7(キーワード)    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
杖を曳くわれに大きく初蝶来 室伏みどり 雨月 201606
初桜杖の暮しに馴れて来し 佐藤淑子 雨月 201606
瑞香へ運ぶ卒寿の杖の先 小川玉泉 末黒野 201606
啓蟄や母はそよりと杖を取り 高野春子 京鹿子 201606
身に合はす杖の長さや春惜しむ 小張昭一 春燈 201606
折畳み杖はたたんで青き踏む 菅谷たけし 201606
試歩の杖軽し万朶の花仰ぎ 岡淑子 雨月 201606
遍路杖夫の御魂と歩きけり 田代貞香 201607
白玉や家の中にも母の杖 柴田佐知子 201607
屈み見る杖の媼や翁草 石黒興平 末黒野 201607
藜の杖ついて落花の坂登る 西村しげ子 雨月 201607
行く春や背筋伸ばして杖一本 吉澤恵美子 春燈 201607
土手を踏む杖矍鑠と桜まじ 藤代康明 201607
花万朶杖ついて行く今がある 犬塚芳子 201607
春寒くとも杖二本突かうとも 千原叡子 ホトトギス 201607
頬杖の午後を崩るる白牡丹 西村操 雨月 201608
夕納涼ひとり杖ひき卒寿我 細川コマヱ 雨月 201608
百日の感謝よ杖を拭く立夏 松原三枝子 万象 201608
持てばつひ頼りしままの杖に汗 山本無蓋 201608
樟若葉貸し杖を手に天守址 山口ひろよ 201608
つばくらやそろそろ杖を求めねば 田原陽子 201608
梅雨に入る杖も心も湿りゐて 永田万年青 六花 201609
杖となるあかざを育てゐたりけり 水谷靖 雨月 201609
リハビリの杖の伸縮ほととぎす 野畑さゆり 201609
山男の子が置きくれし登山杖 加藤富美子 201609
この杖ぞ夏のカイロで値切りしは 大坪景章 万象 201609
秋時雨戻るに杖も傘もなし 山田六甲 六花 201610
句会場へ杖を頼りの夏帽子 加藤タミ 末黒野 201610
杖ともなる母が形見の日傘かな 辻田玲子 雨月 201610
杖よりも低き婆ゆく片かげり 本間羊山 風土 201610
颯爽と白靴はいて杖ついて 呂秀文 春燈 201610
松葉杖つく少年の晩夏かな 岩田洋子 201610
頬杖を解くや鶲の来てをりぬ 大沢美智子 201611
つまづくも杖が頼りや秋の風 佐藤淑子 雨月 201611
百名山の大雪渓に杖を挿す 田村すゝむ 風土 201611
山頭火忌中突堤を杖一本 中田禎子 201611
杖ついて来る人増えし孟蘭盆会 秋千晴 201611
蝉しぐれ黎杖置く芭蕉の間 小木曽文明 雨月 201611
杖の歩に親しく揺れて猫じゃらし 岡淑子 雨月 201611
木の葉髪転ばぬ先の杖を曳き 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
杖持ちて巡る庭あり冬木立 稲畑汀子 ホトトギス 201612
杖一歩緑潤う馬場の土 平野無石 201612
セーターに替へて散歩の杖を引く 大坪景立 万象 201701
秋しぐれ傘杖にして濡れてをり 永田万年青 六花 201701
黄霊芝先生の杖露払ふ 福島せいぎ 万象 201701
蕉翁の杖は細身に野分雲 岩木茂 風土 201701
杖に汗背後の音に耳を研ぐ 山本無蓋 201702
突く杖の影の長々冬桜 稲垣佳子 末黒野 201703
寒風や市の聖の鹿角杖 竹中一花 201703
杖を止め見下ろす坂の花辛夷 小川玉泉 末黒野 201704
寒明くを待つ杖の音確かなり 横田初美 春燈 201704
杖と杖親子寄り添ひ冬ぬくし 中西厚子 201704
街角の杖曳く己が初鏡 中島芳郎 201704
うすらひの光弾ける杖の先 岡田史女 末黒野 201705
句点打つ度の頬杖春愁 森清堯 末黒野 201705
探梅や宿に備への杖を借り 大島寛治 雨月 201705
惜命の波郷の杖や花八つ手 中村弘 万象 201705
床の間に杖を寝かせる遍路宿 江見巌 六花 201705
山吹や杖借りて行く山の寺 江見巌 六花 201706
春の野のいづれ此の道杖頼り 元橋孝之 京鹿子 201706
杖をつく母に馴れたる雀の子 柴田佐知子 201707
杖捨てて野を駆けめぐれ昭和の日 片桐てい女 春燈 201707
雁木行く在りし日の瞽女杖を引き 古川しげ子 雨月 201707
杖捨てて昼湯に浸かる花の山 小林愛子 万象 201707
杖の戦友会へば若やぐ侘五月 丸山允男 春燈 201707
失ひしものを求めて遍路杖 吉永すみれ 風土 201708
用心の杖を持参の母の日よ 佐藤玲子 春燈 201708
杖ついて卯浪の船に立つてをり 柴田志津子 201709
軽くなる杖の響きや梅雨明くる 川上恵子 雨月 201709
昇天祭持ち馴れて来し杖の艶 中田みなみ 201709
行き交ふは杖か白髪の墓参り 石原健二 やぶれ傘 201710
錫杖の欲しき夏野や徒ゆかむ 石田阿畏子 馬醉木 201710
稲光師の杖音の木霊して 中嶋陽子 風土 201711
百歳が汗を力に杖にして 熊川暁子 201711
約束の錫杖加持よ青嵐 中島陽華 201711
すさまじや刀身研磨の仕込杖 林いづみ 風土 201712
秋の雨見舞の夫の杖の音 志方章子 六花 201801
初時雨リハビリ室の杖の音 赤座典子 あを 201801
すり減りし金剛杖や夕紅葉 中島昌子 201801
茎枯の極まり黎杖となる 細川洋子 201801
あかざの杖冬に艶増す節くれて 千田敬 201801
あかざ杖根揃へ賜ふ美濃しぐれ 能村研三 201801
寒風や松葉杖つく男の子 植木戴子 201802
病棟寒し近づいて来る杖の音 田村すゝむ 風土 201802
寄り添ひぬはせをの杖にある枯野 甲州千草 201802
頬杖をついて雨月の机かな 三村純也 ホトトギス 201802
先導は鉄杖竹杖鉾進む 青木朋子 201802
拾ひたる一枝を杖に秋遍路 原友子 201803
はればれと男杖持つ初山河 松橋利雄 春燈 201803
頬杖を解きて腕組む漱石忌 岡尚 風土 201803
小春日の杖はなやかやクラス会 永井惠子 春燈 201803
ザビエルの杖高々と石榴爆ず 林徹也 201804
安政と書かれし杖も遍路宿 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
杖となる愛車に小さき注連飾 三輪温子 雨月 201804
初旅や杖忘れずに湯治宿 赤座典子 あを 201804
杖の音響いてゐたる寒月光 永田万年青 六花 201805
頬杖の視野をかすめて鳥の 北川孝子 京鹿子 201805
杖ついて歩く人あり花の降る 松村光典 やぶれ傘 201805
杖の人介護する人春うらら 伴秋草 末黒野 201806
花吹雪杖の身の杖弾ませて 高村令子 風土 201806
冴え返る新島襄の自責の杖 橋添やよひ 風土 201806
蛇出でてたちまち杖に打たれけり 藤生不二男 六花 201806
梅らしき梅にあり白杖の行く 廣畑育子 六花 201806
杖どこに立てても灼くる現世かな 柴田佐知子 201807
沖を見る遍路杖にて岩押さえ 柴田佐知子 201807
杖のひとのかろき会釈や風光る 平沢恵子 春燈 201807
杖をのみたのみ故郷の青き踏む 柴田志津子 201807
杖ついて水平線の朧かな 田中とし江 201808
戦時っ子今は杖つき飛花を浴び 大島寛治 雨月 201808
梅雨明を待たず漢の杖を曳く 石田康明 春燈 201809
炎天の杖の短く影のあり 住田千代子 六花 201810
炎帝や藜の杖を楯とせむ 金森教子 雨月 201810
杖をつく母に秋の蚊ついて来し 柴田佐知子 201811
水玉の杖渓谷の青もみぢ 吉武美子 201811
山は呼ぶ万歳の声登山杖 橋本くに彦 ホトトギス 201811
桃源や黎の杖の後ろゆく 中田禎子 201812
文机に煩杖ついて遠花火 西村亜紀子 船団 201812
汝が腕を杖の代わりに十夜婆 高野昌代 201902
首竦め杖を急がす初しぐれ 松本幹雄 馬醉木 201902
ねんごろに納むる杖や菊の寺 鈴木幾久 馬醉木 201902
よたよたと杖曳き転ぶ小春かな 辻田玲子 雨月 201902
お大師の長き錫杖冬日濃し 木村あさ子 201902
枯蟷螂杖曳く我に鎌上ぐる 樺山翠 雨月 201903
恵方へと馬手と弓手に杖二本 鈴鹿呂仁 京鹿子 201903
朝寒やぽつんと残る夫の杖 吉田万喜子 雨月 201903
冬うらら立てたる杖の又倒る 永田万年青 六花 201904
湯気を噴き弾け三毬杖総くづれ 南うみを 風土 201904
着脹れて杖無用なるこの手足 加藤みき 201904
寒木瓜や初心者マークの松葉杖 大槻春美 201904
春うらら杖を頼りの町歩き 中村風信子 馬醉木 201904
分別や落葉溜りに杖預け 日置游魚 201905
初雪に卒寿の杖を濡らしけり 藤浦昭代 ホトトギス 201905
卒寿なほ露けきホ句の道へ杖 藤浦昭代 ホトトギス 201905
窓辺には頬杖そしてヒヤシンス 坪内稔典 船団 201906
孜孜と歩を進める杖や風光る 亀卦川菊枝 末黒野 201907
桜月夜ゆつくりゆるり杖の音 谷口律子 末黒野 201907
改元を更に杖とし木の芽風 植村蘇星 京鹿子 201907
梅雨の雷頬杖がくんとはづれけり コ田千鶴子 馬醉木 201907
黎伸ぶ婆の杖でも作らうか 甲州千草 201908
頬杖は詩を待つかたちあゐ浴衣 北川孝子 京鹿子 201909
杖となる母似の妹と豆ごはん 廣瀬克子 春燈 201909
頬杖を解く夕虹の立ちたれば 増成栗人 201909
杖代りの長柄の傘や古代蓮 田中臥石 末黒野 201909
杖縋る母へ傾く日傘かな 大庭美智代 末黒野 201910
亡き妻の杖そのままに星祭 工藤義夫 馬醉木 201910
雨傘の杖と変りぬ梅雨夕焼 菅野日出子 末黒野 201911
杖の歩にふるる愛しさ庭の百合 水田壽子 雨月 201911
仙人の杖より捻れ百日紅 廣畑育子 六花 201912
杖を手に色なき風に真向へり 松本幹雄 馬醉木 201912
満願の杖納めけり爽やかに 南光翠峰 馬醉木 201912
洋館の方杖堅固天高し 磯野青之里 六花 201912
やつとこさ茅の輪くぐりぬ杖二本 中島陽華 201912
花柄の忘れ杖ある平和祭 坂口晴子 201912
白杖へそつと手を添ふ秋小寒 中里昌江 末黒野 202001
頬杖をつき窓越しの居待月 中川幸恵 202001
白杖の人に肩貸す月の宵 廣畑育子 六花 202001
秋蝉の蕉翁の杖に鳴く 村上美智子 雨月 202001
杖引きて屈むわが影冬めける 片山喜久子 雨月 202002
花柄の忘れ杖ある平和祭 坂口晴子 202002
杖軽く菊の百花の女坂 水田壽子 雨月 202002
流木をモーセの杖に海開き 松尾龍之介 202002
敬老会傘立てに杖あふれをり 湯本実 やぶれ傘 202002
傘立てに杖立ててゐる寒見舞 瀬戸薫 風土 202002
目交に木の実時雨や杖の径 大内幸子 六花 202002
小春空杖の夫は父に似て 小原紀子 末黒野 202002
男木と女木銀杏匂ふ二人杖 伊吹之博 京鹿子 202003
頬杖と婦人公論冬薔薇 武智由紀子 202003
紅塵の外に杖突く花霞 佐藤喜孝 あを 202004
年越の鬼追ふ錫杖延暦寺 奥田茶々 風土 202004
錫杖の僧行く花の吹雪きけり 森岡正作 202006
確かめん如月の黄を杖ついて 林せり 船団 202006
春浅し何時取れるのか夫の杖 本郷美代子 やぶれ傘 202006
しばらくは頬杖雨のさくらかな 小倉征子 202007
大岩を廻るや怒濤遍路杖 有松洋子 202007
鍬の柄を杖にして聴く百千鳥 能村研三 202007
杖買うて確と歩まむ五月晴 種田利子 春燈 202008
鼻唄の爺杖つく柿の花 庄司久美子 202008
コロナ明け祝う杖どち花は葉に 平野無石 202009
白杖の人に手を添へ白丁花 東正則 末黒野 202009
亡き夫の杖朝顔の手にありぬ 田尻勝子 六花 202009
象徴の杖にまきつく蛇悲し 江島照美 202009
杖の歩やことごとく田の植ゑられて 高村令子 風土 202009
紫陽花の杖の音のみ遍路道 江口九星 202009
春なれば母の白杖鈴付けむ 天谷翔子 202010
青田風後押しさるる杖の径 大内幸子 六花 202010
梅東風に押されて杖の一歩づつ 大西乃子 202010
午後四時の散歩の杖の音極暑 岡田桃子 202011
門火焚く見覚えの杖そのままに 鈴木和江 202011
草の花指して名を挙ぐ歩行杖 田中臥石 末黒野 202011
あなかしこ秋巡礼もその杖も 栗坪和子 202012
杖なしに歩くリハビリ冬ぬくし 田中藤穂 あを 202101
結願の錫杖きよめ昼の虫 有賀昌子 やぶれ傘 202101
小春日や頬杖かへてパズル解く 鈴木愛子 202101
頬杖のペンを持ちたる秋思かな 森清堯 末黒野 202102
ひと枝を杖に山路や落葉道 大川畔美 末黒野 202103
穴倉の杖立温泉阿蘇近き 山田六甲 六花 202103
冬ぬくし土やはらかき杖の先 浜崎素粒子 ホトトギス 202104
杖突いて土手行く人や犬ふぐり 廣瀬雅男 やぶれ傘 202105
頬杖へ声うるませる春の鳩 村田あを衣 京鹿子 202105
啓蟄や杖を小脇に足ならし 大山夏子 202105
杖 →8      

 

2022年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。