文子 201112
一杯の寝覚めの水や子規の月 岩木茂 風土 201112
野良猫の餌を撒く孫に月が出て 小林清之介 風土 201112
多つを亡し二夜の月に雲のなし 小林輝子 風土 201112
月の夜兎が仙薬つくるらし 瀬川公馨 201112
月の船蒼き宇宙に漕ぎ出しぬ 寺田すず江 201112
月受けて白く妖しき屋根瓦 蟻蜂 六花 201112
枝折戸を入ればここにも月の庭 高橋照子 雨月 201112
地酒抱き海人の繕ふ月の木偶 水谷芳子 雨月 201112
庭芒手折りてしばし月を待つ 服部珠子 雨月 201112
灯を消して月の光を溢れしめ 大石喜美子 雨月 201112
月明り閨に及びて想ひ千々 本多正子 雨月 201112
月→ 12      

2021年11月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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2021年11月6日