3(キーワード)    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一輪草杖ささくれて磨崖仏 渡辺君恵 帆船 200307
頬杖のためのてのひら泉殿 山田六甲 六花 200307
遍路杖に名を記し巡礼人となる 近藤豊子 雨月 200307
入社式杖の青年並びをり 山荘慶子 あを 200307
杖もたぬ人もまじりて遍路衆 桑島啓司 200307
踏青の力杖突く第一歩 葛馬房夫 雨月 200307
玄関に一本の杖さくら待つ 中島伊智子 酸漿 200307
白日傘杖ともなして磴のぼる 重森健吉 築港 200308
空海の突きし杖より山桜 近藤幸三郎 風土 200308
半夏生杖の丈より草の丈 村越化石 200308
予後の春杖つく人に追い抜かれ 賀山秀子 ぐろっけ 200308
安寧の杖持つ母や更衣 加藤峰子 200308
朝靄に鈴の音で発つ遍路杖 吉田多美 京鹿子 200309
雲の峰空海の杖近づけり 神蔵器 風土 200309
磨り減るも頼りとなりぬ登山杖 二村蘭秋 雨月 200310
錫杖の鈴音が抜く紫陽花道 三井孝子 六花 200310
おのが突く杖音に涼新たなり 村越化石 200310
頬杖のまま電話する半夏かな 大村孝 百鳥 200310
咲くともなく咲く昼顔へ杖運ぶ 村越化石 200310
このごろは杖も身のうち鰯雲 関口ゆき あを 200311
頬杖や遺影の夫と夜の秋 成川和子 200311
蝉しぐれ賽銭箱に杖あづけ 藤森万里子 百鳥 200311
焼印に岳の香浮かぶ登山杖 小池星児 ホトトギス 200311
ほほ杖を解くも解かぬも夜の秋 三浦永子 京鹿子 200312
秋深く杖も佇むことをせり 村越化石 200312
傘立が杖で溢るる文化の日 斎藤和江 帆船 200312
小春日の花柄杖とひ孫かな 福西政子 200312
合掌家炉守り老爺の座敷杖 能村研三 200401
けふ秋思きのふは自憤松葉杖 井上信子 200401
色鳥や桟橋をゆく白き杖 山下繁子 河鹿 200401
朝涼や石塀小路の父の杖 徳田干鶴子 馬醉木 200401
紅葉狩一と日を母の杖となり 市川十二代 ぐろっけ 200401
秋澄むや杖の先から峠まで 村越化石 200401
沙羅紅葉錫杖立てて大師像 花岡豊香 酸漿 200402
藜杖曳きて小春の幣振坂 築城百々平 馬醉木 200402
燈火親しルーペは老いの杖となり 沼口蓬風 河鹿 200402
一本のこの杖と居て年惜しむ 村越化石 200402
日向ぼこしてゐる杖と吾と影 村越化石 200403
枯大地一杖を抱く吾が居り 村越化石 200403
木の葉降る大往生の人の杖 与川やよい 遠嶺 200403
そぞろ寒愛用の杖持ち去られ 先山実子 ぐろっけ 200403
冬麗の囲む翁の忘れ杖 小澤克己 遠嶺 200403
一本の杖僧堂のふゆともし 永田哲心 遠嶺 200403
打杖を手にシテの舞ふ節替り 朝妻力 雲の峰 200403
松葉杖の三歩が遠し冬の廊 高橋道子 200404
杖の母見守る介護始かな 櫻井幹郎 百鳥 200404
二本杖すがつて渡る凍てし道 辻川錫子 築港 200404
日脚伸び齢も伸びて吾に杖 村越化石 200404
転ばぬ先の杖となる児か敬老日 物江晴子 八千草 200404
初鴎杖となしたる一流木 淵脇護 河鹿 200404
杖突きつハミングしつつ年用意 花房敏 ぐろっけ 200404
カプチーノ春は頬杖折れ易く 安達実生子 200405
花柄の杖もつ老母の日向ぼこ 四戸和彦 八千草 200405
春めくと思ひつつ撫づ杖頭 村越化石 200405
拭ひたる金剛杖の春の泥 近藤きくえ 200405
花に会ふも戦友会へ杖引く人 松崎鉄之介 200406
カプチーノ春は頬杖折れ易く 安達実生子 馬醉木 200406
杖突きて寒も日毎に庭を掃く 花房敏 ぐろっけ 200406
山笑ふをりをり杖を横抱へ 大橋敦子 雨月 200406
杖の先さほどちびずにバス遍路 星加克己 ぐろっけ 200406
杖曳けり花に一会のおもひして 木村風師 馬醉木 200406
頬杖の夢二の乙女春愁 藤見佳楠子 200407
朝ざくら杖あたらしき試歩の庭 中村碧泉 ぐろっけ 200407
杖をひき車椅子押し花見かな 沼田蓬風 河鹿 200407
頬白へ杖を突かずに近寄りぬ 淺場英彦 万象 200407
花の坂おもひの先を杖が行く 木村風師 馬醉木 200407
登山杖またしても子に待たれゐる 田所節子 200408
涼風の中行く誰の杖音か 村越化石 200408
十薬や杖手放せぬ母とゐて 川合八重子 酸漿 200408
補聴器も杖も拒めり五月病 大塚まや 京鹿子 200408
瀧に会ふための坂道杖かろし 佐藤恭子 あを 200409
十一や甕に備への登城杖 鷹羽狩行 200409
坂の町杖を止むれば薔薇香る 林翔 馬醉木 200409
スマートな杖欲しくあり秋風に 藤田あけ烏 草の花 200409
青嵐や身よりはなさぬあかざ杖 加藤君子 火星 200409
杖おきて土用のうなぎ食べにけり 長田曄子 火星 200410
樹海に咲く錫杖草と富士薊 吉成美代子 あを 200410
梅雨晴れに心ゆるさず傘を杖 岩崎憲二 京鹿子 200410
半夏生主治医杖とも柱とも 的場うめ子 ぐろっけ 200410
今朝の杖いづこへ曳かん赤蜻蛉 野崎たか志 築港 200410
森の秋去年のままに錫杖草 吉成美代子 あを 200410
登山杖上げて一振り出発す 岡田有峰 築港 200410
錫杖の音の目指せる雲の峰 中山勢都子 200411
発心の杖に焼印秋薊 卜部黎子 春燈 200411
杖ついて廊を歩みぬ梅雨の星 山田耕子 京鹿子 200411
杖を引き花野をわけて立ちつくす 山田清香 酸漿 200411
杖を抱くわが晩年や雁渡し 村越化石 200411
藜伸ぶ天に至れる杖を得ん 内藤ゑつ ゑつ 200411
この朝を花野に杖と来て居たり 村越化石 200411
茶髪の人杖を持つ人墓まゐり 鈴木多枝子 あを 200411
雨傘を杖に日傘に秋彼岸 江崎成則 200412
青葉下集まる杖が日毎増し 藤澤希宗子 ぐろっけ 200412
雁渡る野を錫杖の二三人 小澤克己 遠嶺 200412
秋暑し杖を忘れてもどりけり 今井松子 遠嶺 200412
身に入むも杖を抱ふるほかはなし 村越化石 200412
草もみぢ杖から先に出る一歩 宇都宮滴水 京鹿子 200412
霜の夜や厨通ひの妣の杖 笹原紀世子 200501
湯の町に杖捨つる橋冬紅葉 森木久美 雲の峰 200501
菊を見に杖持つことに不馴れの身 二村蘭秋 雨月 200501
名月や発心の杖もち歩く 沼田巴字 京鹿子 200501
冬晴れは俳句の季題杖を振る 佐藤彰 築港 200501
秋暮るる媼の杖を曳ける先 谷村祐治 雨月 200502
人杖に問ひつつ冬の吟行に 前田雅章 雲の峰 200502
万両に巡礼の杖休めあり 戸栗末廣 火星 200502
杖ついて坂道登る龍の玉 植木戴子 200502
門に経金剛杖の足袋まつ白 長崎桂子 あを 200502
白杖の前を犬行く枯木立 横森みゆき 雲の峰 200502
虚栗叩いてゆきし遍路杖 青山悠 200502
杖つき来てとくと戴く大根焚 佐脇葭紅 築港 200502
三毬杖終へ砂まみれなる道祖神 松崎鉄之介 200503
三毬杖の海で浄める道祖神 松崎鉄之介 200503
頬杖の羅漢に冬日届きけり 鎌倉喜久恵 あを 200503
そぞろ寒愛用の杖持ち去られ 先山実子 ぐろっけ 200503
紅葉狩桜の枝を杖として 滝本香世 百鳥 200503
錫杖を突くたび殖ゆる冬の星 中尾公彦 200503
庭梅の杖の先なる返り花 岡田佳世子 栴檀 200503
放下して杖固くもち雪浅間 岩上とし子 200503
拭ききよめ杖とその影初明り 中山純子 万象 200503
波郷忌に遅し片減る波郷杖 伊藤早苗 200503
花柄の杖つく友と日脚伸ぶ 柿沼盟子 風土 200504
発起せり一笠一杖雲に鳥 伊藤白潮 200504
おぼろ闇魔法使ひの杖さがす 宇都宮滴水 京鹿子 200504
ダイヤモンドダスト生まるる杖ひと振り 川越勢津子 200504
忸怩たり杖ついて炊く福沸 園多佳女 雨月 200504
春が来る地に杖と立ち影と立つ 村越化石 200504
白杖の倒れし先の余寒かな 佐々木悦子 帆船 200504
節分の戸口に己が杖立たす 村越化石 200504
初めての杖振つてみる秋桜 滝青佳 ホトトギス 200504
これよりは一人きりや遍路杖 須佐薫子 帆船 200505
支へ木を杖に枕に老桜 鷹羽狩行 200505
雪の日の出番なかりし母の杖 石啓子 築港 200505
春暁のくらがりにあり母の杖 大山文子 火星 200505
石突のささくれだちて遍路杖 奥田弦鬼 風土 200506
風渡り今日結願の遍路杖 水原春郎 馬醉木 200506
野焼守杖に凭れてをりにけり 小山國雄 百鳥 200506
ぜんまいはコロポックルの忘れ杖 辻田明 200506
花の下杖を忘れて来たりけり 大塚のぼる 火星 200506
春風やみな竹の杖持たされて 城孝子 火星 200506
冬麗の寺に翁の忘れ杖 小澤克己 雪舟 200506
雲雀野に杖あることをふと忘る 井上春子 春燈 200507
白杖の立て掛けてあり花の宴 大和あい子 百鳥 200507
行く春に杖の歩みの追ひつけず 井上春子 春燈 200507
切株に父の杖あり草萌ゆる 横尾恵子 200507
花明り坂をふたりの白き杖 吉田邦幸 遠嶺 200507
リハビリの杖に舞ひ来る桜かな 大谷美保子 栴檀 200508
翁の杖拝し近江の春惜む 森脇貞子 雨月 200508
杖に手を重ね暮春の塔仰ぐ 園多佳女 雨月 200508
濃あぢさゐぎこちなく漕ぐ松葉杖 淵脇護 河鹿 200508
夏深き床の間に置く黎杖 辻恵美子 栴檀 200508
比良八講御練の座主の杖確と 宮崎正 ホトトギス 200508
ひと叢のげんげや試歩の杖止めて 松田有伽 河鹿 200508
すれ違ふときみどりさす遍路杖 丸山照子 火星 200509
分身の杖も古りたり夕焼す 吉田多美 京鹿子 200509
菖蒲園杖持ち替へて持ちかへて 千坂美津恵 200509
翁堂旅杖涼しく置かれをり 梅村五月 栴檀 200509
杖をつく吾を躱して夏つばめ 長志げを 遠嶺 200509
薄暑かな五条を行きし錫の杖 大槻球子 遠嶺 200509
文字摺草ありし辺りへ杖運ぶ 村越化石 200509
花蜜柑杖の憧る大師道 禰寝瓶史 京鹿子 200509
杖束ねあり汗臭し人臭し 伊藤佳代 対岸 200509
心して杖と越えたる茅の輪かな 園多佳女 雨月 200510
右脚と杖が支への百合の花 野口敏夫 対岸 200510
金剛の杖欲しくなる飛瀑かな 鳴海清美 六花 200511
のうぜんの昼を母来る杖の音 師岡洋子 ぐろっけ 200511
一杖に託す歩みや鰯雲 坂路照子 築港 200511
行楽の杖の仲間や秋日和 村越化石 200511
露けしや両手に杖の谷汲山 辻恵美子 栴檀 200511
峰霧や杖の鈴音はるかより 清原彰子 河鹿 200512
鬱の杖一ト振り倒す曼珠沙華 三浦如水 ぐろっけ 200512
我が身の影杖の影秋深みかも 大橋敦子 雨月 200512
杖もちて芒原から花野から 佐藤恭子 あを 200601
冬ぬくし杖二人の路地を占む 赤座典子 あを 200601
貸杖に息はづませて秋遍路 芝生南天 河鹿 200601
一爆は錫杖に似て秋の山 堀口希望 200601
杖ついて母のお出まし秋の薔薇 三輪慶子 ぐろっけ 200602
揺れながら杖で指したる石蕗の花 三輪慶子 ぐろっけ 200602
杖がつつきて環濠の辺の烏瓜 伊藤多恵子 火星 200602
小春日や通院の傘杖代り 中上照代 火星 200602
頬杖を突ける天使と冬の薔薇 宮津昭彦 200602
細き杖芭蕉巡りし湖は秋 中尾廣美 ぐろっけ 200602
雪に刺し並べて登山杖を売る 迫田白庭子 百鳥 200603
煤逃げのリユックはみ出す杖の首 福山悦子 200603
頬杖を春待つ童子に担がれし 丸山冬鳳 京鹿子 200603
花椿蕉翁の杖なぞ細き 高橋大三 ぐろっけ 200603
杖ついて二月礼者の来りませ 中山純子 万象 200604
応へ出ぬ頬杖を解き春浅し 大橋敦子 雨月 200604
持ち慣れし杖の手光り春隣 植竹惇江 春燈 200604
雑草園藜の杖を育てをり 山日青邨 ぐろっけ 200605
杖で指し蒿雀の雛と教はりぬ 鈴木ひろ子 200605
彼岸雪わが分身の杖濡らす 村越化石 200605
杖となる藜に石を落す山 宇佐美魚目 ぐろっけ 200605
杖つきて仰ぎ見るかな朧月 藤原浩 栴檀 200605
錫杖を置くや貽貝の息づかひ 延広禎一 200605
いづれかが杖となるらん青き踏む 横田初美 春燈 200605
去年今年なき随身の杖と笠 辻是心 ホトトギス 200605
春日和婆が杖とす押車 鈴木多枝子 あを 200605
押入れに夫の杖ある春の雪 浜口高子 火星 200605
先達の朱き錫杖竹煮草 冨松寛子 200606
降れば傘小止めば杖の春時雨 園田その子 河鹿 200606
立ち止まるとき垂直の遍路杖 柴田佐知子 200606
杖 →4

 

2022年9月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。