つづれさせ 1       100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
つづれさせ鳴けり古里母は亡し 中川濱子 ぐろっけ 199910
読み進むカタカナ辞典つづれさせ 辻のぶ子 俳句通信 199912
塩蔵に叺積みありつづれさせ 斉藤小夜 風土 199912
つづれさせ板戸の重き鴫立庵 大川泉舟 200101
さはりだけ繰り返したるつづれさせ 中原道夫 銀化 200110
真夜覚めて妣に逢ふ夢つづれさせ 藤原たかを 馬醉木 200112
消さである法燈にきしつづれさせ 野口香葉 遠嶺 200112
寂びいろの百の去り状つづれさせ 近藤暁代 馬醉木 200112
眠りへの薬一粒つづれさせ 宮脇ちづる 200112
屍押す長廊つづれさせかぼそ 大橋宵火 雨月 200201
つづれさせ針を遠のくをみなの手 佐藤淑子 雨月 200202
妻看とる高階つづれさせ不思議 大橋宵火 ホトトギス 200202
ひそみ音にはじまる民話つづれさせ 峰岸よし子 200202
御句碑の夜伽と聞くもつづれさせ 藤浦昭代 ホトトギス 200209
枕辺に眼鏡をはづしつづれさせ 太田寛郎 200209
風折れの草に日の射すつづれさせ 松原ふみ子 200212
つづれさせ母の帷子袈裟にする 柴田朱美 京鹿子 200302
小糠雨とまと畑につづれさせ 佐藤喜孝 あを 200310
つづれさせ友追悼の筆擱けば 辰巳比呂史 200402
余呉の湖つづれさせてふ夜鍋かな 長村雄作 栴檀 200411
闘鶏の籠重ねありつづれさせ 藤田輝枝 対岸 200411
母の声日暮早まるつづれさせ 長崎桂子 あを 200411
藍の香の沁みる三和土やつづれさせ 橋添やよひ 風土 200412
独り身のわが家住ひのつづれさせ 島すが子 200412
地球水にほころび易きつづれさせ 安藤しおん 200511
つづれさせ丸木の橋の下あたり 荻野みゆき 対岸 200511
明日は去ぬウィーンの夜のつづれさせ 落合絹代 雨月 200512
事もあろうに戸が潰すつづれさせ 谷岡尚美 200512
忘れ鎌声をつなぎてつづれさせ 宇佐美ゆき 酸漿 200602
ほころびし履より顔出すつづれさせ 物江晴子 八千草 200604
夕刊に重ねおく文つづれさせ 前田貴美子 万象 200610
つづれさせ久しく持たぬ針と糸 金田きみ子 200612
自在なるものに手枕つづれさせ 宮脇ちづる 200612
伽羅御所跡柳の御所跡つづれさせ 林いづみ 風土 200701
白井権八ごんぱちのゐさうな祠つづれさせ 柴田久子 風土 200701
軍歌には短調多しつづれさせ 千坂美津恵 200701
ぼた餅に角のごときがつづれさせ 百瀬七生子 海光 200705
つづれさせ肘のべとつく油照り 宝玉トシ子 200710
やかなけり使はずと決めつづれさせ 堀内一郎 あを 200710
寝返りのわが身重たしつづれさせ 林翔 200712
旅果ての仮の宿なりつづれさせ 東郷すみ江 万象 200712
下駄箱の四角の闇やつづれさせ 関根洋子 風土 200712
入院を待つや夜毎のつづれさせ 佐藤淑子 雨月 200712
切支丹燈籠が寺につづれさせ 白数康弘 火星 200809
つづれさせ雨思ひ切り降りしのち 藤井美晴 やぶれ傘 200810
つづれさせ汝も眠れぬか鳴き徹す 勝野薫 ぐろっけ 200812
つづれさせひと匙づつの看取かな 篠田純子 あを 200812
つづれさせか細き声のよもすがら 坊野貴代美 ぐろっけ 200812
つづれさせ闇彩つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
親ひとりなくなす節目つづれさせ 縄文人 炎環 200912
たはやすく死は近づくよつづれさせ 木下もと子 200912
遠き日のデートの川辺つづれさせ 刈米育子 200912
聞きなしや糸刺せ針刺せつづれさせ 大森道生 春燈 201001
悲話残る秘境に泊つるつづれさせ 澤田澄子 末黒野 201001
つづれさせメリケン波止場跡に立ち 渡邊孝彦 やぶれ傘 201002
消息のそれきり絶えてつづれさせ 小川匠太郎 201009
城門へ続く地下道つづれさせ 渡邉美保 火星 201011
何処より来しか厨につづれさせ 三川美代子 201012
つづれさせ夜半に時化てくるといふ 定梶じょう あを 201111
つづれさせ街灯の列とほくまで 藤井美晴 やぶれ傘 201112
つづれさせあひおひばしはふたつ橋 佐藤喜孝 あを 201112
つづれさせ筬の音無きゐざり機 海野みち子 万象 201201
律儀なる文字の文なりつづれさせ 工藤ミネ子 風土 201211
熱高き折の夜伽のつづれさせ 林いづみ 風土 201211
敦盛を祀る小島やつづれさせ 南奉栄蓮 風土 201211
つづれさせ和綴ぢの本のくたびれやう 川上久美 ろんど 201212
姉のゐぬ故郷遠しつづれさせ 大石よし子 雨月 201212
窯跡の土のざらつきつづれさせ 大崎紀夫 やぶれ傘 201212
一水の音どこまでもつづれさせ 佐瀬晶子 ろんど 201212
読み止しの本へ戻れとつづれさせ 川上久美 ろんど 201301
古稀の友と語る夜更けのつづれさせ 有賀昌子 やぶれ傘 201302
小説に読み耽ける夜やつづれさせ 伊藤純子 201311
文章の綴れぬ夜のつづれさせ 岩下芳子 201311
五百羅漢の千の福耳つづれさせ 宮崎裕子 春燈 201312
父さんと呼ばれしは夢つづれさせ 小川玉泉 末黒野 201312
茶屋街の出格子灯りつづれさせ 錫木妙子 馬醉木 201312
千体仏の千の隙間やつづれさせ 浜口高子 火星 201401
一字づつ綴りて一句つづれさせ 佐藤淑子 雨月 201401
味噌蔵に天保の札つづれさせ 竹内久子 京鹿子 201401
つづれさせ恋の辻褄合はずけり 久保久子 湖心 201402
しあはせは姉妹其々つづれさせ 吉武千束 太古のこゑ 201411
珈琲はタープ下にてつづれさせ 箕輪カオル 201412
無言館に母の絵多しつづれさせ 成瀬櫻桃子 春燈 201507
街灯の届かぬ路地やつづれさせ 池田節 春燈 201512
染糸の干されて光るつづれさせ 辻水音 201512
漆黒の闇膨らますつづれさせ 嘉納祥子 馬醉木 201601
つづれさせ常夜燈より点りそめ コ井節子 馬醉木 201612
貞任の背にさめざめとつづれさせ 片桐てい女 春燈 201612
雨の日のこんにやく畑つづれさせ 黒滝志麻子 末黒野 201612
つづれさせ最後の客の風呂をぬく 中川句寿夫 あを 201612
つづれさせ跡絶えてよりの闇固し 清水節子 馬醉木 201701
耳が夜に馴染んできたりつづれさせ 岸洋子 201701
つづれさせ昔大工の道具箱 中川句寿夫 ここのもん 201705
誰彼の転びし話つづれさせ 江草礼 春燈 201710
看護の灯消えてまた点くつづれさせ 成宮紀代子 201711
古本に古き折めやつづれさせ 高橋ひろ 万象 201712
夜つぴてを止めることなくつづれさせ 瀬戸峰子 春燈 201712
縫ふ絎ける為付ける続くつづれさせ 瀬戸峰子 春燈 201712

 荷風創作ノート発見さる

推敲の筆の自在やつづれさせ

大西由美子 春燈 201712
つづれさせ聴きをり眼鏡拭いてをり 楠原幹子 201801
つづれさせ→ 2      

 

2023年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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