4(キーワード)    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
遍路杖花かたくりに囲まれて 飯塚ゑ子 火星 200606
石段のまろき影踏み遍路杖 宮川迪夫 遠嶺 200606
杖音の行きつ戻りつ鳥曇 村越化石 200606
竹皮を脱ぐまで夫の頬杖は 山尾玉藻 火星 200606
惜春や杖もて探る松ぼくり 村越化石 200607
白樺と白杖を吹く風五月 村越化石 200607
杖は嫌されど藜の杖なれば 大橋敦子 雨月 200607
杖持つも万緑の中あゆみけり 助口弘子 火星 200608
己が名の杖たてかけて遍路宿 高橋さえ子 200608
頬杖は僻怠に艶に藤の昼 林美水流 河鹿 200608
花行脚など滅相な杖みがく 千坂千津恵 200608
花は葉に杖止めて買ふ走り餅 吉田多美 京鹿子 200608
頬杖のマチスの女金魚玉 中村恭子 200608
石と杖傍らにあり夏迎ふ 村越化石 200608
錫杖の音もくらやみ祭かな 吉原田鶴子 万象 200608
杖なしの老が先頭青葉坂 楯野正雄 200608
蕉翁の杖の動きぬ目借時 金子慶子 遠嶺 200608
杖先を押しかへしたる梅雨茸 山尾玉藻 火星 200609
白杖の人に手を添ふ青葉闇 林美智 ぐろっけ 200609
好日の蜻蛉を杖にとまらせて 村越化石 200609
杖といふ伴侶を得たり立葵 安達加寿子 200609
パナマ帽杖は小脇にエスコート 福島松子 ぐろっけ 200609
さくらんぼ山寺めざす杖借りる 大西八洲雄 万象 200610
蕉翁の杖曳きし道おもかげ草 佐々木恭子 遠嶺 200610
虹の端のもとへ近づく松葉杖 佐藤恭子 あを 200610
ほととぎす金剛杖は縮むばかり 柴田佐知子 200610
托鉢の僧の錫杖梅雨明くる 布村松景 春燈 200610
さびしげに田植見てをり杖の人 伊藤セキ 酸漿 200610
梅雨茸木の枝拾ひ杖とせり 大西八洲雄 万象 200610
貸杖を束ね祓ふも山開 友田直文 200610
八角は角とれ易く登山杖 後藤比奈夫 ホトトギス 200611
ロマンスシートに杖寝かせあり星月夜 浜口高子 火星 200611
冥王星の隠るる処暑や魔女の杖 延広禎一 200611
十六夜や天袋より仕込杖 田中藤穂 あを 200611
白杖や今年芒にまだ触れず 村越化石 200611
霧の湧き棒切杖に仙人めく 近藤きくえ 200611
茶屋に売る杖や草鞋や霧まみれ 加瀬美代子 200611
お遍路の杖足重き我の杖 上崎暮潮 ホトトギス 200612
杖の身を受け入れ難し草紅葉 苑実耶 200701
頬杖のわれにひらりと熱帯魚 有働亨 馬醉木 200701
妹も杖持ちそむる雁渡し 宮野照子 馬醉木 200702
柿紅葉芭蕉の杖の置きどころ 馬越幸子 ぐろっけ 200702
頬杖や音となりたる秋しぐれ 林田江美 馬醉木 200702
なつかしき杖と菅笠黄葉季 滝澤秀克 遠嶺 200702
頬杖をつき冬波を聴きゐたり 太田寛郎 200703
錫杖で割る御手洗の厚氷 齋部千里 ぐろっけ 200703
探梅行いつの間に皆枝の杖 久染康子 200703
杖の行く先に道あり恵方とす 村越化石 200703
杖の頭に顎のせ見たり初桜 藤江昭 万象句集 200703
初詣姉の目となり杖となり 永岡セツ 酸漿 200704
料峭や色美しき杖選び 青山悠 200704
初音すや白杖の歩のはたと止む 本藤みつ 200704
つくしんぼ出さうな日和杖と立ち 村越化石 200704
存分に杖にも踏ませ花の塵 丁野弘 200704
地虫出づ杖から伝ふ地の鼓動 鈴木多枝子 あを 200704
料峭の街に踏み出す松葉杖 竹内水穂 火星 200704
折り畳む杖をバックに桜狩 森山のりこ あを 200705
杖をつく母となりたり春の月 柴田佐知子 200705
松葉杖の肩に降りくる春の塵 竹内水穂 火星 200705
待春の磨き置かれて父の杖 峯桜子 遠嶺 200705
日脚伸ぶ転ばぬ先の杖をつき 苑実耶 200705
春落葉杖衝坂を喘ぎ行く 吉田郁子 風土 200705
春遅々と遅々と地を行く探り杖 村越化石 200706
美容院まで杖と五十歩風涼し 岩岡里子 春燈 200707
頬杖の遺影を埋め百合・桔梗 鷹羽狩行 200707
息災の杖が友なり青葉風 鈴木多枝子 あを 200707
句を杖に十五の年を花万朶 小沢克巳 遠嶺 200707
頬杖に春愁深き弥勒さま 森脇貞子 雨月 200707
行春や杖の歩みの馴れし友 山口天木 雨月 200707
手放せぬ杖となりけり暮の春 金子輝 春燈 200707
弟が杖ついてきし暑中見舞 堀内一郎 あを 200708
春の杖寸又峡まで試歩のばす 加藤富美子 200708
葉ざくらや同窓会の杖の数 長田曄子 火星 200708
新しき杖ついて来し牡丹かな 米澤光子 火星 200708
十薬や一期一会の杖先に 村越化石 200708
杖頼り少し歩めば日脚のぶ 吉田多美 京鹿子 200708
頬杖の桂郎に供花涼しかり 相沢有理子 風土 200708
身につけて亡父の伊達杖パナマ帽 北尾章郎 200708
春愁を笑ひとばして杖に佇つ 浅井青陽子 ホトトギス 200709
紫陽花の寺に遍路の杖置かれ 須賀敏子 あを 200709
杖となる覚悟を問ふや桐の花 永田歌子 遠嶺 200709
盲杖塚のうしろあやめの濃かりけり 浜口高子 火星 200709
片陰や姉の手にいま母の杖 佐藤いね子 馬醉木 200709
秋出水一茶杖曳く泪塚 櫻井白扇 春燈 200710
ステツキと杖との違ひ日雷 小野寺節子 風土 200710
頬杖をしばらくするに老鶯鳴く 木田秀子 200710
蛇捕りの杖傘立に挿し込まる 木場田秀俊 200710
太子様のお笠も杖も炎天下 芝宮須磨子 あを 200710
花車前草見ゐる頬杖長かりし 吉田島江 火星 200711
秋風に頬杖つけば無精ひげ 小林清之介 風土 200711
白き杖つきたる人の夏祓 生井慶子 万象 200711
杖ついて花に来給ふこころざし 竹下陶子 ホトトギス 200711
やすらひてさるとりの花杖にあぐ 中村若沙 ぐろっけ 200711
錫杖の鳴りをる足音五智清水 冨松寛子 200712
石段に杖置く祖父母七五三 中島玉五郎 200712
四阿の卓に頬杖水澄めり 田村園子 200712
杖欲しと思ふこの頃秋の風 佐藤淑子 雨月 200712
杖ついて花に来給ふこころざし 竹下陶子 ホトトギス 200712
白装束の杖をふれなば初桜 前田美恵子 200712
さはやかや空也の杖に鹿の角 篠田純子 あを 200712
草の絮ふはりと試歩の杖さそふ 内山花葉 200712
素十忌の杖止め蝉がまだゐたか 小林清之介 風土 200712
行く秋や「相生の杖」われに欲し 神蔵器 風土 200712
黎杖浅間の石をほたほたと 戸田和子 200712
冬うらら呼べばすぐ来る君の杖 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
黄落や我を支へて杖細る 神谷耕輔 200801
逡巡の頬杖捉ふいなびかり 白井友梨 馬醉木 200801
椅子席に杖もたせあり敷松葉 高松由利子 火星 200802
寒き朝老いし患者の杖の音 四條進 200802
これがまあ翁の杖や初しぐれ 嶋木勝次郎 遠嶺 200802
頬杖の視線に燃ゆる大文字 寺本妙子 200802
突き刺せる杖の先まで雪の音 ことり 六花 200802
相生の杖節ごとの秋思かな 間島あきら 風土 200802
冬ひでり椿の杖のかぼそくて 鳥居秀雄 200803
杖ひとつ買ひて戻りし初薬師 藤井昌治 200803
神渡しとびたつ紙片杖で止め 小島みつ代 200803
杖始いつもの松の根方まで 村越化石 200803
試行錯誤頬杖冷えて居たりけり 宮田豊子 春燈 200803
雲水の錫杖霜の声なりけり 秋場貞枝 春燈 200803
日脚伸ぶ肋骨折れし頬杖に 山田六甲 六花 200803
頬杖の二人、三人晩夏光 坪内稔典 稔典句集U 200804
凍解や魔法使ひは杖をつく 東亜未 あを 200804
山伏問答錫杖鳴らし春立ちぬ 乗光雅子 雨月 200804
薄氷に遊べる老いの杖の先 武田幸子 200805
洋傘を杖に散歩や鳥雲に 仁平則子 200805
新年会杖を忘れて戻りけり 高倉恵美子 200805
行く春や頬杖の眼遺影の眼 米山喜久子 200806
杖で指す向かひの山の夕桜 布村松景 春燈 200806
山桜峽に杖つく尉と姥 竹内悦子 200806
青き踏む杖に寄り添ふ盲導犬 森山のりこ あを 200806
句作りも倦むしばし頬杖目借時 鈴木多枝子 あを 200806
杖音もまたよからずや落葉踏む 上崎暮潮 ホトトギス 200806
禅杖一閃僧堂の目借時 相田和泉 春燈 200806
走り根につまづき歩む花見杖 鈴田道 春燈 200806
杖たよる花人となり神田川 岡田章子 ぐろっけ 200807
新しき杖に替へた日牡丹観る 森山のりこ あを 200807
初蝶のもつれて杖の先をゆく 岡野ひろ子 200807
杖許す限りの春を惜しみけり 金子輝 春燈 200807
杖とれて二歩が二十歩豆の花 宮島宏子 200807
療院まで日傘を杖にしてしまふ 渕上千津 200808
ぼうたんや杖一尺に畳まるる 城孝子 飛火野 200808
シックなる杖の老婆や夏ごろも 林翔 200809
暫らくは欄間に安置登山杖 佐藤山人 200809
錫杖の音孟宗の今年竹 小山徳夫 遠嶺 200809
裳階見上ぐ俄遍路の杖の音 和田政子 200809
葉櫻の影のゆらいで杖の径 古林田鶴子 ぐろっけ 200809
鉄線花や杖ついて知る他人の杖 秋葉雅治 200809
穂芒に触れてゆく人杖の人 村越化石 200810
樟若葉少年老いて杖の坂 加藤克 200810
童らの焼印さはに登山杖 小林碧郎 馬醉木 200810
雲の峰湧いて頬杖はづせない 井上菜摘子 京鹿子 200810
錫杖の音登りゆく青葉闇 山本雅子 馬醉木 200810
横風が来て倒しけり遍路杖 伊藤白潮 200811
試歩の杖伸ばすときめき小鳥来る 秋葉雅治 200811
杖なしで歩けて秋の歩と思ふ 林翔 200811
力杖抱けり露の野菜売 村越化石 200811
鈴付けて母の遺しし登山杖 柴崎甲武信 月日 200811
秋雨や頬杖つきて何もせず 早崎泰江 あを 200811
杖嫌ふ母の歩みや釣忍 小林朱夏 200811
杖を手に動かぬ男落し水 飯田ひでを 200811
人は頬杖牛は反芻天高し 千田敬 200811
カラフルな杖送らるる秋桜 森山のりこ あを 200811
背丈より高き杖つく秋遍路 宮崎左智子 200812
傘立に花柄の杖敬老日 上谷昌憲 200812
一杖の慈顔の媼落花生 遠藤実 あを 200812
杖抱いて風の音聞く秋遍路 木内美保子 六花 200812
コスモスや頬杖とかぬ塞の神 山下佳子 200901
頬杖と水平線の秋の窓 坪内稔典 船団 200901
立冬の牧に高鳴る叱り杖 峰幸子 200901
山もみぢ有象無象として杖を 伊藤希眸 京鹿子 200902
花柄の杖えらびけり冬小鳥 今城あき子 炎環 200902
草じらみ付け先を行く杖の父 坂場章子 200902
松葉杖椿の夜をたづねきし 山尾玉藻 火星 200903
山頂の佛都に印す冬の杖 峯桜子 遠嶺 200903
吾が杖の倒れし音す余寒なほ 宮崎左智子 200904
荒星や魔法の杖の避雷針 柿沼盟子 風土 200904
蓬生に杖引く影も和みけり 村上光子 馬醉木 200904
訪ふ寺のどこもずぶ濡れ遍路杖 柴田佐知子 200904
折りたたむ杖も旅の荷冬うらら 木内美保子 六花 200904
なにもかも頬杖で受け四日過ぐ 松本峰春 春燈 200904
下萌をたしかめみむと試歩の杖 服部珠子 雨月 200905
母の日や母の目となり杖となり 中島玉五郎 200905
すずしろの花に錫杖とまりたる 久津見風牛 200905
春昼や頬杖に載す顔一つ 天野みゆき 風土 200905
春浅し杖の残りし母の部屋 苑実耶 200905
松葉杖小脇に抱へ花堤 品川鈴子 ぐろっけ 200905
杖に身をあづけて青き踏みにけり 渡辺鶴来 春燈 200905
「弱法師」の杖の先なり臥龍梅 中村洋子 風土 200905
ステッキが杖となる日や桜蕊 水原春郎 馬酔木 200905
杖に笠重ねて遍路眠りけり 柴田佐知子 200906
秩父路に杖の鈴鳴るすみれ草 中田みなみ 200906
猫峠越えて春ゆく納め杖 青山悠 200907
昭和の日杖も帽子も入れ訣れ 数長藤代 200907
杖ついて父と母立つ春夕べ 柴田佐知子 200907
杖に幹凭せ桜の咲き満ちる 河崎尚子 火星 200907
道の端は青き奈落や遍路杖 柴田佐知子 200907
牡丹に雨傘差して杖立てて 須藤トモ子 200908
錫杖の擦れちがふ坂著莪の花 星井千恵子 遠嶺 200908
杖と言はずステッキと言ひ夏野かな 延広禎一 200908
千羽鶴万羽吊して遍路杖 田島洋子 200908
杖 →5

 

2022年9月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。