冬 耕 2      87句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬耕の農夫農婦に会話無し 山本無蓋 201204
玄米のやうな顔して冬耕す 松田都青 京鹿子 201204
冬耕す神降臨の峯仰ぎ 川端俊雄 火星 201302
冬耕の畝まつ直ぐに夕日まで 小河原清江 201302
いつの間に冬耕の人消えてゐし 藤生不二男 六花 201302
夕暮の爺の冬耕尊けれ 細川コマヱ 雨月 201302
父の跡継ぎて長男冬耕す 細川コマヱ 雨月 201302
冬耕の明日を信ずる拳かな 近藤ともひろ ろんど 201302
タンカーの玩具のごとし冬耕す 二宮一知 万象 201303
冬耕のふたり離れてまた寄れる 松本三千夫 末黒野 201303
冬耕を終え平らなる地に落暉 松本周二 かさね 201303
土を聞き土と話して冬耕す 中谷まもる ホトトギス 201304
ひろびろと黒々と冬耕され 山内四郎 春燈 201305
淡々と日差しを浴びて冬耕す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
冬耕の鍬へ遠目を効かせをり 能村研三 201401
さりげなく米寿と言うて冬耕す 大石よし子 雨月 201402
冬耕の真只中に墓ひとつ 甕秀麿 201402
神々も冬耕したり高天原 有本南陵 ろんど 201403
冬耕の途中忘我の時のあり 高橋将夫 201403
冬耕や晴天残し鍬洗ふ 佐藤喜仙 かさね 201404
だんまりを決む冬耕子農栄ゆ 藤兼静子 201404
冬耕の土黒ぐろと照り返す 池田喜代持 六花 201404
火山灰降る嶺そびらに冬耕す 室伏みどり 雨月 201501
冬耕の田は細波の海のごと 西村将昭 201502
冬耕や地蔵の丈に鍬上ぐる 小林朱夏 201502
軍手して三坪半を冬耕す 米澤光子 火星 201502
冬耕の田に餌をあさる鳥の群れ 後藤マツエ 201502
冬耕はいたはり心の鍬つかひ 豊田都峰 京鹿子 201503
冬耕のトラクター畑まつ平 鈴木礼子 末黒野 201503
冬耕の人消すシーツ干しにけり 山内碧 201503
冬耕の畝ならされて土真黒 渡邉孝彦 やぶれ傘 201503
整然と冬耕終へし近江の田 大橋晄 雨月 201503
田翁の土を宝と冬耕す 西村操 雨月 201503
冬耕の段々畑に日の斜め 佐藤貞子 雨月 201503
冬耕の村ふところに磨崖仏 西川みほ 末黒野 201505
冬耕の帰り仕度をせかす雨 稲畑汀子 ホトトギス 201511
丁寧に連山の裾冬耕す 和田ゑい子 馬醉木 201601
すばる見ゆ冬耕あとの土にほひ 藤井美晴 やぶれ傘 201602
冬耕や老いの一徹貫きて 吉永すみれ 風土 201602
冬耕や老ひたる鍬を高く振り 佐津のぼる 六花 201602
冬耕や雑草といふ元気もの 石田きよし 201603
冬耕の後を漁る鴉かな 長崎桂子 あを 201604
地虫らに手を合せつつ冬耕す 甕秀麿 201605
冬耕の土塊赤きひとところ 前田美恵子 201605
一徹の気性のままに冬耕す 森岡正作 201701
冬耕や老の憩へば皆いこひ 藤野力 馬醉木 201702
冬耕のほかはなすことなき在所 平田啓子 京鹿子 201703
冬耕の背に完熟の日向あり 原友子 201705
冬耕の明るき方へ方へ雲 中川句寿夫 ここのもん 201705
鍬弾く低き日差に冬耕す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
その中に命鋤き込み冬耕す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
霊山の風をまともに冬耕す 丸尾和子 雨月 201802
丹沢の頂しろし冬耕す 富田要 万象 201803
魚沼の晴れし山野や冬耕す 安原葉 ホトトギス 201804
冬耕の鍬へ日差を丸め込み 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
冬耕す地球に果てがあるやうに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
冬耕やひと畝ごとに腰伸ばし 小林朱夏(しゅか) 201902
冬耕機ぐいとや回り出でし跡 浅井青二 雨月 201902
冬耕の畝まつすぐに日本海 田中佐知子 風土 201902
冬耕の済みし畑を歩く猫 瀬島洒望 やぶれ傘 201903
冬耕の終へたる向こう電車見ゆ 本郷美代子 やぶれ傘 201904
山々と同じ日を浴び冬耕す 兒玉充代 201905
京野菜育て百年冬耕す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
日の恵み土の恵みに冬耕す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
冬耕の夫を呼ぶ声遠谺 川村清子 馬醉木 202001
冬耕の一打石火を放ちけり 曽根薫風 馬醉木 202001
冬耕の暮色曳きつつ帰りけり 中村風信子 馬醉木 202001
首塚の前の畑を冬耕す 中村風信子 馬醉木 202001
冬耕の坪の菜園豊かなり 中村風信子 馬醉木 202001
冬耕や手拭ねぢり鉢巻に 池谷鹿次 末黒野 202002
冬耕の畝の曲がりや私流 中貞子 202002
佐井寺の辺り冬耕始まれり 大橋晄 雨月 202002
冬耕のエンジン音のラップかな 中田禎子 202003
冬耕の影に入りたる遠田かな 藤生不二男 六花 202004
冬耕や見えないものを鋤き込んで 山田佳乃 ホトトギス 202004
冬耕のときをり解す土の塊 秋山信行 やぶれ傘 202005
冬耕に無疵の空の広がれり 原友子 202007
菜をすこし摘み冬耕の早じまひ 原友子 202007
冬耕を車窓に嵌めて五百粁 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
冬耕の人の影呑む山の影 本郷桂子 ホトトギス 202104
冬耕や土に日差の溶け込んで 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
冬耕や夕日と鍬を背負ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
冬耕に命生れゆく兆しかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
冬耕は夢を耕すことであり 高橋将夫 202202
雨の宇陀冬耕点となり消ゆる 橋添やよひ 風土 202202
冬耕の息鎮めんと杭になる 原友子 202205
冬耕の畝垂直に土の照り 井上和子 202210
冬耕→ 1

 

2022年12月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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