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作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏青の目となり杖となる夫人 山本瓜塔 円虹 199806
いちはつや聞き覚えたる杖の音 櫻岡素子 摩天楼 199806
お大師の杖を這ひゐる寄居虫かな 城孝子 火星 199806
満願の杖納めたる花の下 岡部名保子 馬醉木 199806
白杖に道尋ねられ春の雪 二瓶邦枝 遠嶺 199806
卯月野や杖先に土ついてをり 竹内悦子 199808
頬杖をして遠く見てソーダ水 松岡隆子 199810
杖をひく軟骨いずれ寂寞と 林田紀音夫 海程 199810
鈴の鳴る杖を力に夏遍路 鷹羽狩行 199810
突く杖を汗が握ってをりにけり 粟津松彩子 ホトトギス 199811
梨狩に加はり杖を手放さず 大西八洲雄 春耕 199901
鵙晴や手慣れし父の杖使ひ 能村研三 199901
枯芝の日射しに杖の身を立たす 村越化石 199902
全快の杖下萌の地に下ろす 小川匠太郎 199902
杖突いて吾も弱法師秋風裡 粟津松彩子 ホトトギス 199903
ほほ杖が沖にこぎ出す春机 日吉わたる 船団 199903
春を待つ大地の力吾に杖 村越化石 199904
足音と杖音行ける涅槃かな 村越化石 199904
日向ぼこ曳き来し杖を横たへて 大橋宵火 雨月 199904
手足より確かなものに遍路杖 鷹羽狩行 199904
錫杖を取り落したる寒さかな 野口光江 遠嶺 199905
春風の宙返りせり杖の先 村越化石 199905
駅春寒白杖を立て誰かを待つ 藤田宏 199905
頬杖の視界に出入りして鶲 柴田良二 雨月 199905
六日の杖心斎橋へお買物 児玉硝子 ヒッポ千番地 199905
杖ついて見上げるばかり富士詣 吉岡世志子 船団 199906
杖の句を己に残し春は逝く 村越化石 199906
岩山に突きてささらの遍路杖 品川鈴子 ぐろっけ 199906
歩の揃ふ杖曳く老と若葉蔭 石川風女 円虹 199906
送る身の杖を片手や名残雪 村越化石 199906
花の山に大錫杖を抱きをり 竹内悦子 199907
白杖にも葉桜の風颯々と 村越化石 199907
杖つきて此処に逢ひ得し初桜 藤松遊子 ホトトギス 199908
面輪揺る大師杖より噴きし井に 品川鈴子 ぐろっけ 199908
杖立たすここを終の地遠郭公 村越化石 199908
頬杖に預けて春の愁ひかな 平万紀子 199908
錫杖と軒の風鈴ひびき合ふ 品川鈴子 ぐろっけ 199908
父の杖か小満の闇に倒れしは 小高桂子 海程 199908
葉ざくらや試歩許されし杖の影 渡辺機染 199908
杖を手に仰げばあらむ雲の峰 村越化石 199909
屈託の杖の重たき濃紫陽花 福島鶴代 ぐろっけ 199909
ひるがえるコートに二本松葉杖 日吉わたる 船団 199909
片蔭を行くに確かな杖の音 村越化石 199909
わが杖の行く手にありぬ沙羅双樹 村越化石 199909
花水木再起の杖の光るかな 三池泉 船団 199909
先立てて杖つき來るか白藏は 中原道夫 銀化 199910
天高く直路直歩の杖弾む 田口泡水 風土 199910
若布刈鉄杖に磯窪跳び歩く 鈴木夢亭 塩屋崎 199910
遠花火戸口に杖と立つて居り 村越化石 199910
杖突を越えアルプスの雲の峰 三澤福泉 俳句通信 199910
木の芽時歩けと杖を贈らるる 能村登四郎 芒種 199911
天涯の鞍馬に残る祭かな 岡田ン太雄 雨月 199912
鞍馬祭参道は火の海となる 岡田ン太雄 雨月 199912
月あげて鞍馬火祭たけなはに 岡田ン太雄 雨月 199912
燦々と鞍馬火祭駈け巡る 岡田ン太雄 雨月 199912
火祭の炎鞍馬の空焦がす 小石秀子 酸漿 200401
火祭は鞍馬の天狗煽る火か 小石秀子 酸漿 200401
火祭や水たうたうと鞍馬川 小石秀子 酸漿 200401
火祭やかつて鞍馬の修験道 小石秀子 酸漿 200401
框まで闇あり鞍馬祭かな 飯塚ゑ子 火星 200401
とつくりも甲斐性も松明まつ鞍馬祭 林いづみ 風土 200601
鞍馬火祭老いの二の足踏みにけり 市川玲子 春燈 200612
鞍馬なる夜空を焦がす火の祭 中川すみ子 200812
火祭のために暮れゆく鞍馬かな 藤井啓子 ホトトギス 201003
火祭の鞍馬の里灯川沿ひに 廣畑忠明 火星 201301
火祭の鞍馬の夜を焦しつつ 後藤立夫 ホトトギス 201603
墳墓まで汗の杖突く百雁木 秋葉雅治 199911
木下闇罅が杖めく磨崖仏 岡本明子 ぐろっけ 199911
青栗の落ちても見せよ杖の先 村越化石 199911
露の畦歩みて杖を濡らしけり 白鳥婦じゑ 酸漿 199912
錫杖は水の音曳き大花野 佐々木峻 船団 199912
そぞろ寒そぞろ歩きの杖片手 村越化石 199912
時の日に頬杖をつく男の子 わたなべじゅんこ 船団 199912
落葉して落葉と遊ぶおのが杖 村越化石 200001
試歩なれや借りてもみたき遍路杖 河口仁志 200001
百舌鳥猛ける杖を頼りの散歩道 中村祭生 ぐろっけ 200001
一本の杖と二人や年歩む 村越化石 200002
錫杖のふと鳴る鐘も暮れの秋 小澤克己 遠嶺 200002
まなうらに露けき杖とベレー帽 大槻右城 ホトトギス 200002
探梅の夢を見る杖杖立に 村越化石 200003
杖のゆく方へ吾ゆく恵方かな 村越化石 200003
杖の歩のわれにつき来よ夕笹子 村越化石 200003
錫杖の過ぎたるあとの蟻の道 立石萌木 雨月 200003
時の日の頬杖をつく男の子 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
松過の石段しかと遍路杖 深見けん二 円虹 200003
頬杖ついてあの世の友となりにけり 三宅やよい 玩具帳 200004
この杖を握れば力涅槃雪 村越化石 200004
白地図に頬杖ついて女正月 嵯峨根鈴子 火星 200005
杖の人杖の人ゆく梅林へ 高橋邦夫 風土 200005
頬杖の手は鰓になりゆく秋思 塩見恵介 虹の種 200005
白い杖と行けるあたりの毒草枯れ 山田緑光 海程 200005
杖を打たれて余所行きの木となれり 藤井圀彦 200005
坂に来て傘は杖なる花の雨 林翔 200006
轉ばぬ先の藜の杖やしなふ 中原道夫 銀化 200006
人生を男の頬杖流れぬ驛 島津亮 海程 200006
頬杖に置く春愁といふ重さ 鷹羽狩行 200006
杖をもて遠く辿れば金鳳花 望月美子 遠嶺 200006
杖伴れて花に酔はむと花の下 村越化石 200006
春の野に藜の杖の立つてをり 高橋将夫 200006
杖ついて見に出るおぼろ月夜かな 中村祭生 ぐろっけ 200007
幹撫でて残花を惜しむ杖仲間 村越化石 200007
しかと杖突きうち仰ぐ糸ざくら 大橋宵火 円虹 200007
頬杖の支へはづれて昼寝覚 鷹羽狩行 200007
白杖や鳧に泣かれて深入りす 宇都宮滴水 京鹿子 200007
さぐりゆく杖先の草芳しき 村越化石 200008
ほととぎす杖の供養を杖仲間 村越化石 200008
葉桜や杖休ませる史跡園 山本潤子 いろり 200008
走り茶の接待もあり杖供養 村越化石 200008
難所では杖にて遍路引き上げる 永野秀峰 ぐろっけ 200008
杖供養明日に控へて更衣 村越化石 200008
乱菊やひとおもうときの頬杖 廣嶋美恵子 船団 200008
風鈴を標鈴とす杖の歩よ 村越化石 200009
亡父の杖いまも艶やか父の日よ 柳沢杏 酸漿 200009
竹杖を借り菖蒲田へ下りにけり 大堀鶴侶 雨月 200009
夏至の日の用持たざるも杖持ちて 村越化石 200009
空海の杖の止まりし蟻地獄 中原道夫 銀化 200009
向日葵を打ち打つ杖の男かな 桑田真佐子 200010
雨乞の淵の錫杖鳴りにけり 栗栖恵通子 200010
緑蔭に杖なげ出して無口なる 大井邦子 ぐろっけ 200010
白杖を伴れてこの身の今朝の秋 村越化石 200010
峰入や闇を錫杖つなぎゆく 西田円史 円虹 200010
杖ついて月の畳に佇ち在せる 山尾玉藻 火星 200010
春深し頬杖とけぬ乙女像 牛田修嗣 200010
夕立中金剛杖はたぢろがず 西田円史 円虹 200010
杖をひく父がさし出す葡萄かな 松沢久子 いろり 200010
鳳仙花月山講の突きし杖 皆川盤水 春耕 200010
さやけしや義仲寺に見る翁杖 中御門あや 俳句通信 200011
炎天の影曳きてゆく遍路杖 石本百合子 馬醉木 200011
頬杖をつく水無月という谷間 立岩利夫 海程 200011
秋天を仰がむと杖とどめけり 村越化石 200012
あかざ杖敬老の日に贈りやる 秋山義彦 酸漿 200012
錫杖で分け入る暖簾秋遍路 登嶋弘信 春耕 200012
杖ついて月の畳に佇ち存せる 山尾玉藻 火星 200012
杖抱けば夜闇したしく虫親し 木村風師 馬醉木 200101
杖信じ妻信じ月の枯野道 木村風師 馬醉木 200101
杖片手名残の虫を聞かむとす 村越化石 200101
どこ行くも雪沓と杖夢の中 後藤房枝 200101
一杖の支ふわが影日脚伸ぶ 木村風師 馬醉木 200101
¥頬杖に昼を眠れり福寿草 岡本眸 200101
一歩二歩三歩にとどむ杖始め 後藤房枝 200101
綿虫や杖のお供の待ち合せ 斉藤静枝 あを 200101
金剛杖くぐる山門冬椿 邑橋淑子 遠嶺 200102
冬樫山に杖曳くおかげ晴れ 田中矢水 遠嶺 200102
杖ひいて湖北時雨や島詣 石神芳枝 ぐろっけ 200102
去年今年変らぬ杖の置きどころ 村越化石 200103
凩の音の中ゆく老の杖 山内年日子 ホトトギス 200103
わが杖の大地の秋を突き歩く 粟津松彩子 ホトトギス 200103
杖と云ふ厄介なもの春寒し 後藤志づ あを 200103
森の道恋うて頼杖冬日向 土岐明子 遠嶺 200104
野に遊ぶ何処かに杖を置き忘れ 品川鈴子 船出 200104
紅梅へしばし杖置く母の試歩 岩村節子 200104
沈丁に寄る白杖を手放さず 藤田宏 200104
頬杖を解き春一番と云ふべかり 後藤志づ あを 200104
右手に杖左手蕗の薹を摘む 金子皆子 海程 200105
春寒し家の廊下を杖ついて 浮田胤子 ぐろっけ 200105
この杖を信じて歩む鳥曇 村越化石 200105
陽炎をいくつ抜け来し母の杖 赤川孝子 200105
啓蟄の杖立に杖出を待てり 村越化石 200105
頬杖の子にやほうたる舞ひ来たる 中村裕子 200106
長閑けさの杖持て石を小突くなり 村越化石 200106
杖ありてこその歩みの遅日なる 村越化石 200106
満願の寺に積まるる遍路杖 岡和絵 火星 200106
頬杖の眉こそばゆく蝶々過ぐ 蔵持柚 銀化 200106
桜杖労り合うて姉妹 河合笑子 あを 200106
葉櫻や杖つく友と立ばなし 久保田一豊 いろり 200107
噛むやうに牛乳飲んで遍路杖 鈴木順子 京鹿子 200107
貝割菜頬杖ついてゐるやうな 高橋とも子 200107
手拡げなば杖なき盲春の闇 林翔 200107
杖欲しと思ふ深山の山桜 吉原一暁 200107
錫杖を振つてまくなぎ払ひをり 深川知子 春耕 200107
惜春の杖を返しぬ如意輪寺 山田弘子 円虹 200107
芽柳の影を少年松葉杖 玉川悠 遠嶺 200107
青梅雨をよしと白杖たづさへり 村越化石 200108
細き傘杖のかわりに螢見に 久保田一豊 いろり 200108
錫杖の音ひびかせて峰入す 前阪洋子 俳句通信 200108
十年やわが杖蛇を待ちながら 木曽岳風子 六花 200109
御嶽や金剛杖の鈴涼し 須賀敏子 あを 200109
芽木を杖の静御前を髣髴と 栗林千津 船団 200109
小春凪ぎ杖添ふ歩みいつよりか 能村登四郎 羽化 200110
持ちし杖使はず提げて遅ざくら 能村登四郎 羽化 200110
弘法の「杖つき清水」吾も飲む 永野秀峰 ぐろっけ 200110
雲海や修験者の杖みだれなき 藤田誉子 雨月 200110
野遊びや杖といふもの未だ持たず 能村登四郎 羽化 200110
頬杖の前を穀象よぎりけり 玉川悠 遠嶺 200110
いざ高きに登らむか先づ杖を撫し 林翔 馬醉木 200111
講宿に束ねし杖や竹の春 皆川盤水 春耕 200111
杖は賞で藜は花を見しことなし 後藤比奈夫 ホトトギス 200111
満願へ杖すりへらす秋遍路 大橋克巳 俳句通信 200111
天高し野地蔵も杖身に添はす 村越化石 200111
こほろぎの宴の庭に杖と佇つ 村越化石 200111
野菊晴杖ひく兄のあとにつく 旦昭三 俳句通信 200111
髭欲しや藜の杖を突くからは 後藤比奈夫 ホトトギス 200111
杖音と杖音出会ひ秋彼岸 村越化石 200112
杖ならぬステッキを突きいわし雲 達山丁字 200112
峠より錫杖の音暮の秋 佳藤木まさ女 春耕 200112
大西日背負い切れずに杖をつく 山田緑光 海程 200112
廊の試歩杖にすがらず梅雨明くる 渡辺純 京鹿子 200112
戯るる穂草に杖を差し出せり 村越化石 200112
松葉杖ねかせて森の水澄めり 杉浦典子 火星 200112
頬杖の外れ覚めたる夜の長し 恩田甲 百鳥 200112
赤とんぼ杖にとまりて吾を見る 浮田胤子 ぐろっけ 200112
杖 →2      

 

2022年9月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。